FC2ブログ

「夢で逢えたら…全207話完+α」
第一章 もう一度逢いたい

夢で逢えたら021

 ←男友達 完結編 →夢で逢えたら022
◇更新情報他雑文 『こ茶子の日常的呟き』へ
【君を愛するために】オススメ作品!?
ランキングもよろ(・ω-人)
ブログランキング・にほんブログ村へ
いつも応援ありがとう♪
**************************************

 交通事故で病院に運ばれてきた少年は、酷い状態だったが幸い命を取り留めた。
 その外科執刀医がエリザベス・トッド医師だったが、事故の受傷により循環器系に障害を残した少年の内科担当医としてマーベルが当たることとなった。
 幸い、学生時代からの顔見知りで、このメイルズフォート病院に勤務以来10年。
 同期の女性医師として交流を深め、今では親友ともいえる女性とのパートナーシップは、大変やりやすく、意思疎通の面でも、精神的な面でもスムーズに進めることができた。
 ただ一つの誤算は…。
 「あ…」
 「…お」
 チーンという音と共に下から上がってきたエレベーターから現れたのは、180cmを有に超えたナイスガイ。
 それも一人ではなくて、二人。
 その二人に追従し、今ではマーベルとも顔馴染みになった道明寺副社長付秘書の山之内。
 見覚えはないが、おそらく秘書であろう男性が一人。
 それに3人の鋭い視線の警備担当者らしい男性の計7人が、病院の大型エレベーターでさえも手狭に思わせるような威圧感を放射しながら降り立った。
 「久しぶりだったな、Dr.」
 二人っきりの時のような砕けた感じではなかったが、2週間ぶりに顔を合わせた司は、チラリと気安げな笑みをマーベルに向ける。
 相対する司とマーベルを、司の後ろ手から観察する類の顔は、どこか捉えどころがない。
 「こんにちは、Mr.道明寺。それに、Mr.花沢、先日は」
 「うん、こんにちは。とても貴重な経験をさせてもらったよ、ありがとう」
 薄らと微笑む美貌が、五光を射したように眩しい。
 うう、目に嬉しすぎるぅ。
 「い、いえ、こちらこそ、大変お世話になってありがとうございました」
 頭を下げるマーベルを怪訝な顔で見つめた司が、鋭い視線を類に向ける。
 「…なんだ?お前ら知り合いか?」
 「ああ、この前話しただろ?お前の息子とこの病院で出くわしたって。その時、Dr.マーベルも一緒だったんだよ」
 「へえ?で、先日って何のことだ?」
 どことなく不機嫌そうな司の様子に、周囲の温度が心なしか下がったように感じ、彼らを囲む人間たちは落ち着かない。
 ところが、その矛先を向けられている類は、図太いのか神経がないのか、どこ吹く風だ。
 「ん~、別に?」
 「おいっ!」
 声を荒げる司を見かねたのか、マーベルが声を上げる。
 「あ、あのっ。大したことじゃないの。この前、小児病棟内で新しい子たちの歓迎パーティがあって、その際の飾りつけで欲しかった資料を花沢さんに提供していただいたの」
 「…んだよ、それ。必要なものがあったら、シュナイダー夫人なり、山之内なりに言って揃えろって言ってあっただろ?」
 「あ~、いや、要君に関するものじゃなかったから。病院内のね、レクリエーションだから、あなたとは関係ないし、融通していただく筋合いっじゃないし」
 マーベルとしては特に含みはなくそのまんまの意味だったか、司としては面白くなかった。
 関係ない…その一言でハッキリと線引きをしてしまうマーベルが憎らしい。
 それは当然のことで、誰から見ても不合理な点などないはずだったが、関係性でいえば司よりもさらに関係ないはずの類が、何かしらマーベルに融通をつけたという
点が特に腹立ちの原因となった。
 「ねね、キャシー、そろそろ時間ヤバいわよ。午後からの家族への説明の前に打ち合わせもしないといけないし」
 「あ、そうだった」
 耳打ちするエリザベスに、自分のスケジュールが思い浮かぶ。
 これからエリザベスと連れ立って、外部から来ている他2名の医師と患者の状態を詳細に検討し、午後からのインフォームドコンセプトに備えなければならないのだった。
 「ごめん、リズ。もう、行きましょう」
 「その前に、私にも紹介してよ。こんなイケメンセレブとお知り合いになるなんて、滅多にない機会だわ」
 ひそひそ声の会話に気が付かないのか、司も振り向いて類からの言葉に眉根を寄せている。
 「わかったわよ」
 はああと、ため息をついてマーベルは司と類に向き直った。
 「あ、と、Mr.道明寺、Mr.花沢。唐突だけど、当院きってのやり手医師を紹介するわね」
 何よ、やり手って、と密かにエリザベスがマーベルの脇腹を肘鉄する。
 ちょっと痛いじゃないよっ、内心の怒りを押し込め、顔はにこやかにエリザベスを二人に紹介する。
 「外科病棟医師のエリザベス・トッドです。キャサリンとは同期で、何かと仕事上でもコンビを組むことが多いから、要君の手術の折にも私が担当になる可能性が高いと思います」
 にっこり、グラマー黒人美人が魅惑的な微笑みを浮かべる。
 手術ではワイルドでタフな雌豹も、色男の前では猫になるらしい。
 「道明寺だ」 
 「花沢です、よろしく」
 表情も変えず、チラリとだけ視線を移す司と、社交辞令のクールな笑みを浮かべる類。
 「じゃあ、私たち、次のスケジュールがあるから」
 頭を下げてちょうど到着したエレベータに、マーベルとエリザベスが乗り込む。
 閉まるドア越しに見えた黒ずくめの集団は、明るい病院の朝にどこまでも異端だった。

