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「夢で逢えたら…全207話完+α」
第四章 夢の続き②

夢で逢えたら178

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 いろいろと、現在、更新がずれ込み中^^;
 ただいま、絶賛?執筆中ですので、今日はできる限り更新したいと思っています。
 昨日できなかった『伊集院薔薇先生~』の分まで更新できるかわかりませんが、少なくても『夢で逢えたら』をもう一話、それ以上できたら、拍手喝采~ということで、いつものように、ランキングボタンポチリ!他応援よろしくお願いいたします!
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 つくしがウーゴたちの元から救出されて数日がたち、司のスキャンダルも、類のスペイン支社の放火事件もある程度の収拾がついた。
 つくしの体調もほぼ元通りに戻っている。
 にも関わらず、つくしが司の手配した病院からの退院を許されなかったのは、たぶんに心配性な保護者と化した司と類、レンの3人のタッグによるものだった。
 当の類はイヤイヤながら、現地の遠藤の泣き落としにあい、三日前からスペインに飛んでいて、明日にはNYにトンボ帰りで戻る予定。
 司の方は、海外出張の予定はすべてキャンセルし、ほぼNYに居座っているがその分、さまざまな問題を効率よく捌けない問題があちらこちらで噴出し、司以下直属の部下たちは多忙の上に、さらに多忙な激務を余儀なくされている。
 司にしてみれば、派手に社内改革をしてまで作ったプライベートな時間を大幅に削られ、せっかく病院に押し込めたつくしの元への日参も一日数分がいいところとなっていて、大いに不満を囲い、周囲に当たり散らしているらしい…いくつになっても困った男だ。
 つくし的にはそんなに忙しいなら来なくてもよいのにと声を大にして言い放っていたが、実際に、顔を見ればなければ見れないで、寂しいだろうなとは内心で思ってはいる。
 ただ…正直、司と類、この二人とじっくり話す時間がいまだとれていないことに対して、密かに安堵もしていた。
 真っ直ぐに自分にブツかってきてくれる二人だからこそ、いつまでも逃げることは許されるはずはなく、ハッキリと向き合う必要性を強く感じていたからだ。
 数日前までは、心身共に衰弱していたことを理由に、彼ら二人に対する答えを口に出せない自分を許していたが、いまとなっては逃げだったな、と反省することしきり。
 また、つくしの心情の変化はともかく、つくしとレンの事情の方は、まだほとんど解決していない。
 つくしを拉致したウーゴと大半の配下たちは逃亡し、FBIの捜査網をもってしても、いまもって行方はわかっていなかったし、その動向は掴めていない。
 まだルイス・アヤラという問題も控えている。
 司の情報によると、今回の騒動にルイスは直接かかわっていないようだったが、だからといって今回の騒動について、ルイスからのアクションは特にはなかった。
 今回の事件では司や類だけならず、彼らに関わる人たちの多くにも多大な迷惑をかけた。
 つくしを助けようとして、当の本人などよりよほど酷い暴力を受け怪我を負った冴子もすでに昨日退院し、迷惑をかけた正式な謝罪もお礼も済ませていたが、他の問題はまだまだ山積していて、それで、司と類、レンの横暴ともいえる缶詰生活の強要にも強くは出れなかったのだ。
 とりあえずは、今日の午後には病院を退院し、マンションに帰ることも許されて、つくしにしても一段落というところか。
 司と類は、せめて自分たちがもっと時間がとれるようになってから、と難色を示したが、未成年の子供でもあるまいに、イイ大人のつくしが彼らに行動を制限されるいわれはない。
 確かに世話になったし、迷惑もかけたので、しばらくは大人しく彼らの意向に従っていたが、つくしにしてみればこのまま病院に缶詰めにされてただ守られているだけなのは性分にあわなかった。
 とりあえず、司のつけたSPを今度は大ぴらに近辺に張り付けることを条件に、本日の退院と相成った。
 今日はとりあえず、レンの他に、司の秘書の一人が同行してマンションに戻ることになっている。
 レンの方はどうしても外せない用事があるとかで、退院時間ぎりぎりに迎えにくるということだったが、司の秘書がそろそろ到着する頃だろうか。
 そう思いながら、手持無沙汰に、司から改めて贈られた土星のネックレスの複製品に指を這わせ、五里霧中な今後について思案を巡らせる。
 首筋を飾る土星は、高校生の時に司から贈られた思い出の品ではない。
 切り取られてしまった髪の毛同様、ウーゴたちによって破壊され砕け散ってしまった。
 かつての彼女の恋の残骸は、つくしにちょっとしたセンチメンタルと哀しみをもたらせたが、粉々に粉砕したその欠片は、不思議に別種のすがすがしさも感じさせた。
 彼女の若く、純粋で、だが苦いものだった一つの恋愛は終わったのだ。
 だが、再び出逢ってしまった司との間に生まれたこの思いは、まだ始まってもいなかったが、その結末は誰にもわからない。
 ずっと押し込め、深い闇に沈めていた自分の気持ちに向き合ったつくしにとって、その新しく贈られた土星のネックレスは新たな司への恋の始まりであり、失われた愛の再生の証にも思えた。
 …私にもまだ、こんな乙女チックなところが残ってたんだね。
 クスリと笑って、何度も首筋の土星を撫でる。
 それはずっと心の支えとして馴染んだ懐かしい感触であったが、どこかくすぐったいトキメキをつくしに与える感触でもあった。
 道明寺、今頃、忙しくしてるんだろうな。
 贈り主のことへと思考がいったところで、ちょうどドアのノックが響く。
