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「Fly me to the havenシリーズ…36話完」
高校生編①

ドキドキの法則14

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 でも、あたしのこと…その綺麗だって言ってくれたよね。
 あたしの情けない恰好を見ても、超ドン引きって感じでもなく、むしろ熱い眼差しを注がれていたように思う。
 ん?でも待て待て。
 確か、それってあたしが身支度を整えた後のことで、素っ裸で(う、すっごい生き恥~)大の字になっていた時に、こいつがどんな顔をしていたかなんて、当然見ていない。
 もしかして、気を使ってくれていただけで、やっぱり、「すげぇ、鶏がら。萎えるぜ」とか、「その気になんてなるはずねぇよな、こんな貧弱な体じゃ」とか思っていたってこと?
 ショックな気持ちを悟られたくないのに、どうしても上手く表情を作れなくって、あたしはあえて作った空元気で立ち上がる。
 「そ、そっか。それじゃあ、しょうがないよね。ショップの人ってどれくらいで到着するの?」
 振り向かずに仁王立ちなんかしちゃってるけど、内心、哀しい気持ちでいっぱいだった。
 あれほどさんざんこいつに我慢させておいて、今更何だと言われそうだけど、でも、やっぱりあたしにそういう気持ちが起きなくなってしまうなんて。
 これでサッパリ、高校生らしいピュアなお付き合いができるじゃないの、なんて意地を張ってみるけど、…じゃあ、それって普通の友達とどう違うの?なんて考えてしまってしまい、もうダメだった。
 やだ、絶対、こんなことで傷ついているなんて悟られたくない。
 そんな惨めな思いをするくらいなら、勢いに乗ってこいつと別れてしまった方がマシだ。
 こんなくだらないことで…と思う冷静な気持ちと、もう何もかもどうにでもなれというやけっぱちな気持ちが交互に襲ってくる。
 「ん~、準備もあるし1時間くらいくれっつーてたから、それくらいで来るんじゃねぇの?」
 「そ、そっか。そりゃそうだよね…」
 後が続かない。
 あたしのそっけない返事に道明寺の方もどう感じているのか、妙に気まずい空気が流れて、沈黙しがちになってしまった。
 「……なあ、お前さ、もしかして」
 その続きは聞きたくない。
 普段、無神経なんだから、それらしく何にも気が付かないでよっ!
 よけいな詮索をされたくなくって、あたしは無理にはしゃいだ声をだし、振り向いてニッコリ笑った。
 …多少引き攣っててもしょうがないくらいに思ってたけど、真っ赤な顔して照れてるくらいだから、なんとか誤魔化せたよね。
 「ど、どうするよ、腹減ってんだろ?」
 そういえば、そんな話をしてたっけと思うけど、さっきお腹がなったわりに、ちっともそんな気持ちになれなかった。
 食欲なんか失せちゃったよ。
 「ん~、どうせ、ちょっとしたらお邸に帰るんだったら、別にいいかな。1時間って短いようでかなり時間あるよね?」
 「だな。どうすっか、暇潰ししようにも、外出るわけにはいかないし…」
 そんなにあたしを見たくないとでもいうのか、視線をキョロキョロさせる道明寺が不審だ。
 前だったら、何か変なことを考えてるんじゃないかと疑ったところだけど、道明寺の真意を悟ってしまった今となっては、もうそんな己惚れたことは考えなかった。
 それでも優しいし、あたしのこと嫌いになったってわけじゃないよね?
 気を取り直す。
 別に、そういうことはおいおい、そういう感じになったらその場の雰囲気に任せて…って思ってたし。
 いつかあたしの貧弱な体でも気にしないって思ってくれるようになるかもしれない。
 そうだよ、じっくり!というわけではなかったけど、前にも何度か見られちゃったことだってあったんだから、あたしのことを好きな気持ちを持ってくれているんだもん、またその場の雰囲気に高まって…なんてこともあるよね。
 なんだか、妙に悲観していた気持ちが、少しだけ上向きになる。
 いつの間にか、怖かったはずなのに、逆にそう思ってくれるかなという不安と期待に心が揺れてるなんて、おかしなもんだ。
 いつまでもつまんないことでクヨクヨしてるなんてあたしらしくない、と吹っ切った。
 そう思い定まれば、さっきまでドキドキでろくに周囲を見回す余裕もなかったことに気が付く。
 「あ、テレビある」
 「あ?」
 「テレビでも見て時間潰そうか?」
 こういうふうに時間を持て余した時には、とても重宝するアイテムだ。
 時間を確認すると、ゴールデンタイムまっただ中。
 今日は道明寺邸に泊まることが決まっていたから、録画予約してきたけど、いつも楽しみにしているバラエティ番組でも見ようかと、一応道明寺の意向を尋ねる。
 「ね、あんたなんか観たいものある?」
 「いや、テレビなんてめったに観ねぇからな。なんだよ、お前、テレビなんか観てぇの?」
 「うん、ちょうど観たいのあったし。観よ観よ」
 渋る道明寺を放置して、あたしはテレビの前のソファに腰を下ろした。
 なんだか気が進まなそうだった道明寺もすぐ隣に腰を下ろしてきて、すかさずあたしの肩を抱き寄せる。
 なんとなくいつもみたいにドキマギする感じじゃなくって、妙に冷静に顔を見返すと、少しも変わらない甘い笑顔で微笑みかけてくれた。
 …ホントに、あたしのこと別に嫌いになったわけじゃないんだ。
 まだ、心の奥底の自尊心が傷ついて軋んでいる気はしていたけど、それでも、髪を優しく撫でてくれたり、かきあげた髪の隙間からもぐりこんできた唇がキスをしてきたりして、あたしはくすぐったさにクスクス笑って憂鬱な気分も慰められた。
 そうだよ、こういうのってかえっていいじゃん。
 やたらと意識しまくってたけど、道明寺にその気がないってわかれば、ちょっと過激なスキンシップだとは思うけど、これ以上怖いことは何もないんだもん。
 ビバ!鶏がら!、ビバ!!貧乳!!(←今日は見られてないけど)。
 なんだか無理矢理な納得の仕方だったけど、とりあえず深く突き詰めることはやめて、道明寺を横に張り付けたままでポチリとテレビのリモコンをつける。
 大アップに写った肌色とモザイク。
 「……」
 「……」
 『あはぁ~ん、あああああ~ん、あんあんあん。いいのうぅ~』
 グチュ、グチュ、ズジュッ。
 ズームアウトした画面に、折り重なった男と女が思いっきり大胆なポーズで絡み合っていた。
 こ、これって…。





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