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ベイビー・ステップ…22話完

ベイビー・ステップ06

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 は?
 へ?
 意味が分からなくてマジマジと相馬さんの顔を見詰め、しばし思考停止。
 カチーンと固まって茫然と見上げるあたしに、スッと距離を縮めた相馬さんが屈みこみ、耳元で囁く。
 「…俺が泊まっていってやるよ。見張っててやる、一晩中」
 クスリと笑われ、一気に顔に熱が集まった。
 「け、け、けけけ」
 「け?」
 「けっこうです!そんなん、ダメに決まってるでしょっ!何言ってんですかっ!!!」
 とっさに相馬さんから飛びのき、頭をブンブン振りまくって否定する。
 ありえない。
 なに言っちゃんのっ!?この人~~!!?
 ニヤニヤ笑ってた顔が、あたしのテンパリようを見て爆笑する。
 「ぶっーーー!あはははは!なんだよ、その顔っ!?」 
 「あんたのせいでしょ~っ!」
 あ、やば、あんた呼ばわりしちゃったよ。
 「冗談に決まってんだろ?さすがに、いくら色気ねぇお前が相手でも、一応惚れてる女だからな。一晩一緒にいて、手を出さない自信なんてまったくねぇし」
 「手、手、手って!?」
 笑い含みながらも、ポンポンとあたしの頭を叩き、
 「まあまあ、そんなにアワ食うな。前から、お前に惚れてるって言ってるんだから今更だろ?」
 「……」
 なんとも言いようがない。
 そりゃあ、言われてたけど。
 なんて言うか、こういう客観的に1ランクも2ランクもいわゆるレベルが高い男に、言い寄られてる?っていうのがあたし的には実感がわかない。
 いつもどこかに、からかわれてるんじゃないかという気がして。
 もちろん、数か月前にハッキリ、付き合おうと申し込まれていたし、断った時にも諦めない的なことも言われている。
 ほっぺとはいえ、キスされたりとか、メールや電話なんかも付き合ってるはずの花沢類よりよほど頻繁にもらっている事実は、相馬さんの真剣さを後押しする事実だった。
 「ま、一応、お前、いまは他人の女だし。俺も略奪とかそういう熱いのはスタイルじゃないしな。どうしてもっていうなら、否やはないけど」
 「けっこうです!」
 「お?」
 「い、いえ。大丈夫だから、お引き取りくださいの、けっこう…です」
 「ふ~ん、ツレないねぇ。そこまでキッパリ言われるとそれはそれで、何だけど、ま、今日はいろいろあって疲れただろうから、早く部屋に入れよ」
 気遣う言葉に、改めてちゃんとお礼を言っていなかったことに気が付く。
 「相馬さん、今日は本当にありがとうございました」
 「おう。借りは返せよ」
 「はいっ。あたしにできることならなんでも」
 真面目に答えたのに、相馬さんがクッと笑う。
 なんで、笑うの?
 「何でも真面目にとんなよ。別に惚れてなくったって、ああいう場面に出くわしたら当然のことだろ?特に、これでも一時期はお前の上司だったんだし、気にすんな。ま、明日まで俺もこっちにいるからなんかあったら遠慮なく連絡しろ。特別に、ロハで面倒みてやっから」
 「ありがとうございます。もしもの時にはよろしくお願いします」
 もうこれ以上頼ることはないとは思ったけれど、社交辞令でお願いする。
 それに相馬さんも鷹揚に頷く。
 「お前の部屋、上だったよな。なんならおぶって行ってやろうか?」
 「え?い、いえ!大丈夫ですっ」
 「いや、今度は冗談じゃなく、足、痛いんじゃないの?」
 真摯な顔に、慌ててしまったことを恥じ入りつつも、丁重にお断りする。
 「ああ、いえ。病院でテーピングしてもらったので、痛みもそんなにないし、大丈夫。骨には異常なかったし…」
 「そっか。まあ、大事にしろよ」
 「はい。ありがとうございます。ご心配おかけして、すいません」
 本当にお世話になってしまったな。
 「…あの、もしよかったら、お茶でも」
 相馬さんはあたしの誘いに、微妙な顔で肩を竦めた。
 なんだろ?
 なんかおかしなこと言った?
 「えっと、そのお礼と、面倒をおかけしたお詫びもかねて、大したものはないんですけど」
 確か、一昨日優紀が遊びに来てくれた時に、お土産でもらった洋菓子がまだある。
 有名店らしくて、けっこう並んで買ってきてくれたやつだけあって、すっごく美味しかった。
 まさかそれだけでお礼とお詫びなんてことはできないから、本当のお礼とお詫びは後日に何か買うとして。
 「…お前な、さっきの話の流れで、それって、はああ」
 「えっと、お時間なかったですか?」
 そうか、そういえば、相馬さんがこっちに来てるってことは当然仕事のことでに決まってるし、そうでなくてもかなりの時間手間をとらせてしまっている。
 …て?
 「そこまで鈍感ていうのは、もはやお前の場合、犯罪だな」
 「え…と??」
 トンと額を軽く小突かれ、ポカンとしてる間に、相馬さんは踵を返し、車の運転席へ。
 「とりあえず…お前のありがとうとすいませんは聞き飽きた。男は気軽に部屋にあげるなよ。…じゃあな」




