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「それでも貴方を愛しているから…全97話完+α」
第四章 愛憎…愛することとは①

それでも貴方を愛しているから068

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 どうするの?ではなく、どうなるの。
 これって、道明寺に依存した言い方だろうか。
 でもいまのあたしはあまりに空虚で、自分でどうしたいのか、心の奥底を探ったり、そんなことを決める余力はなかった。 
 だから、道明寺に聞いてみたかった。
 あんたは、どうしたいの?
 あたしたち、どうすればいいの?
 道明寺は、らしくもない気弱気な笑みを浮かべ、緩く首を振る。 
 どこか影を背負ってしまったと思うのは、気のせいだろうか。
 いままでの凶暴な昏さでも、陰惨な闇でもなく、儚げな影。
 こんな顔をさせてしまうようにしてしまったのは、きっとあたしのせいなんだろう。
 それでも、あたしは自分が吐露した真実の叫びを後悔する気にはなれない。
 どの道、すべてに蓋をしても、このままで無視し続けることなんかできなかっただろうから。
 実際に、もう破綻しかけていた。
 破綻してしまっているのだろうか、それとも?
 ぼんやりと道明寺を見た。
 「…何も変わらねぇよ」
 「……」
 「……」
 「……、は?」
 なんですと?
 「お前の中に俺への憎悪や怨嗟があろうと、俺の中にどんな罪があろうと、俺がお前に惚れていてお前が俺に惚れていることにはかわりがねぇ」
 道明寺が一瞬だけ、長い睫毛の瞼を伏せ、次にあたしを見た時にはいつもの俺様だった。
 「だいたいが、お前がどうであろうと、俺は絶対にお前を手放さない。逃がしゃしねぇんだから、変わりようもねぇな」
 「…あんたねぇ」
 久しぶりに感じる呆れた気分。
 でも、それが酷く懐かしく…どこか嬉しい。
 道明寺は、ニヤリと唇の端を笑いに歪める。
 「俺はお前にめちゃめちゃ惚れてる。それ以外のことは、なんら重要じゃねぇんだよ」
 「…なによ、それ。あたしの気持ちはどうでもいいってわけ?」
 いつものことだったけれど、溜息を禁じ得ない。
 けれど、ニヤニヤ笑っていた道明寺がすぐに表情を改め真摯な眼差しをあたしに向ける。
 そして、沈鬱な声で続けた。 
 「お前の感情は正当だ」
 「……」
 「当たり前のことなんだ」
 「……」
 何が言いたいの?
 それがわからない。
 何も変わらないといいながら、憎んで当たり前ってどういうこと?
 「ずっと俺を憎んでろよ。恨みたいだけ恨み続けろ」
 「…道明寺」
 「そのお前の憎しみを包み込むくらいの愛情をお前に注いでやる。お前がどんなに俺を憎んだって恨んだって、俺はお前を愛してる。だから、そんなことで一人で苦しむな。俺から離れてゆくなよ」
 わけのわからない破たんした論理に、笑ってやりたいのに、またも目頭が熱くなる。
 「…意味わかんないよ。憎み続けていいのに、離れてゆくななんて。そんなの苦しすぎるからヤダ」
 「だって、お前も俺に惚れてるだろ?」
 厚かましい物言い。
 それでも、その語調のどこかが不安に揺れてるように思うのはあたしの気のせいなのかな。
 「お前が苦しんでたら慰めてやる。悪い夢を見たら抱きしめてやる。お前が泣き叫びたくなったら、殴られてやる。だから、俺の傍にいろよ。憎んだままで恨んだままで、俺と一緒に生きてゆこうぜ」
 あたしは立てた両膝に顔を埋めて…うん、と小さく一つ頷いた。



 また泣いて、泣いて。
 もう目が解けちゃうんじゃないほど泣き続けた。
 その間、道明寺は自分が言った通り、ずっと抱きしめてくれて(今回は殴るのはやめておいた)、そばにいてくれた。
 やがて気を取り直し、メイドさんたちが食事を寝室に運び込んでくれた頃には、目は真っ赤、瞼は腫れあがって、殴られて腫れている頬とあいまって、まるで何ラウンドも連戦を重ねたボクサーみたいな顔になっていた!…ありえない、惚れた男の、それも人一倍美形の彼氏の前に出るような顔じゃないよね。
 いつもだったらからかって、憎まれ口の一つも言ってくるような男なのに、今回だけはポンポンと背中や頭を叩くだけで、黙って顔を冷やす濡れタオルを持ってきてくれた。
 それにも涙ぐみそうになって、さすがの道明寺も呆れたらしい。
 「…お前、もう一生分泣いたんじゃねぇの?」
 「ほっといてよ。今日のあたしは涙腺壊れまくっちゃったんだから、蚊に刺されても泣いちゃうの」
 「はあ?変な言い分。だいだいこの季節、蚊なんているかよ」
 「単なる比喩でしょ。相変わらず、婉曲的(※はっきりと言わず表現などが遠まわしであるさま)ってこと知らないんだから」
 「円舞曲ってなんだよ?」
 「……」
 少しづつ調子も戻ってきて、ちょっとした言いあいにさえも、ふわふわとした幸福感が湧いてくる。
 それでも、確認しなければならないことはまだ残っていて。
 食事を終え、一段落つくと、向い合って再び口火を切った。
 「…あたし、まだあんたに聞きたいことあるんだけど」
 「ああ。この際だ、言いたいこと、聞きたいこと全部吐き出しちまえ」
 何かを吹っ切ったのだろうか。
 真摯ではあるけれど、道明寺の様子はもう自信を取り戻したようで、少しも頼りなげではなかった。
 「…言いたいことはもう、言ったと思う。あのさ、あんたが赤札貼って、あたし以外の人たちにもさんざん酷いことしてきたのは知ってる。…その、それであんた、あたし以外の女の人にもあたしにしたようなことってしてたの?」

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