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「Fly me to the havenシリーズ…36話完」
高校生編①

ドキドキの法則01

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 「「「「「「「誕生日おめでとう!」」」」」」」
 照れくさそうな桜子が、掲げられたグラスに軽く自分のグラスを触れ合わせた。
 「ありがとうございます」
 にっこり。
 実際には、次の日が桜子の誕生日なのだけれど、明日は三条家のパーティが盛大に催されるから、今日は仲間内だけのささやかなパーティ。
 そうして頬を染めて嬉しそうにしている桜子は、いつもの澄ました顔とは別の年相応な可愛らしさだった。
 「…でも、12月にニッシーとつくしの誕生日だったでしょ?1月に司。2月にはあきらくん。で、3月に桜子と類君だなんて、ずいぶんこの時期にイベント目白押しだね」
 「ホント、あちらこちらとパーティパーティで、うんざりだぜ」
 人の誕生日にうんざりはないでしょう。
 うんざりは。
 そう思いつつ、皮肉げな桜子が西門さんを見て、意味深に笑う。
 「…西門さんの場合は、私たちの誕生日がなくっても、お付き合いされている方たちの誕生日が目白押しでしょ?下手をしたら一年中、記念日で首が回らないのでは?」
 「残念…。俺は一期一会を大事にしてるからさ。次の縁の為にせいぜい3回までしか会ってないから、誕生日はパスしてんの」
 「…最低」
 思わず吐き出した言葉に、女性陣が大いに頷く。
 苦笑する美作さんも似たようなものなのだろう。
 「まあまあ、そう言うな。今日は祝いの席なんだからさ。主役のお前が毒吐いてどうするよ」
 とりなしがさすがに堂に入っている。
 「その祝いの席に、堂々ともう居眠りしてるやつもいっけどな」
 揶揄る道明寺の視線の先、花沢類がソファに突っ伏しているのもいつものことだった。
 隣に座った道明寺が、あたしのグラスを手から取りあげ、かわりにオレンジジュースを押し付けてくる。
 「…まだ、一杯も飲んでない」
 「いいんだよ、お前は弱いんだから、ジュースでも飲んどけ」
 ぶ~。
 以前はお酒を口にしたことさえなかったあたしだけど、弱いとはいえ、味自体は嫌いじゃないんだよね。
 自分はうわばみのくせに、人のことは弱い弱いと何かと干渉してくる。
 実際、それで醜態を晒したこともあるので、強くは言い張れなかった。
 「まあまあ、それこそお祝いだよ。みんなそろってるし、司もいるんだから少しくらい大目に見てあげなよ」
 滋さんのとりなしにもガンと取り合ってくれない。
 「…こいつ、明日の桜子のパーティの後、お袋さんに呼ばれてNYに行かなきゃならないから、この後牧野を堪能して充電するつもりなのさ。なのに酔いつぶれられたら目論見がハズレちまうってわけ」
 それでも一応コソリと耳打ちしたつもりか、わざとなのか、西門さんの囁き声が聞こえる。
 とたん、ベシッと道明寺の平手が飛んで、西門さんが悲鳴を上げた。
 「いてぇなっ。一々殴るんじゃねぇよっ」
 「お前が口軽いからだろ?ペラペラ、ペラペラ、しゃべんじゃねぇっ」
 「ハッ、童貞野郎が、ガッついてるくせに見栄張りやがって」
 「なにっ!?」
 「まあまあ、まあまあ、まあまあまあまあ」
 「まあまあ、ウルセェよ。お前は取り持ちババアか!」
 西門さんの八つ当たりに、温厚な美作さんも青筋を立てる。
 「なんだと!いつもいつも、俺に尻拭いさせやがるくせに、ざけんなっ」
 「…ホント、うるさい」
 寝てるのかと思った花沢類がぽつり。
 女性陣はほとほと呆れて、男たちをほって置いて場所を移動して、それぞれで楽しむことに専念することにした。
 「…いいのかな、放っておいて」
 心配そうに横目で様子を伺う優紀に、桜子と滋さんが放っておけと首を振る。
 「平気、平気。どうせジャレあいなんだから、ホントに喧嘩になるようなら、あきらくんが止めるよ」
 「そうですよ。第一、花沢さんが避難してないんだから本気じゃないんですよ」
 「ぷっ、確かに」
 花沢類なら面倒臭いことになりそうなら、さっさと場所を移動して、迷惑を蒙らないように対処していると思う。
