「それでも貴方を愛しているから…全97話完+α」
第一章 悪夢再来

それでも貴方を愛しているから012

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 最近、好みの韓国ドラマを見つくした私の母。
 繰り返し、繰り返し同じドラマを視聴(あたくしめが、レンタルしてきたDVDをコピーしてやってるのでございます。内緒ですよ?w)。
 つい先日は、「花より男子」を見ていまして、一緒に見ていた私の娘(小学2年生)が、「この人がカッコイイ!」…花沢類ことジフ先輩でした。
 勝気な娘の好みは類派。
 優しいのがいいのだそうです。
 ちなみに母と私は司派(ミンホ君)。
 いえ、別にいいんですけどね。
 では、お話をどうぞ。
 坊ちゃん、暴走しております?(いや、気の毒か^^;)
**********

 手に触れた熱く堅い感触に、とっさに手を引っ込めようとして、阻まれる。
 そのまま手の上から道明寺の手が包み込み、握り込まされた。
 頭が真っ白になる。
 「や、やだ」
 どんなに精一杯力を込めても、男の力の前では叶わない。
 手の中の高ぶりが、ますます熱を帯び、バスローブ越しに確かな存在感を知らせてくる。
 「…わかる?お前が欲しくて、欲しくて。俺、ずっと我慢してた。けど…」
 熱い吐息が耳に触れ、首筋を伝い、チュッとキスとツキンとした痛みを落としながら、もう片方の手で傾かせられた頤を、鎖骨を、そして胸元へと移動する。
 懸命に道明寺自身を握りしめさせられた手とは反対の手で、逞しい胸を押し退けようと弱々しい抵抗を続けるけど、当然のことながら、ビクリともしない。
 「や、やめて。お願い、離して」
 蚊の鳴くような声で哀願するけど、高ぶり興奮状態の道明寺は気が付いてくれない。
 もしかしたら、恥じらいから来る口ばかりの抵抗だと思っているのかもしれなかった。
 実際、嘘のように手足に力が入らない。
 恐怖で塗るこめられた思考に、体が縛られ、思う様に動かせないのが実情だった。
 どうしよう、どうしよう。
 そればかりで思考が空転している間に、いつの間にか頬から移動した手がバスローブの胸元から侵入し、割り拡げられた布の間に道明寺の唇が…。
 瞬間…脳裏にフラッシュバックする揺れる白い足。
 涙に濡れて…こちらを見たその顔は。
 「やあああああっ!やめてっ!」
 渾身の力を込めて突き飛ばしてしまっていた。
 死にもの狂いの力が信じられないほどの力を帯びて、すっかり油断していた道明寺を尻餅つかせた。
 驚いたような顔が、あたしの顔を茫然と見上げ、あたしはあたしで、ガタガタと震えながら唇を両手で抑えていた。
 怖かった…。
 道明寺も驚いただろうけれど、あたしもショックを受けていた。
 道明寺の行動にではない。
 道明寺の手が、唇が、熱が…まるで見知らぬ他人のようで、ひどく怖かったからだ。
 先ほどから胸の奥底でわだかまっていた吐き気がふいに湧き上がり、あたしはとっさに洗面所に駆け込む。
 「うっ、げっ。ごふっ。うぐぅ」
 苦しさで生理的な涙が頬を伝い落ち、えずく苦しさでまた嘔吐を誘発させられる。
 ひとしきり嘔吐を繰り返し、出すものを出すと、あたしは口をすすいで先ほど覗き込んだ鏡を見上げた。
 我ながら酷い顔。
 さっき病人みたいだと思った顔が、さらに土気色になり、幽霊じみて見える。
 そのあたしの顔の後ろ、あたし並に青ざめた道明寺が映り込んだ。
 「…なんだよ、なんなんだよ、お前」
 声には隠しきれないショックが潜んでいる。
 そりゃあ、そうだよね。
 恋人が自分を拒否したばかりか、触れられて嘔吐してんだから。
