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「夢で逢えたら…全207話完+α」
第一章 もう一度逢いたい

夢で逢えたら014

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 3連徹明けのぼーっとした頭に入る携帯電話の電子音に、定まらぬ目を向けたままマーベルは、枕元の時計を確認した。
 …pm:16:15
日付表示を見ると、あの殺人的な宿直明けからすでに一昼夜が過ぎ、どうやら半日通り越し、寝に入る前に軽食をとって以来、実に30時間以上の時間を眠って過ごしていたらしい…。
 ああ~、せっかくの休みが~。
 明日からまた激務が始まるというのに、結局、今回もまた無駄に寝て過ごす休日で終わってしまった。
 気がつけば、マーベルの眠りを覚ました電子音はいつの間にか鳴りやみ、カーテンの隙間から差し込む西日が、ベッドに座り込む彼女のシーツに沈んだままの半身を熱く照らしている。
 ため息を一つこぼし、マーベルは病院からの急患の連絡かもしれない携帯電話を嫌々手にとった。
 電源を切っておけばよかった。
 いつも思うことだけれど、生真面目で責任感の強いマーベルがその誘惑を実行できた試しはない。
 「…」
 鬼のように立ち並ぶ着信履歴は、しかし、予想していた病院からのものではなく、昨日の日中、彼女をマンションまで車で送ってくれた入院患者の家族からのものだった。
 道明寺司
 道明寺司
 道明寺司
 以下、続く。
 しばし、携帯電話の着信履歴を茫然と眺めていたマーベルだったが、眉をひそめて頭を抱える。
 …これ、仕事用の携帯電話なんですけど。なんで、部外者が。
 ♪♪♪♪♪ ♪♪♪♪♪♪
 私用携帯が、マーベルのぼやきに答えて、『一応登録してあるけど赤の他人』!用に設定していたメロディをけたたましく鳴り響かせた。
 考える前に画面をタップし、携帯電話を耳に当てながら、無意識にサイドテーブルに目をやると、マーベルが寝ている間にレンが用意しておいてくれたらしいサンドイッチの皿と、その皿を重しにしたメモが目に入る。
 「俺だ」
 マーベルが返事をする前に、低い男の声が受話器の向こうから、まるで親しい間柄の人間のようにぶっきら棒に声をかけた。
 「…」
 道明寺司。
 仕事用の携帯電話と同じく、おそらく大量に着信履歴を残しているであろう男は、姿が見えぬ声だけでの登場でも、図々しいまでの存在感と威圧感を発してくる。
 声自体は甘く、どちらかといえばセクシーなのだが、どこかピリピリとした緊張感を孕んでもいた。
 「聞こえてるか?Dr.?」
 「…ええ、こんにちは。Mr.道明寺」
 「あんた、いったいいつまで寝てたんだ。今日の昼からこっち、仕事用の携帯にかけても、こっちにかけてもでやしない。俺にいったい、何回電話をかけさせれば気が済むんだ?」
 忙しい俺に手間をかけさせるな…と言わんばかりの相手の傍若無人な物言いに、はああ!?と言い返してやりたい。
 100歩譲って、患者の家族がその容態について詳しく説明が欲しいということにしろ、病院にではなく、担当医の携帯電話に直接連絡をとってくるなんて、ありえない。
 しかも、マーベル自身が教えた憶えもない、仕事用&個人用双方の携帯電話に勝手にかけてきて、文句を言われる筋合いもないだろう。
 「何度も言いますが、御用の時には、病院の方におかけください。こ・れ・は・私の私用の電話であって、あなたにかけてこられる筋合いもないし、仕事用の方は尚更、部外者のあなたにかけてこられる謂れもないと思いますけど!?と、いうか、困ります!」
 「うるせぇな、ちんたら経由してるより、アンタに直接かけた方が早いだろ。だいたい、仕事用の携帯がどうたらっていうなら、さっさとどっちでもいいから電話に出ろよ?」
 なんなんだ、この男、わけわからん。
 だから、なんで、個人的に親しいわけでも、病院関係者でもない人間に、電話もらわなければならないんだっつーの!
 「で、今夜、アンタ暇だろ?」 
 暇?まあ、この時間からじゃあ、もう今日はどこに出かけようもないわね。
 まだ、若いつもりでいるマーベルも、さすがにこの仕事と寝るだけの往復の生活に、我ながら物寂しものを感じる。
 せっかくの?独身貴族だというのに、まったくの潤いもない。
 「まあ、特に予定はないけど…」
 「じゃあ、pm.17:30ジャストにアンタのマンションの前に車回すから」
 「はい??」
 「今日は俺の方も珍しく夜の予定がないし、夕飯でも食いに行こうぜ?」
 「な、なんでですか??」
 「飯が食いたいから」
 なんじゃそりゃ、なんでアンタが飯を食いたいのに、私が付き合わなければいけないわけ?
 「つうことで、後でな」
 「ちょっ!」
 ツーツーツー。
 マーベルの都合などお構いなしの、Going my way男の通話は、やはり一歩的に切られていた。
 着信履歴を見てみると、仕事用と同じく着信歴の嵐。
 ここまで激しくかけまくられると、やっぱりこのままかけなおして、断る…なんて選択肢ありそうもないよね?
 先ほど、手にとったメモに目を落すと、彼女の唯一の同居人から、今夜は大学の友人たちと呑みに行くので遅くなるという連絡が書かれていた。
 これで、完全に夜の時間は丸空きになってしまったわけだ。
 「~~~、もうっ!」
 頭を抱えて、思わずマーベルは自分の両膝に突っ伏して呻いた。

