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「中・短編」
拍手小話*①

初寝の朝に

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 優しい朝の光が差し掛かり、ほんのりとした眩しさに少しづつ覚醒してゆく。
 素肌にかかったシーツのスルッとした感触が気持ち良くって、ついついもう少しだけ眠りたいと、あたしは深く潜り込む。
 温かい~。
 触れた肩先の温もりに嬉しくなって、頬を寄せて…、
 え…?
 まだ寝ぼけて半覚醒状態だった脳に、一気に血流が流れ込み、おそるおそる気が付かれないように片目を開けてみた。
 まず目に入ったのは、程よく筋肉がついてすべすべとした広く逞しい胸、ドキッ。
 ちょっと、それだけで怯んでしまいそうになったけれど、勇気を出して少しづつ視線をあげてみた。
 綺麗な弧を描く喉仏、完璧な造形を形作る顎の線。
 あ、薄らと髭が生えている。
 あまり髭も体毛も濃い方ではないみたいだがら、気が付かなかった。
 そんな発見に、よけいに男の色香を濃く感じて、私は顔の熱が更に上がるのを感じる。
 昨夜、私を熱くさせたセクシーな薄い唇は、いまは薄らと半開きに開けられ、すーすーと小さな寝息を立てて、今は無邪気な少年のようだ。
 すっと通った鼻梁、長いバサバサの睫毛に囲まれた切れ長の目。
 起きている時は三白眼で、キツかったり鋭かったり、この男の眼力は彼のオーラと相余って周囲をひれ伏させずにはいられない
帝王の覇気を発散させているというのに、いまはピクピクとわずかに目元を震わせ、綺麗なお人形のようだ。
 優美な眉は、女の人のように繊細で、こうしてみると、どんな絶世の美女の顔にも匹敵する美麗な男だった。
 生きて、息をしているなんて信じられない。
 て、いうか、この状況が信じられない。
 自分の体に回された長く逞しい腕は、私の腰をしっかりと抱きしめ、足は私のそれに絡まるように挟み込んでいる。
 私、昨日、道明寺と…。
 意識してみれば体の奥深く、下腹のあたりにじんわりとした鈍い痛みがあり、全身が気怠い。
 どこか甘い痛みを意識した途端、昨日の情事が脳裏に蘇ってきて、普段は荒っぽい男の優しい手の感触が腰に触れる手にダブり、
再び甘鈍い痺れが湧き上がってきて、熱い頬を両手でそっと抑えた。
 やだ、私ったら。道明寺とこんなことしちゃったから、Hになっちゃったのかな。
 「う…ん」
 身動ぎした気配に、ハッとふり仰げば、茫洋と視線が私を見つけ、しばらく瞬いていたけれど、次第に焦点があってくると、ふわっとこの上なく幸せそうに微笑んだ。
 うわあっ。
 めちゃ綺麗。
 チュッ。
 蟀谷に落ちてきたキスに、思わずギュッと目を瞑ると、今度は唇にキス。
 「…はよ」
 「お、おはよう、道明寺」
 視線を受け止めることができなくって、俯く私の頬を撫で、反対の手で腰のあたりをゆっくりと優しく撫でてくる。
 「…身体、大丈夫か?」
 優しく問いかけてくる道明寺に、なんて返事をしたらいいのかわからず、俯いたまま唇を噛む。
 頭の中は真っ白で、ただただ恥ずかしさが感情のすべてを支配していて、どうしたらいいのかわからないんだ。
 「牧野?」
 再度、問いかけられて、いっぱいいっぱいの気持ちで、頷き返す。
 「だ、大丈夫だよ。うん、へ、平気」
 「そっか」
 こんなに柔らかい声が出せる男だなんて、思わなかった。
 ギュッ身を固くして目を瞑ったままでいたら、頬を撫でていた手が首筋を伝い、キュッと耳たぶを軽く捻った。
 「ひゃっ」
 思わず出てしまった声に、少し荒くなった道明寺の唇がねっとりと耳を舐め始める。
 「ど、道明じぃっ!」
 上ずった自分の声が自分の声じゃないようだ。
 そのまま耳を下った手は、首筋に戻り、私の鎖骨を彷徨い、胸元を逡巡する。
 そして、腰を撫でていた反対の手は、スルッとまだ痺れて感覚のない下腹へと…。
 とっさに、その手を掴んでいた。
 「…っ!」
 「牧野…?」
 怖々と見上げた道明寺の顔は困惑に、眉根を寄せていた。
 怒っているようじゃないけれど、どうして私が拒むのか理解に苦しむという顔をしている。
 そんなの私だってわからないんだから、道明寺にわかるはずなんてないよね。
 「な…んだよ、お前、泣いてんのか?」
 気が付けば、両の眦からはとめどもない涙が溢れていて、自分でもわからない、どわっとした感情に支配されてしまっていた。
 目覚めた時、あんなに幸せな気分だったのに。
 そして今も、別段、哀しいわけでも苦しいわけでもない。
 触れる肩先が、腰に回されてしっかりと抱きしめてくる道明寺の腕が、すべてが愛しくて愛しくて、このまま時が止まってしまえばいいってあんなに思えたのに、
私はどうしたというんだろう。
 道明寺はそっと体を起こすと、片手を私の頭の横において覗き込んできた。
 声もなく泣く私に、最初は困っていた道明寺も、次第に傷ついたような哀しい顔で見つめ返してきた。
 「牧野、お前いやだったんか?」
 私は考える間もなく、否定に首を横に振っていた。
 「じゃあ、俺が怖いんか?」
 そんなことありえない!
 強く否定して首を振る私に、道明寺はホッと安堵の溜息をついた。
 「じゃあ、新しい自分に、戸惑ってんだよな?」
 言われてみて、ハッと私は道明寺を見返していた。
 「…私」
 私を見つめる道明寺の顔は、どこか切なげで、ひどく甘い。
 「愛しくて愛しくて、時々、お前をどうしていいか、自分はどうしたらいいのかわからなくなる時がある」
 涙を流し続ける私の両頬を、道明寺の大きな手が包み込む。
 「そんな時、俺も無性に泣きたいような、哀しいような、でも幸せな気持ちが溢れてくる」
 「道明寺も?」
 「ああ。お前、やっと俺の気持ちに追いついたんだよな」
 ふわりと微笑む男の顔は、この上なく綺麗で。
 それは、造形的な美しさの何倍もの魅惑を放つ美しさ。
 「道明寺、好き」
 「ああ」
 「愛してる」
 「うん」
 道明寺の首に両腕を回し、伸び上って唇にキスをすると、道明寺は私の体を引き上げ、強く強く抱きしめてくれる。
 向かい合って男の膝の上に座ったまま、私はその胸に身を投げ出し、この幸福に酔った。
 「俺はもうとっくに、俺の恋心も、愛情も、幸福も、すべてお前に捧げつくしてる。だから、もっと俺を好きになれ」
 熱い心を伝えてくる漆黒の宝石の眼差しに焼き尽くされ、私はそっと目を閉じ、熱い口づけに酔った。



