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「夢で逢えたら…全207話完+α」
第四章 夢の続き②

夢で逢えたら165

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 いやはや、今日の更新は、とうとうこんな時間になってしまいましたm_ _m
 うーん。
 昨日は携帯電話を洗濯機で回してしまったり、娘の蹴りを受けた息子が怪我したと騒ぎ立てた為、今日になって整形外科に連れて行ったり、友人に会ったりでけっこう時間が押せ押せ^^;
 と、いうわけで、明日のam.6:00の更新もその流れで時間が変更になってしまいます。
 更新は行う予定ですので、明日も気長~にお待ちくださいませm_ _m
※いまだにコメント返信ができず、申し訳ありません。質問などのコメントもいただいておりまして、お答えしたいのですが、個別だと中々できず、いっそ、質問に対してくらいは毎日の更新で返答すべきか、いやいや、頑張ってコメント返しを一刻も早く!?と迷い中です。もう少々お待ちくださいませm_ _m
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 到着した機内から吐き出される人々は、夜明け近くの早朝の、ヒンヤリとした空気に薄い春物の衣類をかき寄せて、寝ぼけた顔を撫で、あるいは大きな欠伸を噛み殺し、それぞれ用意された車に消えてゆく。
 司によって招聘された彼らマスコミ関係者たちは、これから半日の休憩を空港近郊のホテルで過ごした後、道明寺家所有のジェットにより日本へと帰国の途に着くのだ。
 司のゴシップから始まった一連の騒ぎは、これで収束するのかはまだわからないが、機内記者会見の内容は当初の予定と異なり、単なるスキャンダルに対する釈明会見に留まらず、司の巧みな話術と有無を言わさぬ迫力に押され、経済紙の紙面を飾るような取材内容へと変化していた。
 気が付けば、道明寺ホールディングスの展望といった方向へと軌道修正され、終わってみれば双方にとって有意義な時間だったと言えなくもない。
 一足先にジェットを降りた司は、優紀から一つの報告を受けて思わず声を上げた。
 「レンが?」
 「…はい。深夜からお邸で待ってらっしゃるそうです。副社長への報告は記者会見中であることから、降機後でいいとご本人からの申し出だったそうで」
 レンの邸への訪問の報告を受けた司は、とりあえず本社に向かう予定を変更し、邸に戻ることを選択する。
 自分はともかく12時間ぶっ通しで機内に押し込められ、気の抜けぬ記者会見の準備や処理に追われていた秘書たちの疲労を慮り、一先ずは冴子を帰宅させ、優紀を伴っていた。
 当初は優紀も帰宅させるつもりだったが、つくしの捜索やアヤラとの折衝の時間を優先させるため、それ以外の業務に眠らぬ激務に身を投じるつもりである司の決意を知り、優紀が帰宅することを拒んだのだ。
 いくら愛している人が行方不明なのだとはいえ、司も人間である以上いつかは限界が来る。
 もちろん、自分がいなくても司には第3秘書、第4秘書と後続が控えているが、司に意見できる人間は少なく、過労気味な西田とて多少なりとも休息が必要だ。
 その西田が仮眠を終え、交代する時間帯まではせめても自分が司を補佐し、できれば彼を休息へと導ければ…とそんな思いからだった。
 もっとも、彼が愛した、優紀が愛した友であればともかく、司に意見など到底できることではなかったが、昔馴染みの縁ゆえにか、他の人間には見せない顔を彼女には見せているようにも思える。
 それは司の亡き恋人への敬愛であり、その恋人の親友だった自分への親愛であるのだろう。
 そんな優紀の自分に対する気遣いをよそに、司は自邸へと訪ねてきたレンへと思考を囚われてた。
 何の用件かはもちろん聞かずとも予想していたが、正直、類ではなく自分に連絡を寄越したことを意外に思う。
 いや、類にも連絡してるのかもしれねぇな。
 面会したくとも、類は今頃スペインでの事件の収拾に追われている。
 本心では、司同様NYに取り急ぎ戻ってきたいだろうが、花沢の全権を帯びて渡西している以上、そう簡単にトンボ帰りはできないだろう。
 それでも、一両日中には目途をつけて、一刻も早い渡米を目指すはずだ。
 自分だったらそうする。
 すべてを投げ捨てて戻りたいのが本心だが、そういう彼らをつくし自身が喜ばないだろうから。
 類へと思考を飛ばし、再びレンのことを考え始めた頃、優紀の携帯が鳴りだした。
 バイブ設定されていたようだが、息苦しいほどの沈黙に包まれた社内では、向かい側に座る司にもその気配は伝わり、優紀は一声かけて着信を確認する。
 「西田さんです」
 司が無言で視線を合わせると、その視線を感じながら携帯に応答する。
 確認すると、自分にも何度か連絡が入っていたのかもしれなかったが、機内に入ったおり、電源を切ったまま忘れ去っていたらしい。
 自分らしくない失態だ。
 こんなところで、自分の疲労を自覚する。
 「…はい、遠山です。ええ、はい。あと、30分ほどで到着する予定です。副社長」
 差し出された携帯を司が受け取る。
 「ああ、お前は本社か。ある程度は、遠山から報告を受けた。まだ、警察は動かすな」
 矢継ぎ早に指示を出しながら、車の窓の外、眠らぬ街NYの車道を通り抜ける対向車のヘッドライトの明かりを見るともなしに見つめ、叫び出しそうな焦燥を強く強く胸の内に押し込めて、疲労に痛む眼窩を軽く抑えた。



