「愛してる、そばにいて」
第7章 光と影④

愛してる、そばにいて581

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 「結婚…そうだよね」
 つくしと司の結婚は別にして、皆すでに結婚適齢期ギリギリの年代になっている。
 「たぶん、今年中に結納で、間を置かず結婚って話になってるんじゃないかな」
 「え?もうそんなに話進んでるんだ?」
 「確か、見合い前にもう、ほとんど決まってるようなことを聞いてるよ」
 「ええ?」
 あの総二郎がとも思えるが、だが彼らF4中誰よりも結婚に対してシビアで冷めていたのは、彼だったようにも思う。
 おそらくこの年まで結婚しなかったのは、悪あがきというよりも、家にとってもっとも最適な相手を模索した、実家側の都合なのだろう。
 高校時代の彼をほとんど知らないつくしだったが、総二郎の個人を知るごとに気がついたのは、彼の司や類とはまた違った虚無だ。
 女性が好きというのも嘘ではなかっただろう。
 …でも、それだけじゃない。
 総二郎の女好きは、司の暴力や、類の拒絶と同様、侭ならぬ自身の未来に対する現実逃避だったのではないか。
 「俺も挨拶行くから」
 「は?」
 また突拍子もない類の話題変換に、いったい何を言いだしたのだと、つくしが居を突かれポカンとする。
 「えっと、西門さんとこ?」
 「牧野んち」
 「はああ!?」
 今、総二郎の話をしていたのではなかったか。
 「なによ、私のウチって?」
 さっきここが彼女のウチだと言ったその舌の根も乾かぬうちに、飛び出した言葉。
 しかし、どうやら類の意図は別にあったらしく、苦笑されてしまう。
 「実家だよ。あんたの親のところ」
 「……っ!」
 「結婚…は、まあ、あんた任せの話になるけど、一度、正式に挨拶行ったほうがいいでしょ?」
 「正式って…ちょっと待ってよ」
 「じゃ、ただ遊びに行くんでもいいけど?」
 速攻の方向転換にガクッとしながら、しかし、それが彼なりの気遣いであり、結局は同じ意味合いを含んでいることは、彼女にだってよくわかっている。
 「……………」
 「……………」
 気不味い無言が続く。
 いや、気まずいと思っているのは、おそらくつくしだけだろう。
 彼女を静かな目で見守る類の顔は、いつになく真剣で、だが、彼女の答えを威圧することなくただ待っていた。
 しかし、それがわかっていても、なんら有益な言葉が思い浮かばず、口を開いては閉じてを繰り返し惑う。
 「いや?」
 「い、やって言うか」
 隼斗の時には、あくまでも両親との関係は険悪だからと、それで押し通した。
 彼にしても、けっして納得はしていなかっただろうが、それだけあの頃のつくしは頑なで、隼斗にも隼斗の事情があったから、彼女に強く出られなかったのだろう。
 「無理にとは言わないけど、…これもきっかけの一つなんじゃない?」
 「きっかけ?」
 「また時々、電話見て溜息ついてるよ?」
 「類」
 気づかれていたのか。
 いや、気づかれていないはずもない。
 類は見ていないようでいて、けっして鈍感なわけでもなければ、観察力が乏しいわけでもなく、むしろ鋭い男だったから。
 「どうしてもイヤなら、俺も無理強いしないけど。…でも、いつかはそれがケジメだと思うし、順序を踏みたいのはむしろあんたの方なんじゃないの?」
 順序を踏みたい。
 たしかに類の言うとおりで、堅物な自覚もある。
 「どうする?」
 「……か、考えさせてもらってもいい?」
 「だから、イヤなら無理強いしないって言ったよ、俺は。それと同じで、何一つ急がない。ただあんたがいいと思ったタイミングで、応じてくれればそれでいいけど、俺としての意思表示をしただけだから」




