「それでも貴方を愛しているから…全97話完+α」
第一章 悪夢再来

それでも貴方を愛しているから009

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 うっは~。
 予告から2日!
 いやはや、最近予告をことごとく守れないこ茶子です^^;
 失礼しました。
 「始まりは突然に」を先に更新といいつつ、こちらから。
 とりあえず、久しぶりの「それでも貴方を愛しているから」です。
 どんなところで終わったのか、わたくし目もすっかり忘れてまして。
 読み返したところ、つくしちゃん視点の1人称だったんですねぇ。
 で、なんだか年食ってればともかく、原作が「あたし」表記なのに「私」だと違和感あったので(「夢で」はいい年でしたので「私」)、「あたし」表記に変更いたしました。
 では、まあ、グダグダはとりあえず、ここまでで、お話をば。
 何気に、すっごい久しぶりの再開でも、まだまだ?デートは続く。
 うんざりしないでお付き合いくださいまし。
 なお、次の話も書き終ってますので、明日~はam.6:00で配信いたしますm_ _m
 甘々はここ数回までで、次々回かその次くらいから急転直下しますので、ご覚悟を?
**********

 贅を凝らした豪奢なシャンデリア。
 煌びやかな装いの紳士淑女の粛々とした密やかな会話に、真っ白なテーブルに飾られた色とりどりな花々。
 背の高い男の腕に手をかけ見上げれば、秀麗な美貌の男が落ち着いた低い威厳のある声音で、応対に出た三つ揃えの黒のスーツに身を固めたレストラン支配人を相手に指示を出している。
 中年以降の年齢で、うちのパパよりはるかに貫録のある男性が、まるで米搗きバッタのように自分の年齢の半分にも満たないだろう若造を相手に遜って、媚びへつらう。
 そんな相手の態度にも、その空間にも、慣れ親しんだ男は、まるで男自身がその場の主役であるかのように振る舞い、また周囲も当たり前に受け入れているかのようだ。
 道明寺に手を引かれてエスコートされ、そんな人々の間をすり抜ける様に通り抜けて、奥の個室へと歩を進める。
 人々の目や耳は、道明寺の一挙一動に注目し、その隣で張り付いているあたしなんかには目もくれない。
 けれど、ごくまれにふとあたしに視線を移した人たちの、驚きに目を丸くし、ぽっかり開けた口元が、やがてはヒソヒソとした囁き声を零す。
 話している内容なんて聞こえやしないけど、だいたい何を言っているかなんて想像できる。
 英徳で、こうして道明寺に連れ出され同伴させられる場所でいやというほどに聞かされた誹謗中傷の類。
 …どうせ、貧相だとか、見劣りするとか言ってんだろうな。
 卑屈になるわけではないけれど、道明寺にドレスや靴、バッグまでも与えられ、にわか御嬢様になったって、元が元。
 わかる人にはわかるんだよね。
 昔のあたしだったら、分不相応だと絶対にこういう店にくることは拒否したけど、あたしだって少しは大人になった。
 セレブで、金持ちで、こういう男を好きになったのはあたし。
 それにあたしが譲歩することを憶えたように、道明寺も道明寺なりにあたしに合わせてくれているのはわかっている。
 それが昼間の公園デートだったし、屋外のお弁当だったり、その他にもいろいろと妥協させちゃってんだろうな。
 だんまりを決め込んでいたせいか、道明寺が自ら椅子を引き、あたしを座らせると心配そうにあたしの頬に手をあて、顔を覗き込んできた。
 「…どうした?疲れたのか?」
 激務で忙しい中、あたしを楽しませようとわざわざ時間を空けて、いろいろ趣向を凝らせてくれているコイツをあたしの小さな自尊心で嫌な気持ちにしたくない。
 それでも個室とはいえ、支配人やギャルソンがまだ傍にいるので、その視線が気になってさりげなく道明寺の手を外させる。
 振り払われた手が気に入らなかったのか、ちょっと眉根を寄せていたけど、道明寺は怒ることなく向かい側の席へ腰を下ろした。
 こういうところが大人になったよね、こいつは。
 昔だったら些細なことに目くじらを立てて、人目なんか気にしないでがなり立ててたけど、今は滅多にそういうことはない。
 そこがまた、こいつとの差…世界の違いや身分のことだけじゃなく、いろいろな意味であたしの引け目を増大させる。
 『イイ男になったら、あたしが幸せにしてあげる』…か。
 こいつは間違いなくイイ男になったけど、果たしてあたしはどうなんだろ?
 あたしはもやもやした気分を無理やりに押し込め、小さく微笑んだ。
 「ん…、大丈夫だよ。ちょっとお腹すいちゃっただけ。道明寺は疲れた?」
 「バカにすんなよ。これくらいで疲れるか。俺様を舐めんなよ」
 「はは。別にそういうわけじゃないんだけど、あんた、最近すっかりデスクワークで、運動不足でしょ?今日はかなり歩いたし」
 「これでも仕事の合間に、邸でトレーニングはしてんだよ。健康管理も経営者の仕事のうちだからな」
 「へえ、そうなんだ。そういえば、あんまり筋肉は落ちた感じはしないよね」
 元々筋肉ダルマというわけじゃないけど、運動しない割に筋肉質。
 スレンダーだけど貧弱なタイプじゃない。
 そうは言ってもやつれたよね。
 高校生の頃にはまだ幼さが多少は残っていた頬の肉なんかもこそげ落ちたし、精悍さを増したって言い方もできるけど、痩せてシャープになった感じが強い。
 よくよく見れば薄らと目元に隈も見える気がする。 
 疲れてるんだよね、ホント。