 相馬さんを見送って、部屋に戻ると、ドッと疲労が体を重くする。
 相馬さんには大丈夫だと言ったけれど、なんとなくもやもやとした不安感や、どうしてあたしが?と言ったような憤りが胸を塞ぐ。
 …どうしよう、夕飯。
 材料はまあ、一人分くらいなんとか買い物に行かなくても間に合うけど、なんだか何かする気が起きず、手持無沙汰にテレビをつけようとリモコンに手を伸ばし、スイッチを押す。
 何やら昔見た覚えのあるアクションものの洋画が写った。
 『大統領!危険です』
 『危険は承知だ。それでも私は…』
 なんか、こういう爽快ものを見たい気分じゃないんだよね。
 かといってしんみりとしたサスペンスやシリアスものを見たい気もしないけど。
 やっぱり、テレビはやめようと、オフボタンを押しかけ…。
 ブーッ、ブーッ。
 ビクッ。
 驚いて、振り返ると無意識に上着のポケットからテーブルの上に置いた携帯電話のバイブが振動し、震えるような低い音を響かせていた。
 あ、いけない、そういえばバイブに設定したままだ。
 仕事中や電車の中で、携帯電話をマナーモードにして、よく電話の呼び出しに気が付かず、そのまま放置してしまうことも珍しくない。
 それでも、ここのところは花沢類からの電話を待って、頻繁にチェックしているから、そういうことはなかったけれど。
 そういえば、昼間っからこっち、さすがにあんなことがあったから、ここのところにしては珍しくチェックしてなかった。
 もしかして…。
 期待にドキドキして番号表示に目を向ける。
 …見覚えのない番号に、ガックリ。
 次いで、不審に思い、出るかどうかを迷い、でも結局無視するわけに行かず、応答する。
 「…はい」
 『こちら、○×△警察署ですが』
 先ほど事情聴取を受けた地域の管轄警察署からだった。
 『牧野つくしさんの携帯電話でよろしいですか』
 「あ、はい、牧野ですが?」
 『実はですね…』
 なんと、昼間にひったくられたはずのバッグが取り戻され、犯人も捕まったと言う報告の電話だった。
 え?本当に?
 応対してくれたお巡りさんは、犯人の検挙はともかく、盗られたお金や物は諦めた方がいいと言っていた。
 捕まったとしても、ほとんどが戻ってこないというのがひったくり、置き引き、すりの被害の大半らしい。
 警察も、犯人検挙が主な職務で、被害者の権利保全や被害回復は業務に含まれていないのだ。
 それもショックの一因ではあったのだけれど。
 『あなたは本当に運が良かったんですよ。通行人の人がすぐさま捕まえて、警察署まで連行して来てくれたんですから』
 本当に?
 あの時は一杯一杯だったけど、犯人が捕まっていたら周囲の人にももうちょっと反応があった気がするのに、それらしい気配があった記憶がない。
 あの場にいたお巡りさんだって、何も言ってなかったし…ていうか、なんでお巡りさんに引き渡すんじゃなくって、警察署?
 捕まえてくれた人に怪我はなかったのだろうか。
 ふと、本当に自分でも不思議なことに、ふと、銀行で並んでいた時に気になっていた男性の姿が思い浮かぶ。
 まさかと思いつつ、相手の特徴を思い浮かべる。
 「…あの、もしかして、犯人を捕まえてくれた人って、サラリーマンぽい外見だけどなんだか眼光が鋭くて、ちょっとチグハグとした感じの30才代前後の男性ですか?」
 『いえ、協力者のことはプライバシーの問題があるので、詳しくはお伝えできないんですよ』
 お礼をぜひ言いたいので、と行ってみたけれど、結局詳しいどころか少しも教えてはもらえなかった。
 とりあえず、被害届と荷物の確認、それに引き取りの日時を聞かれ、電話を切った。
 『大統領!こちらへっ』
 つけっぱなしのテレビが、いつの間にか画面転換している。
 「…あ」
 テレビ画面の登場人物に、先ほどまでの疑問が解けた。
 ちょうど、主人公の大統領の警備を担当するSPが、不審者に目を配っているシーン。
 シチュエーションが、昼間の男性に重なる。
 「道明寺が連れていたSPに似てるんだ、雰囲気が。そういえば、花沢類にもついてたよね」
 以前に、車で相馬さんに口説かれている時、勘違いした類に急襲されたことを思い起こす。
 え…でも、なんでそんな人が?
 思い当たるとしたら一人しかいない。
 結局、何にしろ、あたしには花沢類からの連絡を待つしかどうしようもないようだった。

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NoTitle

相馬課長さんって男気に溢れた人なんですね。つくしは誰を選んでも正解ですね。羨ましいです。

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 この作品の雰囲気がいい!!

課長が素敵ですが類にも登場して欲しいw

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