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「夢で逢えたら…全207話完+α」
第五章 ここより永遠に

夢で逢えたら188

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 本日、「夢で逢えたら」二回目です^^
 最近、類×つくしを初めて、すっかりPM.18:00更新はそちらにしていたのでどうしようかと思ったんですが、おそらく
読者層も違う方がいらっしゃると思いまして、類×つくしをAM.3:00更新(何その時間!?でも、どうせ、予約投稿ですので)にして、AM.6:00からの12時間間隔枠をつかつくで埋めてゆきたいと思います。
 今日ももしかしてイケず~と言われてしまうかもしれないところでぶった切り。
 明日はRです(って、朝からだ^^;)
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 少女の頃と同じ無防備な寝顔に、さすがの司も頭痛を憶える。
 こいつ…何考えてんだ。
 仕方なく、ソファのつくしに歩み寄り、肩に手をかけ揺り起こす。
 「おい、風邪ひくぞ」
 つくしの方も連日の宴会に疲れがでているのか、中々目を覚まさない。
 「犯すぞ」
 パチッ。
 「え?ど、道明寺っ」
 裏返った声で飛び起きたつくしを横目に見ながら、司は溜息一つついてネクタイを緩めた。
 「…お前な、自分に惚れてるつー男の部屋で寝こけるなよ。マジでどうかしてんな、相変わらず。もう迂闊っつうより、アホだな、お前」
 言いながら、居間を出て行こうとする。
 「あ!どこ行くの?」
 「…シャワー浴びてくる。埃だらけで、もう俺クタクタ。わりぃけど、面倒くせぇ話なら明日にしてくんねぇ?」
 司の疲労で不機嫌な顔を見返して、つくしは腰を浮かせながら、戻るかどうか迷ってる。
 …本当に、なんだっていうんだろうな。
 熱いシャワーに打たれながら、惚れてる女の顔を思い浮かべ、現金な自分に笑いがこみあげてくる。
 あれほど疲れて、ベッドにダイブすることばかりを考えていたというのに、一目つくしの顔を見ただけで、泥のようだった体に血が通い、活力が溢れてくる。
 愛してる…か。
 なんと優しさと温もりと、くすぐったい幸せに満ちた言葉であろうか。
 そんな想いとはもはや無縁だと思っていた自分の元へと再び戻ってきた光。
 その光が今、隣の部屋で息をして、確かな体温をもって存在している。
 疲労にささくれ立っていた気分が持ち直し、いつになく穏やかな気持ちでバスルームを出た司は、濡れてストレートになった髪を拭きながら居間へと戻る。
 あまりに静かだったので、自分の部屋に戻ったのかと思ったつくしは、先ほどとあまり変わらない格好で、司を待っていた。
 思いつめたその表情が、気楽な気分だった司に怪訝な気持ちを起こさせ、頭をひねらせる。
 こいつ、また、よけいな心配して考え込んでやがんのか。
 あげくにまた迷惑かけられないだの、放っておいて欲しいだの言いだすパターンが思い浮かぶ。
 とりあえず、ミニバーからビールを取り出し、自分をチラチラと見ては俯くつくしへと差し出した。
 「飲めよ」
 「あ、うん、ありがと」
 素直に手に取るものの、プルトップを開けたまま手も付けようとしないつくしに肩を竦めて、向かい側へと座る。
 不思議に気安い心安らかな空気。
 ただ黙って向かい合わせているだけで、何をしているわけでもなく、話しているわけでもないのに満たされた時間。
 「…やっぱ、いいよな」
 「え?」
 唐突に零れた司の言葉に、つくしが怪訝に見返す。
 司も口に出したつもりはなかったので、内心驚きながら、やっと自分を見たつくしの顔を見つめ、優しく微笑む。
 つくしにだけ向けられた、つくしだけが引き出すことのできる本来の司の微笑み。
 「いや、お前とこうしてることがさ。…お前は昔の気持ちで俺と一緒にいれないだの、もう惚れてないだの、ごちゃごちゃウルセェけどさ、たとえ俺とお前の気持ちがすれ違っているしろ、こうしてお前が目の前にいて、息して喋ってるだけで、俺としては満足。ま、お前も俺に惚れてるつーて飛び込んできてくれれば、もっと言うことねぇけどな」
 相変わらずストレートで素直なこの男の言葉につくしの心が震える。
 いつでもそうだ。
 人一倍プライドが高く、尊大な俺様な男が、つくしの前では幼い少年のように純粋で、自分の心を平然とさらけ出す。
 何度も何度も、つくしが傷つけ苦しめてきたと言うのに、司のつくしへとそそぐ愛情は深く大きい。
 「…惚れてるよ」
 「あ?」
 ビールに口をつけていた司が、つくしの言葉の意味を捉え損ねて、怪訝に首を傾げる。
 緊張で顔色は青いのに、頬だけは赤く上気しているつくしが、ギュウッと目を閉じ、もう一度、繰り返す。
 「あんたに惚れてる。私はあんたを、道明寺司を愛してる」
 震える声が小さく囁くように続き、やがては覚悟を決めたように真っ直ぐな眼差しを司へと注ぐ。
 愛してる…そのシンプルな言葉へと再び辿り着くまでになんと長い月日が必要だったことか。
 愛してる…その深く鋭い痛みと哀しみ、喜びとを内包する言葉をどれほど待ち望んだことか。
 司は呆然と手に持った缶をテーブルへと置き、自分を潤んだ目で見つめる女を信じられないと見つめ続ける。
 一瞬でも目を反らせば、目の前の愛しい女はかつて見続けた夢のように儚く消え失せてしまうのではないか。
 司の手が、指先が、やはり自分から一時も視線を反らさないつくしの頬を、唇を撫で…抱きしめる。 
 「…本当に?」
 「うん」
 「マジで?」
 「…そうだよ」
 疑い深い司の言葉に、つくしの声が笑い含む。
 だが、その笑いはすぐに泣き笑いにかわり、こみ上げる熱い想いに嗚咽が洩れた。
 なんて、この体は私に添うんだろう。
 ずっと、ここに戻ってきたかったのだ、きっと。
 つくしの背骨が、強い力の前に軋み、司の遠慮ない力の前にギシギシと悲鳴を上げる。
 だが、今だけはその痛みが確かに、この愛しい人を取り戻した証のようで、ただ黙って抱かれていたかった。
 腕の強さとは裏腹な優しい唇がつくしの頭にそっと何度も、何度も口づけを落とし、大きく温かな手が髪を撫でおろす。
 いまは首筋で切りそろえられた栗色の柔らかい髪を撫で、あらわになった火傷の傷跡を慰撫するように摩り、やがてはつくしの頤へと戻る。
 その手に仰向けられ、司を見上げたつくしの目に映ったのは、ただ、切ないほどに溢れた愛情に満ちた司の顔。
 美しい男だと思っていた。
 だが、その造形的な美しさなど何ほどかと言わしめるような、慈しみと愛に溢れた男の顔は神々しいまでに美しく、愛おしい。
 「愛してる」
 「…うん、私も、あんたを、あんただけをずっと愛してる」
 優しい口づけがつくしの唇を覆った。



