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「夢で逢えたら…全207話完+α」
第五章 ここより永遠に

夢で逢えたら195

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 本日一発目!?の『夢で逢えたら』。
 ぎひひひ、今日はやる気満々?で時間のある限り書きまくり、更新しまくりしたいと思います。
 すでに、『始まりは突然に』の11をpm.15:00(※すいません、時間間違ってました。13:00じゃなくって、15:00です^^;)に、12をpm.21:00に更新予約済。
 この後、母の病院に出かけるので、『夢で逢えたら』の方は遅くになるかもしれませんが、頑張って最低1話は更新したいと画策中!
 どうか、ランキングポチリで私の意欲を上げてくださいね^^
※夜間に更新しました『始まりは突然に』の10を間違って09にて配信してしまいました。
ご指摘くださった○こ様ありがとうございましたm_ _m
いやはや、夜中のことでボケってましたね^^;
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 「…牧野、牧野」
 耳鳴りがして座り込んでしまったつくしの腕を掴み、軽く揺さぶる聞きなれた声に、顔を上げる。
 貧血特有にキーンとした耳鳴りと、吐き気、暗く陰ってチラチラした視界に目を凝らしながら、少しづつ深呼吸を繰り返して意識を保つ。
 幸い喘息の発作も、過呼吸もここのところ訪れることはなくって、心のどこかでホッと安堵する。 
 「つくし」
 「先輩」
 「キャシー、しっかりして」
 他の人たちの声も次第に、耳に届くようになってきた。
 「副社長、このまま無理に突破するのも辛いかもしれません」
 「…仕方ねぇ、少し足止めするか」
 「ちくしょう、ここぞとばかりにつめかけてやがる」
 「無理すっと、俺らはともかく怪我人がでるかもしんねぇな、これじゃあ」
 つくしの意識が完全に浮上する。
 「おい、大丈夫か」
 心配そうに自分の目の前でしゃがみ込む、愛しい男の姿に胸を引き絞られるような痛みを感じ、つくしはギュッと自分の胸元を握りしめた。
 「…道明寺、なにがあったの?」
 「ああ、誰かが爆竹しかけやがった。一瞬、銃声かとこっちはビビったんだが、やっぱ日本は平和ボケしてやがんな。多少は騒然としたが、誰一人知らんぷりだ」
 これがNYであれば、銃声だと確定していなくても、音が鳴った瞬間には皆が地面に伏せている。
 たとえ音を聞いていない人間とて、ご同様。
 他者の動きで連動して、動いていただろう。
 命は自分で守るしかないのだ。
 だが、ここは日本。
 「そりゃあ、無理言うなよ。こっちは誰も拳銃なんて持ち歩けないんだからな。破裂音したからって、誰が即、銃声だなんて思うかよ」
 「まったくだぜ」
 司の呆れたという物言いに、総二郎とあきらが苦笑する。
 SPや総二郎たちがしゃがみ込んでいる司やつくし、レンや女たちを守るように円陣を組んでいるが、過熱する報道陣たちはいまにもその人の柵を突き破って決壊しそうな勢いだ。
 中腰になりながら片耳を抑えて、携帯をかけていた優紀が、注意を促すように司に呼びかけた。
 「…副社長、SPの車を何台か、反対方面に別々に回させました」
 「ああ、わかった。総二郎、俺んとこのSP連れて牧野を頼む」
 総二郎が無言で頷く。
 「あきら、お前は女たちを頼む。滋ンとこのSPもいっから、大丈夫だとは思うが、SPじゃあ暴走したこいつを止められねぇからな」
 「なによ、それ~。あたしを怪獣みたいに!」
 「その通りでしょ?私も暴走した滋さんを止められる自信ありません」
 「わかった」
 チラリと女たちを見て苦笑したあきらが頷くのを見届け、類へと顔を向ける。
 「…お前はレンだ」
 「ああ。お前はどうする?」
 いつものんびりしてあくまでもマイペースを崩さない類が、固く強張ってるのは気のせいではないはずだ。
