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「百万回の微笑みを愛の言葉にかえて」
第二章 熱い想いと見守る愛と

百万回の微笑みを愛の言葉にかえて046

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つくしSIDE)

 お昼休みはまだあったけど、胸元で鳴った携帯電話の着信音に溜息を一つついて、道明寺が席を立った。
 正直、道明寺と一緒にいた後で一人残されるのは居た堪れない。
 彼がいた時には遠慮していたヒソヒソ声がこれ見よがしに大きくなって、時にはわざとらしい大きな声で嫌味を言われることさえある。
 もちろん、そんなことを一々気にしていたら今更仕方がないことだし、どうせ道明寺が戻ってきたらピタッて止まる程度のたわいないものばかりだった。
 でも、今日はいつもとはパターンが違って、後からカフェに入ってきた男の子が、声をかけてきた。
 「あ!牧野さん」
 「ああ、村井君」
 同じゼミの村井君で、前年度に声をかけられたとおりに今は一緒に野々瀬教授のクラスを選択していた。
 気さくで明るい村井君は誰にでも人気があって、大概の人がF4と一緒にいるあたしを敬遠したり好奇の目で見る中、珍しく普通に接してくれる子だった。
 「野々瀬教授、インフルエンザでお休みだって」
 「ええ?ホント?」
 学内で流行している病が、ついにあたしたちの担当教諭にまで猛威を振るいだしたようだった。
 「確か、杉浦さんも怪しいって言ってたよね」
 「ああ、杉浦さん、やっぱりドンピシャだったらしいよ」
 村井君は友達も多いだけに情報通だ。
 「じゃあ、ゼミは休講かぁ」
 「まあ、仕方ないんじゃないかな。まだ始まったばかりだから影響少ないけど、ポカンと時間空いちゃったよね。でさ」
 「え?」
 キラキラした目が見下ろしてくる。
 なんとなく、そういえばそろそろ道明寺が戻ってくる頃かな、なんて気になった。
 別にゼミの友達と話してたからってどうってことないだろうけど、類や美作さんたちでさえ他人を委縮させることがあるのに、この場に道明寺なんてきたら、村井君、怖気ちゃうんじゃないかなんて余計なお世話かもしれないことが気にかかった。
 「せっかくだから、交流会兼てその空き時間でみんなで遊びにいかない?」
 「えー」
 「牧野さん、普段はバイトやなんかで何かと忙しいってあんまり付き合ってくれないけど、突然の予定変更だから、都合大丈夫でしょ?」
 確かに、貧乏学生だったから貧乏暇なしってやつで。
 ゼミ内での付き合いを考えれば、無愛想すぎるかなって前々から気になってた。
 …わざわざ内部進学生が少ないゼミとって、上手くいってるんだもん。
 たまには付き合いにも顔を出して、親交を深めたい。
 F4や桜子たちは得難い友人ではあったけれど、できたら普通の友達だって欲しいし、もっと交友関係を広げた方がいいって思ってる。
 「…えっと、その」
 「ダメかな?」 
 どうしようかと迷ったけど、諦めたように言われてとっさに飛びつく。 
 「行く!」 
 「え?いいの」
 「うん。あたしももっとみんなと仲良くなりたいし、参加するよ」
 「やった!じゃあさ、3限終わったら…」
 「おい、てめぇ」
 いいかけた村井君の後ろからかかったおどろおどろしいくらいの低い声に、思わず二人ビクッと体を揺らしてしまった。
 尋常じゃないほどドスが効いてて、何事かって思う。
 おそるおそる村井君が振り返ると、その後ろには案の定道明寺が仁王立ちしていて、額やこめかみに浮かんだ青筋や、獰猛な雰囲気がすっごく怖い。
 …ええ?どうして、なんで、この人、こんな怖い顔してるのッ?!
 「人の女にいい度胸してんじゃねぇかッ!」





司SIDE)

 「ひっ」
 怖気て一歩下がった男の襟元に手を伸ばして、掴み上げて引きずり寄せる。
 牧野にニヤけ面を見せていた顔が一瞬で青ざめて、ガタガタ震えだした。
 なんだよ、この俺の女に声かける度胸のわりに意気地のねぇ雑魚じゃんか。
 足を浮かせてやって、締め上げ下から凄んでやる。 
 「こいつに…」
 「やめて!」
 言いかけたところで牧野に組み付かれ、言葉が途切れた。
 男を吊り上げた腕にぶら下がられ、さすがの俺でもキツイ。
 「なにすんのよっ!村井君を離してよっ」
 けど、噛みついてくる理由が他の男だってことがシャクに触って、牧野が怪我しねぇように片手で庇いながら、締め上げていた男を力任せに放り投げた。
 ドンカラガッシャーンッ。
 「「「キャアアアアッ!!」」」
 「「「わあああぁぁっ!!」」」
 久しぶりに響く周囲の奴らの悲鳴が妙に懐かしい。
 「む、村井君ッ!」
 テーブルや椅子をなぎ倒して吹っ飛んでいった男に、血相変えて牧野が飛びつこうとするからとっさに抑えつける。
 「離して!」
 「…離さねぇ」
 「む、村井君が」
 「俺以外の男に触ろうとしやがったら、その男をボコにすんぞ」
 「なっ!」 
 まだゴチャゴチャ言いそうな牧野の肩を抱いて、さっさと踵を返す。
 別に殴ったわけじゃねぇんだから、大した怪我もしてねぇだろ。
 案の定、腰は抜かしてるみたいだが、頭を抑えながら半身を起こした男が、俺らを怖気づいた顔で見て後退っていた。
 「む、村井君、ごめんね!」
 まだ言いやがるか。
 牧野の関心が他の男に向いてるのが、ムカつく。
 俺と一緒にいる時によそ見なんて絶対にさせねぇ。
 いや…俺といない時だって、キョトキョトなんてさせるかよ。
 俺がNYにいる間、こいつをどれだけ野放しにしてたんだって、いまさらながらに思いついて焦燥感が湧き上がる。
 クソッ。
 やっぱ、のんびりこいつの記憶が戻るのなんて待ってられねぇ。
 さっさと婚約でも結婚でもして、こいつが誰のものかを周りの男どもに周知しとかねぇと安心して、おちおちと仕事もしていられない。
 とりあえず、この後、どこだかの重役と飯食う約束だが、あんな他の男にコナかけられて、遊びに行く約束なんて取り交わそうとしていたこいつを見てたら、牧野を置いて一人仕事になんて行く気になれなくなった。
 「やだ!離してよっ。あたし、まだ授業あるのにっ」
 「うるせぇっ、俺の目の前で他の男の誘いに気安く乗りやがってッ」 
 「そ、そんなぁ、ゼミの付き合いだよぉ」
 ビクつく牧野の顔が余計に俺のイライラを増長して、腹が立つ。
 ガンッ。 
 「きゃっ」
 腹立ち紛れに、目の前にあったゴミ箱を蹴り飛ばしたら、ゴミが散乱して、それがまたよけいに腹立たしい。
 「ゴ、ゴミッ」
 「…ほっとけ」 
 「な、なんで怒ってるのよッ。やだ、やだ、やだああっ!」





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