 「うおっ」
 誰もいないと思っていた月明かりだけの差した真っ暗な部屋で、茫洋と海を眺めている類に驚き、あきらが飛び上がる。
 朝から仕事に出ていた司や優紀も戻ったようで、すでに船は出港していたが、昼間にさんざん滋や桜子の買い物に連れまわされた疲労が抜け切れず、
寝酒を求めて、普段彼らが宴会場にしている大広間に訪れたところだった。
 普段だったら使用人に言いつけることながら、ついでにせっかくの海風や船の散歩を楽しもうと言う風流だったが、片肘を窓枠に当てて考え込む類の姿に何事かを感じ取り、その横にそっと腰を下ろす。
 「…戻ってたんだ」
 「ああ、もう、クッタクタだよ。総二郎の奴は早々に適当な女見つけてトンズラこきやがって、結局俺一人が女どもの荷物持ち」
 「あきららしいね」
 薄ら笑って類は再び海へと視線を戻し、誰に話すでもなく口を開く。
 「…俺、どうやらかなり執念深い性格してるみたい」
 「は?」
 唐突な言葉に、あきらが首を傾げる。
 「一度好きになったら、中々忘れられないし、バカだと思っても諦め悪く延々と見守っちゃうんだよね」
 「…お前、元からそんな性格ジャン。何いまさら言ってんだ」
 「ムカつく」
 言うわりには類の気には障らなかったようで、フフフと笑って立ち上がる。
 「俺、もう寝るわ」
 「寝るって、お前、ずっと寝てたじゃねぇかよ」
 「いいの。ほとんど14年ぶりのバカンスなんだよ。せっかくだから、寝倒さないともったいないじゃん」
 「それ、違うと思うぞ。バカンスつーのはだな」
 自分は女の荷物持ちに忙殺された一日を過ごした癖に、正しいバカンス論を論じようとする優しい幼馴染みに失笑を洩らす。
 「類」
 「なに?」
 「…諦めるのか?今度は」
 誰を、とはあきらは言わない。
 だから、類も言わず。
 「諦めないよ。だって、俺執念深い性格なんだもん。もう時効なんだから、司に遠慮して俺が諦めなきゃならない必要なんてこれっぽっちもないと思うし、別に一生このまんまでもかまわないじゃない」
 「……」
 「ま、牧野にはキッパリ、フラれちゃったから、付きまとうのはしばらく辞めて、じみ~に待ち続けるスタンスになるんだけどね」
 「て、フラれたのかっ!?」
 「まあね。やっぱり司がいいんだってさ。牧野もやっぱり人生経験重ねて、けっこう性格変わったよね。昔だったら、すっごい優柔不断だったのにさ」
 フラれたというのに何食わぬ顔で普段とそう変わらぬ類に、あきらの方が戸惑って言葉に迷う。
 昔から掴みどころのない親友だったが、十何年も延々と一途に思い続け、並ならぬ愛情を抱いてきた女にフラれてどうしてこうも平常心なのか。
 その心の内を読みかねる。
 「ま、そういうことで、俺、この休暇で寝ダメするから。じゃあ」
 手をフリフリ去ってゆく類の背中を見送って、
 「…じゃあ、ってそれでいいのか。相変わらず、つかめねぇヤツ」
 それでも哀しみも苦しみもトボけた物言いに押し隠した友の心を思い、一方では長く辛い恋を成就させようとしている友人たちを思った。