 「…俺まで移動するわけにはいかねぇだろ。こいつらのメインは俺なんだしな」
 「悪意ある人間がいなくても、長く留まってパニックになったらヤバイ」
 「まあ、いざとなれば、船に戻るさ」
 「そうだな。ま、安心しろよ。俺らが無事、戻ったらスキャンダルの一つや二つ起こして、こいつら(報道陣)一気に引き受けてやるぜ」
 悪戯っぽく茶化す総二郎の言葉で、一同にやっとかすかな笑みが浮かぶ。
 司が片手を振って、それぞれを散らさせると、わーわー言いながら押し寄せようとする報道陣を少々乱暴に押しのけ、それぞれについたSPが
八方へ道を作る。
 「じゃあ、またな、司、牧野」
 「つくし、後でね」
 「先輩、しっかり」
 それぞれ友人たちに、司と牧野が頷きかける。
 「ああ、気をつけてな」
 「無事で」
 レンがしゃがみ込んでいるつくしの肩に手を置き、自分を心配する母親の気持ちを宥めるように優しく微笑む。
 「キャシー、俺行くね」
 「レン」
 一緒についてゆきたい気持ちでいっぱいだったが、もし何か事が起こった時に一蓮托生のレンと自分が一緒にいる愚を冒せないのは十分にわかっている。
 「安心して、牧野。レンは俺が命にかえても絶対に守るから」
 「…ダメよ、あなたも無事じゃなきゃ。それに、これから戦場にいくわけじゃないでしょ?」
 ねめつけるつくしの頭を軽く撫でて、大きく頷く。
 「そうだね、ごめん。でも、牧野も気を付けてゆくんだよ」
 二人の間に流れるいつもの空気に、司が憮然とふて腐れている。
 こんな場でなければ、つくしを抱き込んで、類を威嚇しかねない勢いの司を見、傍に立つ総二郎が呆れて肩を竦めた。
 …何年たっても、変わらねぇ奴らだぜ。 
 レンと類も立ち去ると、記者たちもそちらに行こうか迷い、ついてゆく者たちもいるのだが、やはり大半は司の方へと照準をあて、隙をついてSPたちの輪へと入り込もうとする。
 皆が別れた分だけSPの人数も激減し、いつまでもそこに留まっているのは不可能だった。
 「…司」
 「ああ、わりい」
 総二郎に急かされて、一言断ると、自分を見上げているつくしの片頬に優しく手を添え、真摯に見つめる。
 けれど、いま司の中に特に言いたい言葉はない。 
 後でも、明日も、明後日からも、ずっと永遠に自分たちは一緒なのだから。
 当たり前すぎて、伝えたい言葉はもう伝えつくしている。
 だから、端的に一言だけ。
 「転んで怪我すんなよ」
 「もうっ!何なのよ、私をいくつだと思ってんの?あんた」
 司の気持ちは十分わかっているつくしが、怒ったふりで司を睨み付ける。
 一つ笑って、司が手を離し、立ち上がろうとした瞬間…つくしがその手を両手で包み込んだ。
 「…道明寺っ!」
 「……?」
 振り向く司の顔が人垣の合間から差した光で陰って、見えない。
 「道明寺…」
 「…なんだ?」
 問い返されて、自分でもなぜ呼び止めてしまったのか、わかりかね、言葉に詰まる。
 「牧野、いくぞ」
 総二郎に急かされて、司がつくしの両腕を優しくつかんで引き揚げ、立ち上がらせる。
 「一人で歩けるか?」
 「…俺が支えるか?牧野」
 すっと、横に立った総二郎に笑顔で顔を振り、再び、つくしは愛しい男へと視線を移す。
 まるで、その顔を目に焼き付けるように。
 自分の無意識の行動に身震いを感じながら、つくしは本当に言いたかった言葉を呑み込み、やはり冗談で誤魔化す。
 …行かないで!もう、私を置いていかないで。
 「あんたこそ、暴れないでよ」
 フッと笑って、つくしの額を軽く指でつき、今度こそ司は踵を返した。
 「誰に言ってんだよ。また、後でな」
 あっという間に司の背中が人垣に消え、SPたちがその後を追う。
 ほとんどの人間が司の後を追い、わずかに残った人々がつくしに焦点を合わせる前にと、総二郎に促され、後ろ髪を引かれる思いで、つくしも歩き出した。

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