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「夢で逢えたら…全207話完+α」
第五章 ここより永遠に

夢で逢えたら193

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 おお~、久しぶりに?更新時間守れたぞ~。ふう。
 ということで、そろそろ山が近づいております。
 一気に書きたいなあと思いつつ。
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 やはりなんだかんだといちゃつき、もう一ラウンド浴室でこなしてしまったつくしは、すっかりのぼせてしまっていた。
 昼食は大広間で…などと言っていたが、どうやらその予定は夕食に変更になりそうだ。
 ソファに座る司の膝に座らされ、髪をバスタオルで拭かれていたつくしは、手持無沙汰に手元のテレビリモコンを取り上げ、久しぶりにテレビをつけた。
 『…大動脈瘤手術の権威であり、神の手を呼ばれる天才的な外科医師でもあるアルバート=スペンサー教授は、5日間の日本での日程をこなし、最終日となる明日は、私立聖マルシア医科大学病院での講演を行い、帰国する予定で』
 「へえ、スペンサー教授、今日本に来日してるんだ~。聖マルシア医科大学病院なら東京湾からも近いし、明日ついたらわたしも講演会聞きに行きたいなあ」 
 ボソリと呟いたつくしに、ピクリと司の手が止まる。
 「…お前、やっぱり日本に残りたいのか?」
 「ん~?ていうか、ついで?まあ、今から急に参加したいって言っても、受講者で一杯だろうし、無理だろうけどね」
 「誰に言ってんだ。お前がその気なら、俺がなんとかしてやるに決まってんだろ?」
 振り仰ぐと思いもよらぬ真摯な眼差しに出会う。
 「日本に残りたいならそれも手配するし、…家族に会いたいならなんとでもしてやる。お前の望みを言えよ。俺を使え、お前の男だぜ、俺は」
 「…天下の道明寺司さまだもんね」
 泣きそうな気持ちを冗談に変えて微笑んだつくしに、司はニヤリと笑って肯定する。
 「ああ、そうだ。俺様に不可能はねぇんだよ。何度言わせんだ。お前はその道明寺司の女なんだぜ?この世に叶わねぇことねぇんだってこと、いい加減にわかれよ」
 「…相変わらず、偉そうに」
 「偉そうなんじゃなくてっ…」
 「偉いんでしょ?はいはい。まったく、あんたって、男は本当に」
 つくしは司から顔を背け、司の膝から降りる。
 そしてテレビを消し、そのまま司の後ろに回ってソファ越しに後ろから抱き付いた。
 「っ…、おい」
 焦って振り向こうとする司を許さず、その逞しい肩へと顔を伏せる。
 「いいよ、今はまだ。あんたとNYに帰る」
 「いいのか?」
 「うん、まだ…ね。それにあんたともう少し一緒にいたいし」
 「……」
 無言の司をつくしが覗き込むと、司は真っ赤に顔を染め絶句している…百戦錬磨のこの男が、つくしのたった一言で。
 セクシャルだと思うと、初心で、そうと思うとやはり熟練の女たらしで…いや、違った。
 他の女に目もくれない男だったから、つくしタラシと言えるのかもしれない。
 ただ、一つだけわかっている。
 この男だから、これほど身が震えるほどの愛しさを感じるのだし、司もつくしだからこそ初心にもなるのだ。
 「なんだよ、不気味だな」
 「なによ、それ、失礼しちゃうわね」
 「お前が素直だと、後でなんかあるんじゃねぇかと、怖えぇよ」
 「ふん、天下の道明寺司様が情けないこと言わないでよね」
 「…で?アルバートなんたら教授の講演は?」
 「ああ…。まあ、興味あるったらあるけど、考えてみれば私、失業中の内科医だしね。この先も機会はあると思うし、ごり押ししてもらうほどのことじゃないよ。あんたも時間ないだろうし」
 「いいのか?」
 「…うん。私には私しかできないことを頑張る。今は…私が必要なのはあんたでしょ?」
 「ああ」
 司はつくしの両手を握り、そっと彼女の頭を引き寄せ、その唇に口づけた。
 

