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「昏い夜を抜けて…全483話完」
第三章 嫉妬①

昏い夜を抜けて068

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 一部R18的要素を含みますが、67話の反復なので、そこは自己判断でお願いしますm_ _m
ちなみに、しばらくひどい類君&R18が続く…かも。
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 ザアアァァァァァッ
 雨の音が聞こえる。
 激しい雨。
 あの日の雨は泣きたくなるくらい冷たかった。
 それでも、凍えるような雨の冷たさより、あいつの傷ついて凍った目の方がずっと痛くて、哀しくて…。
 暗い夜がどこまでも続いて、あたしの涙を覆い隠していた。
 なのに、どうしてあいつの涙はハッキリと見えたのだろう。
 あいつの憤って怒鳴る声が震えていたのを、今でも覚えている。
 あいつの言葉の一言一句忘れらず、あいつの最後の言葉が今も胸に突き刺さる。
 ―――お前は俺を一人の男としてみたことあるか?
 ―――俺の家や母親や全部とっぱらって、ただの男として見たことが一度だってあるか?
 あるよ、何度もある。
 バカで高慢ちきで乱暴で。
 思い込みが激しくって。
 単純で強引で―――。
 なのに、あたしの口から出た言葉は、真逆の言葉で。
 その返す刀があたしの心をも切り裂いた。
 「…ご、めん、ごめんね、どうみょう…じ」
 気が付けば、すすり泣くような小さな女の声が耳元で呟いた。
 つくしが目を開くと、引かれたレースのカーテンから漏れる光が毛足の長い絨毯を照らし、頬を温かな涙が濡らしていた。
 瞬くと一粒、二粒と、目じりに溜まった滴が頬を伝い落ちる。
 「…あ、こ、こ?」
 風邪を引いたあとのようなかすれてしわがれた声が自分の口から出て、コホンコホンと小さく咳き込む。
 喉が渇いた…。
 鉛のようにどんよりと重い体を引き起こし、とたんに響いた頭痛に額を抑える。
 どうやら、さっきの女の声はつくし自身の声だったようで、ここ最近見ることのなかった悪夢の残滓だと気が付く。
 …外、雨なの?
 夢の中の雨の音だと思ったら、間遠く確かに水音が聞こえる。
 ジッとしていると、やがては頭痛も収まり、寝起きの頭にまともな思考力が戻ってくる。
 もう朝?今、何時なの?
 瞑っていた目を開け、前髪をかき上げると、時計を探して見覚えのない豪奢な部屋を見回す。
 体を起こそうとすると、スルリと胸もとを覆っていたシーツが素肌をすべり落ちた。
 裸の胸があらわになり、いくつも散ったほの紅い痕がつくしの目を射る。
 「…ぁ」
 震える唇を手で覆い、ふと気づいた両手首の赤くすりむけた痕に見入る。
 「あ、あ…ぁああっ!」
 バッとシーツを体の上から剥ぎ取り、全裸の自分に驚愕の声をあげた。
 しわくちゃなシーツの上に残る痕跡や、自分の体中に散った赤い痣や乾いてかさついた体液の残滓。
 すべてが一つの現実をつくしに突き付ける。
 「あああぁ、…い、や、そ…んなことっ…て」
 頭を振り、這い出るようにダブルのベッドを抜け出す。
 べたついた足の間の感触や下腹部に残る違和感さえもがつくしを追いつめる。
 ああ…。
 ああ…。
 言葉にならない。
 昨日、類と酒を飲んだ。 
 もう二度と過ちは犯さないと、飲むつもりはなかったのに。
 たった一杯、たった一杯の酒で酔い潰れ、気が付けば夜は明け、自分は一糸まとわぬ姿で同じ過ちを繰り返している。
 「…なんで」
 床に散らばった自分の衣服を手早く身にまとい、ふらつく足を叱咤して前へと進む。
 この水音は雨なんかじゃない。
 誰かが…おそらく類がシャワーを使っている音に違いなく、そうとなれば、類に出くわす前にこの場から消え去りたい。
 もう、二度と、二度とはこんな状況になりたくなかったのに。
 意地悪な記憶は、今度はすべてをつくしに残していた。
 『…ぁ、ぁん』
 動揺のまま部屋の出口へと殺到したつくしの耳に、かすかな女の声が耳に届く。
 ビクッと体を震わせ、思わず棒立ちに立ち止った。
 だ…れ?
 誰かいるの?
 シャワーの音は止まらない。
 掠れて呻くような声が、耳を澄ますつくしの耳にハッキリと聞こえ続け…。
 怖気てくじけてしまいそうな気持ちを叱咤し、つくしはドアのノブへと手を伸ばした。


 女が男に抱かれている。
 テレビ画面の向こうで、男が座位で女の膝裏を両手で持ち上げ、体を上下させる動きに揺すぶられた女が長い髪を振り乱し喘ぎ続ける。
 『…ぁあ、ん、あ…んん、あぁ』
 震える華奢な両腕が男の肩にしがみつき、振動を与えられるたびに爪を立ててのけ反る。
 『ほ、ほらっ、見てっ』
 は、花沢…類ッ。
 後ろ頭しか見えないが、確かにその声は類だった。
 俯き加減でグラグラ揺れる頭を類の肩に埋めていた女が顔を上げる。 
 「ああッ」
 欲望に潤んだ目を茫洋と彷徨わせ、淫蕩な顔で頬を紅潮させて、だらしなく唇を半開きにした女の白い顔は…。
 ショックに棒立ちになるつくし自身の顔で。
 ドアに縋った手がすべり落ち、腰砕けになって床にしゃがみ込む。
 『…ぁあ、嫌っ』
 『もう、あんた…はっ、こんなにいやらしく俺を飲みこんで涎を垂れ流してる。この前、まで、処女だった、なんて信じられ…ない、ん…、よね』
 類の卑猥な言葉にもガクガクと頷くばかりで、従順にただ揺すぶられ続づけ。
 その様はまるで情事に耽る淫猥な女の顔そのものだった。
 「あ、ぁああ、ああ、ああ」
 画面から目を離すことができない。
 けれど、絶命寸前の小さな生き物の零す喘音のような喘ぎが口から漏れ続けるのを抑えられない。
 絶望と混乱に打つ震えるつくしをよそに、ガチャリと居間のドアが開いた。
 真っ白なバスローブに身を包み、大判のバスタオルで頭を拭きながら類が部屋へと入る。
 ドアを半開きにしてしゃがみ込み呻き続けるつくしに目を留め、流れ続けるテレビ画面へと視線を移す。
 そして、フッと唇の端だけで笑うと、腰を抜かしているつくしへと足早に歩み寄り、後退るのも構わず腕を掴んで引き上げた。
 「や…いやぁ」
 怖気て腕をつっぱるつくしの抵抗をやすやすと防ぎ、無理矢理寝室からつくしを引き出し、テレビ傍のソファへと突き飛ばす。
 衝撃で深く沈み込んだつくしの体の上に乗りあげるようにして伸し掛かり、硬直するつくしの耳元へと唇を寄せる。
 つくしのショック状態で虚ろになった視界の先いっぱいに、いやらしい声で絶叫するつくしの顔が大写しになっていた。
 『うっ、はああぁぁ、あん、あん、…や、やだ、あああぁ』
 「イイ顔してるでしょ?」
 クスクス笑う類の声音がひどく陰惨で、残酷なものを含んでつくしの胸を塞いだ。

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NoTitle

これってレイプだし、犯罪だと思う。意図もわからん。

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