*****




 「へっえっ~、すいぶん綺麗に片付いたじゃん。床が見える」
 なにげに褒めているようで失礼な総二郎の評価に、ヒクリとこめかみをヒクつかせつつ、彼の言いようもわからないではないのでため息一つで許す。
 「玄関でいつまでもアホヅラ晒してないで、とりあえず入ってよ」
 「アホヅラって、牧野、お前、巷で噂の美貌の若宗匠様に向かって大した物言いだな」
 「寒い自慢してないで、さっさと入って総二郎。こっちも暇じゃないんだからさ」
 居間からの類の援護射撃?に、総二郎もガクリ。
 「あのな、俺だってけっして暇じゃねぇよ。その多忙さを縫って、わざわざ訪ねてきた友人に対して、お前らなんでそんなに冷たくできんの?」
 「まあ、総二郎のキャラ?」
 「うん、そうかも」
 ついついノってくれるので、こちらも必要以上にキツイ物言いで返してしまっている自覚のあるつくしだ。
 類の場合は、それがデフォルトなのだろうけれど。
 「えっと、どうする?食事の支度もしてあるんだけど、いきなりお酒出す?」
 「ん~、いや、俺、明日も京都に行かなきゃなんねぇから、あんまり遅くなれねぇんだわ」
 「あ、そうなの?じゃあ、あんまりお酒飲まない方がいいわよね?じゃあ、お料理出しちゃうから、お酒は軽い感じかな」
 「ああ、頼む」
 そこは若い頃とは違う。
 いい大人として、自己管理が必要なところだ。
 招かれるままに、類が座るダイニングテーブルの対面側の椅子にドサリと腰を下ろして、総二郎が遠慮会釈なく室内を見回す。
 「へぇ、ずいぶん久しぶりだけど、まったく違う部屋みたいだな。…こうして見ると、越してきたばかりのモデルルームまんまの無個性の部屋とも違ってるし。小物とか花とか、牧野の趣味?」
 「あ~、なるべくインテリアとか、弄らないようにはしてるんだけどね」
 居間と一続きのキッチンに立ちながら、カウンター越しに話す。
 「別に好きに変えてもいいって、言ってるのに」
 「いやいや、そうはいかないでしょ。せっかく名の知れたインテリア・デザイナーさんにデザインしてもらったんでしょ?もったいないよ」
 「俺は牧野のセンスの方が好きだし」
 「ええ?」
 センスと言われても、細々としたものを変えたくらいなので、類にセンスを知られるほどではないはずなのだが。
 「……なんかお前ら、こうしてると、けっこうマンマ夫婦してるんだな」



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NoTitle

初めまして です。
こ茶子さんの呟き を、読んで思い切って打ち込んでます。

私が、スマホにしようか、タブレットにしようか 悩んで
タブレットを、購入したのが、2013年!

二次小説に出会い、つかつくに夢中になり、サイトめぐりして
お気に入りも出来ましたが、完結しないで、放置されているのが、多く モヤモヤ です。

こ茶子さんは、花団 卒業宣言 されてますが、すべて完結するとのこと、立派だと思います。

でも・・・ すご~く寂しい (´д`)

今では、熱烈な to love you 信者(読者)です。

私の中での、長編つかつく三部作
夢で・・、アネモネ、そばにいて・・ で どれが一番好きか
というと、完結してない分 そばにいて愛してる ですね!

呟き、更新 の情報からいろいろ想像して、わくわくしてます。
どうして、類と分かれることになったのか?
司との再会場面は?とか・・・

アネモネの、司君も好きです。 度胆抜きましたよ。
あのセリフ! 好きです。

 俺が守ってやる。守りきれない時は、俺の手で殺してやる

ズッキューン (^_^)ノ
 
現在、公開されているすべての小説の中で、一作品だけ
私が、完読してないのが、あります。
時が経てば、読み返すだろうと思ったのですがもうだめですね

耐えられません。(´д`)

昏い夜を・・・です。
この中の、司は かっこいいですね(*^-^*)

そばにいて の、類、は 好きです。
どちらから 分かれを、告げたのかしら?
やはり、静さんが絡んでる?
あの 類に似ているだろう少女は?

あぁ早く続き、読みたい(ノ^^)ノ

こ茶子さん、体調 気をつけて、頑張ってください。

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