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「中・短編」
with F4(Love つくし)…完

女友達02

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 バッチーン。
 「いてっ」
 臆面もなくいちゃいちゃしているところ?を見せつけられ、切れた『ミナちゃん』が総二郎をひっぱたき、つくしには、
 「このドブスッ!いい気になってんじゃないわよっ。見せつけて勝ったつもりかもしれないけど、西門くんには他にもたくさん普通の関係じゃない女友達がいるんですからねっ!自分だけだなんて己惚れないでよねっ。貧相な体してっ!」
 ほっとけ~っ!!っーか、誰が見せつけてるっていうのよっ!!誰がこんなスケコマシ相手に自分を安売りするかああああああっ!!!
 「むがががががっ!!ふがああああああぁぁぁぁっ!!!」
 内心の叫びは哀しくも、総二郎の手の中にくぐもって抑え込まれ、つくしの憤懣やるかたなし!
 謂れのない誹謗中傷を受けながら、憤然と立ち去ってゆく総二郎の女友達を見送り、やれやれと力を抜いた男の隙を突き、つくしは思いっきり!伸び上がった。
 ガンッ!
 「うげっ」
 顎下から強烈な頭突きをくらい総二郎が顎を押さえて屈みこむ。
 そのままつくしは男の手から逃れ、勢いのまま肘を鳩尾に叩きこんだ。
 「ぐっはっ」
 さすがの大男も無防備の一撃はかなりのダメージだったらしく、しゃがみこんで床に懐いたまま呻いている。
 「ふざけんなっ!このクソバカすけべ野郎!!また人を痴情の縺れに巻き込んで迷惑かけんなっ!?」
 「…この凶暴女~、この俺を床に懐かせるのはお前くらいなもんだぞ」
 地の底からなんとか声を絞り出したような総二郎が、口元をぴくぴくさせつつ、なんとか立ち上がった。
 「痛ってぇ~、ミナちゃんには殴られ、お前には頭突きと肘鉄…。少しは手加減しろよな。猛獣の女は、自分の男並みに気が荒れぇときてんだからな、まったく」
 ボヤク総二郎に対し、つくしの方はケンモホロロで取り付く島もない。
 仁王立ちに立って、片手を腰に、もう片方の手の指をビシッと総二郎へと突きつける。
 「何言ってんのよっ。だらしない下半身の不始末を、人に押し付けようっていうアンタが悪いんでしょ?あんたのせいで、これ以上理不尽なトバッチリで逆恨みされるのはごめんだからねっ!ちゃんと、あたしはあんたと無関係だということをさっきの女の子に言っておいてよっ!?」
 「つれないよな~、つくしちゃん。司が忙しくて音信不通の間も何くれとなく、慰めてやった俺に冷たいお言葉」
 「うっ!」
 それを言われてしまうと、つくしも強気で突っぱねられない。
 司との約束から4年。
 NYと東京とに別れた遠距離恋愛は、結局約束の年を過ぎ、もう一年延長となってしまった。
 約束をたがえる結果になってしまった司は大いに嘆き、あれほどの傲慢、唯我独尊男が、つくしに対して平謝りをしたことは二人だけの秘密だ。
 司だって好きで約束を破ったわけではない。
 それでもやっぱり、寂しさを拭うことはできないつくしだったが、司の心情も慮り、その落胆を顕わにはせず、一生懸命慰めた。
 待っているから…と。
 殺人的なスケジュールの中、この4年間、司はつくしに対してマメで真摯だった。
 その深い思いやりや愛情をつくしは強く司から感じていたし、それゆえに司への愛情も4年前よりさらに深く強く、つくしの中でも大きく育った。
 愛情は相互作用なのだ。
 それでも4年の間にはいろいろなことがあった。
 忙しさのあまり、何か月も音信不通だったり、何度となく大企業のご令嬢との交際が取りざたされたり、時には本人のあずかり知らないところで婚約報道が流れたことさえもある。
 司を信じ、約束の4年をジッと待ち続けたつくしだったが、それでも時には不安になったり、寂しさに鳴らない携帯を手に涙したことだって一度や二度ではない。
 そのたびに、類が、あきらが、総二郎が、滋や桜子、優紀たち親友がなにくれとなく気遣い、慰めてくれた。
 そして、今年になり、あきらや類が大学を卒業すると、途端に海外赴任となり、つくしの傍に残ったのは大学院に一人残った総二郎だけになった。
 女友達たちも滋もまた永林大学を出てジュニアとして多忙に、優紀も短大を出て就職すると学生時代のようにはいかないのは当然のこと。