 彼らのこれまでの歴史が垣間見えて、こういう時、本当に楽しい。
 子供っぽいF4、みんなの幻想とは全く違うカッコ悪い彼らを見ることができるなんて、友達のあたしたちだけの特権だもんね。
 そろそろ三月も半ば、少しづつ春の気配が近づいてきたのをハッキリ感じるようになってきた。
 それでも少し肌寒かったから厚着気味だったのが裏目に出て、空調が良くき
いた店の中では少し暑い。
 喉が渇いてジュースを口に含むと、
 「で、先輩、今日はお泊りでオールナイトですか?」
 いきなりフラれて、思わずジュースを吹いた。
 「ぶっっーー!」
 「やだ、汚い。つくし~ったら」
 笑い含みつつも、さりげなく横によける滋さん。
 「だ、大丈夫?つくし」
 「げへ、げへ、ぐへっ」
 慌てて差し出してくれた優紀のハンカチに咳き込みながら、恨めしくとんでもないことを言い出した桜子を睨みあげる。
 ツンと澄ました顔は何事もなかったかのようで。
 「なんですか、その目は。私が知らないと思ってるんですか?
 「…あんたのパーティで着るドレスとか、その…お仕度とか道明寺のお邸で準備してくれるっていうから、泊まるだけだもん」
 我ながら、視線が定まらなくってかなりうろんだ。
 キョトキョトと視線を彷徨わせる先、ニヤニヤ笑いの滋さんにブツかる。
 苦笑している優紀の顔も、何か言いたげで。
 そうなると、桜子からの探りを交わすのも、あたしにはかなり高等技術。
 「…なにかあるってわけじゃないし」
 もう一度、往生際悪く呟くあたしに、滋さんが喰いついてくる。
 「ええ?もしかして、つくしと司って本当にまだなの?」
 パチパチっと瞬きした不思議そうな顔に居た堪れない。
 「…まったく、いつまでもカマトトなんだから」
 「そういうつもりじゃないんだけど、ね」
 じゃあ、どういうつもりなんだと言われたら困るんだけどさ。
 「西門さんと美作さんが妙な入れ知恵して先輩を困らせた後、それでも多少は進展してるっぽいんですけどね」
 言われて思い当たることもあり、なおいっそう恥ずかしさに顔をあげられない。
 「…ジュ、ジュースシミになっちゃうかもだから、ちょっとトイレ」
 「あ!つくし逃げる気だっ」
 「いいですよ、戻ってきたらたっぷり、そこのところ聞かせてもらいますから」
 にんまり笑う二人がすごく怖くて、引き攣り笑いを返した。
 「つくし、ティッシュも持って行った方がいいよ」
 「あ、うん、大丈夫、持ってきてるから」
 礼を言って、立ち上がる。
 ふと見ると、もう喧嘩はしていなくって談笑している道明寺がこちらを見ていた。
 どこへ行くんだよ?と目で聞いてくるのに、ちょっとってアイコンタクトで返す。
 こういうのもなんだか、自然になってきたなって思う。
 ふと見た視線の先に、道明寺がいて、あたしもいつの間にかあいつを見ている日常。
 会っていても会っていなくても、いつの間にかあいつを想ってたりして。
 これが恋するってことなのかとか、妙に乙女チックに想ったり。
 実際に、あの日からあたしと道明寺が変わったのかあたしにはわからない。
 でも、触れてくる手に以前よりは、少しづつ慣れてきたように思う。
 道明寺は道明寺で、以前ほどの猪突猛進さはなくなった。
 もちろん気を抜けばすぐにHなことをしてこようとするし、そういう雰囲気を作ろうとする。
 でも、ところかまわずっていうのはだいぶ減ったと思う。
 あたしが人目を気にして、そういう気に慣れないっていうことを少しづつわかってくれたかのかな。
 好きだから触れたい、好きだから触れられたい。
 時々、あたしもそう思うことはあるけど、だからといってすんなり身を任せられるわけでもなくって。
 道明寺の真剣な気持ちもわかるだけに、それがちょっとプレッシャーで。
 それこそ桜子や滋さんが言うように、えいやって道明寺の胸に飛び込んでしまえればいいのに。
 自分の厄介な性格が一番の悩みで。
 そんな些細な悩みもそれはそれで幸せなんだと、レストルームの鏡に映る自分に、ニッコリ微笑んでみた。

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