(~Fin~)




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ゆっち様^^

拍手小話、お気に召してよかったです^^
イメージをいただいていたのですが、果たしてイメージに沿うかどうか、あまり自信がなかったのですが、ひとまずホ。身に余るヨイショまでいただいてルンルン♪
私も、いつも素敵なコメントをくださるゆっちさんが大好きです♡(恥かしい、キャッ…とちょっと若い子ぶってみるw)

今日の記事も気に入っていただけたようで良かったです~^^!
果たして大人の読みに耐えうるR18になるか、難しいものですよねぇ^^;;

しっかし、司君も朝っぱらから頑張ってたら、夜まで体力持つんでしょうか^^;
(自分で書いてて言う言う)

ケロイドはそう、他人の人生を生きているつくしちゃんにとって、土星のネックレスと同じく、唯一自分自身を確認するよすが。他人にとっては目を背けるような悲惨さがあるんですが、それを何食わぬ顔で平然と触れられる…ってところに、私的に良かない?良かない?と重点を置いてみました^^

まあ、つくしちゃんにしてみても、ここにきて司と再会するのは予想外のことで、いろいろと戸惑いがあって、さらにこんな関係になったことに、困惑があるんですねぇ。
男はなんだかんだ言っても女と違ってよわっちい生き物だから♪いまいち腹は座ってませんが、なんだかんだ言ってもつくしちゃんは、男に守られるより守ってあげたい女なので、大きな男よりそんなみみっちい?w司君を愛してあげられると思います。で、つくしちゃんに守られて大きくなる男ってどうよ!(と、迫ってみるw)
でも、今の司君も好きだと言ってくださって嬉しいですわ^^

「愛の反対は無関心」マザーテレサがそんなことをおっしゃってたんですねぇ。話はまったく違いますが、
幼児虐待の一つにネグレクトつうのがありますが、あれも育児放棄…つまりは無関心な親が原因ですものって、あれ?司君てなにげにネグレクトされた子供?いえ、楓さんも密かに愛していたらしいですし、お金持ちゆえに物質的には育てる手には困ってませんが、いくら愛してたって人間他哺乳動物ってスキンシップないとどうしても歪んじゃいいますものねぇ。やっぱ、人様に嫌われる行動とる司君て、見てみて~の幼児行動だったんですねぇ^^;

お体、調子悪いとのこと。先日も熱を出されて、お仕事もとても激務のようですので、心配です。がんばれ、がんばれ、と言うのは言いやすいことですが、頑張っている方はあまり頑張りすぎない程度に適度に頑張ってくださいね^^親からも能天気と呼ばれる(いえ、そんなに明るくもないんですが^^;)私は、思いっきり適当にやってます。

また、楽しいコメントお待ちしておりま~す!

翔様^^

ほほほ、そうなのですよ、何気に拍手でも小話あげてたりして^^
まあ、本当に、単なる思い付きと勢いだけで書いてる話なので、なんの設定も、ストーリーもないんですが、
気に入っていただけて嬉しいです!

「彼氏彼女」は、いつもコメントをくださる方に、こんなお話読みたいな~とリクエストいただいて書いてみたお話なのですが、気に入っていただけて良かった^^
小話ではさすがに深い設定はできませんが、この先も、ラブラブ路線か、コメディタッチで頑張ってゆきますので、よろしくです^^!
切ない系…うーん、短すぎて無理かな^^;書こうと思えば書けそうですが、最後がハッピーエンドにするのは難しそう。それだと、私の主義に反しちゃうし。
なんて、これからもよろしくです♪

Rはお気に召しているとよいのですが。

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