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 本日、『始まりは突然に』3回目の更新!
 いやあ、頑張った頑張った。
 こうやって、続けて書く方が効率はいいんですけどね(予約更新なので9~11まで一気に書きました)。
 本当は、『夢で逢えたら』なら『夢で逢えたら』で一気に更新してゆく方がいいのかもしれませんが、それぞれに楽しんでいただけているようですし、私的にもなんだか腕?が上がってゆく気もするので、こなれてゆけばなんとかイケるかな?
 最初は違う連載を同時進行は辛かったのですが、実際慣れてきましたしね。
 と、いうことで、さすがに『始まりは突然に』の本日更新は打ち止め。
 明日は…明日の風が吹く、ということで、明日もまたランキングポチリ等の応援よろしくです~。
 いつも応援ありがとうございますm_ _m皆さんの応援が、明日描く力となっております!
****************

 どこで拾ってきたのか、いつもどおりモデル系の女を腕につかまらせて、総二郎が俺と牧野を交互に見る。
 だが、さすがに女には目敏い総二郎には、俺の連れが誰だかわかったのか、驚いたように声をあげた。
 「ん?お前…もしかして、牧野?」
 「…お久しぶりです、西門さん」
 微妙な顔で会釈した牧野の考えてること、わかるな。
 たぶん、総二郎の腕にぶら下げた女を見て、『女たらし』とか、『プレイボーイ』とか、そんなことを思っているんだろう。
 いくつになっても、顔にそのまんま出るところは変わらず、くるくる変わる表情やオーバーアクションが面白い。
 …ホント、飽きない女。
 さっき、牧野に言ったとおり、俺が彼女を好きなのか俺にもわからない。
 でも、牧野と一緒にいると楽しいんだ。
 眠ったような俺の毎日に、突然現れた突風のようで、俺がもっとも愛する平穏な時をかき乱されそうな予感がするのに、それがちっとも嫌じゃない。
 淡々として色なんかほとんどなかった世界が、牧野がそこにいるだけで鮮やかな色に染まる。 
 すっかり、世界がこんなに面白いものだなんて忘れてた。
 総二郎が俺と牧野の握った手に目を留め、一瞬驚いたような顔をしたけど、すぐにニヤニヤと笑いながら傍へと近寄ってきた。
 「へえ?知らなかったぜ。いつの間に、お前らそんな関係になってたの?」
 「…そんなって、どんな関係よっ」
 気色ばむ牧野に対して、総二郎はすっかりからかいモードだ。
 牧野って、ちょっかい出したくなる何かがあるよね。
 突っついて、怒らせて、自分の言葉で一挙一動して表情を変える彼女の注目を浴びたい。
 司なんかはその典型で、好きなくせに意地悪をしては逆効果になっていた。
 まあ、総二郎の場合はそういうのとは違うだろうけど、他の女に対する態度とは明らかに違うから、総二郎は総二郎なりに牧野に対して好意を抱いていたことは確かだ。
 そして、8年近いブランクを感じさせないのは、さすがっていうか、俺にはマネできないな。
 なんだかんだで、久しぶりに再会した牧野は、俺が強引にでなければ挨拶だけで通り過ぎてしまいそうに身構えていた。
 …まあ、すぐにわからなかった俺が悪いんだけど。
 しょうがないだろ?女ってこんなに変わるもんだって知らなかったんだから。
 牧野と静しか知らないっていうのもあると思うけど、おさげ髪でシャレッ気なんかまったくなかった女が、こんなに女らしく綺麗になるなんて、誰が想像すると思う?
