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「中・短編」
with F4(Love つくし)…完

女友達07

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 「ジンクス?」
 疑問符一杯のつくしに、今度はいくつかブレスレットを手渡し、会話に気をとられているうちに身に着けさせる。
 「それ、いいな、買い」
 「え、ちょっと」
 「恋人に靴をプレゼントするとその靴を履いて逃げられるってジンクスあるんだよ。お前も知らなかっただろ?」
 話の方に気をとられ、つい、返却するタイミングを逃す。
 「へ?そ、そうなんだ。でも、それってディズニーランドでデートすると別れる…とか、そういう類の奴でしょ?バカバカしい」
 チッチッチ、と指先を振り、最後にはナチュラル色の籠バックを持たされ、一式お買い上げ。
 「意外にそういうの、司は気にすると思うぜ。お前のことに関してだけは、異様に敏感だからな、アイツ」
 言われてみれば、そういう傾向がないとも言えない。
 本当に信じるかは別として、極力つくしとの関係が拗れたり、暗礁に乗り上げるようなマネは避けたがる。
 が、結局俺様男、それでも自分の欲求が勝った時は別の話で、また都合によっても無理やりに解釈を捻じ曲げるのだから、何と言っていいのやら。
 総二郎は、通りすがりの店員に、つくしが持ってきた重いトートバッグを手渡し、つくしの家に送っておいてくれるように頼む。
 「牧野、住所書いて」 
 「え?…なんていうか、気が付いたらあれやこれやとあっという間に」
 もう逆らう気力もなく唯々諾々と総二郎の指示に従う。
 店をでる頃には、一式着せかえられてしまっていた。
 「悪いけど、ちょっと寄り道するから、バイクもうちょっと預かっていて」
 そして、またもや無理やり引きずられるようにして、手首を引かれ、街中を歩かされる。
 「ね、やっぱり、困るよっ!こんな、もらえない」
 「…俺が恥ずかしいって言っただろ?あんまりにショボイ女を連れ歩くと。何回も言わせんじゃねぇよ」
 失礼な言い草である。
 「誰が、好んであんたと歩くっていうのよっ!頼んでないつーのっ。ショボくて結構。やっぱもう帰るから、ほっておいてよねっ!?つーか、手を離せ!」
 ふんっ、総二郎の手を振り払い、意地になって先を歩く。
 「最初から黙ってついてくればいいのに、手間かけさせやがって。あ、こっち」
 噛みついても、暖簾に腕押し。
 やっぱ、F4って傲慢でマイペースだわ。
 ガクッと項垂れ、促がされるままに、総二郎が開けてくれたドアをくぐり、店内へと足を進める。
 「はい、最後の仕上げ。ちょちょっとスタイリングしてもらってこい」
 「なっ!」
 抗う暇もなく、今度は間違っても近づかない高そうな美容院に放り込まれ、店内から出迎えが来て、つくしはあっという間に美容師たちの手に引き渡されてしまった。



 髪を軽くカットされ、スタイリング。
 背中まで伸びた髪の長さは変えないままに、ちょっと手を加えられただけで、つくしの印象はガラッと変わる。
 サイドにシャギーを入れて、内巻き気味なヘアスタイルは、なんだかティーン・オブ・ジャパンの時を彷彿とさせた。
 軽く化粧直しもされて、鏡の中の彼女はなんだかまったくの別人みたいだ。
 昔、静にドレスを借りて、お化粧をしてもらった時も、お姫様になったような高揚を覚えたけれど、つくしだって綺麗にしてもらうのは嫌いじゃない。
 …庶民で十人並の容姿のあたしも、オシャレすれば少しは可愛く見える?
 『へえ、いいじゃん。お前、元は十人並だけど、けっこう頑張れば化けるんだよな』
 さっき総二郎に言われた台詞が脳裏に蘇る。
 言われた時は余計なお世話だと思ったけれど、でも、努力が無駄ではないと言われることは嬉しい。
 ちょっぴり、本当にちょっぴりだけど、そうやって可愛くなった姿を司に見せられないのが、残念だった。 
 案内されて、つくしが待合室へ足を運ぶと、雑誌を膝に乗せ、優雅に足を組んだ美男が、コーヒーを片手に佇んでいた。
 そこだけが切り取った絵画のようだ。
 どんな高価な美術品や、豪奢な花々よりも、総二郎がそこにいるだけで、その場が芸術的に美しい空間へと変わる。
 見慣れているつくしでさえ、ぼうっと見惚れた。
 すぐそばの受付にいる店員も、つくしをここまで案内してきたスタイリストも、呆けたような顔で頬を染めて総二郎に魅入られる。
 「…お、終わったか」
 顔を上げて、ニッコリ笑った総二郎に、つくしは不覚にも赤面しかけて、わざと怒ったように苦情を告げる。
 「もうっ、何なのよっ。海行くどころか、夕方になっちゃったじゃない」
 つくしの言う通り、ショーウィンドーから見える外の景色は、日が長いとはいえ、隠しようもなく日が陰り、夜の時間へと移行しつつある。
 真っ赤な残光が、店内に差し込み、柔らかい昼光色を華やかに染め変える。
 「いいんだよ。一度お前を俺色に染めて見たかったんだよな。色気も素っ気もないお前をどこまで変えられるか、面白そうじゃん?」
 実際、面白いくらい変わるよな、お前って。
 そう言いながら立ち上がり、懐からサングラスを取り出して、つくしに歩み寄って顔にかける。
 大振りのサングラスはつくしの鼻には上手く引っかからなくって、ズルリとズリ下がった。
 「ぶ~、ズリ落ちてやんの」
 「うるさい」
 赤面しつつ、つくしはブスくれながらもサングラスを指先で引き上げる。 
 少しおしゃまだけど、大人の階段を上りだしたシンデレラのような初々しい溌剌とした可愛らしさのつくしは、総二郎の目から見ても十分に魅力的だ。
 …まいったな。
 総二郎は自虐的に思う。
 彼女がいるだけで、単調でつまらない毎日が、生き生きと輝きだす。
 自分の女でもないのに着飾らせて、舞い上がってる自分のなんと滑稽なことか。
 それでもそんな自分が嫌いじゃない。
 「…なに?西門さん」
 「いや、海、行こうぜ、海」
 タイムリミットはもう少し。
 懐で鳴りだした携帯電話の電源をオフにして、総二郎はひっそりと微笑んだ。
 「いいの?西門さん、彼女からの電話じゃないの?」
 「いいの、いいの。今日は、つくしちゃんのお子ちゃまデートって決めてんだから、気にすんな」
 「だ~か~ら~、デートじゃないつーのっ!」




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ルビー様^^

こんにちは。
お問い合わせに関してお返事が遅れてしまい申し訳ありません。
当該のサイト様に関してですが、さまざまな事情により現在、掲示板からはアクセスできないような処置をとらせていただきました。

検索方法なのですが、当該サイト様からより、お問い合わせに関しては、ランキングは不参加とのことですが、
『ブログ村に登録しているのでイラストまたはマンガ部門から検索してみてください。ハンドルネームは同じです』
とのご回答をいただいております。
どうぞ、頑張って探してみてくださいね^^

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