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「パッション…①24話②22話完」
始まりは突然に…23話完

始まりは突然に10

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 昨日は更新をスキップしてしまって、すいません。
 今週あたりから、1日2話更新!?なんてフいてましたが、それどころじゃない感じに^^;
 もうしょうがないので、書けたものから順次UP!みたいな、いきあたりばったりで今週は行きたいと思いますm_ _m
 ですが、私のやる気の為に、みなさんの愛(ランキングポチリや拍手、コメント)をよろしくです~♪
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 他人のフリをしても、当の本人が親しげな笑みを浮かべて傍へ寄ってきてはもうどうしようもない。
 周囲のきゃあとも、ひゃあっとも知れぬ悲鳴と視線、花沢類と話し込んでいた会社幹部たちの怪訝な顔に見守られながら、あたしは俯いていた顔をあげた。
 「は、は、は、は、花沢類っ!」
 「…どうしたの?いきなり、笑っちゃって」
 小首を傾げて覗き込んでくる男の笑顔が激マブだ。
 あやうく悩殺されそうになって、「目の前にいるのはカボチャ、目の前にいるのはカボチャ」…と我ながら意味不明の呪文を一心不乱に唱えてその場をなんとか乗り切ろうとする。
 が…。
 「じゃ、行こう」
 に~っこり。
 上機嫌に鼻歌でも歌いかねない勢いで、あたしの手を握り!?、花沢類はさっさと自分の車へと引っ張った。
 な、なんでぇ~?、つーか、どこへ?
 恐るべし!ゴーイングマイウェイ。
 ポカンと自分たちを見守っている東洋商事の幹部たちには軽く会釈をして、引き攣ってるあたしの顔もお構いなしで助手席へと促がす。
 「えっとね、花沢類?」
 「うん?とりあえず、乗って?夕食も行くつもりでいるけど、あんまり時間が遅くなるとお茶っていうより、食前酒の時間になっちゃうから。お茶、奢ってくれるんでしょ?」
 …その話、まだ生きてたのか。
 驚くよりも、花沢類がちゃんと憶えていたことに感心して、思わず頷く。
 「じゃ、早く」 
 押し込められるようにあたしは助手席に乗せられ、花沢類が運転席に座る。
 「…え?花沢類が運転するの?」
 「うん。だって、運転手いないでしょ?」
 言われてみればその通りで、白馬を思い起こさせる真っ白なスポーツカーには他に人影はない。
 つーか、二人乗りだし。
 あたしは何か言いたいような顔をしている自社の幹部の視線から目を反らし、高そうなシートにしゃちこばって座った。
 正直、今の状況が理解できない。
 …あたし、なんだってこんないかにもデートです、みたいな車に乗ってるの?
 しかも、さっきまでとは違う人の、違う車の助手席だよ。
 花沢類はあたしがシートベルトを締めるのを確認すると、予備動作もなく唐突に車を発進させた。
 「…っ!?」
 ギュウウゥゥゥン。
 「え?えええ~っ!!!?」
 な、なに?なになになに??
 ゴオオオオオオォォォォォ~。
 地響きを立てるような轟音を発し、猛スピードで走りだした車は、今度は急停車。
 ガックン。
 「……」
 その時点で、あたしは余計な思考を停止し、一心不乱にシートベルトを握りしめることに腐心する。
 し、死にたくない~っ。
 もちろんあたしのの心の声が、花沢類に通じることなんてなく、何度も何度も心の中で無事にこの車から降りられることを祈った。


 「…なんか、ぐったりしてるね、牧野?」
 恐怖体験を終え、花沢類お勧めの美味しいケーキがあるというカフェに到着した時には、あたしはすっかり虚脱していた。
 急発進急停車の嵐で、この人本当に教習所に通ったの?と疑いたくなるような荒々しいテクニックを披露してくれた当の花沢類はご満悦だ。
 「けっこう車の運転好きなんだよね」
 「へ、へえ。い、意外だね。あんたなんて、昔から運転手付きの車に乗ってばっかで、自分で何かやるなんてことがあるとは思わなかった」
 なんだか、あのものすごい運転技術を見せつけられた後で、気後れも何もなくなって、ついついいつもの調子で遠慮ないこといっちゃったけど、花沢類は気にした風もなく、楽しそうだ。
 この人、なにがそんなに楽しいんだろう?
