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「それでも貴方を愛しているから…全97話完+α」
第二章 疑惑…掛違う運命の釦

それでも貴方を愛しているから036

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 「え?」
 「もちろん、道明寺さんが直接あんた以外の女性にもレイプしようとしたとは思わないけど、気に入らない相手には人を使って襲わせたってことだよね?あんたに対してしたことは」
 ハッと優紀を見返す。
 「…うがちすぎかもしれないけど、ちょっとね」
 あたしは、昏い闇がさらに差し迫っているように感じて、暗澹とした気持ちを握りしめた拳に閉じ込め、そっと息を吐いた。



 「…変なこと言ってごめんね」
 思わぬほど遅い時間になってしまい、長時間い続けたカフェを出た。
 帰り際、遅い軽食も注文したとはいえ、迷惑な客もいいところだよね。
 二人で暗い夜道を歩きながら、そういえば、こんな時間に歩くのは、あの時以来だなと思う。
 園崎さんがレイプされているところに出くわした日。
 実際、夜間のバイトができないのは懐が痛かったけど、今は昔のように生活に追われてないし、その分、夕方に入れている家庭教師のバイトを増やして頑張った。
 割はいいんだけど、問題は長時間できないこと。
 さすがにそう都合よく次から次へとスケジュールには入れられるもんじゃないから、一日一軒…せいぜい二軒が関の山。
 それでも夜道を歩く気にはなれなかった。
 どうしようかな…道明寺に払ってもらった学費をいつか完済したいと思っていて、できることなら結婚前には払ってしまいたい。
 …まあ、今となってはその結婚もどうなるかわからないから、急ぐ必要もないのかもしれなかった。
 「桜子さんと滋さんには…」
 「そっちは自分で言うよ。女同士だし」
 F4に言うよりは言いやすいには違いない。
 優紀がわかったと承諾して、F4…道明寺を含む4人には優紀と…相談した後、桜子たちで話してくれることになった。
 少し、肩の荷が下りた気がして安心する。
 「…いいじゃん、次も一緒しようぜ?」
 まだ人通りも多いことから、繁華街の近くを通ったところ、チャラけた感じの男の声がなぜか耳に通った。
 「すっかり酔っぱらっちゃって~、足元フラフラじゃん。俺が送っていってあげるからさ?」
 矛盾した言葉に、振り返ると、軽そうな男が一人、泥酔している女性の腕を掴んでどこかへ連れて行こうとしている。
 優紀とあたしは顔を見合わせ、あたしはそちらの方へと引き返した。
 「やめて…。もう無理なの。帰るから手を離して」
 近づくと、女性の方は弱々しく男の誘いを拒んでいる。
 これって、お持ち帰りってやつだよね?
 本人が望んでいるならともかく、どう見ても嫌がってるのを引きずって行こうとしているんだから、人情として放ってはおけない。
 こういう場所柄か、通りかかる人たちは他人のことになんか興味を示してもいない。
 「あ~!どこ行ってたのよ?探してたのよ?!そろそろ門限近いんだから、帰らないとまずいでしょ?」
 いかにも知り合いのふりをして、怪訝な顔を居ている男をよそに、強引に女性の反対側の腕をとる。
 酔って俯いていた女性の顔が、振り仰いで、あたしはびっくりして言葉を呑み込んだ。 そ、園崎さん。
 「なんだよ、お前?」
 「ねえ、もう22時近いよ?門限に遅れたら怒られちゃう。あんたのお父さん警察官で超厳しいんだから、早く帰らないと」
 優紀が言いながら、思わず男が離した方の腕を支えて、引っ張り上げる。
 「チッ」
 優紀の『警察官』という言葉が功を奏したのか、男は舌打ちだけして、さっさと歩み去っていった。
 「「ふ~」」
 相手は一人とはいえ、やっぱり男は男だ。
 どんな因縁をつけられるか緊張する。
 でも、取り返した園崎さんは、どれだけ飲んだのか、もう一人で立てないほどに泥酔していて体が揺れていた。
 「…どうする?つくし」
 「うん」
 迷ったものの、こんなところで放り出すのは論外だし(それくらいなら最初から助けない)、家も住所も知らない。
 とりあえず、まだ22時なんだし、しばらく休んだら酔いも醒めるかもしれなかった。
 「…とりあえず、うちに連れて帰るよ」
 「え?でも家族は?」」
 うちの家族は一人や二人、誰かを連れてたって驚いたり、嫌がったりするような人たちじゃないけど、他人を連れてゆくには家の方が狭すぎた。
 「パパは今、ビルの警備員やってて、夜勤専門だから朝まで帰ってこないし、進も友達の家に泊まってくるって言ってたから、ま、いいかな」
 ママは最近、パパに合わせたサイクルにするために牛丼屋で深夜のアルバイトに励んでいるから、そろそろ家を出た頃だろう。
 「でも、知らない人なのに」
 まだ不服そうな優紀に、とりあえず知り合いであることを知らせる。
 「えっとね、ちょっとだけ知り合いって言うか。まあ、全く知らない人でもないの」
 「え?そうなの?」
 「うん」
 「まあ、つくしはお人よしだから。とりあえず、どうする?タクシ―掴まえる?」
 「そうだね、ちょっと、歩けないみたいだしね」
 ここでタクシーは懐に痛いけど、乗りかかった船だ。
 まあ、仕方がないかな。



 タクシーを降りて、優紀に手伝ってもらってうちのアパートに園崎さんを運び込む。
 いいって言ったのに、そこまでのタクシー代金は割り勘にして、優紀はそのままそのタクシーで帰って行った。
 泊まっていってもらおうかとも思ったけど、知人と言っても園崎さんと知り合ったきっかけがきっかけだったから、困惑していたあたしの気持ちを敏感に察して、明日は柏原君とデートだから、と自分から断ってくれた。
 ごめん、優紀。
 優紀を見送って部屋へと戻ると、園崎さんの酔いも少しは冷めたらしく、畳から体を起こして不思議そうに、アパートの中をキョロキョロと見回していた。
 「え…ここ、どこ?」
 「大丈夫?園崎さん。お水、飲むかな?」
 声をかけたあたしを茫然と見返し、園崎さんはしきりに首をひねっている。
 「えっと、あの…」
 「あんなところで、無防備に酔っぱらったりなんかしたらダメだよ?変な男に目をつけられて、大変な目に合うところだったんだから」
 説教めいた言葉をかけながら、コップに水を汲んで手渡す。
 道明寺じゃないんだから、ミネラルウォーターじゃなければ飲めないなんて言わないよね?
 両手でコップを受け取った園崎さんは、特に抵抗はなかったらしく、言われるままに水を飲み干す。
 「あ、牧野さん?」
 やっとあたしが誰だかわかったようだった。
 そして、しばらくあたしの顔を見つめていたかと思うと、そのまま口元を抑えて俯いてしまう。
 肩が震え、徐々に嗚咽が漏れて…。
 あたしはどうしたらいいのか迷ったけれど、園崎さんの傍らに腰を落として、背中をそっと叩いた。
 しばらく…どれくらいの時間がたったのだろうか。
 すごく長い気もしたけれど、それほどの時間でもなかったのかもしれない。
 揺れる肩先の震えが徐々に小さくなり、スンと園崎さんが鼻を啜った。
 「…私、また、やってしまったんですね」
 やってしまった…という言葉に、戸惑って返答しかねる。
 「私、実は…レイプされたの初めてじゃないんです」
 ドキンと胸がなった。
 「…事件になったのは二度目。でも、その前にも、英徳で、英徳のクラスメイトに集団でレイプされたんです」

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