 「…フランス?」
 部下に呼び止められ、先を急いでいた西田は怪訝に眉を顰めた。
 もっとも、あくまでも怜悧な態度を崩さない彼に、ほとんど感情の乱れは現れていない。
 「その件は、高瀬が担当していたはずだろう」
 「…それが、現在スペインのバルセロナに出張中でして」
 確か、マドリードでの花沢物産の放火事件に端を発し、現地の道明寺支社への飛び火防止策の調整を司から任されていたはずだ。
 14日間のバカンスを終えて、司が帰国すればそのまま司自身が現地に飛ぶ予定だが、この14日間という前代未聞な長期休暇のしわ寄せが、西田以下、高瀬などの直属の部下たちにしわ寄せが来ていた。
 だが、西田はそれに対し、文句を言うつもりになれない。
 司はこれまで、それだけの心血を財閥の繁栄の為に注いできたし、成果も十二分にあげてきた。
 いま、この時期、その2週間の休暇がどれだけ司の人生にとって大事なことか、西田はわかっている。
 だが、それはそれ、各所、司の不在は彼の存在が大きいだけに様々なトラブル、業務遅滞などとなって影響は表れていた。
 もちろん、衛星回線他様々な方法を使って、司および彼を現在補佐している優紀に毎日連絡は取られ、最低限必要な指示は受けていたが。
 「緊急事態なら仕方がない。バルセロナとは別件で、フランスヨーロッパは元々彼女の守備範囲だ。私に指示を仰ぐのは筋違い。呼び出せばいいだろう」
 「…それが、実は現地入りする前、2日間ほど高瀬は私用で有給休暇をとっていまして、現在連絡が取れません」
 「休暇?」
 有給休暇は、いかに有能な道明寺秘書軍団とはいえ、とってしかるべき当然の権利だ。
 権利意識がしっかりしているアメリカにおいて、実は有給休暇は保障された権利ではなく、ごく一部の高所得者のみに付加された権利ではあるのだが、その高所得者に高瀬や西田も余裕で入っている。
 にもかかわらず、西田が意外に思ったのは、確かに当然の権利ではあるものの、やはり有給無給いかんにかかわらず、彼ら鉄人軍団に休暇はそぐわない単語であり、百歩譲っても司が不在のこの時期に、わざわざ高瀬がとることの意外さに、眉を顰めたのだ。 
 高瀬は直接西田に薫陶を受けたこともある、特に有能な秘書だ。
 その高瀬が?
 もちろん、人間である以上、様々な理由での都合もあるだろう。
 「代理を立てなかったのか?」
 「いえ、あらかじめ計画されていた休暇ですので、各所の手配は済み、突発的な事態にも備えて代理を立ててはいたのですが…」
 仔細はこうだ。
 やはり高瀬のこと、業務に滞りができるような下手は打っておらず、本来なら問題なく高瀬不在の2日間をカバーできるはずだった。
 そうであれば、西田にもその不在を知られることはなかっただろう。
 だが、現地に置いていた代理が、インフルエンザの罹患で業務停止になり、よりにもよってそんな時に突発的な事態が発生した。
 それでやむなく、決断権のある人間を求めて、直属とはいえないものの高瀬の上の役職にあたる西田へと話が回ってきたというわけである。
 高瀬の責任ではない。
 西田は必要な指示を出しながら、胸騒ぎを感じずにはいられない。
 司の忠実な秘書。
 財閥にも理になりこそすれ、害になることをしたこともなく、する気配さえない。
 だが、一時期、司と男女の関係があった存在。
 本人も司も認めないだろうが、ある意味一点の汚点を持つ存在なのだ。 
 西田の経験から、ビジネスに男女の関係を持ち込んだ時、どんな怜悧な頭脳を持つ存在もただの人間に戻ってしまう場合がある。
 そういう一点に置いて、ビジネスの荒波をくぐってきた司もまた、失点を侵していた。
 …何もなければいいが。
 西田は不穏な思いに思案を巡らせ、次に動くべく一手を模索した。