 初めて会った頃はいつも、不機嫌な顔であたしを睨んで威嚇してたっけ。
 こんな顔見ちゃったら、あの当時のあたしはきっと一日浮かれて、有頂天だっただろうな。
 今も見惚れずにはいられないけど、あの時のドキドキ、わくわくした憧れはさすがになくなって、ただこんな素敵な男性と二人っきりだと言う緊張感があるだけだ。
 「もう一個食べなよ。女は甘いものは別腹とか言って、一個や二個、平気で食べられちゃうでしょ?」
 「…食べれるけどさ。でも、花沢類も甘い物好きなんだね」
 「ん…、まあね。それなりにかな。一人じゃ食べないけど、牧野、美味そうに食べるからね、つい食べたくなっちゃう?」
 「はは、そう?すっごく美味しいし、ここのケーキ」
 「そう?良かった」
 優しく目元を緩ませ、紅茶を一口口に含む花沢類は、絵画の宗教画のように清く美しい。
 さっきまで、公道で暴走行為を繰り返していた人間にはとても思えない。
 男に綺麗とか美しいっていうのも変だけど、ほんと、この人ってそれ以外の表現が出てこないっていうか。
 時々、舌を出した悪魔に感じることもあったけれど、それさえも魅力だった。
 「…なんで会社に来てたの?もしかして、うちとの共同プロジェクトの打ち合わせ?」
 キョトンとした花沢類が、ああ、と頷く。
 「そういえば、そんなもんもあったっけ。すっかり忘れてた」
 ガクッ。忘れてったって、あんた。
 思わずズッコケそうになっちゃったけど、そんなところも花沢類らしいと思うのはなんでなんだろう。
 何年も離れていたのに、ホンの一時共に過ごし、少しは友達になれてたかなと思ってた過去だけれ、あたしにしてみれば、花沢類が自分を憶えていてくれただけでも奇跡なような気がする。
 まあ、再会当初、当たり前のように忘れられていたのにはガックリきたけどね。
 あまりにあたしがジロジロ顔を見ていたせいか、花沢類が首を傾げて、見つめ返してきた。
 うっ。
 「えっと、そうそう、フランス!」
 「フランス?」
 思わず花沢類の視線に焦って、口から飛び出してしまった言葉。
 でも、特に何が言いたかったわけではなかったので、言葉に詰まる。
 ど、どうしよう。
 「え~、そう。フランスに駐在してるってことは、その、静さん…とは?」
 久しぶりに会ったにしては適切でない質問の様な気もするけど、やっぱり花沢類に会ったら気になるのは静さんのことだよね。
 当時、なんだかんだ言ったって、静さんのことがあってああいう…ことがあったんだから、あたしが気になったって可笑しくはないはず。
 一瞬花沢類があたしから視線を外し、下向き加減になった睫毛が花沢類の目元に深い影を落として、口に出した言葉を後悔しそうになる。
 「…ん、普通に付き合ってるよ」
 「え?」
 半拍置いて、もう一度視線をあたしに戻した花沢類の顔は、さっきと同じ楽しそうなものだった。
 き、気のせいだったのかな?
 …切なそうに見えたのは、あたしの思いこみ?
 「静とも幼馴染みだしね。たまには一緒にお茶したり、パーティで会えば普通に会話してるよ。
結局、あの後、ほら、当時静って、大統領候補と噂になったりしてたじゃん?その男とも結婚しなかったし、今はバリバリ弁護士として活躍してるみたいだよ」
 「そうなんだあ」
 静さんらしいな。
 そう思う反面、たまにお茶して、パーティで?それに、活躍してるらしいって、まるで他人事みたいな言い方の花沢類に、不審な気持ちが湧き上がる。
 花沢類があれほど好きで、諦めきれなかった静さん。
 彼女が恋しくて、追いかけて、苦しんで、自ら身を引く形で日本に帰ってきた花沢類と静さんの関係は、あれからそんな他人行儀な関係になっちゃったのかな?
