「パッション…①24話②22話完」
始まりは突然に…23話完

始まりは突然に14

 ←夢で逢えたら200 →始まりは突然に15
◇更新情報他雑文 『こ茶子の日常的呟き』へ
【君を愛するために】オススメ作品!?
ランキングもよろ(・ω-人)
ブログランキング・にほんブログ村へ
いつも応援ありがとう♪
**************************************

 中々サイクルの戻らない『始まりは突然に』。
 そろそろこのお話も山場がないと、飽きられちゃいそうですねぇ^^;
 今回のお話はクールで宇宙人な類君が、つくしちゃんと再会して様々な刺激を受けて、変化していくというお話なのですが、いやあ、難しいですねぇ^^;
 このままだと、淡々と終わってしまいそうな予感が><
 もう一話、日付が変わるまでに更新したいと思っていますが、いつものごとく、話半分で期待してくださると嬉しいですm_ _m(なんじゃそれりゃ^^;)
**********

 だらだら、だらだら。
 け、化粧がのらない…。
 そりゃあ、そうだよね。
 土曜日の朝10:00。
 突然現れた花沢類に仰天したあたしは、洗いざらしの膝に穴の開いたジーパンに洗濯しすぎで色褪せたカットソー、ささっと梳かした髪の毛は、寝起きでピンピンに跳ねている。
 そして、仕切り代わりのカーテンを引いた洗面所の向こう、リビング兼キッチンの小さなテーブルでお茶を飲む花沢類は、そこにいるだけでまるで洋画のオシャレなアパルトマンのように、禿チョロけたフローリングの部屋を変えてしまっていた。
 …あ、ありえない。
 なんなの、この状況。
 いきなり訪ねてきた花沢類をいつまでも玄関口に立たせておくわけにもいかなくって、とりあえず部屋に通したものの、寝室代わりのロフトがついているだけの1ルームの部屋。
 身支度を整えたくても、隣が気になってさっきから脂汗が流れ落ちている。
 ありえないといえば、時間潰しにつけたテレビを意外にも食い入るように観ている花沢類…というのもありえない。
 童話の王子様まんまの見た目で、目を煌めかせて観ているテレビの内容が、格調高いオペラや演劇放送、百歩譲って報道番組とかいうのならばまだ許せる気がする。
 しかし…。
 『なんやお前、笑っとんのかっ!ああっ?!わいのどこが可笑しいんちゅうねんっ!?』
 あ、あれはもしかして、新年放送のあの!バラエティ番組の再放送…。
 某有名お笑い芸人が司会?するかなりお下品なネタを披露する番組で、つい音に誘われ、カーテンの隙間から覗いて見れば、案の定鼻に爪楊枝を刺して歯で受けている不気味な女装をしたお笑い芸人が、弛んだ腹に黒ビキニパンツ一丁の姿で、目の前で真面目腐った顔をした奇妙な格好のお笑い芸人の顔に顔を近づけ、凄んでいる。
 それがまた、凄まじく珍妙な映像で、当の凄まれている芸人ではなく、隣に座った芸人が思わず噴出した。
 『ぶっ、ぶぶっ』
 即座に餌食になる芸人。
 尻を突き出し、太い棒で殴られ痛がっている。 
 大の大人のそんな情けない姿にまた、笑いを誘われ、テレビを前に、花沢類が笑い転げていた。
 「ぶっ!!あはははははっ。超!楽しい~。ははははっ」
 笑い声さえも上品な気もするが、見ている内容がアレ…。
 何やらガラガラと音を立てて、夢見ていた過去が音を立てて崩れ落ちてゆく気がするのは気のせいではないと思う。 
 見てはいけないものを見てしまった気がして、そっと再びカーテンの向こうに戻ろうとしたあたしの視線に気が付いたのか、ふとこちらを見た花沢類とバチッと視線が合ってしまった。
 こ、小首を傾げるな~っ!
 「は、は、花沢類っ!」
 「…うん?着替え終わった?さっきので十分可愛いかったと思うけど、もうそろそろ出られるかな?」
 サラリとお世辞を言われて赤面しかけたけど…よく考えたら、超ラフを通り越して女を捨てたようなあの!部屋着姿が可愛いって言われるあたしはいったい…。
 あたしは、照れ隠しにササッと二つに結い上げたお団子の解れを直しつつ、テーブルの脇へと歩み寄った。
 「えっとね、今から出かけたら、現地に着いた頃には昼時間になっちゃうと思うんだけど、食事はどうするの?」
 「うん?途中でレストラン予約してから出ようか。牧野、和食が好きみたいだけど、どういうのが食べたい?レバニラ?」
 …いや、レバニラ、好きだけど昼間からは勘弁して。
 つーか、この間も、食べたのあんただけで、あたしはラーメン食べたでしょうよ。
 ニラとレバーの悪臭を放つ花沢専務を思い浮かべて、軽く眩暈を感じたけれど、踏みとどまって、さっき思いついた提案をしてみる。
