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「アネモネ…全171話完+α」
第一章 Change the World①

アネモネ010

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本日は、中々に衝撃的な?展開です。
R18というほどではありませんが、「司がほ、他の女と!!?き~ッ!」という方はお読みにならないことをお勧めしますm_ _m
とりあえず、飛ばしてもここの筋は推測できるように次を書きますので、以上、よろしくお願いいたします。
********************************

 仕事の合間に一服していたのか。
 夜景をバックに、重厚な執務椅子に腰かけ、長い足を投げ出して、男は紫煙を燻らせていた。
 指先に挟んだ煙草の灰が零れて床に落ちる。 
 そんなことにも気が付かないのだろうか。
 視線の定まらない昏い洞のような目が、入室してきたつくしを無感動に見つめ返す。
 だが、人形のように無機質な表情だったのに、つくしと目が合った瞬間から、まるで花が開くように劇的に変化したと
思うのは思い過ごしだろうか。
 人間の感情が蘇って、血の通わぬロボットだった青年が、人へと変化する。
 しかし、つくしにはそんな感慨を抱く心の余裕などなかった。
 「…なんだ?」
 「……」
 言葉をかけられても、驚愕なのか、それとも現実逃避なのか。
 とてもじゃないけれど、とっさに返答もできずに、つくしは口ごもった。
 …って、いうか、なんで、あんたはそんなに平然としてるのよッ! 
 そういう彼女自身、絶叫してこの場を逃げ出してしまわない自分が不思議だった。
 「おい?」
 「い、い、いえッ!その…いや、えーっと」
 やっと絞り出した声は、意味をなさないもので…。
 見たくはないのに、司の下半身…もっと言えば股間のあたりから視線を外せないままに棒立ちになってしまう。
 「ぁん…だ、代表?」
 陶然とした女が、やっと異変に気が付いたのか…突っ伏していた場所から顔を上げ、背後…固まったままのつくしを振り返った。
 ペロリと濡れた唇を舐める舌先が淫猥で。
 …つーか、こ、この人、いま…どこに顔伏せてた?
 いや、もちろんつくしにも、そこのところはバッチリと見えていた。
 女の頭でブツが見えないことは、不幸中の幸いなことであったのかもしれない。
 司の肌蹴たYシャツの胸元は、すっかり前ボタンを外され、筋肉質の腹筋を下った先、寛げたスラックスの前立てから顔をあげた女の顔が、つくしの目と合って驚愕にあの字に開いて絶叫しかける。
 「やッ!き………ん、んん…ぐぅ……」
 「…でけぇ声出すな」
 「んん…うぐ…ん…んん」
 とっさに塞いだ大きな手に悲鳴は飲みこまれ、事態を察した女が司の命令に懸命に頷いて、横目でつくしを睨んだ。
 奇妙な三竦み。
 いや…当事者のはずの、司だけは平然としていたから、実際にはつくしと…目の前の女秘書の間だけの緊迫感だっただろう。
 「…そろそろ、帰んのか?」
 「え、…あ、は、はい。そうなんですけど…」
 「俺に一々断り入れなくてけっこうだ。かったりぃし」
 「い、いやッ、その…、実は、あたしは代表の日本滞在中は、寝食をともにするようにと命令されています」
 実際には西田からの依頼だったが、司が拒否しなければそれがそのままの方針になるだろう。
 警視総監からも、着任先の指示に従うようにとは命令を受けていた。
 しかし…。
 …寝食を共に、とか、夜の相手、とか、ウゲッて思ってたけど、この様子じゃ。
 混乱した頭で、必死に思考をかき集めながら、平然としている相手にあわせて、つくしもなんとか冷静さを装おうと努力していた。
 「ふぅん、ま…仕方ねぇな。じゃ、帰るか。どうせ、西田あたりから、早めに帰らせるようにとでも指示受けてんだろ?」
 「…ええ、西田さんは、代表のお体の具合を心配していらっしゃいました」
 NYでの司のご乱行は噂に違わないことを、今目の前で確認した。
 けれど、その肉の削げた頬や、深い目の隈、それに明らかに痩せて以前より筋肉の衰えた体が彼の過労を顕わにしている。
 一見、荒んでいるようには見えなかった司の、荒廃の一端が見え隠れするのをつくしは気が付いていた。
 …仕事はちゃんとやってるみたいなのに。
 暴れてもいない。
 女色も謳歌する青年実業家。
 誰が見ても羨まれこそすれ。憐れまれることはないだろう。
 それなのに、目尻の皺が、けして笑い皺ではなくて、他人を威圧し嘲笑するときに細める仕草によってできた皺であることがわかって、つくしは締め付けらるような痛みを胸に憶え俯いた。
 「は、お体の心配ね。単に、身体を壊して、仕事が滞るが嫌なんだろうさ。とりあえず、OK。…俺も今日はあんま、あえて仕事してぇ気分でもねぇしな」
 「では、お車の手配を…」
 「ああ。15分くらい待たせとけ」
 「15分ですか?何か後片付けでも…?」
 あまりに淡々と指示を出されるので、いつの間にかつくしは彼の足元に蹲る女性の存在を忘れていた。
 怪訝に問い返すつくしに、司はクッと笑いを洩らし、ニヤリと笑って、視線を自分の股間へと移した。
 つられて司の視線を追ってしまったつくしの顔が、瞬時に真っ赤に染まる。
 あえて意識をそこから反らせていたと言うのに、司の視線につられ見てしまった。
 「15分くらいあれば、いい仕事出来んだろ?」
 囁きかけは、つくしにではなかった。
 「ぁん…はい、代表ぉ」
 猫のような喘ぎをあげて、司の長く美しい指先に喉を撫でられた女が従順に『仕事』へと戻る。
 「で、では!執務室の外でお待ちしていますッ」
 慌てて後ろを向いたつくしに、司の上機嫌な笑い声が追い打ちをかける。
 「ガキだな、お前」
 …何が、ガキよッ、この露出狂ッ。あんたは、なんたらいう不倫で失脚した大統領かっつーの!
 椅子はズラされて、執務机はなかったが、よもや本当に愛人を足元に忍ばせて、『不適切な関係』に耽っているとは思わなかった。
 腹立ちのままに、部屋を出て、ドアを閉めた途端、派手な嬌声が上がった。
 ギョッとしつつも、すでに先ほどまで席次を埋めていた秘書たちの姿はなかった。
 終業時間から2時間が過ぎていた。
 けれど、こんな大企業の秘書たちが、定時…もしくはほとんど残業もせずに帰宅するとは思えなかったから、この事態を見越して見ざる聞かざる言わざるの精神で、帰宅していったのだろうことは想像に難くない。
 『ぁあん…ツ、んん…ん………ぅっううぐ、うう』
 『もっと、奥まで飲みこめよ。舌も休んでんじゃねぇ』
 『だ、だい…うぐっ…………、んん……ぁ…ん』
 派手な狂乱がいつまでもいつまでも追いかけてきて、つくしの耳へと届く。
 「…でも、別に道明寺は結婚してるわけじゃないんだから、普通に恋人同士ってだけなのか」
 そう思えば、腹立ちも消え失せて…代わるようにこみ上げる何かと、震えが立ち上って来てつくしは口元を抑えた。
 気がつけば、半ば頭を抱える様に耳を両手で抑えて、ズルズルとドアを背に座り込んでしまっていた。
 …関係ない。
 …今のあいつが、どんな男だろうと、誰を愛していようと、あたしには何の関係もありはしない。
 ただ…あの日の自分を…、いまの自分を、もう二度と後悔しなくていいように。
 ただ…それだけで。





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