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「夢で逢えたら…全207話完+α」
第五章 ここより永遠に

夢で逢えたら203

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 いやはや、「始まりは突然に」の更新をここ数日さぼっちゃいましたねぇ^^;
 今日の更新はまだ、未定ですが、できたら「夢で逢えたら」をもう一話、「始まりは突然に」も更新したいと思っています。
 どうぞ、私のやる気を応援してくださいまし~♪
 ところで話は変わるのですが、忍者カウンターも設置してみました。
 実は忍者の解析なんてものもつけているのですが、FC2のカウンターの数値とあまりに隔たりがあるので、あれれ?みたいな感じで。
 たぶん数値からFC2のカウンターはPCのみの来訪者かなあとか、予想したり。
 とりあえず、両方設置して比べてみることにしたんですが、えらい隔たりのある数字が^^;
 どちらも二重カウントはしない方式なのですが、そうでなくても何倍だっ!?みたいな…。
(もっと驚くのが、アメリカやオーストラリアからの来訪者の方も毎日けっこういらして、一人ですがアラブ首長国連保の方とかも…。アフリカの方もいらっしゃいましたが…うーむマジ?w)
 真実はいかに!?
**********

 その少年にルイスが気が付いたのは、ブラジルを来訪して二日目のことだった。
 20才にはなっていないだろう。
 明るい笑顔と柔らかい雰囲気の、人目を引く美貌の少年に、何とはなしに惹かれるものを感じた。
 元々、パラグアイの貧民窟で幼い日を共に過ごした幼馴染みが、このブラジルの片隅でレストランを営んでいる縁で度々訪れる場所でのこと。
 もちろん、非公式の訪問であったが、定期的に現れるルイスを慮って、滅多なことでは新規の従業員を雇い入れないオーナーである友人が、気に入って入れたというウェイターがレンだった。
 『珍しいな、お前が新人を入れるなんて』
 『ああ、気が付いたか。俺もお前のこともあるし、滅多なことじゃあ、入れ替えたりはしねぇんだが、ロナウドの奴が事故っちまったからな。臨時の短期なんだ』
 なおさらのこと、驚いた。
 傍に控えていたボディカードが、眉根を顰めたことに気が付いたのか、友が慌てたように言い継ぐ。
 『いや、実は旅行者なんだけどよ。12~13才の頃からの顔馴染みなんだよ』
 『ふうん?外国人か?』
 『ああ、アメリカ人らしい。だいたい、今くらいの季節になると毎年顔見せるんだが、もっとガキの頃にも母親と来たことがあるらしくって、けっこう親しくなってな。ほれ、あの通り、人品卑しからぬ中々の美形だし、愛想もいいんで客にも好かれるから、重宝してんだ』
 友が顎をしゃくった先、笑顔を見せながら立ち働く少年はなるほど、明るく人懐っこい性質を好かれているらしく、テーブルにつく客とにこやかに世間話をしている。
 警備の関係上や、他の客への配慮から、常に数人のボディーガードを連れたルイスの席は、店の奥まった他の客とは隔たった場所だったが、少年の真面目で一生懸命な勤務態度は目を引いた。
 だが、レンとの接触はそれだけだった。
 ブラジルに滞在している間は、何かとこの気心知れた友人のレストランを訪れることはルイスの何十年かの習慣の一つだったが、たかだかウェイターの一人ひとりと関わり合いになることなどほとんどない。
 長くレストランで働いている連中はたいていルイスの素性までは知らないまでも、ただならぬ人間であることは薄々知っていただろう。
 そんなこんなで、ルイスもブラジルでの所用も済ませ、明日帰国という段になって再び、友の店へと訪れた。
 この年齢にして、死病を患う身だ。
 次に訪れる時があるとも、わからない。
 友人との楽しい語らいを終え、席を立ったルイスに、少年が初めて声をかけた。
 『…ライターを忘れられましたよ、セニョール』
 振り向くと、少年がルイスの置き忘れたライターを手に持って、こちらを見ていた。
 少年の懐かしげな慕わしさを含んだ眼差しが、どこかルイスの心を揺さぶった。
 長く凍り付き、滅多なことでは感情を動かすことのないルイスが、確かに懐かしい…とそんな風に感じたのは、その身に流れる血の繋がりゆえのことだったのか。
 動いたボティーガードを目線で押し留め、自ら少年の手からライターを受け取る。
 震える指先がライターと一緒に、小さな紙を手渡してきた。
 怪訝に思いながらも、黙ってどちらも受け取ると、万感の思いを込めた目で互いに見つめ合ったのは、どういう思惟のなせる技だったのだろう。
 「…ボスに似てますね」
 ポツリとルイスに付き従うボディーガードの一人が零した。
 ハッと顔を見るルイスに、目を伏せ、自分の失言に気が付き、男は短く謝罪した。
