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「中・短編」
拍手小話*①

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 打ち寄せる波、時々波打ち際に煌めく熱帯魚のきらびやかな魚体、サラサラと手の中をすり抜けてゆく
水晶のような真っ白な砂。
 はあああぁ、私なんだって、こんなところにいるんだろ。
 背後を振り返ると、赤と白のパラソルの下、長身のモデルばりのスタイルの男が、サングラスをかけたまま眠っている。
 なんだかなあ。
 膝を抱えたまま、小さな桜貝の貝殻を見つけては、水に投げ入れ小さな軌跡を見つめていたつくし。
 そもそも今日一日の本来の予定では、いつものように朝から午後4時までビッチリと詰まった大学の講義を受け、そのあと、受け持っている中学生の女の子に家庭教師をし、
帰りに夕飯のおかずの材料を買って、夕食の仕度。食事が終わったら、明日の講義の準備をしつつ、レポートを書き、今日の復習をして、道明寺からのメールをチェックしつつ、
ベッドに入る予定だった。
 それが…、家を出ようとアパートのドアを開けた瞬間。
 どこからともなく、見覚えのある黒服の一団が、つくしを取り囲み、これまた見覚えがありすぎる長大なダックスフンドのような高級車にねじ込まれ、道明寺家所有のジェットに
担ぎ込まれて現在にいたる。
 放せ、返せ、戻らせろ~!と騒ぎ立てるつくしに、道明寺家SP一同が涙ながらに取りすがり、
 「牧野さまに来ていただけなければ、私どもが酷い目にあいます~」
 デカイ図体で、強面な顔にウルウルと涙を浮かべ…新しい技を覚えたわね、この人たち、とつくしを呆れさせつつ引きずってきたのだった。
 そして、当のSPたちを震え上がらせる凶暴きわまりない野獣は、といえば。
 メイドたちに無理やり水着に着替えさせられ、道明寺家の別荘のプライベートビーチの一角に案内された当初から、用意されたパラソルの下、寝っぱなしなのである。
 実は、まだ、起きている道明寺に挨拶さえしていない。
 はあああぁぁ。
 再度、盛大に溜息を洩らし、とりあえず、今日のバカンス?の片割れの様子を見に、お尻についた砂を手で払いつつ立ち上がった。
 司の傍に腰を下ろしてみるも、司が目を覚ます気配はない。
 司の眠るビーチチェアの隅に片肘をつき、その手に顎を乗せつつ、改めて司の顔を観察してみる。
 こうして見ていると、野獣どころか人間じゃないみたいに綺麗な顔してるよね。
 内心ちょっと悔しい思いで眺める。
 特徴的なクルックルの巻毛、その下の堀の深い顔立ちはギリシャ彫刻の男性像のように端正だ。
 繊細で優美な曲線を描く眉、今は伏せられている長い睫に縁どられた切れ長の目。
 目の下にわずかに青黒いクマが浮いている。
 疲れてるんだろうな~。コイツがこんなに寝っぱなしなんて、そうとう無理してたんだよね、きっと。
 なんだか、子供みたいな寝顔の司が哀れになって、よしよしと起こさない程度にそっと頭を撫でる。
 わずかな瞼の震えに、起こしてしまったかと照れくさくなって手を引っ込め様子を見守る。
 だが、すぐにまた寝息が聞こえだして、つくしはホッとして、司観察に戻った。
 起きる心配があまりなさそうで、今度は少し大胆になって、視認観察に手での触感観察を追加する。
 もちろん、起きてこられたらメチャ気まずいので、寝息と相談しての慎重な行動だ。
 細く高い鼻梁、幼さのすっかりなくなった精悍な頬、少し痩せてこけてしまった気もするけど、少しも司の美しさを損なうものではなくって、少し憂いがでて色っぽい。
 やだ、何が色っぽいよ。
 自分の心の中で思ったことに、自分でテレてしまっている。
 薄めのほの赤い唇。
 指先ですっとなぞれば、少しだけ唇が開いて、なお赤い舌が垣間見えた。
 この唇は、二人っきりの密やかな夜、何度となくつくしの熱い恋情を燃え上がらせたことか。
 この舌がいかに巧みにつくしの欲情を引き出し、恥じらいを捨てさせ、その欲望を滾らせるかよく知っている。
