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始まりは突然に06

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 う~ん、なんだか我ながら、よくわからない方向性になってきたぞ…。
 類君のイメージとちょっと違うかも。
 すいません、初めての類君ダーリン編ということでご容赦をm_ _m
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 数日ぶりに見た牧野は、やっぱりずいぶん綺麗になっていて、仁王立ちにして俺らを怒鳴りつけていたような女には見えない。
 けれど、くるくるよく変わる表情や、媚びを含まない飾り気のない仕草や物言いが相変わらずで、目を離せなかった。
 だから、俺らしくもなく声をかけてしまったのかもしれない。
 ちょうど、仕事上の付き合いのある企業の社長令嬢のエスコートを頼まれ、日本出張の貴重な時間を彼女のお供に費やされた今日。
 それが仕組まれたお見合いという奴だというのはわかっていたけど、まあ、俺にしてみればどうでもよかった。
 どの道、いま逃げても俺が結婚するまで、延々と押し付けられることだろうし。
 初めて会った彼女には興味もなかったけれど、特に嫌悪感も感じない。
 だったら、どちらにせよ半月もしたら日本での業務も終えて、フランスに戻るんだ。
 それまで、親父の顔を立ててこの茶番に付き合うのも仕方がない。
 そんな気持ちで、促がされるままに彼女を連れ、彼女が勧める行きつけのレストランを訪れると、そのレストランの雰囲気にそぐわない大きな声が聞こえる。
 どうやら、男と女が言い争っているらしく、周囲の他の客たちも興味津々に見て見ぬふりをしながら注目を浴びていた。
 …て、あれって。
 見覚えのあるシルエットに、通りすがりしな顔を見る。
 「とにかく、課長…もとい相馬さんの過剰なお気遣いはこれっきりにしてくださいっ!」
 大口開けて、ガンガンテーブルを叩いている女の顔を見て、思わず噴出してしまいそうになった。
 あんた、また、戦ってるわけ?
 なんだか可笑しくなって、大笑いの発作に襲われそうになる。
 「花沢さん?」
 後ろをついてきていた令嬢が怪訝に俺を見たけど、俺はそんな彼女に肩を竦め、気が付いたらいきり立ってその場で超目立ってる女に声をかけていた。
 「もう!何言ってんのか、わけわかんないっ!男なら、ハッキリと言い…」 
 「…なに、騒いでるの?」
 ぶぶっ、目を真ん丸に見開いて口をパクパクしている様が、なんだか小動物に似ている。
 ハムスターだっけ?ガキの頃、確かあきらのお袋が見せてくれたっけ。
 「翔子?」
 「…貴志兄さん」
 牧野の連れの男は、俺の見合い相手の知り合いだったらしく、お互いに驚いて指さし合っている。
 どうやら、ちょうど押し付ける相手が出来たようだったから、俺は即座にビックリ眼の牧野の手を取ってその場をエスケープした。
 びっくりの眼の牧野はさっきから、赤くなったり青くなったり。
 何、あんたその顔。ホント、面白すぎ。
 なんだか、わくわくする。この感じ懐かしい。
 昔から俺は感情の起伏が乏しくて、無表情だったからよく他人に不気味がられた。
 ガキの頃から仲間だった司たちでさえ、俺を持て余して、扱いに困っていたこともある。
 俺はただ、通り過ぎる人や物事が、壁一枚隔てた別世界の出来事のようで、何の興味も愛着も感じられなかった。
 ただ、静だけが俺の中で、特別な輝きを持っていて、俺に温もりと新しい世界を見せてくれた。 
 ただ、静の後をついてゆくことだけが、俺にとっての全てだったんだ。
 なのに、その静が俺を置いて一人歩きだし、一人壁の中へ取り残された。
 俺を連れ出してくれる存在…静を失って、俺は途方にくれた。
 そこへ現れた新たな光…違うか、力かな。
 光なんて弱々しいものじゃない。
 牧野の強引なまでのパワーは俺にはカルチャーショックに近かった。
 静が俺を壁の中から連れ出してくれる存在なら、牧野は俺の壁自体を叩き割り、ガツンと一発くれる存在で。
 微睡んで眠っていることなんて許されないほどの衝撃で俺を引きずり回す。
 不思議なことに、それがちっとも嫌じゃない…この上なく退屈で平坦な毎日を愛する俺が。
 司との諍いがもとでそんな牧野との関わりがいつの間にか途絶え、やがてはまた再び退屈で平坦な日々が戻ってきて、いつのまにか俺は元の俺に戻っていた。
 なのに、この女がまた再び、意図もたやすく俺を叩き起こす。
 …そんなとこで、寝ないでよ、花沢類。
 なんてね。
 「ちょっ、花沢類!歩くの早い、もっとゆっくり歩いてよっ!」
 言われて、牧野のペースには早い速度で、彼女を引きずっていたことに気が付いた。
 少し速度を落とすと、それでも彼女には早すぎるのか、チョコチョコ小走りでついてくる。
 小さな声でブツブツ、「まったく、自己中なんだからっ。外見王子様のくせに、見かけ通りじゃないのよね」なんて声が聞こえて、また笑ってしまった。
 俺にそんなこと言う女、牧野くらいだよ。
 牧野が俺の連れていた見合い相手の女のことを案じてくるので、ふと、俺も牧野のツレの男のことを思い出す。
 俺らと同じ階級のにおいがする男だった。
 狭い社会だけど、ここ数年日本を離れていた俺の記憶にはない。
 でも、俺の見合い相手が『貴志兄さん』と呼んでいたのでだいたいの見当はつく。
 …司と似たタイプだったよね。
 牧野を見る目も、司と重なる。
 当の牧野は気が付いてないんだろうな、きっと。
 ジッと近くで牧野を見つめると、焦って目をキョロキョロさせる彼女がなんだか可愛くて、またクスクス笑いが出てしまう。
 なんだか、俺、牧野を見つけてから笑ってばかりいる?
 わくわくして、機嫌がいいかも。
 牧野が俺に忘れていただろうとムクれて見せるのを見ながら、俺はつい思ったことをそのまま口にしていた。
 「牧野、凄い綺麗になってるし、わからなかった」
 牧野は、今度は熟れたトマトのように真っ赤になって、俺の背中をバシンッと力いっぱい叩いた。
 