 あたしには関係ないことではあるけど、なんとなく、当時を知り、期せずして関わってしまったあたし的にはなんだか切ない。
 でも、だからといって、静さんと花沢類二人の問題にあたしが口を出すことでもないことはわかっているので、ただ曖昧に頷くことしかできなかった。
 「牧野も、東洋商事にいるだなんて、頑張ってるんだね」
 「え~?はは、けっこう運が良かったかな。あたしも自分で、よくこんな大きな会社に入れたもんだって時々、不思議だよ」
 「そんなことないよ、牧野は昔から努力家だったじゃん。俺らと違って真面目に学校で勉強もしてたし、相馬課長に重用されてるんでしょ?東洋商事の相馬課長の噂はかねがね聞いてるよ」
 ああ~、相馬さんはね。
 なんだかんだ言って、その筋では有名な切れ者営業マンだ。
 営業で回った先では確実に仕事をとり、まとめあげている。
 その課長に率いられた営業一課の営業成績も東洋商事一で、近々幹部への昇格も内定しているとか。
 花沢物産でも知られてるのか~。
 その相馬課長に重用されてるっていうのは、花沢類の誤解で、実際にはコキ使われてるの間違いだと思うけど、真剣な目で褒めてもらえるのは悪い気がしなかった。 
 て、いうか、花沢類、あたしのこと、そういうふうに見てくれてたんだ。
 まあ、この人たちに比べれば誰だって真面目に勉強していた、ってことになるとは思うんだけどね。
 「…あれからさ」
 「え、なに?」
 「司とのことがあって、牧野に迷惑かけたじゃない、俺」
 「…あ、いや、それはあたしも悪かったから」
 唐突に飛び出した話題に、あたしは俯いた。
 や~、その話題だすかなあ。
 「あれから、俺、牧野のことが気になってた」 
 「え?」
 「でも、司がNYに行ってしまって、なんとなく、俺たちも気まずいっていうか、あんた、非常階段にも来なくなったじゃない?」
 赤札騒ぎも収まり、針の筵ではあったけど道明寺がNYに行ってしまったことで、あたしに直接手を出してくる生徒はいなくなっていた。
 時折、嫌味くらいは言われたけど、今思えば、もしかしたらF3が何か言ってくれていたのかもとも思う。
 一度、浅井があたしにインネンつけようとしたことがあって、その時通りかかった類の顔を見て、そそくさとあたしの周りから立ち去ったことがあったから。
 他にも細々と、道明寺と関わりがなくなっても、西門さんや美作さんも度々声をかけたりしてくれた。 
 …そう、友達だと言っても良かったかもしれない人たち。
 この人たちの認識はどうだったのか知らないけど、あたしはけっこう感謝していた。
 て、もとはといえばこの人たちのせいだっけ?
 それはともかく、苛めもなくなり、道明寺を傷つけてしまった引け目から、何事もなかったようにもう花沢類と会うことなんかできなかった。
 だから、非常階段からも自然に足が遠のいた。
 「そのうち、あんた英徳辞めたし。気になってたけど、俺のせいかな、とか思ったりね」
 「…英徳辞めたのは、パパの仕事の都合だし。花沢類のことは関係ないよ。気にしてくれてたなんて、なんかごめんね」
 「ううん、だって、俺たち友達だっただろ?」
 友達。
 花沢類、あたしのこと友達だと思ってくれてたんだ。
 ふわふわと嬉しいような照れ臭いような気持ちで、茫然と花沢類を見てしまった。
 それに、花沢類が首を傾げる。
 「なに?迷惑だった?友達だって思ってたこと」
 「えー!ううん、全然、そんなことない。すっごく嬉しい。あんたが、そんな風にあたしのこと思ってくれてたこと、なんか、意外で」
 両手と首を振って否定するあたしのオーバーアクションに、花沢類がフッと相好を崩す。
 「でも、今は違うかな」
 「…え」
 何よ、人を持ち上げておいて、もう落とすわけ?
 「友達ってより、恋人に立候補したいかも」

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