 pm.16:30。
 ふんふんふん♪
 鼻歌まで聞こえてきそうな上機嫌な上司の様子に、今回のプロジェクトの定期業務報告を行っていた技術担当のジェイムズは、内心ビビリまくっていた。
 冷酷・冷徹・冷淡の3拍子で語られる目の前のこの美しい男は、ほとんど無表情でいることはあっても、けっして相好を崩すなんてことはありえない。
 この定期的な報告の際も、毎回、ジェイムズに怖ろしいほどの威圧と恐怖を与え、いつも生きた心地を味わせたことがなかった。
 プ、プライベートで何かイイことでもあったのかな?
 …そんなことで、この人が上機嫌を周囲に悟らせることなんてありえない、か。つうか、上機嫌?そんな感情この人にあるのだろうか。
 自分で自分に突っ込んでみて、ジェイムズは内心戦々恐々だ。
 「…、というわけで、今回の試みは、革新的とまではいわないまでも、かなりの成果を期待していただいてかまいません」
 「そうか、ご苦労。その調子でその件は勧めてくれ。S社との最終すり合わせも近いから、それまでできるだけ有利な材料がそろうにこしたことはない。頼む」
 「は、はい!」
 ご苦労、頼む。
 いまだかつて、この上司に労われるなどということを想像だにしたこともなかったジェイムズは、氷結したかのように固まり、ぎこちなく副社長室を退室した。
 ひ~、怖かったよ~~~。
 明日は、槍でも彼に降り注ぐのかもしれない。
 「高瀬、今日は俺ももう退社する。後、何かあったら携帯の方に連絡いれてくれ」
 「…はい。失礼ながら、本日はどちらの方に?」
 「ああ、ちょっと、プライベートで食事にでる。そのあと、メイルズフォート病院の要のところに顔を出すから、このまま直帰する」
 プライベートで食事?
 冴子が司の第二秘書として傍につくようになって3年。
 プライベートが原因で司の機嫌が左右されるということはなかった。
 と、いうよりも、仕事で思ったような成果を得ていてさえ、彼が周囲にその機嫌を悟らせるような外見の変化を見せたことがない。
 その彼が…?
 「…わかりました。明日からは、通常通り、山之内が日本出張より戻ってまいりますので、お邸へ山之内がお迎えにあがると思います」
 「ああ」
 軽く手を上げると、司は執務室を後にした。
 冴子は何か嫌な予感に、胸に抱いた書類を知らず知らず、グッと抱きしめていた。

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