 でも、その時のあたしは、そんな道明寺のショックを慮る余裕なんて欠片もなくて、ただ、ただ道明寺が疎ましく、自分の中の変化だけで一杯一杯だった。
 「あんた、あたしの体だけが欲しいの?そういうことしないとダメなの?」
 道明寺に悪いところはなかった。
 そうは思うのに。
 嫌だという言葉が聞き届けられず、力で抑え込まれたことが。
 あたしの恐怖を気づいてもらえず、自分の中の欲求のみに従った道明寺への憤りが。
 それらがすべてが頭の中にこびりついて離れず、道明寺を詰る言葉が口を付いて出そうになる。
 性急さがダメだったのか。
 それとも、何が原因だったというのか、どうしてもあたしは道明寺を受け入れることができない。
 そう、今ハッキリとそれだけは確かにあたしの中でわかっていた。
 あたしの言葉に、唇を震わせ、道明寺が吐き捨てる。
 「好きだから抱きてぇんだ。愛してるからお前と一つになりたい。お前は違うのかよ」
 あたしもそう思っていた。
 だけど…。
 「…ごめん、今はダメ。悪いけど、今日は帰らせて?」
 道明寺は溜息一つで何かを呑み込む様に顔を背け、額に張り付いていた前髪をかきあげる。
 絞りだしたような声は、しゃがれて苦し気だった。
 「お前は泊まっていけ。俺が帰る。けど、間違うなよ?お前は俺に惚れてんだ。俺が性急過ぎて、ビビってるだけだ。初めてのお前に無理を強いて悪かった」
 顔色は青ざめて、引きつっていたけど、道明寺はそう謝罪し、踵を返す。
 無理をしているのはありありだった。
 「…また、落ち着いたら連絡する。着信拒否なんてするんじゃねぇぞ?」
 やりそうだと思ったのか、わざわざ言い置いてゆく。
 そんなことするわけないでしょ。
 そう思ったけど、口からはでなかった。
 なんで、こんなことになっちゃんだろう。
 昼間に車でドライブして、公園で紅葉狩りして、二人でお弁当を食べた。
 笑いあって手を繋いで。
 レストランでは「あ~ん」なんてしちゃって、熱々のバカップルじゃないか…そんなことも思ったりしたのに。
 本当に本当に楽しかったんだよ。
 道明寺は悪くない。
 でも、あたしが悪いのかというと…。
 気が付いたら誰もいないスウィートルームの洗面室で、あたしは膝を抱えて涙を流していた。
 さっきまで寒さ何て感じなかったのに、ゾクゾクと寒気が来てあたしは肌蹴ていた襟元をかき寄せ、自分で自分の体を抱きしめた。
 寒いよ、道明寺。
 でも、戻ってきてとは、とてもじゃないけど言うことができなかった。
 

 ハアハアハア。
 荒い呼吸と、鼓動の音が自分の中から聞こえる。
 また、あの夢。
 怖い、怖い、怖い。
 頭の中はその言葉だけが木魂している。
 なんで、あたし、こんな夢ばかり見るの?
 もう見たくない。
 見たくないのに…。
 悪夢の元凶が近づいてくる。
 一歩、一歩、確実に、ゆっくりと。
 あたしは渾身の力で走っているのに、夢ではいつもゆっくりと歩いてくるアイツに意図も容易く追いつかれる。
 そして、言われるんだ。
 『お前が悪いんだぜ』
 夢の正体を知るのが怖くて、いつも目を背けていた。
 だけど胸の奥底で冷たく凍える塊が、喉の奥を押し上げる憎しみが、噴出して今にもあたしを呑み込んでしまいそうになる瞬間が確かにある。
 涙に濡れた目を開けると、蹲ったベッドのシーツの痛いくらいに鮮烈な白さがあたしの目を射抜く。
 …あんたが好きなのに。それなのに。
 あたしはいつまでも、震える体を抱え、眠れぬ夜を一人寒さを堪えながら過ごした。

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