 だが、ルイスは男の言葉に、手に握ったライターと一緒に紙切れを握りしめ、もう一度後にしたレストランを振り返った。
 それだけ…。
 15年ぶりに再会した祖父と孫が交わした言葉はそれだけ。
 そして、この先ももう二度と会うことも言葉を交し合うこともないのだろう。
 理性がそれを肯定し、感情が血がそのことを嘆き、逢いたいと願わせる。
 レンの母親との約束だった。
 15年前もブラジルの友のレストランで初めて会った強い意志を持った女の意志が、最愛の息子の忘れ形見の手を離す決断をルイスにさせた。
 その時も…。
 『私たちのことは忘れてください。この子には平凡でも、自分の力で未来を選び取る道を与えてあげたい。人の道を歩ませてあげたいんです。それが私の願いであり、きっと亡くなったミッシェルも同じく願っていたはず』
 「…見た目はミッシェル似だが、あの目は母親似か。それとも…あの娘がそう育ててくれたのか」
 実際に会ったことはない。
 だが、レンの母親が非業の死を遂げ、その母親の身代わりとなりレンを慈しみ育ててくれた存在がいたことをルイスは知っていた。
 セリの非業の死…それも、ルイスと会ったその直後、ホテルの火災事故という本来ならありえない出来事で。
 ルイスはその事件を追及しなかった。
 当時、その事件を追及すれば、組織が真っ二つに割れることもありえた。
 激化する後継者争いに勢力は四散し、ルイスの支配力は緩んでいたからだ。
 そしてその結果、ルイスの他の子供たちがそうだったように、最愛の息子の愛した女が犠牲になった。
 写真の中だけで知った一人の娘が、何の因果かその代わりとなり、赤の他人のはずのレンを立派に育てた。
 その娘もレンも、ルイスがその事実を知らないと思っているだろうから、ルイスもその秘密に付き合った。
 だが、恩は恩。
 「…あの娘には、返しても返しきれない恩がある」
 ルイス・アヤラの約束は絶対。
 そしてそれ以上に、無法を生きる男たちの中にも命を懸けた恩義には命をもって報いるという暗黙の約束がある。
 トントン。
 ノックの音と共に入ってきた男へと、ルイスは視線を向ける。
 「…一命をとりとめたようです」
 眉根をあげただけだったが、男には、ルイスが密かに安堵したことが読み取れた。
 道明寺司の死は組織の存続に大きな影を落とす。
 そして、その危機を組織にもたらしたものの命運は…。
 「それで?…始末はついたのか」
 「ええ、パブロは確保しました」
 能面のような怜悧な顔の中に、少しの感情も浮かんではいなかったが、この男の中に今も消えずに血を流し続ける傷と憤怒が宿り続けていることをルイスは知っている。
 フリオ・ヒメネス。
 かつて恋人をパブロとの闘争によって失った男は、虎視眈々とその復讐の機会を狙い、力を蓄え、牙をむいた。
 野心で組織の頂点に立ったルイスに対し、怒りと憎しみで次代を担う力を得たフリオ。
 男の中に宿る冷たい憎悪は、ルイスには理解できない類のものだったが、フリオはその憎悪の成就以外には、組織とルイスに忠実で、そして誠実だった。
 …アリサが死ななければ、頂点には立たなかった男かもしれない。
 亡き末娘の恋人だった男を冷静にそう見極める。
 きわめて優秀な男だったが、本来、野心的な男ではなかった。
 「ウーゴは?」
 「シンガポールで。おそらく、明朝にはジョホール海峡で発見されるかと」
 かつて甥であった肉体の行く末を告げられ、ルイスは鷹揚に頷く。
 身内であっても掟…ルイスの意志に背くものは罰せられる。
 そして、組織の存続を危ぶませたものの末路はたった一つ。
 死の女神に抱かれた甥は、いま冷たい海の底で眠っているのだろう。
 そして、それっきりルイスはその愚かな甥を忘れ去る。
 後はこの琥珀の液体を枕に眠ろうかと、ルイスはフリオに退席を命じた。
 だが、しばし逡巡した忠実なる男は、彼らしくもなく遠慮がちに言葉を継いだ。
 「…よろしいのですか?」
 視線だけで続きを促がすルイスの鋭い眼光に、知らずフリオが唇を湿らせる。
 「彼を捨て置かれて」
 「…あれらの願いだ。息子と嫁…そして、あの子自身の。大恩あるあの娘もまた、望むまい」
 伝え聞くつくしの人柄から、彼女がどんな娘かルイスもわかっていた。
 無欲で人情家。
 正義感で慈愛深い。
 再会した孫の真っ直ぐな眼差しだけで、つくしがどんな人物か容易にうかがい知れる。
 鋭さを増す視線でフリオを見据え、ルイスは重々しく言い置く。
 「フリオ…お前にも警告しておこう。あの子とあの子に関わる者たちに、けっして我々はもう関わるな。何人たりともあの子たちに手を出すものあらば、許さん。その禁を冒せばウーゴと同じ運命を辿ることになるだろうと肝に銘じておくことだな」
 フリオは重々しく頷き、今度こそルイスの元から退出してゆく。
 「…どちらにせよ、あの娘にも道明寺にも、いつか借りは返さねばなるまい」



