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「百万回の微笑みを愛の言葉にかえて」
第二章 熱い想いと見守る愛と

百万回の微笑みを愛の言葉にかえて043

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つくしSIDE)

 「なに、牧野の奴、テーブルに懐いてんだよ」
 美作さんの疑問符だらけの声が、頭上で聞こえる。
 「…さ?久しぶりのガッコで、早起きしたから寝たりないんじゃね?」
 平然と答える道明寺。
 お昼休み時の英徳のカフェ。
 高校生の時はいつもお弁当で、こんなバカ高いところへ来ることはなかった(記憶の中では)けど、大学生になって何度も足を運んだ。
 F3といればいつでも注目の的で、それなりに居た堪れない時もあったけど、今ほど穴の中にでも隠れたいって思うことはなかった。
 もうね。
 視線が集まっちゃうのは仕方ないと思う。
 けど、道明寺があたしに張り付くようにして一緒にいるようになってからこっち、周囲の妬みや嫉み、まるで衆人環視みたいな状況が、居心地が悪いを通り越して…もう早く家に帰りたい、それだけが頭に思い浮かんでしょうがない。
 それなのに、当の本人は平然、厚顔。
 あまつさえ、今までの紳士的?な対応はどうしたんだってくらいに、道明寺が調子にのってくる。
 まるで熱々の恋人同士のようなこの人の態度に、あたしはほとほど困り果てていた。
 「お、来たな、司」
 「よう。久しぶりだな、総二郎」
 交し合ってる挨拶。
 「お前、今日仕事は?」
 「ん…、飯食ったら、寺島が迎えに来る」
 …あ、仕事なんだ。
 「よ、牧野」
 「お、お姫様は、ようやくお目覚めか?」
 顔を上げた途端、両サイドから美形の笑顔が飛び込んできて、目の中に花弁が舞散った気がした。
 …だいぶ慣れた気がするけど、やっぱまだまだ慣れないよね。
 「…こんにちは、西門さん、美作さん、おそろいで。言っておきますけど、寝てませんから。ちょっと、疲れちゃっただけ!」
 「そうなのか?」
 意外そうに片眉をあげる西門さん。
 でも、キラキラした目が、笑い含んでいて、初めからあたしが寝ていなかったのに気が付いていたに決まっている。
 「この人がっ!」
 「…この人?」
 美作さんが向いた先、一人優雅にコーヒーなんて飲んじゃってる道明寺が、ん?と目だけをあたしへと向けた。
 うっ、直視しちゃったよ。
 朝から、あたしを見つめるこの甘々の眼差し!
 道明寺なんて、傲慢で冷血漢な男なんだろうな、ってくらいにしか印象になかった高校時代。
 それがあたしの入院先に現れた時から、その印象を覆されて、そして今日、この態度にずっと気恥ずかしくて、どうしたらいいのかってずっと悩まされていた。
 …わかってるよ、記憶をなくす前のあたしはこの人と付き合ってたんだよね。
 でも、やっぱりどうしたって、思い出せない今、すんなりそれに順応することなんてできない。
 「よけいなことは考えんな」
 「むがっ!…って、もうっ、気安く触んないでよッ」
 つい尖らせてしまっていた唇を摘み上げられて、その道明寺の手をあたしは焦って叩き落とした。
 「くくくっ、照れるなよ」
 笑われて、ムクれて、そんなあたしたちのやり取りをF2も楽しそうに見ている。
 「すげぇ、牧野、焦りまくり」
 「司、余裕あるじゃん」
 「開き直った…まあ、腹は座ったからな」
 そうなんだ。
 なんか、あの日…道明寺が体調を崩して寝込んだ日から、空気が変わった気がする。
 最初からあたしに遠慮なんてしてなかったような男だったけど、今日、久しぶりに面と向かって顔を合わせて、道明寺の変わりようにあたしは振り回されていた。
 …やっぱり、今までってあたしに遠慮してた、んだよね。
 肩を抱くなんて当たり前。
 隣にいれば必ず手つなぎしてきたり、腰を抱こうとしたりで、触れてない時がないくらい。
 もちろん、あたしは拒絶してたけど、あまりにしつこくて強引で、そのうち抗うのも面倒臭くなって、この衆人環視の中、それこそどこだかのバカップルよろしく、傍目にはいちゃついている状態を甘んじさせられて、よけいに疲れさせられていた。
 唯一道明寺がいないのは授業中だけ。
 やっと一息つける。
 そう思っても、先生が講堂に入ってもあっちでヒソヒソ、あっちでコソコソ。
 誰もが落ち着かなくって、先生ですらあたしを見ているような妄想を抱かされた。
 そして、休憩移動時。
 わっと群がられそうになったけど、そのたびに道明寺が現れる。
 あんた、授業ないわけ?
 そんなわけないよね。
 そしてどうやら、高校時代とは違ってちゃんと授業も受けているようなのに、あたしの授業終了に合わせて、この人はいわゆる出待ちをしているらしかった。
 「しかし、司、お前忙しんだろ」
 「まあな。お前らもそろそろ家の仕事手伝ってんだろ?」
 西門さんは首を傾げて、美作さんが頷いている。
 「俺はこれでも高校生の時から、家のことはやってるし。まあ、家元襲名まではあんまり今の状態はかわんねぇよ」
 「ああ、俺もまあボチボチやってんが、司ほどじゃねぇな。とりあえずは、4年までは自由にやらせてもらうつもりだ。俺らが授業もねぇのにわざわざこの時間にいるのは、ズバリ!もちろん、お前がガッコ来るの知ってたからだろうが」
 「はん、物好きな」 
 そういう道明寺の顔が、少し嬉しそうだと思うのは気のせいなのかな。
 でも、考えてみれば道明寺もまだ20才そこそこの青年なんだ。
 普通だったら、あたしたちみたいにまだまだ自由気ままに生きてたっておかしくない。
 それなのに毎日重責を担って、帰るのは午前様。
 出かけるのも早朝。
 仕事に学業にと、二足の草鞋を履いて日々、頑張ってるんだって改めて感心してしまった。
 「なんだよ、牧野が、お前を尊敬の眼差しで見てるぞ」
 噴出す西門さんをねめつけ、ソッポを向いた。
 「なんだよ、やっと俺様の偉大さを実感したか?」
 「…ただ、話聞いてただけでしょ?」
 たとえそれが本当のことでも、面と向かって本人に言えるはずがなかった。





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