「愛してる、そばにいて」
第7章 光と影④

愛してる、そばにいて582

 ←愛してる、そばにいて581 →愛してる、そばにいて583
◇更新情報他雑文 『こ茶子の日常的呟き』へ
【君を愛するために】オススメ作品!?
ランキングもよろ(・ω-人)
ブログランキング・にほんブログ村へ
いつも応援ありがとう♪
**************************************

 「ど、どこら辺がよ!」
 「そ?どこら辺が?」 
 「……そういうところだろうが。なんかなにげにテンポ一緒だよな」」
 総二郎に呆れたような顔で見られて、思わず類と顔を見合わせる。
 もっとも二人の顔はセリフとは裏腹に、見事に真逆で、面食らって戸惑っているつくしをよそに、類の顔は面白そうに目を煌めかせてなんだか楽しそうだ。
 「へぇ、息が合ってるってことだよね?だったら、もう実質似たようなものなんだから、籍入れちゃってもいいんじゃないの?」
 「ちょっ、何言ってんのよ」
 総二郎の前でとんでもないことを言い出した類の頭を殴ろうとして、機敏によけられてしまい、スカッとカラぶる。
 「こら!避けるな」
 「暴力反対」
 「もうっ!最近、気配察するのが、やたらと上手くなっちゃってるんだから!」
 ドンッと、手に持った大皿をテーブルに置いて仁王立ち。
 なにげに自分が普段から類をボカスカ殴ってることを自白してしまっているのに、とうの本人はまるで気がついていない。
 「おい、そこのバカップル。延々と夫婦漫才してないで、いいかげん客の存在思い出せよ」
 さすがに苦笑している総二郎にしても、驚きを隠せないようで、さっきまでの揶揄する気配が消えている。
 「牧野、一々持ってこなくていいよ。カウンター越しにいつもみたいに、出来たものから順に寄越しな?」
 「え~、でも」
 チラリと総二郎を窺うつくしの視線の意味を類が察して、指示を重ねる。
 「大丈夫だよ。総二郎は客じゃないからさ」
 「おいおい」
 「まあ、そうかぁ」
 「……………」
 ムッツリと黙り込んだ総二郎の不貞腐れたような顔に、つくしがぷっと噴き出した。
 「ごめんごめん、冗談だって」
 「え?俺、冗談じゃないけど」
 「類は黙ってて」
 再び夫婦漫才に突入しそうな二人の様子に、本当に機嫌を損ねているわけではなかった総二郎も、すぐに表情を崩す。
 「まあ、いいさ。類の言うとおり、さっさとこっちによこせ。で、お前も座れよ」
 「ん~、了解。」
 あらかじめ総二郎の来訪は類から聞いていたから、ある程度料理の下ごしらえは済ませてあるので、あとは火を通したり盛り付けるだけだ。
 サクサクと作業を続けるつくしをよそに、総二郎と類は仕事のことに始まり、社会情勢、経済界や社交界の動き、双方の知人の近況を話題に会話をしている。
 合間合間、つくしへと話題をフってくれるのは総二郎で、あえて二人の会話の邪魔をするつもりはなかったつくしだったが、社交的な総二郎のおかげでいつの間にか会話の仲間に入っていた。
 …さすがだな。
 そう思う。
 類もビジネスとなったらそれなりに気を使うのだろうが、総二郎とは元々の気質が違う。
 つくしとしては、彼女にも話があるとあらかじめ総二郎に言われていたからそこにいるだけで、一応すぐには座を外すつもりではなかったが、それでも特に話題をフられないようなら、二人の交遊を邪魔しないように、食事を配膳したあとは、さっさと自室に引っ込むつもりだったのだ。
 現在、すっかり類の寝室に同居状態だが、自分の自室もまだちゃんとある。
 しかし、結局は同席して、彼女も自分の作った料理と酒を楽しみながら、二人の会話に耳を傾けていた。
 「西門さんて、やっぱり情報通なんだ?」
 「まあな。お前の場合、正式な茶会でもなけりゃ、めったに他人と同席するようなことがなかったけど、それでも茶会はいわば大きな社交場だっつーことは知ってるよな?」
 「うん」
 「当然、いろんな話が行き交うし、基本宗教の話や噂話は厳禁だけど、対個人の手習いや、内輪での少人数の茶会となると、それなりに‘ここだけの話ですが…’つうのが出たりもするんだよ」
 実際、つくしが総二郎のところへ手習いに行っていた時も、必ずしも茶道の話だけではなく、個人的な雑談などをすることもあった。
 「その‘ここだけの話’目当てで繋ぎをとってきたり、‘もしかして?’を見込んで仲介を頼んできたりする政財界の大立者なんかも普通にいたりする。そういう連中を取り込んで、俺らは大きくなったわけだからな」
 身も蓋もない言い草だが、出雲阿国を祖とする歌舞伎もしかりで、商人で茶の道の祖と言われる千利休が時の権力者・豊臣秀吉のアドバイザーであったことはあまりにも有名な話だ。
 「なるほど」
 今現在の権力者たちとの関係も仄めかすこの男の普段の顔と繋がらないが、彼らF4は、元々がそうした世界の人間なのだ。
 司や類、あきらが世界の経済界で戦い、その名を不動のものとして時代を牽引しているように、総二郎もまた、別の分野でそうした役割を果たしているのだろう。
 …ホント、私とは別世界の人たちだよね。
 何度となく抱いた感慨をいつものように脳裏に浮かべながら、ワインを一口、口に含む。
 「日本では総二郎…というか、西門ほど顔が利くところはないからね。どこの家も、西門と華道の成宮にはこぞって子女を手習いに行かせてるのは、そういった意味合いもある」
 「おいおい、日本に限ったことじゃないぜ?折からの日本伝統芸能ブームっつーのにノって、今や西門だってインターナショナルに活躍の場を広げてるし、各国の有力者たちとの顔を繋いでいるからな」
 「まあ、そうだね。そういうところを鑑みると、総二郎の八方美人の女道楽も、祖先からの一族を生き延びさせるための、選択的遺伝子の集大成だったと言えるのかもね」
 「なんじゃ、そりゃあ」
 「はははは」
 類の壮大な与太話には呆れるしかないが、たしかに総二郎の社交的な性格は、彼の生きる世界でも有為なものだったに違いない。
 「そう言えばね、八方美人の女道楽で思い出したんだけど」
 「ん?」
 「おい…」
 「美作さんの婚約者の三条さんから、この間電話もらって、彼女、近々日本に戻ってくるようなこと言ってたんだけど、美作さんの方はどうなの?」
 