 要が病院に到着すると、椿が玄関先まで出迎え、その小さな体を抱きしめた。
 数か月ほど前に別れた時よりも、少し背が伸び逞しくなったようにも思う。
 「…伯母様、お父さんは?」
 「まだ、目が覚めてないのよ。でも、もう命に別状はないらしいから安心して?」
 椿の言葉に、青ざめ強張っていた顔が安堵に、泣き顔に緩む。 
 だが、零れ落ちそうだった涙をグッと堪え、乱暴に目元をぬぐった要は椿の背後を伺う様に視線を走らせた。
 「…えっと、キャサリンは?」
 「ああ、つく…じゃなかったわね、Dr.マーベル。司が峠を越えた昨夜からメイプルの方に一度休みに行っているのよ。事件から丸二日、不眠不休だったから休憩をとってもらっているの。また、後で戻ってきてくれるって伝言があったから、すぐに会えるわよ」
 実は椿もマーベルがつくしだったと知らされてから、まだマトモに会話を交わせていない。
 司があの状態だったのでそれどころではなかったとも言えたが、ショッキングなことが続き、青天の霹靂な事実に椿もどうつくしに相対していいのかわからなかったのだ。
 つくしちゃん…と言って抱きしめたい。
 だが、あまりにも別人のような姿が椿を戸惑わせ、躊躇させる。
 実際のところ、信じられないという気持ちも強かった。
 だが、F3をはじめ桜子や滋などのつくしの友人たちもその事実を受け入れているようで、どうやら冗談や勘違いということもなさそうではある。
 とりあえずは、司の目覚めを待って、つくしと話してみたかった。
 「おばあさまは?」
 「あ、ええ、おばあさまはNYに戻られたわ。司の無事を確認して、そう長居もできなかったから、ね。今頃おじい様にも報告がいって安堵されていると思う。要ちゃんは一人?お母様はどうされたの?」
 見たところ要に付き添っているのはコーマック家のSPと使用人だけで、恭子の姿はない。
 要は困った様に首を傾げて、事情を話した。
 「…えっと、お母様は、自分はもう道明寺家ともお父さんとも関わりのない人間だからって…。俺は道明寺家の人間でもあるから、って手配してくれたんだけど」
 「…そう」
 恭子の言い分はもっとも。
 だが、司にはいろいろとわだかりもあるだろうに、自分の我を抑えて、要を送り出してくれた賢明さに椿は改めて感謝した。
 楓とは犬猿の仲ではあったけれど、それは多分に恭子のお飾りの妻に収まらない聡明さにもあったのだと思う。
 聡明で…そして司を愛していた女性だった。
 道明寺司の妻として申し分ないすべてを兼ね備えていた。
 だが、弟は完璧な彼女を愛さず、自らと彼女を不幸にし、その息子にも長く苦痛を強いた。 
 そうまでして弟が守りたかった想いは…。
 椿は司を想い、思わず目元に涙を浮かべる。
 …つくしちゃんなの?つくしちゃんなの?本当に?
 信じられない思いと、司の為にそうであって欲しいという願い。
 「伯母様?」
 怪訝に見上げてくる弟瓜二つの甥に、そっと微笑みかけ、その背に手を置き中へと促す。
 「さ、司のところへ行きましょう?」
 「ね、ねえちゃんっ!!」
 血相を変えた総二郎が、エレベーターから飛び出してきた。
 「総二郎?」
 「司が目を覚ましたっ!」

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