 「あ、はい、どうぞ」
 つくしの許可を得て、小柄な女が入ってきた。
 秘書だと言うのでてっきり、西田か高瀬が来るものだと思っていたつくしは、初めて見る女の登場に首を傾げた。
 初めて見る…のだろうか。
 が、つくしは瞬時に気が付き、絶句した。
 頭を軽く下げて微笑む女の顔は、初めてどころか、十数年の時を得てつくし同様、年齢を重ねていたが、つくしにとってこの上なく懐かしく慕わしい…。
 「…優紀」
 柔らかい癖ッ毛の髪をショートカットにして、下がり眉の優しい彼女の親友・松岡優紀の14年後の姿がそこにあった。
 つくしの問いかけに、名乗った覚えがなかった優紀は軽く首を傾げる。
 だが、自分がつくしの簡単な経歴書を受け取っていたように、つくしの方でも自分のことについてある程度聞いているのかと思い、すぐに愛想よく返事する。
 「はい、副社長から今日一日の付き添いを命じられています、社長の直属秘書室の遠山優紀です。現在は副社長の元へ臨時で配属されていますので、しばらくマーベル先生にはお見知り置き願うことになると思います。私のことは、遠山でも優紀でも呼びやすい方でお呼びくださいね」
 柔和な物言いの中にも、自分の用件を簡潔に伝える明朗さは変わらない。
 ニコニコとこちらがほっと息をつける優しい雰囲気も、思いやりも…。
 優紀が…道明寺の、楓社長の秘書だなんて信じられない。
 あまりのことにつくしは土星のネックレスを握り込んだまま、茫然と遠山の行動を見守ってしまった。
 つくしの傍に歩み寄っていた優紀が、そんなつくしの様子に怪訝そうに眼を瞬かせる。
 「あの?マーベル先生?」
 「あ、すいません、ちょっと、ぼうっとしちゃって。そ、そのマーベル先生というのは辞めていただけますか?いまは、病院も辞めてしまって医師ではありませんし、その…えっと、あなたは私の患者さんというわけではありませんので」
 そうは言ってみたものの、じゃあ、優紀に自分をなんと呼ばせたらよいのか迷って俯く。
 自分が本当は何を望んでいるのかわかっているが、さりとてそれをどう切り出していいのか、いや果たして名乗っていいものなのか激しい葛藤の中にいた。
 …問題はまだ何も解決していない。
 でも、優紀なら。
 そうは思うものの、その考えを実行に移すことができない。
 優紀はもう一度首を傾げて、優しく微笑んだ。
 「わかりました。じゃあ、マーベルさん、退院の前に病院長と医長がマーベルさんにお会いしてご挨拶をなさりたいとのことなので少しお時間をいただけるでしょうか?」
 「…院長と医長がですか?」
 一患者の退院に対して院長と医長が挨拶するなど聞いたことがない。
 おそらくもなにも、間違いなくこれは道明寺効果なのだろうが、司の鳴物入りで入院した以上仕方がない。
 溜息をついて了承すると、優紀はなにくれとなく、つくしの緊張をほぐすように話しかけてきた。
 優紀は優紀で、一応の気を使い、司の秘書として彼の想い人の気持ちを解そうとあえて愛想よく話しかけていたのだが、人見知りなのか最初は強張っていたマーベルの顔が徐々にほぐれ、自分に打ち解けてゆくうちに不思議な感慨を覚えていた。
 話しやすい…それは、医師という職業柄、他人と接する機会の多い人だから不思議ではないのかもしれない。
 懐かしい気配に、優紀は先ほどから気持ちがかき乱され、なんだか情緒不安定になってゆくのを感じ、顔を顰めた。
 「優紀さん?」
 「あ、すいません。ちょっと目にゴミが入ってしまったようで」
 …私ッたら、いったいどうしたっていうの?
 写真の中でしか見たことのない初めて見る顔。
 かすれてちょっとハスキーな声は、それでも歯切れよく彼女の明るい性質を伝えてきていて、楽しくなってしまう。
 「じゃあ、優紀さんは普段は楓社長と一緒に仕事されてるんですね。すごいエリートなんだなあ」
 「ふふ、そうは見えないでしょ?よく言われます。でも、ホントはエリートなんかじゃないんですよ。ちょっと友人の縁で西田さんに目をかけられたのが切っ掛けで、いまこうしてここにいる自分が時々、不思議なくらい」
 「優紀さんは、とても目端がきいて気の利く人だから、外の人たちとは違う美質が西田さんに見抜かれたんですよ」
 人の良いところを見抜き、その人を盛り立て、慈しむその広い心。
 なんだか泣き出したくなるような感情の高ぶりに、優紀は堪え切れないものを感じて、いったん離席しようかと断りを入れ掛け、ふと、目の前の女性の首にかかる見覚えのあるネックレスに目を見開いた。
 天体の星。
 ダイヤとルビー、サファアの散りばめられた贈り主の彼女への憧れと熱い恋情が込められたこの世でただ一つの宝物。
 自分は何度となく、この土星のネックレスを目にしたことがなかっただろうか。
 懐かしい、慕わしい…この馴染みすぎた感情をいつも持っていた相手は。
 「10年以上も、NYに住んでらしたなんて…。そうか、そうなんだ」
 じっくりと噛みしめる様に微笑みながら呟く女性の顔に、彼女との相似性を探して。
 「あの、こんなこと初対面でお願いするのは不躾だと思うんですけど、優紀さんとは初めてお会いしたような気がしないんです。だから、お友達に…」
 「つくし!」
 友達になってください、そう続けようとしたつくしの声に被さるように、優紀が絶叫する。
 「つくし!つくしなんでしょ?つくしなんだよね?!」
 優紀の両手がつくしの肩にかけられ、真剣な眼差しがつくしの見開いた目を貫いた。

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毎日楽しみにしています。
司とつくしの絡みが待ち遠しい~

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