 総二郎もそう思ったようで、
 「しっかし、牧野、お前ずいぶん変わったな~。あの色気の欠片もなくて、野生児そのまんまみたいだった女だって信じられねぇくらい綺麗になったんじゃねぇ?」
 「…え?い、いや、あんた、また口が上手いんだから、って!野生児って何よっ!?失礼なっ。花沢類といい、あんたといい、よほど高校生の頃のあたしが酷かったみたいじゃないっ!」
 「まあ、酷かったっていうか、ガキくさかったな。まあ、色気は今もあんまりなさそうだけど、へえ、女って変わるんだな。女知り尽くした俺でも見違えたわ」
 「…なんか、複雑だけど、一応お礼言っとく。それから、さっきの発言」
 「ん?」
 「花沢類とあたしの関係がどうのって奴。如何わしい言い方しないでよね。花沢類とあたしはそんなんじゃないんだから」
 「そんなんじゃ‥って、どんななんだよ」
 と顎をシャクって、俺たちの繋いだ手に視線をやると、牧野がうっと呻いて真っ赤になっている。
 なんて、イイ訳するのかなあと、ジッと牧野を見ていたらそれに気が付いて、上目遣いに睨んできた。
 「…花沢類もぼうっと見てないで、なんとか言ってよっ!」
 「うん?ああ、総二郎、お前の仄めかしは違うよ」
 「あ?」
 「いま俺の女にならないかと、口説いてるところ」
 そのまんま言うと、自分がからかってきたくせに、目を見開いて、
 「ま、マジかよっ。…て、まあ、ありえなくもねぇだろうけど」
 首をひねりながらブツブツ言っている。
 挙動不審だって、お前。
 「な、何言っちゃってんのよっ!よけい誤解を招くような言い方しないでよっ!?」
 ここにも焦ってる女が一人。
 でも、それはないんじゃない?
 「俺、さっき、付き合おうって言ったけど」
 「うっ。い、いや、それはね。でも、あたし、まだ、付き合うだなんて」
 「うん、だから、口説いてる途中。そんなに焦らなくったって取って食いはしないんだから、落ち着きなよ」
 「はうっ」
 そんな俺と牧野の様子を見ていた総二郎が、クイクイっと指で俺を呼び寄せる。
 それを知らん顔をして無視していたら、強引に首に腕をかけられ、連れの女と牧野を置き去りに、少し離れたところへと連れ込まれた。
 「…痛いなあ、総二郎、離してくれない?」
 「お前、マジかよ~」
 「……」
 「こんなところで牧野にまた出くわしたのも驚いたけど、なんだよ、あの!牧野と付き合うって、冗談キツイぜ」
 ガシガシと自分の髪を掻き、総二郎らしくない物言いに、首を傾げる。
 「何が?男と女は一期一会。一度チャンスを逃したら次はないって、お前常々言ってるじゃん」
 「いや、そういうことじゃなくってさ」
 頭を抱えてる総二郎の連れの女がしびれを切らして、イライラと俺たちを見ている。
 「…もう、行った方がいいんじゃないの?俺も牧野送ってくから」
 踵を返そうとした俺の首根っこを再び掴まえて、引き戻す。
 …もうガキじゃないんだから、それやめろよ。
 「牧野だぞ!あの牧野。司がマジで惚れて、追い掛け回してた女なんだぞ」
 「昔の話でしょ?」
 「昔…まあ、確かに、昔っちゃあ昔だけど」
 「あの当時、自分からさっさと舞台から降りて、NYに行ったまんま牧野のことは諦めたじゃない。それ以来、牧野のまの字も俺、司から聞いたことないよ」
 「……」
 「それに、今じゃあ、司は司でよろしくやってんじゃん」
 まあ、あの当時のことを言えば、親友として司に対して俺は誠実だったとは言えなかったかもしれない。
 司が惚れてる女だと知っていて、静のことで参っていた俺は牧野に頼ってしまった。
 罪悪感がなかったわけじゃない。
 けど、静以外に誰でも同じように無意味な存在だった俺にとって、牧野もまた特別な女だった。
 …出会った頃から、妙に気になって、司に苛められてる牧野がほっておけなかった。
 それが、いつの間にか立場が逆転するかのように、あいつの優しさが温もりが俺を立ち上がらせ、いつも新しい俺を発見させてくれた。
 牧野がいなかったら、間違っても静を追ってフランスに行くなんてことできなかった。
 結果…自分の無力を思い知らされ、傷心で日本へと逃げ戻ることになったけど、それでも俺に後悔はない。 
 あの時、俺にはそれが必要だった。
 壁を壊し、自分の無力を知るきっかけが必要だったのだ。
 たとえどんなに苦い結果だとしても、そうでなければ、俺は俺を置いていった静を恨み、鬱屈し、結局潰れていっただろう。
 そしてそう思うわせてくれたのは、牧野だったから。
 牧野じゃなければ、新しい自分を受け入れることなんかきっとできなかったに違いない。
 当時、牧野が俺に淡い気持ちを抱いていてくれたことは知っていた。
 けれど、あの当時は静への気持ちも割り切れてなかったから受け入れられなかった。
 無理に受け入れようとした俺を、むしろ牧野が押し留めてくれた。
 それが良かったのか、悪かったのかどうか。 
 そして、俺もNYに去ろうとする司に、たった一度塩を送った。
 『牧野は司が好きなんじゃないかな』
 たぶん、牧野も自分でわかっていなかった感情。 
 それを言うことに、俺自身、小さな葛藤があった。
 もし、司がそれを聞いて牧野を諦めなかったら?