 「えっとね、お花見行くんだよね?」
 「せっかく、日本に帰ったしね。ちょうど桜の季節でいいかなあって、ダメ?」
 「ううん、あたしも今年は忙しくてまだ、お花見してないし、楽しそうだけど、お花見っていったらお弁当じゃなあい?!」
 「…弁当」
 おそらく、花沢類の辞書の中には弁当の選択肢はなかったようで、キョトンと目を瞬かせた。
 それがまた無垢な仕草で、あんたはいったい幾つなんだ~っ!と突っ込みたくなってくる。
 世間には切れ者の専務、美貌の御曹司として通っている男が、この無防備さっていったい何なのっ?!
 なんだか、英徳であたしを不機嫌に睨んでいた花沢類像が大きくぶれちゃうよ。
 まあ、当時から非常階段で居眠りしている姿や、ぼうっとしている姿にその面影はあったけど。
 再会してからの花沢類は、本当に久しぶりだというのに、あたしに対しての構えがなくなって、超自然体。
 嬉しいような、困ったような複雑な気分だ。
 「じゃあ、花見場所近辺の料亭に電話して、折詰用意してもらう?」 
 「え~?そうじゃなくってさ、ちょうど朝ごはんに焚いたご飯あるし、おにぎりと簡単なもの作るから、それもって行こうよ」
 今日はのんびりするつもりだったから、昨日大目にご飯が炊きあがるように炊飯器にセットしてあったのよ。
 確か卵とちょっとした野菜くらいはあるから、冷蔵庫をさらえばなんとかなるよね。
 「…いいけど、今から?」
 「そんなんすぐだよ。あっ、花沢類、ここまで何できたの?運転手さん待ってるのかな?」
 そうだったら待たせたら悪いかな?
 「ああ、今日は牧野とゆっくりしたかったから、俺が運転してきた」
 カチーン。
 思わず炊飯器を覗きこみかけて、ギギギギッとまるで脂の切れた機械仕掛けの人形のようなぎこちなさで花沢類を振り返ってしまう。
 花沢類が運転手、花沢類が…。
 もしや、あの!すごいドライビングテクニックの暴走車で、数十分を過ごせと?
 以前に経験した嘘のような恐怖体験の再現への危機に、あたしは思わず呻いた。
 絶対に、ありえないっ!
 「…は、花沢類。く、車、車どこ置いたの?」
 「ん~、近くにパーキングなかったから、隣の空き地に止めておいたけど、拙かったかな?」
 「ああ、草原の方?」 
 頷く花沢類に、安堵する。
 あそこはこのアパートの持ち主である大家さんの持っている月極め駐車場で、本来はマズイんだけど、盆暮れとなく実家から何か届くたびにご挨拶におすそ分けしているから、普段から良好な関係を築いていた。 
 滅多にないと言うか、今までなかったことだけど、
 『つくしちゃんも彼とかが遊びに来て、停めるとこないだろうから、空いてるところになら好きに停めていいからね』
 と常々言われている。
 だから、半日やそこらなら停めておいても大目に見てくれるに違いない。
 「それなら、大丈夫だよ。ならさっ!今日は電車にしない?今日はちょうど連休の初日で、行楽シーズンでもあるから車だときっと混んで、渋滞にハマっちゃうよ!」
 「…電車」
 思わぬことを言われたというように、茫然と呟いている花沢類に、ハッと気が付く。
 あや、もしかして、電車なんか乗ったことないかな、ないよね。
 高校生の時にしたたった一度だけのデートで、けっこうあたしの庶民的なデート場所にも嫌がらないでくれたから、するっと出ちゃったけど、よくよく考えたらこの人も道明寺や西門さんたちと同じ人種の御曹司だ。 
 人ごみに混じって、ちんたら公共交通機関で移動するなんて、ありえないことなのかも。
 「えっと、嫌なら、まあ」
 「うん、いいね。今日は丸々一日、休みだから時間はあるけど、俺、電車なんて初めて」
 ニコッと微笑む花沢類の笑顔に悩殺されそう。
 …いやいや、もうそんな気持ち、とっくに卒業したんだから。
 …したんだよね?
 ドキドキする胸の動悸を誤魔化して、ギュッ胸元を掴んでキッチンに向かう。
 「じゃあ、もうちょっとだけ、テレビ見ていて?お弁当作っちゃうね」
 「うん。弁当持って…花見っていうのも初めてだな」
 なんだか心なしか嬉しそうな花沢類の顔に、思わずクスリと笑みが誘われる。
 「ん?」
 「なんだか、花沢類、初めてづくしだね」
 「ああ、そういえばそうかも。牧野のお弁当も初めてだから、楽しみ。昔、学校にも持ってきてたよね?」
 「ははは…憶えられていたか。あんた、あたしのことは忘れてたくせに、変なこと憶えてるねぇ」
 「だから、忘れてないって。わからなかっただけ」
 その違いがわからなくて、はいはい、と適当にいなし、あたしはボールとふりかけを取り出し、サランラップを用意した。

