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「それでも貴方を愛しているから…全97話完+α」
第四章 愛憎…愛することとは①

それでも貴方を愛しているから082

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 言わずもがななことを問いかける。
 「ああ、そうだって言っただろ?」
 「でも…」
 別にベッドもあるのだから、今日は別の部屋で寝ようというあたしを道明寺が即座に却下した。
 『夫婦は一緒に寝るもんだろ?』
 と。
 まだ、あたしとあんたは籍も入れてないつーの!
 そんなことを言えば、『じゃあ、やっぱり明日日本に帰ったらすぐに籍を入れようぜ』と言われるのが怖くて、口籠ってしまった。
 あたしの逡巡も目に入っていないのか、さっさとベッドへと入ると、ポンポンと横へ入れと催促してくる。
 あたしは諦め、部屋隅のキャビネットの上に置いてあった紙袋を手に取り、道明寺へと差し出した。
 「あ?」
 「…あげる、誕生日プレゼント…とバレンタインのチョコ」
 片眉をあげ、無言で受け取った道明寺が、さっさと紙袋をあけ、中の包装を遠慮会釈なくバリバリと剥がす。
 相変わらず、子供みたいな開け方するわね、この男。
 せっかくの綺麗な包装が無残に破り捨てられるのが、なんだかちょっと遣る瀬無い。
 ま、あたしの手作りの1時間もののラッピングも無残に破り捨ててくれたしね…そのかわりといってはなんだけど、プレゼント本体への執着度はさすがのあたしも引いてしまうくらいなものだったけれど。
 そういえばあの高校生の時に初めてあげたクッキーどうしたんだろう?
 食べてどうだったかという感想を聞いた覚えがない。 
 ま、さすがにあの喜びようから言って捨てはしなかっただろうから、頑張って食べてくれたか、甘いもの嫌いだから、F3にでもわけてあげたのかな。
 類も甘いもの確か苦手だったけど、あの人なら平然とムシャムシャ食べてくれそう。
 「…甘そうだな」
 チョコを見る道明寺の反応は予想どおり。
 「…一応、甘さ控えめのビターチョコだから。あたしも味見したけどあたしにはちょっと苦くて物足りないくらいな感じだから。嫌なら一個でも食べてくれれば、あとは誰かにあげてくれてもいいよ」
 ため息ひとつ。
 「お前からもらったものを他人になんかやれるわけねぇだろ?…いいよ、全部食う。お前の手作りだったら永久保存なんだけどな」
 「……」
 聞き間違いだろうか?
 それともジョーク?
 この男だったら、マジで高校時代にあげた手作りクッキーもいまだに保存されていそうで、ちょっとたじろぐ。
 そして、本日のメイン?の誕生日プレゼント。
 「へえ?いいじゃん」
 「…ホント?」
 手の中の漆黒の万年筆の感触を試すように触れ、あたしへと柔らかく微笑んでくれた。
 「サンキュー、大事に使わせてもらうよ」
 嬉しそうに輝くこの男のその表情が、あたしの胸に染み入り、温かなもので一杯にしてくれる。
 あたしのもおそろいなんだよ…そう言ったらもっと喜んでくれそうな気がしたけど、さすがになんだか照れくさくて、内緒にすることにする。
 「本当は、いろいろ迷ったんだけど」
 その迷いの中には、ただ、何を道明寺にあげるかとかそういうことだけじゃなく、様々な意味での迷いであることは道明寺にも伝わったようだ。
 「…NY、どうだったの?」
 何と聞いていいものやら…。
 道明寺を信じると決意したのだから、本当はこんな風に探るように聞かないつもりだったのに。
 左手に嵌められた指輪を見ていると、つい今朝、自宅の机の奥底にしまい込んできた雑誌の記事や写真が思い起こされる。
 そして道明寺もあたしの中の言外の屈託を読み取り、表情を改めた。
 「何か聞いてるか?」
 「…あ、うん。滋さんからとか、桜子とか…その、いろいろと噂で」
 歯切れ悪いあたしに、そっか、と道明寺が一つ頷き、ツイッと視線をあたしから反らす。
 いつものような歯牙にもかけないといった様子ではなく、どこかこの男らしからぬ疚しげな態度に、つい言葉を継いでしまった。
 「…えっと、女の人…とか、本当なの?」
 ピクリと歪んだ男の顔に、聞いてしまったことを一瞬後悔したけれど、口に出してしまったものは言わなかったことにはできない。
 あったことをなかったことにできないのと同様に。
 それなのに、次に道明寺があたしに視線を戻した時には、開き直ったような諦観がやつの目に浮かんでいた。
 「…何もなかったって、言ったら、お前信じるか」
 そんなことをシャーシャーという男に腹が立つ。
 今朝、信じると思ったその舌の根も乾かないうちに、そんなこと信じられるわけないでしょ!と反駁したくなった。
 けれど、いつもは自信満々な俺様な男の、不安そうな子供みたいな目に出くわして言葉を呑み込む。
 「…信じるよ」
 気が付いたら言っていた。
 でも、それがあたしの真実なんだ。
 あんたが信じろと言うのなら、あたしは信じる。
 それがたとえ、本当は嘘なのだとしても、あんたがそういうのならば、信じる。
 あんたがあたしを信じてくれたから。
 だから、あたしは…。
 「信じる」
 道明寺が何とも言えない…泣きそうな顔をしてあたしに手を伸ばし、ベッドの上に座る自分の膝の上へとあたしを無理やりに引き倒すように引き寄せ、抱きしめる。
 「…ちょっと」
 「いいだろ?別に。これ以上、お前が嫌がるようなことしねぇよ。信じてるんだろ?」
 意味は違うけど、確かに、そういう意味ではこいつを信じてる。
 この男は、もう絶対にあたしを傷つけたりしない。
 あたしが嫌だといえば、本当に一生涯、あたしを抱きしめて眠るだけで過ごすのかもしれなかった。
 …気まずくなった紅葉狩りのデートの後でのホテルでの一件だって、最初からあたしが無理だとハッキリ拒否っていれば、この男は無理強いなんてしなかっただろう。
 実際、あたしが本気で抗ったら、それ以上は何もせず、去っていった。
 その気なら、力で勝る分、男というものがどれだけ強引になれるかなんて、十二分にわかってる。
 この男があたしの意志を尊重するのは、単純に愛情と思いやり…自分の欲求や気持ちよりもあたしを大事にしたいと思ってくれているからなんだ。
 やや不本意ながら体の力を抜き、言葉通りに道明寺を信じていることを態度で示す。
 「…お前を諦めた方が、互いの為なのかもしれない…と思おうとしたこともある」
 ビクリと知らず知らずのうちに肩先が揺れた。
 それを宥めるように、道明寺がゆっくりと優しくあたしの背中を撫でおろす。
 「それでも、結局、諦められねぇのは俺の方なんだ。お前の為には別れた方がいいのかもしれなくても、俺がお前を必要としてんだ。お前がいねぇと幸せになれねぇのは俺なんだよ」
 「…綺麗な人たちだったね」
 卑下してるわけじゃないけど、あたしとでは月とスッポンだった。
 お嬢様で、教養もあって、それなのに美貌で。
 この美麗な男と並んで、あたしとよりも遥かに似合ってた。 
 「見たのか?」
 今更隠しても仕方がない。
 「うん、雑誌に載ってた」
 はあっと、一つ大きく息をつき、髪に一つキスを落とされた感触がした。

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