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「Fly me to the havenシリーズ…36話完」
高校生編①

ドキドキの法則06

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 なんていうか、カップルシート、めちゃめちゃ恥ずかしかった。
 シート自体は別段特に変なわけじゃなくって、普通にくっ付いたシートって感じ。
 むしろ広くスペースがとられていて、無理矢理な密着度なわけじゃない。
 なのに、真っ暗な空間で、『さあ、ドーンと身を寄せ合いなさい』的なシチュエーションがすごく照れ臭かったんだ。
 なにしろ、席に腰を下ろした途端、道明寺がベッタリ貼りついてくる。
 いくら大柄な男だって言ったって、そんなにくっつかなくったって平気でしょ?
 当然のように肩に腕を回され、寄りかかれとばかりに頭を抱き寄せられた。 
 もう顔から火が出るやら、周囲の目が気になるやら…暗いし、そんなに満席なわけじゃないから、互いが見えるわけでもないんだけどね。
 あたしの膝の上に置かれたジュースのカップを取り上げて、一口飲んだ後、わざわざあたしの口元にストローを差し出されて、飲めと促される。
 ちょっと、勘弁して~。
 もう冷や汗が出る。
 それなのに、いつまでも口をつけないから、グイグイ突き刺す勢いで押し付けられてしまった。
 『ちょっと!痛いでしょ。押し付けないでよ』
 睨み返しつつ、小声で抗議する。
 「…てめぇが、さっさと飲まないから腕が疲れんだろ」
 何言ってんのよ、そんなことくらいで疲れるわけないでしょうに。
 あんたは、箸より重い物を持ったことがないお坊ちゃまかっ…超お坊ちゃまでした。
 それでも、はあ?っていう感じの言いがかりに、ピシリと顔が引き攣る。
 『あのね…、変にベタベタしないでよ。いくらカップルシートって言ったって、ここは公共の場なんだからね』
 「アホか、何、またお前はごちゃごちゃ言ってんだよ。良く目を凝らして周囲見て見ろ。変に意識すんじゃねぇーよ」
 言われて改めて周囲を見回してみるけど、あたしたちみたいなバカップルめいた人たちは…。
 ……。
 ……。
 ……。 
 うわあああああぁぁ。
 やだ、マジ?見ちゃったよ~。
 ふと振り返った背後、堂々と抱き合しめあって、キスしてる二人を目撃。
 どうやら一緒に振り返ってたらしい道明寺の目が、あたしと目が合って、期待にキラキラしているようなのをさりげなくスルーした。
 「…おい」
 「さて、そろそろ本編始まるかな~。すっごい楽しみ♪今年のアカデミー賞主演男優賞候補の俳優さんが主演だって」
 かなりわざとらしいのはわかっているけど、だからといってどうかわしていいのかわからない。
 まさかこんなところで拳入れるわけにもいかないし、第一何を理由で殴るわけ?
 無視してたのに、抱き寄せられていた手とは反対側の手が、スッとあたしの膝の上に置かれる。
 ビクッとするけど、下手に身動きすると、乗せられたポップコーンやジュースが零れ落ちそうで動けない。
 ちょっと!まさか、それが目的の確信犯じゃないでしょうねっ。
 「…ちげぇよ。お前が映画館はポップコーンとでかいジュースだって言ったんだろ?」
 ギョッと顔を見上げると、思わぬほど近くに綺麗な顔があって、薄目に伏せた瞼の睫毛がすっごく長い。
 もうドキドキ、ドキドキ、胸が高鳴りすぎてどうにかなりそうで。
 思わずギュッと目を瞑ったところへ、あたしの唇にスッと触れるか触れないかといったキスがかすめた。
 …やじゃない。
 恥ずかしかったけど、軽く唇が触れた瞬間、ジンと下腹が疼いて、アッと思った時にはもう離れた唇が恋しくって、どこか物足りなかった。
 気が付かないうちに、ジッと道明寺の唇を目で追いかけてしまっていたのだと思う。
 ん?といったように目を細めた道明寺が、再び顔を寄せてきた。
 自然にあたしの目も閉じて、そのキスを受け入れる。
 今度は触れるだけじゃなくって、ペロリと舐められ、無意識のうちに薄く唇が開いた。
 舌先がスルリと入ってきて、歯列を撫でられる。
 こんなところで…とすごく恥ずかしいのに、体がまるで麻痺してしまったように動かない。
 熱い頬を持て余して、優しいノックに、つい噛みしめた歯の力を緩めて道明寺の舌を受け入れてしまう。
 …熱い。
 ぬめぬめと生き物のような熱い舌が、あたしの歯の裏や上顎を舐めてくる。
 「…ん……」
 気が付いたら小さな声が洩れていて、わああっと頭に血が上った。
 嬉しそうな笑い含む声が聞こえた気がする。
 あたしのテンパりように比べて道明寺の余裕が悔しい。
 それでも、こんなにわけわからなくなっているのに、道明寺に対抗しようもなくって。
 舐られるまま、吸い付かれるままに、身を任せるしかない。
 ジュッと音を立てて唾液を吸い上げられて、音が周りの人に聞こえてしまうんじゃないかとすごく恥ずかしかった。
 ふと、道明寺の長い指先が、太股を撫でてドキンと胸が音を立てる。
 ドキドキが全身を巡って、体中が心臓みたい。
 触れ合う唇と道明寺が触る足の感覚だけが、鮮やかで。
 触れられているところから、全身に気持ちよさが走って、それが快感なのだとあたしは、ふと思った。
 ゆるゆると膝頭や太腿を撫でられる感触に、ゾクゾクと痺れが走る。
 体の芯がムズムズして、逃げ出したいくらいなのに、そのままでいたい気持ちもあって混乱する。
 キスしてるだけでこんなふうになっちゃうなんて、あたしどうしたらいいんだろう。
 これ以上のこと…道明寺が望むままに身を任せたら、あたし、どうなっちゃうの?
 なんとなく足の間が濡れてる感触に、落ち着かなく足を蠢かせる。
 唇が離れて、そっと目を開けると壮絶に色っぽい道明寺の目があたしを見つめていた。
 「…牧野、すげぇ、可愛い」
 「…っ」 
 すごい熱っぽい目。
 男なのに、こんなに色っぽいなんて、ありなの?
 甘く優しい顔が、本当に愛しそうで、この男にこんな表情ができるなんて初めて会ったころのあたしには想像もつかなかった。
 …こんな顔であたしにキスしてるの?
 そう思うだけで、ますますドキドキは激しさを増してきて、これ以上もうドキドキすることはないって思うのに、もっともっとドキドキが激しさを増していった。
 また道明寺の瞼が伏せて、唇が触れる。
 何度も角度を変えて、スタンプするみたいに柔らかい唇を押し付けては離れて、また押し付けられた。
 流されてしまいそうな理性をかきよせ、必死に言葉を紡ぐ。
 「映…画、観よ…う」
 掠れて呟くようになってしまったけど、太腿に触れていた手がもう一度優しく撫で、頷いてくれた。
 「…ああ」

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~ Comment ~

すっごいドキドキしました。
やっぱり、つかつくの甘いお話しは最高です。
明日も楽しみです。

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