 桜子もまた総二郎同様つくしの元へ残り、この二人が何くれとなくつくしを気遣い続けてくれたのだった。
 総二郎との付き合いが特に深くなったのは、実はこの半年のことだったかもしれない。
 類は昔から司を除いて、つくしに一番近い存在だったし、魂の一部なのではないかと思うほどに大切な人。
 あきらは兄的なポジションでつくしの支えとなってくれていた。
 総二郎とはずっと喧嘩友達のような関係が続いていて、仲が良いようで、他の3人に比べれば、一番付き合いが浅い相手だったともいえる。
 それがこの半年で、グッと距離が縮まり、5年もの歳月友達関係を続けてきたと言うのに、今まで知らなかった彼という人物を知ることも多かった。
 それはいい意味でも、そうだったし、悪い意味…大まかにはわかっていたが、近くなった分だけ頭痛の種になることも少なくなかったのである。
 普段はおちゃらけ男の総二郎が、いかにきめ細やかな気遣いでつくしの傍にいてくれたかはもちろんつくしも十分にわかってはいたが、恩は恩、それはそれである。
 慰めにもなったが、同時にえらい迷惑をかけられたのも事実。
 「…あんたのせいで、あたしが何度嫌がらせを受けたか、忘れたとは言わせないわよ」
 近くなっただけ、一緒にいる時間が増えただけ、嫌がらせを受ける機会も増大。
 総二郎も思い当たることは多々あり、ポリポリと気まずそうに頭を指先で掻いた。
 そんな何気ないしぐさでさえ美しいんだから、もう存在自体が罪な男である。
 「あ~、まあ、そりゃあ申し訳なかったと思うけどよ。しょうがないじゃん。俺がイイ男なのは俺のせいじゃないじゃん。あえていえば、俺をこんな風に完璧な男に生み出した神さまのせい?…ま、俺無神論者だけど」
 ガクッ。
 臆面もなく言って赦されるこの男が、ハッキリきっぱりムカつくのに、反論ができない。
 「…道明寺にしても、あんたにしても。よく口が腐んないわね、自分で言ってて」
 「だって、本当のことだろ?」
 「……」
 言い募るだけ無駄だ。
 やっと悟ったつくしは、さっさと踵を返す。
 「おい、待てよ、牧野。送っていくって」
 つくしの荷物を強引に奪い取り、総二郎はさっさと駐輪場へと向かってしまう。
 「ちょっと!いいってば、西門さん」
 「バイトに行くんだろ?さっき、送ってくって言ったし」
 「さっきって、女の子を諦めさせるための方便でしょ?」
 ホント、女の敵なんだから。
 友人だし、彼氏の司の親友でもある総二郎のことは好きだったが、こういう面は何年付き合っていてもついてゆけない。
 「ま、そりゃそうなんだけどな。でもま、さっきの今だし、逆恨みしたミナちゃんが待ち伏せでもしてたらさすがの俺も申し訳ないかなって、迷惑料ってとこ?」
 「…そう思うなら、最初から当て馬に使わないでよ」
 「わりぃ、わりぃ。あの子、ここんとこちょっとしつこくてさ?ま、ちょっと粘着質なとこあるけど、だいそれたことするほど度胸ある子じゃないし、けっこうプライド高いから、ああいうふうに俺に切られてお前になんかするような根性ないさ」
 「そうだといいけどね」
 はああっと、溜息が洩れる。
 他人ごとながら、ちょっとだけ、この男の人でなしさに振り回された彼女が気の毒だった。
 「しっかし、最近の女は、お前だけじゃなく、けっこう凶暴だよな。おー痛てぇ~、かなりミナちゃんのビンタも強烈だったぜ。こえー、こえぇ」
 ボヤキながら頬をさする総二郎の顔を見上げると、確かにバッチリ綺麗なモミジが秀麗な頬に象られて色男がだいなし。
 「自業自得でしょ?怖いと思うなら、不義理なことしないで、一人の女の子に絞ればいいのに」
 無駄と思いつつ、呆れながら忠告するつくしに、ニヤリと懲りぬ罪な男は予想に違わぬ悪い表情を浮かべて、含み笑った。
 「刺激もスリルもない恋愛なんてつまんねーよ。俺はお前らみてーに、純愛だの、一途だのごめんだね。一期一会、たくさんの出会いが俺を待ってんだ、楽しまねぇとな。第一、俺みたいなイイ男が一人の女のものになっちまったら、世の中の女たちが可哀想だろ?」
 「…はいはい、さようでございますか」
 呆れてものも言えない。
 頭痛を憶えながら、しまいにはつくしも肩を竦め、勝手にしろとばかりに言うに任せた。




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