↓ランキングの協力もよろしくです♪
ブログランキング・にほんブログ村へ 💛 
いつも応援ありがとうございます^^!

web拍手 by FC2
関連記事


総もくじ 3kaku_s_L.png イベント
総もくじ 3kaku_s_L.png だから今日も I'm so happy…百回分の花をあなたに
総もくじ 3kaku_s_L.png ******【司×つくし】******
総もくじ 3kaku_s_L.png 愛してる、そばにいて
総もくじ 3kaku_s_L.png 百万回の微笑みを愛の言葉にかえて
総もくじ 3kaku_s_L.png 陽のあたる処でシリーズ(短編集)
総もくじ 3kaku_s_L.png Fly me to the havenシリーズ…36話完
総もくじ 3kaku_s_L.png アネモネ…全171話完+α
総もくじ 3kaku_s_L.png ******【類×つくし】******
総もくじ 3kaku_s_L.png 中・短編+
総もくじ 3kaku_s_L.png パッション…①24話②22話完
総もくじ 3kaku_s_L.png 陽だまりの詩シリーズ(短編集)
総もくじ 3kaku_s_L.png ****【総二郎×つくし】****
総もくじ 3kaku_s_L.png 中・短編-
総もくじ 3kaku_s_L.png ****【あきら×つくし】****
総もくじ 3kaku_s_L.png 中・短編^
総もくじ 3kaku_s_L.png ***【その他CP】***
総もくじ 3kaku_s_L.png 中・短編'
もくじ  3kaku_s_L.png 倉庫
総もくじ  3kaku_s_L.png イベント
総もくじ  3kaku_s_L.png だから今日も I'm so happy…百回分の花をあなたに
総もくじ  3kaku_s_L.png ******【司×つくし】******
総もくじ  3kaku_s_L.png 愛してる、そばにいて
総もくじ  3kaku_s_L.png 百万回の微笑みを愛の言葉にかえて
総もくじ  3kaku_s_L.png 陽のあたる処でシリーズ(短編集)
総もくじ  3kaku_s_L.png Fly me to the havenシリーズ…36話完
総もくじ  3kaku_s_L.png アネモネ…全171話完+α
総もくじ  3kaku_s_L.png ******【類×つくし】******
もくじ  3kaku_s_L.png 拍手小話+
総もくじ  3kaku_s_L.png 中・短編+
総もくじ  3kaku_s_L.png パッション…①24話②22話完
総もくじ  3kaku_s_L.png 陽だまりの詩シリーズ(短編集)
総もくじ  3kaku_s_L.png ****【総二郎×つくし】****
総もくじ  3kaku_s_L.png 中・短編-
総もくじ  3kaku_s_L.png ****【あきら×つくし】****
もくじ  3kaku_s_L.png 拍手小話^
総もくじ  3kaku_s_L.png 中・短編^
総もくじ  3kaku_s_L.png ***【その他CP】***
総もくじ  3kaku_s_L.png 中・短編'
もくじ  3kaku_s_L.png 未分類
もくじ  3kaku_s_L.png ストック
もくじ  3kaku_s_L.png R短編集
もくじ  3kaku_s_L.png アネモネ R
もくじ  3kaku_s_L.png 恋愛の品格 R
もくじ  3kaku_s_L.png 愛妻生活 R
  • 【夢で逢えたら200】へ
  • 【始まりは突然に15】へ

~ Comment ~

管理者のみ表示。 | 非公開コメン卜投稿可能です。

~ Trackback ~

卜ラックバックURL


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

  • 【夢で逢えたら200】へ
  • 【始まりは突然に15】へ
にほんブログ村 小説ブログへ💛
スポンサーリンク