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「昏い夜を抜けて…全483話完」
第四章 発覚②

昏い夜を抜けて150

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 「来な」
 手を差し出されて、迷ったものの、つくしはおずおずと類の手をとった。
 その途端、強引な手に巻き込まれて抱き寄せられ、濃厚なキスを受けて、足をガクガクとふらつかせる。
 ひんやりとした指先とは裏腹な熱い舌が、驚いて逃げ惑うつくしの舌に絡みつき、彼女の口内を舐めまわす。
 飲み込み切れぬ唾液が溢れて、顎を伝い落ちた。
 「ん…ぅふ…ん……」
 キスとキスの合間、息継ぎの為にわずかにあけられたつくしの口から、甘ったるい喘ぎ声が洩れる。
 その声に含まれた自分自身の欲情に、つくしの頭がカッと燃え立った。
 ペチャクチャと二人がたてる淫靡な水音が、耳からつくしの脳を犯し、更なる羞恥と興奮、そして陶酔へと引き込んでゆく。
 やっと解放されたキスに息を荒げ、意識を朦朧とさせたまま呼吸を整えるつくしに休む合間もなく、類の指先が彼女のうなじ、首筋、鎖骨を撫で、衣類の上から胸の膨らみを柔らかく揉んだ。
 類の唇に顎の下や耳朶の弱いところを軽く吸われ、舐められるたびに、ゾクッとした快感が背筋を駆け巡り、つくしの腰から力を奪う。
 腰砕けに座り込みそうになっていたつくしのひざ裏と首筋に手を入れられ、気が付けば類に横抱きに抱き上げられていた。
 「………ぇ?」
 気が付かぬうちに、類の寝室へと連れ込まれ、ベッドに優しく降ろされる。
 朦朧としていたつくしの意識が覚醒し、驚いて身を起こそうと上半身を浮き上がらせかけた。
 だが、自分も手早くアンダーウェアごとシャツを脱ぎ捨てた類が、すぐに覆いかぶさってきて、制止しようとしたつくしの手に手を絡め拘束したまま唇を塞いだ。
 すぐにキスは深められて、先ほどの濃厚なキスと愛撫の余韻にまだ酔っていたつくしの意識はすぐに飲み込まれて霞がかった。
 いつの間にか、キスをしながら器用な男の指先が彼女のブラウスのボタンを外し、ロクな抵抗もできぬままに、キャミソールをはぎ取られてしまう。
 ブラのホックまでも外され、直に触れる類のひんやりと冷たい感触につくしは肌を粟立たせた。
 もちろん、それはただ冷たさを感じているだけではく、間違えようもない官能への期待と疼きそのもので。
 「る、類、待って、待ってっ。で、電気消して」
 唇が離れたすきに、懸命に飛び散っていた思考をかき集めて、せめて…と訴える。
 が…。
 「たぶん、電気は消さない方がいいよ。平気、恥ずかしがることないから。牧野の体で見てないところなんてない…外も中もね」
 「なっ」
 さらりととんでもないことを言われ、睨もうと顔を上げると、濃厚な色気をまとった男の眼差しと出会う。
 日頃、類の美貌は王子様と称されるほどに甘やかで、あまり男臭さを感じさせるものではないのに、そうしていったん欲望を滲ませると壮絶な雄の色香を放つ、強い磁力で女たちの欲望を募らせた。
 そして、それはつくしにとっても例外ではなく…。
 類の言う通り、そんなことで恥ずかしがるほど、もう初心なわけでもないし、彼に知られていなところなど何一つないのだろう。。
 自虐的にそうは思うものの、それでも元来性的に奥手なつくしには、こうやって煌々とした電気の下で抱かれることがひどく恥ずかしかった。
 何度肌を合わせて抱かれても、この美しい男に裸を見られ、すべてを暴かれることに恥ずかしさを覚えずにはいられない。
 そんなささやかな女心を傷つけられて涙ぐみ、唇を噛みしめるつくしに類は一つ溜息をつく。
 そして、長い指先で唇をなぞり、噛むのをやめさせ、優しい触れるだけのキスを繰り返した。
 羞恥と哀しみで目を潤ませ顔を赤らめていたつくしが、うっとりと陶酔で目を潤ませ顔を赤らめさせるまで…。
 「…恥ずかしかったら、こうやって」
 こうやってのところでつくしの目を手で覆い、瞼を伏せさせる。
 「目を瞑ればいい。でも、怖くなったらまた目を開けて?」
 手を離され、再び瞼を開けたつくしの目一杯に、類の美しい美貌が映り込む。
 そしてその端正な顔が落ちてきて、つくしの滲んだ涙を優しく唇が吸った。
 柔らかい労わりに満ちた感触と仕草に、胸の奥がキュッと小さく音を立てる。
 その甘苦しい感覚に、つくしは悶え苦しんだ。
 捕られたくない。
 類にこれ以上、心を奪われたくないと願う後から、この美しい悪魔はつくしの切なる願いを嘲笑うかのように嫣然と微笑み、誘惑を投げかける。
 「……あんたが一番怖いもん」
 震える声はそれでも、甘えと確かな欲望を含んでいて、そんな自分の『女』が哀しくて、憤ろしくて…口惜しかった。
 「あんたと…正輝さんとで、何が違うの?正輝さんは暴力であたしを支配しようとして、あんたは権力と脅迫であたしを縛りつけてる」
 そしてつくしでは決して叶わぬ男の力で、つくしを蹂躙し、踏みにじった。
 何が山崎と違うというのだろう。
 どうして、それなのに、この体は類を受け入れてしまうのだろう。
 その大きな胸で抱きしめて欲しい、温めて欲しいと身を震わせてしまうのか。
 この卑劣な男に体だけではなく、心までもが絡めとられて…。
 自分の心なのに、体なのに…心底、このカンケイが嫌だと思っているのに、類のひんやりとした指先を、熱い唇を拒み切れない。
 いまは…それが契約だと自分を誤魔化しながらも、それでもいつの日か、それだけでは誤魔化しきれない自分を知ることになるだろう予感に、つくしは瞠目する。
 「……それでも、あんたは女で、俺は男だよ。俺は今、あんたが欲しいし、あんたの体も俺を受け入れてる」
 類の唇が頬をすべり、息を吹きかけるようにつくしの耳元で囁く。
 「あんたの熱い肌に触れて…今はただ何も考えずに抱き合って眠りたいんだ」




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