 「…いってぇ」
 「ご、ごめん、花沢類」
 「普通、綺麗になったって褒めて、叩く?」
 人一倍立派な図体していて、たかが女の手で叩かれたくらい大したことがないでしょうに、いかにもダメージを受けたというように、花沢類が大げさに呻いている。
 悪戯っぽい目の輝きが、いかにもあたしをからかってるってわかるけど、実際に力いっぱい叩いてしまったので分が悪い。
 「だって、あんたがあたしをからかうからでしょっ!」
 「ん、別に本当のこと言っただけなんだけど、凶暴なのは相変わらず変わってないね」
 「…凶暴って、失礼なっ」
 ひくひくと唇が引き攣るのを堪えて、目の前の綺麗な男を睨み付ける。
 でも、花沢類の悪戯っ子のような笑顔に、いつまでもふくれていられない。
 なんだかなあ。
 こんな高そうなスーツ着て、ビシッと髪なんかも撫でつけて、いかにも仕事できます、エリートビジネスマンです、みたいな顔してて、こんな可愛い笑顔反則。
 あの頃も、だいぶあたしに慣れて、少しは笑ったりしてくれるようになってたけど、この人ってこんなに笑ったり冗談言ったりする人だった?
 もう遠い過去になってしまった高校時代を思い起こす。
 「あ、ここにしよう」
 言われて向き直った先…思わずあたしは、ポカーンと口を空けたまま立ち止まってしまった。
 中華飯店・香麗軒。
 目の前の店構えは、どうみても花沢類様御用達、高級中華飯店などではなく、「おやっさん!レバニラ一丁っ!」
など怒号が行きかうごく普通のラーメン屋だった。
 …て、昼間からレバニラ?

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毎日楽しみにしています。

類 つくしの二次小説ではべたべたアマアマ感があまり好きではなかったんですが,このお話は、出だしが軽快で、テンポよく進んでいるので、すごくこれからが楽しみです。他のサイトとはひと味違う類つくしを期待してます。
まこ

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