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「それでも貴方を愛しているから…全97話完+α」
第四章 愛憎…愛することとは①

それでも貴方を愛しているから080

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 波打っているリングの内側を見てみれば、案の定、女性用と思しき小さなダイヤモンドがグルリとあしらわれている方には『To Tsukusi from Tsukasa…I love you, forever(司からつくしへ…お前を永遠に愛する』と刻まれ、もう一方の一個だけ小さなダイヤモンドが埋め込まれたシンプルなリングにはまだ何も刻印されていなかった。
 「…まだ、結婚するなんて言ってないけど」
 「婚約しただろ?」
 それこそ、3年も前の口約束。
 雪の日に階段で滑って転んで、頭を打って入院したことを思い出した。
 その時に目も眩むほどの大きなダイヤモンドを手にプロポーズされ、一度目は断った。
 道明寺の家の問題や…類のことで、一杯一杯なあたしはとてもじゃないけど、道明寺の申し出を受ける覚悟も決断も、まだ何もできなかったから。
 けれど、類から突然呼び出しを受けて、唯々諾々と案内の人の後をついて行ってみれば飛行機に乗せられ…なぜか、ピサの斜塔へ。
 そこでもう一度道明寺からのプロポーズを受け、あたしはその指輪を受け取った。
 この男が好きだと言う気持ち…ただそれだけを胸に、それ以外のことをあたしは気にしちゃいけないんだと、類が気づかせてくれたから。
 それから我武者羅に頑張って数年。
 そして、現在があるはずなのに、待ち望んだこの男が、いざ日本へと…あたしの傍へを戻ってきたことで、あたしの中の真実を揺るがしてしまった。 
 「また、あんた、勝手にこんなもの…用意して」
 「いいだろ?お前のことだからあんまり派手なのは嫌がると思ったから、俺としては妥協しまくった結果。今は重ねづかいもけっこう流行ってるから、欲しけりゃ、もう一個は二人で選んで両方つければいい。…結婚しようぜ」
 その顔を見れば、冗談や酔狂なんかじゃないって十分にわかる。
 ううん、この男はいつでもあたしに対して真剣だった。
 一度だって、あたしに対して嘘をついたり、からかったり、そんなマネをしたことがない。
 誠実だった。
 だからこそ、あたしも逃げやその場しのぎなどではなく、真正面から対峙しなければならない。
 「なんで、今なの?婚約したって言ったって、それはあんたとあたしの口約束だけのことで、道明寺家は…あんたのお母さんはあんたとあたしの関係を黙認していただけで、赦してくれたわけじゃないんだよ?」
 「黙認…それ以上の許可なんていらねぇと思うけどな。そもそも、4年、NYで俺が頑張ってある程度の成果をだせば、お前とのことでもう口を出さない約束だった」
 初耳だった。
 邪魔はされなかったから、とりあえず様子を見られているんだろうな、とは思っていたけれど。
 「どの道、20才もすぎた成人の息子の結婚にとやかく言えるもんじゃねぇだろ?」
 あんたが言うことじゃないよ…誰よりも、少なくても唯一結婚に関してだけは自由がないはずの大財閥の御曹司の台詞じゃない。
 「何を迷うことがある?それとも3年前の約束は、お前にとって伊達や酔狂で、本気じゃなかったとでも言う気か?」
 「そんな!そんなわけない。…けどっ」
 「けど?」
 「まだ、あたし何も持ってない。あんたの横に立って、堂々と自分らしく、引け目を感じずにいれるほどのあたしになんてなれてない!」
 「そのまんまのお前でいいって言ったろ?そのまんまのお前が必要なんだ。そのまんまのお前が好きなんだよ」
 「でも…」
 でも?
 ううん、本当は、そんなの言い訳にすぎないんだって、道明寺だって…あたしだってわかってる。
 もちろん、それもまた本音ではあったけれど、本当の本当は、いたって単純な…それだけに結婚となると無視しえぬ本質。
 「でも…結婚なんてできるはずないよ」
 「だから、なんでだよ?」
 この上なく激しやす男のはずだというのに、道明寺の声はあくまでも穏やかで。
 だから、あたしも淡々とあたしの中の真実を口にすることができた
 「…あたし、あんたと一緒に寝れない」
 「寝れない?寝れるだろ?何度も俺と一緒のベッドで眠った」
 わかってて、言わせる気?
 恨めしく上目遣いに睨み付けるけど、道明寺は平然として動じてくれない。
 仕方なく、激しくなる動悸を抑え、熱く赤面してしまいそうになるのを堪えて唇を湿らせる。
 「…あたし、あんたに抱かれることができないよ。結婚しても、あんたのものになることは、一生無理かもしれない。そんなのあんたに耐えられる?一晩二晩、ただ一緒に横になって寝るのとわけが違うんだよ!?」
 道明寺の顔に動揺はなかった。
 ただ、あたしをただ静かに、震えるあたしをジッと見つめ返していた。
 そして、ふと視線を外し、青い海へと視線を転じる。
 彼が普段対峙する企業人たちに対するように威圧感をこめられたわけじゃないだろうけど、慣れたあたしでも道明寺の目力に晒された後は、ドッと疲れる。
 …ううん、違うな。
 いつもはそんなこと思わない。
 喧嘩や争いは別として、この男に見つめられるとドキドキや、ときめきで舞い上がって、すごく感情の起伏は激しくなるのに、それが幸福でふわふわした活力となりこそすれ、疲れるなんて思わなかった。
 いま、あたしは疲れているのはきっと、道明寺の目から発せられた何かを押し留め、否定し、振り切ろうと渾身の力で戦わなければならないからなんだ。
 そうと思い当たったって、道明寺からの申し出を受けるわけにはいかない。
 いずれ破たんする…お互いに不幸になるとわかっていて、一時期の激情に流されて、結婚なんてできるはずがない。
 一生だよ?
 一生。
 体を重ね合わせることもできなければ、…もちろん、子供を望むことだってできやしない。
 そんな不毛な関係、道明寺という一個の人間の幸福からも、彼の生まれながらの立場からしても許されるはずがないじゃない。
 「…別に、最初っからそんなに構えることねぇんじゃね?」
 「は?」
 「結婚したから、すぐSEXしなきゃなんねぇとか、なんで決めつけなきゃなんねぇの?」
 自分の恋人からのあからさまな言葉と、よりにもよって淡泊とはどう見ても思えない男からの意外な言葉に、とっさに反論できない。
 と、いうか、言いたいことがまったく理解できなかった。
 「あんた、なに言って」
 「…心だけあればいい、体なんて問題じゃねぇ…そんなやせ我慢を言うつもりはねえよ。俺はお前の心も欲しいが、体ももちろん欲しい。こうして顔を見て、声を聞けば、抱きしめたくなるし、キスしたくなる。キスして裸にして、俺の愛情をお前の体中に刻み付けたいっていつも思ってる」

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