 「ふ~ん。で、どっちが本命だったんだっけ?」
 エレベーターのドアが閉まると同時に、エリザベスが待ちかねたように聞いてくる。
 「なによ、だ・か・ら!違うってさっき言ったでしょ?」
 内心ドキリとしながらも、いかにもうんざりしたかのようなマーベルの様子にも、エリザベスは追及を緩める気はないらしい。
 「あら、それは言い寄られているかどうかでしょ?上手いことに、独身セレブ’Sは、あんたのストライクゾーンど真ん中じゃない?」
 「何言ってるのよ。ストライクゾーン真ん中て、あれだけタイプ正反対のあの二人を十羽一からげにしちゃうって、私のストライクゾーンどれだけ広いのよ」
 今度は本当に、うんざりだ。
 看護師たちといい、エリザベスといい、年端もいかぬ少女たちのように、いつまでも好奇心旺盛で、まるで自分を恋に浮かれるティーンエイジャーか何かと勘違いしているようにしか思えない。
 「女学生が憧れるような、いかにも王子様タイプがあんたの公式プロフィール上のタイプ。花沢って、あんたがよく言う好みのタイプどんぴしゃりでしょ?でもさ、あんたが今まで付き合ってきた男って、俺様、傲慢、我儘、自信家でオーラのある男だったわよね?それって、いかにもあの道明寺じゃない?ボブの再来かってくらいだわ」
 「ボブのことは、もう関係ないんだから、放っておいてよ」
 思い出したくもない。
 苦い過去に、マーベルは吐き捨てた。
 「別にボブだけのことじゃないわよ。まあ、ボブもあの道明寺に負けず劣らぬ美形の男だったからよけいに被っちゃうけど。インターン時代ににちょこちょこっと付き合っていた相手だって、自称好みの男タイプじゃなくって、一見あんたに合わなそうな関白男だったじゃない?年中口喧嘩ばっかしてたわよね」
 「…」
 「まあ、そういうタイプて、基本的に自分に自信があるくらいだから、容姿的にもけっこうイケてたし、もしかして単なるメンクイ?」
 遠慮会釈もない友の物言いは、普段は痛快で、マーベルの性格にもあっていたが、自分に向けられると時々小面憎い。
 図星なだけに何も言えないともいう。
 いや、メンクイというところでは、断じてないが。
 「ボブと道明寺は違うわよ」
 「どうだかねぇ。まあ、少なくても中産階級出身でバリバリ野心家だったボブと、生まれながらの御曹司で、それほどあくせくしなくても欲しいものを常に手にしているお坊ちゃまとじゃあ、多少は違うでしょうけど」
 「…」
 「それはともかく、いいんじゃない?あんたも私も社会的地位だってあるんだし、そこそこお金もある。あんたなんてもう結婚も経験したし、子供だっているんだから、そんなに慎重にならずに気楽に恋愛を楽しめば?」
 思いっきり他人事らしく、エリザベスはサバサバという。
 チーンとエレベーターが、外科棟と繋ぐ通路階へと停止し、入れ替わりに乗り込んできた医師たちと挨拶を交わしながら降りる。
 人影が遠ざかったところで、マーベルが口を開いた。
 「よく言うわね、他人事だと思って。自分は、どっぷりラブラブなダーリンと幸せな家庭を持ってるくせに」
 「あら、あんた、結婚願望なんてあったわけ?」
 「…昔はあったわよ、そりゃ」