 出来心で唇の先をツンと突っついた瞬間、ペロリと濡れた舌先がつくしの指を舐めあげた。
 「ひゃああ!」
 驚いて小さく悲鳴を上げて引いたつくしの手を、ガシリっ!と突然、寝ていたはずの男が掴み上げた。
 「ど、道明寺!?」
 そのまま男は、つくしの手を自分の口許に持っていき、指先をチュ、チュっと口づけし、仕上げに手のひらをベロリと舐めあげる。
 「お、起きてたの?やだ、何すんのよっ!変態っ」
 クククっと含み笑いを洩らし、取り返そうとするつくしの手を男の力で抑えたまま、上目使いで見上げてくる。
 うっわ、なんか洩れてる、絶対なんかいま、洩れだしてるっ!
 ダダ洩れに洩れてくる濃厚な男のフェロモンに、つくしの脳がクラクラと眩暈を感じる。
 「楽しかったか?」
 だから、とっさに突然言われた問いに反応できなかった。
 「え?何?」
 「俺が寝ている間に、俺に悪戯してただろう?やばかったな。俺が起きなかったら、この先、どうされていたことやら」
 「ば!バカ言わないでよっ。つ、疲れてる顔してるなあって、ちょ、ちょっと心配して眺めていただけでしょっ!?」
 焦っていうシドロモドロな言い訳が我ながら、嘘くさい。
 い、いや、嘘じゃないもん。
 自分でも怪しいのだから、司が納得するわけもなく、嬉しそうにイヤらしい笑みを浮かべてくる。
 「…本当か?ずいぶん、涎垂らしそうな顔して俺を見ていたみたいだけど?」
 「じょ、冗談いうなああああああぁぁ!だ、だれ…っぶっ!」
 恥ずかしさのあまり怒髪天をついて立ち上がろうとしたつくしの腕をいきなり引っ張り、司はつくしの頭を自分の胸に抱え込んだ。
 そして耳元に唇を寄せ、甘噛みするように舐めあげる。
 ひ~。
 「俺は全然、嬉しいけど?お前が俺にむしゃぶりつこうが、襲い掛かってこようが、いつでもオッケーだぜ?」
 含み笑いながら耳に吹きかけられる甘い息遣いが、つくしの背をゾクゾクと震え上がらせる。
 や、やだ。
 声にしようとして、飛び出てしまったのは…。
 「あっ…ん」
 うぎゃあああぁぁ、ちょっと、待て!?
 司はそのまま、つくしの耳から唇を移動させ、長い黒髪をかき揚げ、うなじにキス。
 片方の手はいつの間にかつくしの腰をガシっと力強く掴みつつ、柔らかいタッチで撫で上げている。
 そうして、もう一歩の手は水着の上から、緩く優しく、胸の膨らみをやわやわと揉みあげていた。
 「あ、だ、ダメ、道明寺。こ、こんなところで…」
 抗う声は小さく、弱々しい。
 少しづつ上から下がってきた唇は、つくしの顎の下、喉元に吸い付きながら、甘く切ない口説き文句を囁き続ける。
 「…ここは俺んとこのプライベートビーチだ。誰も来やしねぇよ。ずっと、こうしたかった。何度夢見たことか。お前が本物だと、俺にわからせてくれ。
夢じゃねぇよな?」
 官能の疼きに小刻みに震えつつ、抱き上げられた視線の下、司の欲望に潤んだ甘い眼差しと出会う。
 つくしはその目に、吸い寄せられるように唇を落とすと、司はスッといつもはキツイ光を宿す三白眼を静かに閉じる。
 瞼にキス、頬にキス、鼻先にキス。
 そして、わずかに開いた、つくしだけに許された唇にキスをする。
 招き入れられた熱く、甘い司の口腔内で、柔らかく溶かされ、つくしは司の愛の中にドロドロになって耽溺する。
 「愛している」
 囁いたのはどちらだったのか。
 *
 南の島の休日。
 青い空も、深い蒼の海も。
 この空の下、たった二人だけ。
 いつまでも、二人の影は重なって、離れることなど思いもよらぬように寄り添い続けた。



(~Fin~)




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じゅり様^^

こんばんは^^

いいですよね~、触りがいのある美形の男!

よく3日で美人は飽きるといいますが、どうなんでしょうねぇ?w

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