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「夢で逢えたら…全207話完+α」
第四章 夢の続き②

夢で逢えたら170

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 「ああ?なんだって?FBI…?おいおい、マジかよ。どっから、そんな連中が出張ってきやがったんだよ」
 携帯電話の相手に凄みながら、視線を向けた先、類が顔を歪め首を振った。
 建物周囲に散開した特殊チームたちが、そこかしこの闇に潜む。
 当初から、特殊チームの一員がFBIを装い、中の人間たちの注意を反らしている間に部隊が内部に侵入してつくしを連れ出す算段だった。
 ところが、こちらが現地に到着する前に、本物だか偽物だか知らないが、FBIを名乗る数名が建物内部に招かれて入っていったことを、先に買収しておいた人間からの報告で知ることになった。
 敵か…味方か。
 あるいは、無関係の第三者の可能性もある。
 「どうする?」
 「…どの道、Dr.の無事を考えれば、早ければ早いほどいい。Dr.の性格じゃあ、大人しく相手の要求を聞き入れるなんて芸当できないんだから、時間がたてばどんな状態に陥るかわからない。…最悪、奴らが意のままにならないDr.を殺した方が面倒がないという結論に達することだってないわけじゃない」
 「ああ、その通りだな」
 司の目に不安と心配が一瞬浮かんで揺れ、だが次の瞬間にはひときわ好戦的な光がよぎって、作戦開始の合図を各所に送る。 
 賽は投げられた。
 どんな犠牲を払っても。
 先ほどから、助けを求めて彼を呼ぶつくしの悲鳴が耳につくようで、ギュッと両手を握りしめる。
 「…行くよ、司」
 「ああ」