 「まあ、だから、結婚したんでしょうけど。じゃあ、結婚目指せば?ボブだったら正直、遊びならともかくそういう真剣な付き合いはお勧めしないし、あんたも十分思い知ってるでしょうけど、あの道明寺はどうなんでしょうねぇ」
 エリザベスはどうでもいいというように、肩を竦めた。
 「どっちがタイプとか言って、あんたの中ではすっかりもう決めつけてるってわけね」
 「はは、そりゃあね、あんたと何年腐れ縁を続けてると思っているのよ?自称しているくらいなんだから、たまには趣向を変えて、花沢でもいいじゃない?で?どっちかとは寝てみた?」
 トンデモナイ問いに、思わず手に持っていた分厚いファイルを取り落しそうになる。
 勘弁してよっ!?
 「はああああ!?何言ってんのよ!そんなことしてるわけないじゃない!」
 「大事よ~、高校生のガキじゃないんだから、体の相性が一生のパートナーを左右することだってあるんだから。花の命は短いんだし、いつまでもお堅いこと言ってたら、寂しい老後が待ってるわよ」
 「それこそ大きなお世話です!」
 頭痛がする。
 マーベルは親友のドぎつい冗談に、額を抑えた。
 「まったく、日本人て奥手で照れ屋だって聞いてたけど、三十路女になってもとはね~。あんたの学生時代はさぞやお堅かったことでしょうねぇ。もしかして結婚するまで処女だったとか?」
 「…日本人がお堅いかはともかく、私は日本人じゃないわよ。母が日本人だっただけ、日系人ではあるけど、知ってるでしょ?日本で暮らしたこともないし」
 「そう?でも、あんた日本で育ったんじゃないの?」
 エリザベスに含みはないようだったが、マーベルの表情が一瞬固まる。
 「…なぜ?」
 「なぜって、ん~。なんか、空気が違うっていうか。昔、総二郎が言っていた日本人の女の子像てのを彷彿とさせるのよね。まあ、それが一般的な日本人女ってわけでもないみたいだけど」
 「総二郎…て、もしかして、西門総二郎じゃないわよね?」
 意外な名前が飛び出したものだ。
 「うん、そうそう。日本の茶道家の西門総二郎。ふふ、あんたは知らないでしょうけど、ほら数年前、あんたケンブリッジに1年ほど経費留学したじゃない?その時、あの!西門総二郎の姪がここの整形外科棟に入院していてねぇ。ホント、いい男だったわ~」
 「ま、まさか、あんた」
 目を見開くマーベルに、エリザベスは悪戯っぽく、どこか色っぽい笑みを浮かべた。
 「やだ、寝ちゃいないわよ?私はダーリン一筋。でも、たまにデートするくらいいいじゃない?あんたんとこのホイットニーはかなりイレあげてたみたいだけど、趣味もいい男だったみたいね。あの頭と顔、ボディだけのいけすかない高慢ちき女なんて歯牙にもかけてなかったわよ。まあ、私以外にもデートする相手は何人もいて、たぶんそのうちの一部とは、ベッドでも一緒してたみたいだけど」
 「…噂の実証明が、こんな身近にいたとは…。でも、ホイットニーが歯牙もかけられなかったなんて意外ね?あの女、医者だけに知識と教養もあるし、見た目はモデルタイプで男受けするじゃない?」
 「まあ、あの女ももういい歳だし、自分の実力もすでに周囲に認められて地位も確立してるしね。そろそろ条件のいい男に焦ってるから、重かったんじゃない?」
 「…はあ、なるほど、結婚ね」
 「どちらにせよ、あんたはもう少し、あの女を見習って貪欲になったら?」 
 マーベルは、ぐうの音もでなかった。