 もう一度、司が牧野を追いかけ、俺が優柔不断な態度でいるうちに掻っ攫ってしまったら?
 実際にはそうはならなかった。
 だが、俺もまた優柔不断なまま、時を逃してしまい、牧野は俺の前から去った。
 一期一会。
 冗談じゃなく、いつも総二郎が言っている台詞が身に詰まった。
 まあ、こいつの場合、ナンパで使う常套句だったから真実味はないんだけど、言ってることには真理が宿ってる。
 そして、司は結局戻ってこなかった。
 あの情熱的でストーカー気質の司も、さすがに思うところがあったのか、それとも飽きたのか、牧野を諦めたということだ。
 たとえ、本心がどうだったにしろ、NYに渡った司は総二郎ばりに浮名を流している。
 「…あいつ、口には出さねぇけど、いまだに牧野のこと思ってんじゃねぇのかな?」
 「…うがちすぎでしょ。て、いうか、もう時効だし」
 「お前、けっこうドライだよな」
 総二郎の咎めるよな物言いに肩を竦める。
 じゃあ、どうしろというわけ?
 NYまで行って、愛のキューピッドでも買って出ろと?
 本人が何も言わないのに、それって余計なお世話って言わない?
 第一。
 「恋愛は自由でしょ。いくら、昔親友が好きだった女だからって、遠慮しなくちゃいけない理由はないと思うけど?」
 「…て、まさか、お前、マジなのかよ」
 「さっきからそればっかだね。…正直、俺にもまだわからない」
 「わからないって」
 「でも、恋人に立候補したいかも、って思ったからさ」
 「かも…てお前な」
 牧野と同じように頭痛を憶えたように頭を押さえ、総二郎は肩を竦めて嘆息する。
 「ま、確かに、おせっかいだったな。ただ、面倒はかけんなよ?お前は何気にマイペースだから気にしねぇだろうけど、なんかあると必ず俺やあきらにしわ寄せくんだからな。怒り狂った猛獣のお守は御免だぜ」
 「それこそ、取り越し苦労って奴でしょ?お前もいつの間にあきらみたいになったわけ?」
 「言っとけよ」
 今度こそおせっかいはやめて、総二郎は女の方へ戻ってゆく。
 不満そうに拗ねて見せる女に、適当にいい顔をして見せ、牧野にも、
 「邪魔して悪かったな。今度、あきらとも集まって一緒に飲もうぜ」
 「あ、うん、ありがとう。美作さんにもよろしく」
 連れの女の目が一瞬鋭くなり、だが、牧野の上から下まで見て、侮るように鼻を鳴らして総二郎にますますすり寄る。
 女が何を考えたのか俺にはすぐわかったけど、女の見当違いな嘲りが可笑しい。
 どうせ、牧野を見て自分の方が勝ったとか思ってるんだろうけど、それこそ身の程知らずだよ。
 総二郎の関心なんて紙切れ一枚ほどの重さもなく、あっという間にその女の上からも飛んで消えてゆくだろう。
 反して、総二郎の牧野への好意はそういったものとはまったく別のものだ。
 強烈な女。
 あの司にさえも一歩も引かず、負けることのなかった強さ。
 輝き。
 なんだか、こうしてみると、俺ってかなり牧野に熱烈に惚れてる?
 まさかね。
 自分の思考が可笑しくて、でも、悪くないなってクスクス笑いが抑えられなかった。

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