 手を引かれて走る自分の息が荒い。
 たった数日閉じ込められていただけなのに、すっかり体力も気力も奪われ、こうして引きずられるようにして連れ出されている自分の現状にまだ頭が付いていけなかった。
 人の通り過ぎる気配に、肩を押され、壁に押し付けられて息を潜める。
 『…ロングアイランドのルートで運び込んだブツの一件で、ウーゴが疑われているらしい』
 『あの件は、カルロスんとこが始末つけたんだろ?今更、FBIが出張ってくる筋合いじゃないだろうーが!』
 ほっそりとした優美な指先が、怯えて抑えられない震えを催しているつくしの手をすっと握りしめ、一人ではとても耐えられなかった緊張をわずかに癒してくれた。
 気配がなくなると、抑えられていた手も離れ、再び用心しながら歩みを進める。
 つくしの手を引く女が、もう一人の男に小声で囁くように問い掛けた。
 「このまま外へ脱出するの?」
 「…いえ、出入り口はカルドゥーサの手の者が固めていて、たぶんもう間もなく、副社長の手の者が侵入してくると思われますので下手をすると乱闘に巻き込まれます」
 司の名前にビクリとつくしが反応するのを、女の手がそっと嗜めるように握りしめる。
 「そうね、敵味方入り乱れた状態の中ではどんな不測の事態になるとかもわからないわね。しばらく、身を隠す方が賢明かしら?」
 「ええ、長い時間のことではありません。むしろ、その方が敵の目も欺けるかと」
 女…高瀬冴子はしばし思案の為に沈黙し、間もなく同行している特殊部隊の一員であるカヤマの意見に同意した。
 「そうしましょう。Dr.マーベル、申し訳ありませんが、もう少しだけこの状態を我慢してください」
 「いえ、私こそ、こんな危険なところへお二人にいらしていただいて、なんとお礼を言っていいか。…助けていただいて、ありがとうございました」
 冴子たちがつくしの幽閉されている部屋へと到着した時は、どこか恐怖に呆けていたような状態のつくしだったが、部屋を逃げ出し、建物内部を彷徨うわずかな間に多少なりとも落ち着きを取り戻したようで、青ざめてはいるものの、物言いもしっかりしてきている。
 その精神力と胆力に、さしもの冴子も舌を巻いた。
 ある意味…そう、司に愛されている点で並の女ではないとは思っていたが、普段のつくしは医師として優秀なエリートではあっても、ごく普通の女に見えた。
 恭子の様な司と並び立つカリスマ然とした女王の品格もなく、絶世の美女というわけでもない。
 優秀ではあっても、医学界を席巻するような神がかりな存在というわけでもなかった。
 だが、この雑草のような強さはどうだろう。
 普通の女が一生経験しないような悲惨な状況に追い込まれ、無残に引きちぎられた衣類を身にまとった姿は哀れを通り越して見るに堪えない。
 だが、恐慌状態に虚ろだった目は、ほんのわずかな間に力を取り戻し知性の光と、平常心を取り戻していた。
 「まだ、完全にお助けしたわけではありません。相変わらず敵地には違いないし、ここで捕まれば私たちにもどうすることもできません」 
 目立たないように冴子とカヤマが、内部へ司が買収した人物の手引きで入り込み、つくしを連れ出すことに成功したのだ。
 攪乱の為にあらかじめ訪ねてきたFBIは、当然冴子が任せられ、伴ってきた特殊部隊の隊員たち。
 本来司が行おうとした作戦を、いわば冴子が抜け駆けで実行した結果だったのだ。
 後で司に咎められる可能性もある。
 だが、冴子には司に対する申し開きの言葉も十二分にある。
 別方面の隠れ家への派遣を命じられ、現地に到着する寸前、冴子が使っている情報網につくしの所在を確定させる情報が入ってきた。
 取り急ぎ、部隊と共にUターンしたのだが、司に連絡するには、現在の司の状況が把握し切れていなかった。
 下手に司に連絡を入れ、カルドゥーサのアジトに潜入中だった場合、かえって司たちを危険に陥れる可能性がある。
 何事も臨機応変、現場の状態によって作戦も変わってゆくのが当然のことだった。
 まだ司たちが到着していないことを内通者から聞き、つくしの陥っていた状況を知った。
 そのうえで、独断ながらの冴子の行動を司に感謝されこそすれ、咎められるようなことではないだろう。
 叱咤されたとしても、その心情では彼女を許すことは間違いない。
 いまはとにかく、つくしを安全に確保することが大切だった。
 そして、司の元へと送り届ける。
 『…セニョーラ』
 横合いから突然かけられた声に、冴子とつくしがビクリと体を震わせ、二人を警護していた特殊部隊員が臨戦状態を作り、今にも飛びかかろうと身構える。
 「待って。内通者よ」
 安堵を込めた穏やかな声音に、カヤマの緊張がわずかに弱まり、警戒しつつも相手が近づくのを阻まない。
 『そちらにはいかない方がいい。どうやら、あんたんとこのお仲間が入り込んできたようで、ウーゴにバレるのも時間の問題だ。連中と合流するつもりなら、逆にウーゴたちが騒ぎ出してそこのお嬢ちゃんに意識が向かなくなってからの方が安全だ』
 そこのお嬢ちゃん…のところでつくしに視線を走らせ、安全だという方向へと一同を促がす。 
 冴子と特殊部隊員は目配せを交し合い、勧められた方向へとつくしを連れ進む。
 カヤマが先導し、つくしを挟む様にして、その後ろを冴子がしんがりを務める。
 内通者の男の横を通り抜け様、チラリと視線を走らせた冴子が、手に持った紙片を男の手へと押し付け受け渡す。
 男も何食わぬ顔のまま、冴子から紙片を受け取り、クシャリと丸めて手の中に握り込んだ。
 冴子はわずかに口角を笑みの形に一瞬だけ上げ、後は何食わぬ顔で二人の後を追って進む。
 紙片を渡された男は、急ぎ足で自分の本来の主であるウーゴの元へと足早に急いだ。
 ウーゴとFBIを名乗る男たちが会談する部屋の前に来ると、ボディガードを務める男たちに進路をふさがれるが、その男にロザーナの呼び出しを伝言すると間もなく女が現れ、よけいな問答などかわさず、黙って冴子からの伝言の紙片を差し出す。
 ロザーナもそれに対して口を差し挟まず、すぐにメッセージを読むと、見る見る顔を強張らせ、ウーゴと司の手の者たちとの茶番の場へと駆け戻った。
 『ウーゴ!』
 ただならぬロザーナの緊迫した声音に、ウーゴも黙って差し出された紙片を受け取り、ざっと目を通す。
 たちまち、ヒクヒクと蟀谷を波立たせ青筋を浮かべると激情に駆られて、ガツン!とソファを蹴り上げた。
 ウーゴの配下の者たちは突然の暴挙にビクリと竦み、FBIと名乗る男たちはわずかに眉根を寄せただけで内心はどうあれ、動揺を表に出さなかった。
 『…やってくれるな。道明寺も花沢も…そして、あの女も。踊らされるのは片腹いてぇが、この場合は素直に感謝しておくべきか、迷うところだぜ』
 憤怒の表情とは裏腹に、ウーゴの声音は案外冷静だ。
 そうでなければ、いつ命を失っても可笑しくない世界で、度胸を張って生きてなどいけない。
 『ウーゴ』
 『…ズラかるぜ、ロザー…』
 ガアァァーン!ガラガラガラ。わああああああああああああああ。
 鋭い拳銃の発射音。
 物を倒すような打撃音と、野太い怒号。
 激しい騒動の気配に、ロザーナとウーゴが顔を見合わせる。
 FBIを名乗って入り込んだ男たちもわずかに顔色を変えていたが、あらかじめ想定内だったのか即座に立ち上がり、銃口をウーゴの胸に向けて恫喝してきた。
 『動くな』
 その鋭い声に、とっさに動こうとしていたウーゴの配下たちの動きが、まるで活人画のように一瞬で動きを止める。
 『ウ、ウーゴ!』
 動揺するロザーナに、意外にもニヤリと笑って動揺を見せないのは、さすがにアヤラという巨大組織の後継者候補の一人と目される男であるゆえにか。
 それでも銃口の向く先に青ざめた顔を向けずにいられないのは致し方ない。
 『そのまま、大人しく…』
 『うおおおおおぉぉぉぉぉ!!!』
 だが、事態は一瞬で変化した。
 壁に固まっていたウーゴの配下の一人が決死の覚悟で、特殊部隊員の一人にタックルをかまそうと走り寄ったのだ。
 隊員は躊躇せず、発砲する。
 ズガァァァン!
 肩を撃たれてもんどりうった男が仰向けに倒れふし、転げまわる。
 その隙に、ウーゴが背を向け逃走した。
 ガアァァーン!
 二発目がその背を向けて発砲される。 
 だが、その弾はわずかにウーゴの背から反れて、ウーゴの後を追って逃走しようとしたロザーナの眼前スレスレを通り抜けた。
 『きゃああああぁぁっ』
 幸いあたりはしなかったものの、その衝撃でロザーナが転倒し、床に倒れ伏す。
 特殊部隊員たちは、ウーゴを即座に追おうと踵を返しかけるが、その時にはすでにウーゴの後を追うとする組織の配下たちと、ウーゴの逃走路を確保しようと捨て身の攻撃をしかけてくる者たちとの間で混迷を極め、阿鼻叫喚の渦へとその場は変わりつつあった。

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