 司の腕に抱きしめられたまま、どれくらいの時が流れたのか、あまりの心地の良さに身動きする気になれない。
 司も同じ気持ちなのか、ずっとつくしの髪や顔を撫でるだけで、何を言うでもなくただ、彼女を抱きしめている。
 「…なんだか、夢みてぇ」
 司の囁くような声に、つくしが顔を上げる。
 「でも、夢の中のお前は必ず消えちまうんだよな」
 苦痛を堪えるような切なげな司の眼差しに、つくしがそっと頬に手を寄せ、柔らかく唇を寄せる。
 チュッと軽い音を立てて頬にあてられたくすぐったい感触に、司がニヤリと笑ってつくしの腰を抱えなおし、引き寄せた。
 「お前にしちゃ上出来だが、俺はこんなんじゃ、足んねぇよ。ガキじゃねぇんだからよ」
 ゾクリと背筋を這い上るような色気を含んだ声音に、つくしがわずかに体を震わせる。 
 そんなつくしの戦きを司は十分に感じ取り、そそのかすように、つくしの耳下の柔らかいところに軽く吸い付き、ペロリと舐める。
 「ちょっ、痕つけないでよね、そんなとこに」
 「へえ?見えないとこならいいんだ?」
 言葉尻を捉える男の目は、欲情に濡れ、強烈なフェロモンを発して、つくしの女を刺激する。
 こんなにも美しい男に求められて、発情しない女はいない。
 形の良い男の唇をねっとりと舐めあげ、つくしも全身全霊をかけて誘惑する。
 「…ガキじゃないなら、どうするの?私ももう子供じゃないわ、あんたが欲しい。あんたを感じさせて?」
 見つめ合う影が、再び一つになった。

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