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「Fly me to the havenシリーズ…36話完」
高校生編①

ドキドキの法則13

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 今なんて言った、こいつ?
 普通のホテルならともかく、いかにもなこの場所へ、他人を呼ぶなんて正気なの?
 それどころか、道明寺御用達の高級ブティックの店員だ。
 でも道明寺は冗談どころか、大真面目。
 「ちょ、ちょっと、待ってよ?お店の人がこれから、ここへ来るの?」
 「ああ、服と下着一式、それにコートや靴も持ってこさせる」
 …意図はわかるわよ、意図は。
 でも、それにしたって。
 「……服とかはともかく、コートはいいよ。買ってもらったやつがあるし」
 視線の先には、ハンガーにかけたコート。
 軽く水けを落としたから、そんなに型崩れはしていない。
 でも、道明寺は案の定、
 「そんなん着れるわけねぇよ、捨ててけよ」
 「え?そ、そんなんできるわけないでしょっ!?」
 「…お前な、予想通りの台詞吐きやがって」
 予想してたなら、最初から言うな!
 でも、ここでちゃんと反対しておかなかったら、やっぱり道明寺は平然と買ってくれたコートを捨ててしまうんだろう。
 そんなの嫌だ。
 「違うの買ってやったと思えばいいじゃん。一応、デザイン違うの持ってこさせてっけど、どうしてもそれが気に入ったなら、同じやつも取り寄せるし」
 あたしが黙っていたら、迷っていると思ったのか、重ねて言ってくる。
 「いいの!大切にするって言ったじゃん。デザインの問題じゃないのっ!あたしはこれがいい。クリーニングもっていけば、全然平気だから、他のなんていらないっ」
 「…お前な」
 これだけは譲れない。
 たとえ、多少型崩れしてたって、あたしは全然平気だし、よしんば着れないくらいに痛んでしまったって、捨てたりなんてとてもできない。
 だって。
 「だって、あんたが買ってくれたものだもん。それなのに捨てるとか、そんなことできるわけない。絶対嫌だよ!」






 ズキューン。
 今日は何回、こいつに撃ち殺されたのか、わかんねぇ。
 ウルウルした目で俺を上目使いに見上げて、両手を組んで言うセリフが、俺の買ったものだから捨てられない…。
 マジかよ。
 普段ツンデレのこいつが吐く甘いセリフの破壊力はメガトン級で。
 今日は地球最後の日かというくらいの威力で、俺へと理性を粉々にするべく猛攻撃を加えてくる。
 「……わかったよ。しょうがねぇな」
 赤くなった顔を見られたくなくって、わざとソッポを向いて、牧野をチラ見する。
 パアッと明るく笑顔が広がって、もう俺の頭の中は、ハレルヤ状態。
 ……これで俺に我慢しろとか、もう…天国なんだか地獄なんだか。
 いったい何と戦ってるんだと、自分の理性と本能のハルマゲドンにツッコミを入れながらも、振り子のように戦況は一進一退だ。
 「……でも、本当にここに店員さん、呼んじゃったの?」
 困ったように自分のバスローブ姿を見下して、牧野がもじもじしている。
 「ああ、安心しろよ。こっちを訪ねてくるけど、別に持って来たもん受け取るだけで、中には入れねぇから」
 「う、うん。……て、あれ?あんたもバスローブ??」
 やっと今頃気が付いたのか、俺の生乾きの髪や、バスローブ姿に、目を瞬かせてる。
 まあ、俺の姿どころじゃなかっただろうからな。
 そう思いつつ、牧野のバスローブ姿は正視できない。
 これ以上、自分の忍耐はどこまで試されないといけないのかと、心の中でボヤキつつ、口調は極めて冷静にできていたと思う。
 野獣、野獣、こいつらは俺のことを言うけどよ。
 こう見えても、俺は理性派なんだ!
 「お前待ってる間暇だし、寒かったから、隣の部屋も借りてシャワーしてきたんだよ」
 「ええ?もう一部屋借りちゃったの!?」
 驚く牧野に、悪戯心を刺激され、
 「……隣も見てみるか?」
 誘い掛ける。
 キョトンとして、ついてくるかと思った牧野が、次の瞬間に赤くなり青くなり、まだらになった顔色でブンブン、首を振った。
 おいおい、お前、ムチウチになんじゃねぇの?
 そんなに勢いよく首を振りまくって平気かよ? 
 「い、いい、いい、いいです!」
 「なんだよ?見てもいねぇのに、何焦ってんだよ」
 「だ、だって、あんたがこの部屋選ぶ時、隣の部屋の写真もパネルに貼ってあったじゃん」
 ああ、そりゃそうか。
 なんだ、ツマンネーの。
 「ふん、ま、とりあえず、服が来たら近くの路地まで邸から車呼ぶから、適当に暇潰していようぜ」




 邸から車を呼ぶ…。
 確か道明寺は、下手にお邸から車を呼ぶと、お邸にいる(はずの)西門さんたちに邪魔されるから、嫌だと言ってなかっただろうか。
 「どうせ、こんなところのルームサービスなんてろくなもんじゃねぇだろうし、腹減ってどうしようもないなら軽いものだけにして、飯は後でいいよな?」
 「……えっと、ここで泊まるんじゃないの?」
 なんだか、それを望んでいるようで、聞くのも恥ずかしいけど聞かないわけにはいかない。
 それに道明寺はさも当たり前のように肩を竦め、
 「こんなとこ泊まれるかよ」
 と、鼻にしわを寄せた。
 まあ、そりゃあそうか。
 天下の道明寺司様だもんね。
 大金持ちのお坊ちゃんにとって超一流ホテルのスウィート以外の場所なんて、犬小屋とか家畜小屋みたいなもんか。 
 そうは思いつつ、昔あたしが借りていたアパートの隣の部屋をあんたも住んで?いたこともあったじゃん、とちょっとムッとする。
 でも、そういうこいつも意外じゃないし、仕方ないとも思うので、そんな気持ちをグッと抑えて頷いた。
 「そっか、そうだよね」
 「…それともいっそ、飯は邸で食うか?」
 「え?」
 驚いた。
 だって…。
 「なんだよ」
 怪訝そうな道明寺の顔に、あたしの脳裏に疑問符が浮かぶ。
 だって、自分が言ってたんじゃん。 
 「…あ、いや、なんかお邸に帰らないって言ってたから」
 「なんだよ、ホテル、泊まりてぇの?」
 ニヤッと笑らわれて、カッと頭に血が上る。
 自分でも、ガッカリした気分がないとは言えなくって、そんな気持ちを悟られなくって、必要以上に強く否定する。
 「そ、そそそそ、そんなわけないじゃん!あんたが泊まりたいっていうからっ」
 もちろん、それは照れ隠し以外の何物でもなくって。
 それなのに…。
 「…ああ、気がそがれた」
 あっさり言われた言葉に、息を飲む。
 気がそがれたって…。
 それってもしかして、あたしの裸を見て、その気がなくなったってことなんだろうか?

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