「愛してる、そばにいて」
第7章 光と影④

愛してる、そばにいて566

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 家事の所持雑事は別荘の使用人たちに任せきって、今日は一日、めいいっぱい遊んだ。 
 たった一日とはいえ、つくしはとても素敵なバカンスを過ごさせてもらって大満足だった。
 「ふわわわわわ…ととと」
 ついうっかり類ばりの大あくびを豪快にしてしまい、口元を手で押さえて前後左右見回し、誰もいないのを確認してホッとする。
 …危ない危ない。
 いくら気を使わない間柄だとはいえ、やはりそこはつくしもまだ完全には女を捨ててはいない。
 メール確認とちょっとした雑務だけはこなしておきたいからと、類が別室へと移動してくれていて助かった。
 車の中で一眠りしたとは言え、ディナーで飲んだアルコールがほどよく体に染み入って、かなり酔いが回ってしまっている。
 …それとももしかして寄る年波?いやいやいや。
 自分で自分に突っ込みを入れて言い訳しながら、デーンと寝室の中央に鎮座した、クィーンサイズのベッドに躙り寄った。
 「しっかし、やたらと無駄にバカデカいベッドだわよねぇ」
 司の屋敷のキングサイズベッドほどではないが、かなり目にもインパクトのある巨大サイズ。
 それでも、部屋がさらに馬鹿デカいので、それほど違和感を感じないところがまた凄い。
 たしかに狭いよりは広い方がいいのだろうが、クィーンサイズのベッドでさえ160cmある身長のつくしが横に寝てもまだ頭半分余るくらい。
 ここのところ類と一緒に寝ているが、そのマンションのダブルベッドから比べても、かなりの大きさだ。
 つくしも道明寺家の生活でだいぶ慣れていたつもりだが、免疫切れなのか、こうして庶民とは違う生活の一端に再び出くわすたびに、改めてギャップを感じてしまう。
 …こうして見ると、類ってわりと普段は質素に暮らしてるんだよね。
 類も間違っても庶民的とは言い難い男だったが、贅沢好みで派手な司と違い、つくしが好む生活にも自然体で合わせて馴染んでいる。
 「まったく、いったい何人で寝るつもりだっつーの」
 「ん~?二人じゃないの?」
 ビクッ。
 自分一人だと思っていたところにかかった声に驚いて振り向けば、当然の如く別室から戻ってきた類が立っていた。
 「もうっ!どうしてそう、足音とか気配が全然ないのよ?」
 「いや、いつも言うけど、牧野が自分の世界に入り込みすぎなんじゃない?」
 「ハァ~」
 まあ、類の言うことも一理ある。
 「もう仕事終わったの?」
 「うん、ちょっとチェックして返信するだけだから。どっちみち、明日には今日の分を取り戻す勢いで、馬車馬みたいに働かされるんだから、前日から頑張りたくないよ」
 「ぷっ、その言い草。毎度ながら遠藤さんは、ご苦労様だわよね」
 肩を竦めた類が、パッパッとシャツを脱ぎ出しているところからさりげなく視線を外す。
 彼が脱いだものを受け取るために、つくしは手を差し出した。
 「ほら、そこら中に脱いだ服、脱ぎ散らかさないでよ?」
 「ん」
 受け取った衣類をどうするか迷う。
 「そこらへに置いて置けば、明日誰かしら取りに来るから平気」
 「そうだとは思ったけどさ」
 つくしの方は、自宅に持ち帰るつもりで、すでに自分の洗濯物をバッグに詰めてある。
 しかし、類の場合は、別荘にも所狭しと衣類がクローゼットに並んでいるくらいなので、服の1着や2着置いていってもまったく問題ないだろう。
 自宅には当然のこと、いくらでも着替えがある。
 「パジャマ、マンションから持ってきたんだ?」
 「まあ」
 「こっちにも用意して置くって言っておいたのに」
 「いや、いいよって、ちゃんと言っておいたでしょ?」
 「え?もう用意してあるよ?」
 ガクッ。
 いつもどおり、「ん~」で済ませられたのを、追求しておかなかったのは失敗だったらしい。
 司のようには無意味に、大量のプレゼント攻撃をしてくるということもないが、けっこう類も強引というかマイペースだ。
 強硬につくしと対峙したりしないというだけで、のらりくらりと気が付けば、彼女の方が従わされてしまっていることも少なくない。
 今回も、すでにつくし用として用意されてしまったものを、いまさら返却することなどできるはずもなかった。
 …どうせ、オーダーとかなんだろうし。
 類の収入なら気にすることはないとは言っても、一応はいまのところまだ、恋人でも妻でもない関係なのだ。
 「あれ?俺と牧野って恋人じゃないんだ」
 「は?」
 またも考えていることを呟いてしまっていたらしい。
 それはともかくとして、
 「奥さんは…まあ、たしかにまだ違うけど。てっきり俺たちって、恋人同士なのかと思ってたよ」
 「……………は?」
 大きく目を見開き、驚いているつくしの様子に苦笑して、類がさっさとベッドへと潜り込む。
 「普通、手を繋いでデートしたり、キスしたり…一緒にベッドで寝て、結婚を申し込んだりする関係を、恋人って言ったりしない?」
 たしかに手を繋いでデートは…している。
 キスは…と考えかけて、
 …ありゃ、したわ。
 それもつい数時間前、初めてのマウスtoマウス、というヤツだ。
 一緒にベッドに寝て…というのはあくまでも添い寝なので微妙なところだが、結婚を申し込まれて、一笑に伏すことなく真剣に意識しているわけだから、たしかに‘恋人’と言っても差支えはないのかもしれない。
 「俺、あんたのことが好きだって言ったよね?」
 「…え~、あ~」
 もうウブな小娘ではないはずなのに、好きだと言われただけで、顔を赤らめてしまう自分が気恥ずかしい。
 「んん~、あ~っと…うん、そ、そうだね」
 誤魔化すのもそれはそれでわざとらしい。
 何度も咳払いをして、手の甲で顔を撫で、何食わぬ顔を作って同意する。
 もちろん、そんなつくしの照れ隠しなど、とっくに類にはバレてしまっているのだろう。
 「で?」
 「で?」
 つい反らしてしまっていた視線を、つくしが類へと戻せば、相変わらず童話から抜け出した王子様のような美貌の主が、甘く蠱惑的な笑みを浮かべて、彼女を見つめていた。
 「牧野は?あんたは俺のこと、どう思ってるの?」



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>スミレ様

こんにちは^^
ご指摘ありがとうございますm_ _m

つくしちゃんの身長
誤 150cm→正 160cm
に修正いたしました。


そうでしたねぇ。
うっかり頭がボケってました^^;
司と25cmの身長が35cmになってしまう。


たしかに160cmだと小柄だという感じはしませんが、スミレさんのおっしゃるとおり、やはり比較なんでしょうねぇ。
今でさえ、170超えの女性が普通にいるとは思えませんが、当時としては170ある女性なんてそれこそモデルクラス。
でもまあ、つくしちゃんの体重48kgは、BMIだとギリッギリ標準体重(理想は56kg)なので、そこから来てるのかな。
今は健康体重ではなく美容体重を理想とするようですが。


ありがとうございました。

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