↓ランキングの協力もよろしくです♪
ブログランキング・にほんブログ村へ 💛 
いつも応援ありがとうございます^^!

web拍手 by FC2

   
関連記事


総もくじ 3kaku_s_L.png イベント
総もくじ 3kaku_s_L.png だから今日も I'm so happy…百回分の花をあなたに
総もくじ 3kaku_s_L.png ******【司×つくし】******
総もくじ 3kaku_s_L.png 愛してる、そばにいて
総もくじ 3kaku_s_L.png 百万回の微笑みを愛の言葉にかえて
総もくじ 3kaku_s_L.png 陽のあたる処でシリーズ(短編集)
総もくじ 3kaku_s_L.png Fly me to the havenシリーズ…36話完
総もくじ 3kaku_s_L.png アネモネ…全171話完+α
総もくじ 3kaku_s_L.png ******【類×つくし】******
総もくじ 3kaku_s_L.png 中・短編+
総もくじ 3kaku_s_L.png パッション…①24話②22話完
総もくじ 3kaku_s_L.png 陽だまりの詩シリーズ(短編集)
総もくじ 3kaku_s_L.png ****【総二郎×つくし】****
総もくじ 3kaku_s_L.png 中・短編-
総もくじ 3kaku_s_L.png ****【あきら×つくし】****
総もくじ 3kaku_s_L.png 中・短編^
総もくじ 3kaku_s_L.png ***【その他CP】***
総もくじ 3kaku_s_L.png 中・短編'
もくじ  3kaku_s_L.png 倉庫
総もくじ  3kaku_s_L.png イベント
総もくじ  3kaku_s_L.png だから今日も I'm so happy…百回分の花をあなたに
総もくじ  3kaku_s_L.png ******【司×つくし】******
総もくじ  3kaku_s_L.png 愛してる、そばにいて
総もくじ  3kaku_s_L.png 百万回の微笑みを愛の言葉にかえて
総もくじ  3kaku_s_L.png 陽のあたる処でシリーズ(短編集)
総もくじ  3kaku_s_L.png Fly me to the havenシリーズ…36話完
総もくじ  3kaku_s_L.png アネモネ…全171話完+α
総もくじ  3kaku_s_L.png ******【類×つくし】******
もくじ  3kaku_s_L.png 拍手小話+
総もくじ  3kaku_s_L.png 中・短編+
総もくじ  3kaku_s_L.png パッション…①24話②22話完
総もくじ  3kaku_s_L.png 陽だまりの詩シリーズ(短編集)
総もくじ  3kaku_s_L.png ****【総二郎×つくし】****
総もくじ  3kaku_s_L.png 中・短編-
総もくじ  3kaku_s_L.png ****【あきら×つくし】****
もくじ  3kaku_s_L.png 拍手小話^
総もくじ  3kaku_s_L.png 中・短編^
総もくじ  3kaku_s_L.png ***【その他CP】***
総もくじ  3kaku_s_L.png 中・短編'
もくじ  3kaku_s_L.png 未分類
もくじ  3kaku_s_L.png ストック
もくじ  3kaku_s_L.png R短編集
もくじ  3kaku_s_L.png アネモネ R
もくじ  3kaku_s_L.png 恋愛の品格 R
もくじ  3kaku_s_L.png 愛妻生活 R
  • 【男友達 完結編】へ
  • 【夢で逢えたら022】へ

~ Comment ~

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

このお話が大好きです!と鍵コメくださった方へ

初めまして^^私も、学生時代に漫画・花より男子にハマり、確か最終話まで読まないうちに、漫画からしばらく離れていたのですが、最近一時期、韓国ドラマにハマり、そっちで小説を書こうとしたりもしたのですが、韓ドラ版の花男を見ているうちに、漫画に逆戻り。日本版も見たのですが、私は漫画の原作が一番好きです^^

私も、ここのところ各サイト様が休止されているのをとても寂しく思っていたところ。と、言っても二次小説の存在を思いついたのが、韓ドラにハマッていた頃なのでほんとに最近。自分も小説を書こうと思ったのが、皆様の作品を読みつくし?読みたい病に苛まれ、よそ様の更新を待つ間の暇つぶし?だったという。
でも、自分も、他のサイトの方の更新を今か今かと待っている口なので、頑張って続きを書いてゆきたいと思いますので、これからもよろしくですm_ _m

他のF4キャラもとても好きなのですが、私も司×つくしが一番好き!
頑張りま~す!

HN様^^

こんにちは^^
私も、他の方の連載を読むと、早く最後が読みたい!と思いつつ、
もう終わっちゃうの~、もっと読みたいと思ったり複雑ですよね。
でも、私のできるかぎりの頑張りで皆さんにも面白かったなあと思ってもらえるお話が書けたら嬉しいと、思いつつ、皆さんのコメントで力をいただいています^^!
管理者のみ表示。 | 非公開コメン卜投稿可能です。

~ Trackback ~

卜ラックバックURL


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

  • 【男友達 完結編】へ
  • 【夢で逢えたら022】へ
にほんブログ村 小説ブログへ💛
スポンサーリンク