 でも、それを言ってもきっと強がって俺様ぶしで返されるだけだから、軽く流す。
 たけど、一言だけは言っておくことにした。
 「…でも、若いからって無理しないでよ。いくらあんただって、人間なんだからね。仕事だけでも大変なのに、頑張りすぎたら倒れちゃう」
 「心配してくれんの?」
 嬉しそうに笑う道明寺の顔が、すごく可愛くて眩しい。
 他の人間には威圧感たっぷりで、視線で射殺そうとでもするように鋭い視線で睥睨している男が、あたしの前だけでは、小さな少年のように素直な好意を繕わずに曝け出す。
 だから素直にあたしも頷く。
 「…うん」
 なんだか照れくさくて真っ直ぐに道明寺を見れなくて俯いたあたしだったけど、道明寺は気にならなかったようで、さっさと食前酒をサーブさせて、人払いをする。
 人がいるとあたしが落ち着かないのを、こいつは十分に熟知してくれている。
 「乾杯」と少しグラスをあげて、サーブされた淡い色合いの透明なシェリーを口に含む。
 芳醇な味わいのスペインのお酒は、ちょっと梅酒に味わいが似ている???
 「どうした?変な顔して」
 「え、いや、なんというか、これって白ワインなんだよね」
 「だな。スペインの南部の一地域だけで作られる強化ワインだな。ブランデーが足されてるから、けっこう度数が高い」
 「えっ?そうなの?」
 飲みやすいのでガンガン飲もうとしてたので、驚いてグラスを口から離す。
 そんなあたしを見て、道明寺がニヤリと笑った。
 「そ、だから、あんま飲むなよ。お前、酒に弱いんだから。飲みすぎたお前を介抱すんのは、勘弁」
 「だったら、最初からお酒頼まなきゃいいのに」
 「乾杯すんのに、水じゃあ雰囲気でないだろ?」
 そりゃあ、そうかもしれないけど。
 お酒のグラスの横に置かれたミネラルウォーターのグラスを横目に、ちょっぴりだけまた手の中のお酒を舐める。
 お酒に弱いだけで、嫌いじゃないんだよね。
 晩酌とは言わないけど、たまにママが作った梅酒を飲むの好きだし。
 でも、乾杯って?
 あたしの誕生日はまだ先だし、こいつももちろん、そう。
 なんか乾杯するようなおめでたいことあったかな。
 「俺には甘すぎっけど、お前好きだろ?そういうの。実は、俺んとこが出資して買収したワイナリーで作ったやつなんだ。こういのならお前が好きそうだと思って買収させた」
 「…あんたまたそういう公私混同した動機で」
 「別にいいだろ?それも仕事のうちなんだから。今どきの若い女の好み味つーて?」
 また都合のよい言い分に頭を抱えていると、料理が運ばれてきた。
 色とりどりの野菜と海鮮で飾り立てられたオードブル。
 蟹のクリームなのかな、アボガドとの相性が絶品!
 「今日のメイン肉辞めて魚だけにしたから。他も海産物中心。先にオーダーしてあったけど、いいよな?」
 「うん!おいしそう」
 「他にも食いたいものあったら、なんでも言えよ?」
 「コースでしょ?さすがのあたしもそんなに食べられないよ。それにあんたが選んでくれるものはいつも美味しいから大丈夫。安心してお任せします」
 相も変わらず自分が食べるより、あたしが食べる姿を嬉しそうに眺めている。
 …正直、あまり見られていると食べずらい。
 あたしの怪しげなテーブルマナーに文句つけるような奴じゃないけど、その眼から、その表情から、まるであたしが好き!ってビームでも発せられているようなコイツの気持ちがこそばゆい。
 己惚れてるかもしれないけど、本当にこの人はあたしのことが好きなんだ…て、道明寺の態度すべてがあたしに教えてくれる。
 「…お前、飲みすぎじゃね?」
 「おいしいんだもん、つい」
 本当は、熱くなってきた顔を誤魔化すため。
 あんたに見つめられて真っ赤になってる…なんて知られるのなんて冗談じゃない。
 そんなん本当の熱々バカップルみたいじゃないっ。
 誰も咎めていないと言うのに、自分で自分に言い訳して、大いに飲んで(ほとんど水だけど。美味しかったのに絶対に、2杯めは頼んでくれなかった。なんでも食べたいもの言え、って言った癖にさ)、大いに食べて、道明寺の優しい声と優しい顔、楽しい時間を大いに満喫した。
 「うわあ、おっきい海老!」
 目の前にドーンと置かれた真っ赤な甲殻類に、つい目が輝いちゃう。
 こんな凄いの、絶対に牧野家の食卓には上らない…まあ、普通のうちでもそうそうないだろうけど。
 「ロブスターだぞ、それ」
 「…わかってるわよ」
 どっちだって、似たようなもんでしょ。
 馬鹿にしてる風じゃなかったけど、「しょうがねぇなあ」みたいな顔でニヤニヤ笑っている男の視線に、ムッとして、ザクリとわざと無造作にナイフを入れる。
 うう、解体難しい…。
 四苦八苦しているあたしを楽しそうに見ていた道明寺だったけど、じれったくなったのか、あたし鑑賞はやめ、すっと自分の分にナイフを入れて手際よく一口大に切り分けている。
 うわあ、さすがに上手。こいつがナイフとフォークを使うだけで魔法みたいに綺麗に切り分けられちゃう。
 やっぱりお坊ちゃまだなあ。
 それに比べて、あたしは…。
 一応は、こういうシチュエーションは容易に想定できているから(実際に、道明寺が帰国してから頻繁にある)、かなり頑張ってテーブルマナーは習ったんだけどな。
 付け焼刃は辛い。
 「…ほれ」
 は?
 「ほれ、口空けろよ」
 こ、これはも、も、もしかして?
 「あ~ん」

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