◇更新情報他雑文 『こ茶子の日常的呟き』へ




web拍手 by FC2



関連記事


総もくじ 3kaku_s_L.png イベント
総もくじ 3kaku_s_L.png だから今日も I'm so happy…百回分の花をあなたに
総もくじ 3kaku_s_L.png ******【司×つくし】******
総もくじ 3kaku_s_L.png 百万回の微笑みを愛の言葉にかえて
総もくじ 3kaku_s_L.png 陽のあたる処でシリーズ(短編集)
総もくじ 3kaku_s_L.png Fly me to the havenシリーズ…36話完
総もくじ 3kaku_s_L.png アネモネ…全171話完+α
総もくじ 3kaku_s_L.png ******【類×つくし】******
総もくじ 3kaku_s_L.png 中・短編+
総もくじ 3kaku_s_L.png パッション…①24話②22話完
総もくじ 3kaku_s_L.png 陽だまりの詩シリーズ(短編集)
総もくじ 3kaku_s_L.png ****【総二郎×つくし】****
総もくじ 3kaku_s_L.png 中・短編-
総もくじ 3kaku_s_L.png ****【あきら×つくし】****
総もくじ 3kaku_s_L.png 中・短編^
総もくじ 3kaku_s_L.png ***【その他CP】***
総もくじ 3kaku_s_L.png 中・短編'
もくじ  3kaku_s_L.png 倉庫
総もくじ  3kaku_s_L.png イベント
総もくじ  3kaku_s_L.png だから今日も I'm so happy…百回分の花をあなたに
総もくじ  3kaku_s_L.png ******【司×つくし】******
もくじ  3kaku_s_L.png 
総もくじ  3kaku_s_L.png 百万回の微笑みを愛の言葉にかえて
総もくじ  3kaku_s_L.png 陽のあたる処でシリーズ(短編集)
総もくじ  3kaku_s_L.png Fly me to the havenシリーズ…36話完
総もくじ  3kaku_s_L.png アネモネ…全171話完+α
総もくじ  3kaku_s_L.png ******【類×つくし】******
もくじ  3kaku_s_L.png 拍手小話+
総もくじ  3kaku_s_L.png 中・短編+
総もくじ  3kaku_s_L.png パッション…①24話②22話完
総もくじ  3kaku_s_L.png 陽だまりの詩シリーズ(短編集)
総もくじ  3kaku_s_L.png ****【総二郎×つくし】****
総もくじ  3kaku_s_L.png 中・短編-
総もくじ  3kaku_s_L.png ****【あきら×つくし】****
もくじ  3kaku_s_L.png 拍手小話^
総もくじ  3kaku_s_L.png 中・短編^
総もくじ  3kaku_s_L.png ***【その他CP】***
総もくじ  3kaku_s_L.png 中・短編'
もくじ  3kaku_s_L.png 未分類
もくじ  3kaku_s_L.png ストック
もくじ  3kaku_s_L.png R短編集
もくじ  3kaku_s_L.png アネモネ R
もくじ  3kaku_s_L.png 恋愛の品格 R
もくじ  3kaku_s_L.png 愛妻生活 R
  • 【愛してる、そばにいて581】へ
  • 【愛してる、そばにいて583】へ

~ Comment ~

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます
管理者のみ表示。 | 非公開コメン卜投稿可能です。

~ Trackback ~

卜ラックバックURL


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

  • 【愛してる、そばにいて581】へ
  • 【愛してる、そばにいて583】へ
にほんブログ村 小説ブログへ💛
スポンサーリンク

┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘
女性に大人気!ビジネスから恋愛相談まで全部500円~!  
価格満足度97%、日本最大級のココナラに今すぐ登録!!

┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