 いよいよ東京港入港に備え、久しぶりに感じる日本の気配に、つくしは落ち着かない気分を紛らわすようにはしゃぐ。
 「うわあ、今日もいい天気ねぇ。洗濯日和っていうか、こうやって船内でこもってるのがもったいないっていうか」
 「…洗濯ってお前な。せっかく優雅なバカンスの〆で、言うに事欠いてそれはないだろ」
 形の良い口を引くつかせるあきらに、べえっと舌を出す。
 「あんたらみたいなブルジョワにはわからないでしょうけどね、洗濯ものを外に出せるか出せないかっていうことは、主婦にはけっこう大事なのっ。乾かない洗濯物がブラブラ部屋の中にぶら下がってるとブルーな気分になるったら」
 両手を腰に当てて仁王立ちするつくしに、そんな気持ちのわからないブルジョワたちは顔を見合わせるしかない。
 だが、その気持ちがよくわかるはずのレンが苦笑し、あっさりつくしを裏切った。
 「…主婦にはって、昔はどうだか知らないけど、ほとんど洗濯も俺がやってるじゃない」
 「うっ、そ、それは」
 「お手伝いさん雇おうよ、って何度言っても、もったいない、他所の人にパンツまで洗ってもらうのは御免だとか言って、みんな俺にやらせるんだから」
 仕事を持つ女の常。
 ついつい、レンが大きくなってからは、すっかりレンの世話になっていた。
 「ええ?レン君、何気にこき使われている?」
 「まあ、俺も家事は嫌いじゃないんですけどね。仕事も確かに忙しかったから仕方がないし。でも、あんがい口煩いというか、こだわるっていうか」
 「それはごめんて。これからはもっと仕事もセーブするから、ね?だいたい、あんたがやったことに関しては文句いったことないでしょ?」
 「まあねぇ。でも、キャシーの場合、自分でやらせると一生懸命やりすぎて、とてもじゃないけど仕事と両立できないだろ?適当にってこと、知らないんだから。それで結局、俺がやるハメになるっていうか」
 「はうっ」
 自分の要領の悪さはわかっている。
 レンがやることには申し訳なさも手伝って、文句をいうことはないし気になることもないのだが、自分だと完璧を求めてしまう。
 たまにしかやれないから、いつもやらせてしまっているから、せめて…と頑張りすぎて結局、やり切れずレンが横から取り上げてしまうのだ。
 『キャシーの仕事は、外で稼ぐこと。家のことまで完璧にやってたら倒れちゃうだろ?』
 そう言って文句も言わずに頑張ってくれたのだ。
 自分だって、遊びたいさかり、家事などやりたくもないだろうに。
 「まあ、安心しとけ。これからは、どちらにしろ家事なんてする必要ねぇんだからよ」
 さも当然のように、ニヤケた顔の男が口を挟む。
 「おっ、いよいよ結婚決めたか、お前ら!」
 「へえ、牧野、ついに司んとこに嫁入るんか。長かったよな、お前ら」
 「本当!?つくし。やったね」
 「濃すぎる蜜月旅行でしたものねぇ。もしかして、…できちゃったとか?」
 「つくし…」
 「……」
 「…Zzzzzzz」
 「な、なに先走ったこといっちゃってんのよっ!つーか、桜子っ、人聞きの悪いこと言わないっ!?」
 一気に盛り上がる一同に、つくしが目を白黒させて全面否定する。
 RuRuRuRuRuRuRuRuRu、RuRuRuRuRuRuRuRuRu
 一斉に皆が自分の携帯をチェックするが、
 「あ、すいません、私です」
 優紀が席を外し、その間も皆の追及の手が止まない。
 「え~、まだ、往生際の悪いことしてるの~?いくらなんでも、放置プレイすぎない?」
 「…そうだよな、けっこう牧野Sッ気あるんじゃね?司、お前18年も待たされて、まだ?」
 滋と総二郎が息巻けば、
 「いっそ、作ってしまった方が早そうですよ、道明寺さん」
 「だな~、腹すえるまでが長いからな、牧野の場合」
 「やっぱ、そう思うか?」
 「…うーん、いきなり年の離れた弟妹か~。家事から解放されたら子守とか?」
 「安心しろ、うちには有能な乳母がわりがいくらでもいる。お前は普通に勉強でも、遊びでも好きなことしてろ」
 「何気に、馬から攻略しようとするなんて、司も進歩したよね」
 「馬?なんで、こいつが馬なんだよ。俺の息子になるヤツを畜生扱いすんじゃねぇよ。つーか、いつの間に起きてきたんだ、類?」
 桜子、あきら、司、レンがつくしをすっかり無視して会話を進めている。
 「…あのね、あんたら、本人さしおいて」
 顔を引き攣らせたつくしが仁王たちで立ち上がった瞬間…。
 「道明寺さんっ!いえ、副社長」
 電話をしに部屋の外に出ていた優紀が慌てて、戻ってくる。
 「…どうした?」
 「マスコミが、副社長や皆さんが極秘来日するのがリークされたようで、いま、東京港に詰めかけているようですっ」
 全員が司へと注目する。
 「はあ?マジかよ」
 チッと舌打ちし、司が立ち上がった。

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