 『…あんた、スペイン語はイケるかい?』
 ウーゴ・カルドゥーサの第一声は訛りの強い英語での、そんな問いかけだった。
 朝方の会見を思いだし、つくしは震える唇をキュッと噛みしめる。
 実際、ある程度の会話を聞く程度のことはできるが、こんな状況で流暢とは言えぬスペイン語での会話は気が滅入ったし、できれば相手の言葉を知らないという方が何かと都合が良いことは敵地にいる人間の常識だろう。
 つくしが否定に首を振ると、男は肩を竦めたものの、そのまま英語での会話を承諾した。
 自分が、レンの祖父であるルイス・アヤラの甥であること。
 アヤラのシンジケートの現在置かれている状況。
 そのファミリーの後継者争い。
 それらが簡潔に説明されてゆく。
 男はつくしに嘘を語るつもりはないらしく、ルイスが癌であることも、いずれそう遠くない未来、病が彼を死なせてしまうだろうことも正直に話した。
 その上で、
 『よく考えてみるんだな。あんたの息子にとって何が一番、身の為になるのかを。金は?力は?女…っと、と、これはお袋さんにいうセリフじゃねぇな。まあ、ともかく、あんたの息子がファミリーの頂点に立てば、本人のみならず、あんたもどんな望みも叶い放題なんだぜ?その権利があんたの息子にはある』
 『何も、何も望んでません。ただ、静かな生活がしたいんです。私たちに関わらないでください』
 震え声ながらもきっぱりと言い切るつくしをジッと凝視し、男は眉根を寄せた。
 『ふ~ん、野心はねぇわけだ。息子と似たようなこと言いやがって』
 男の物言いに、つくしが思い当たって大きく目を見開く。
 『レ、レンに、レンに会ったんですか?』
 『あ?』
 『…レンにはもう会わない、関わらないって、約束だったはずなのに』
 つくしのなじるような言葉じりに、ウーゴは目をすがめた。
 『いつの話をしてんだよ。…てか、あんたはどういうつもりか知らねぇが、俺たちはアイツの正当な身内ってやつだぜ?あんたに咎められる謂れはねぇと思うけど?』
 『約束したはずです。14年前に、レンとはもう二度と関わらない。私たちのことは放っておいてくれるって』
 『事情が変わったんだよ。そんなカビが生えたような約束、とっくに御破算だろ?』
 『約束は約束、何年たってもそれは変わらないはず。あなたたちのボスは、約束を守ることもできない卑怯者なの?』
 『…なんだと?』
 一段低くなった声が、つくしを威嚇した。
 だが、わずかに顔色を青ざめさせながら一歩も引かないつくしの視線に、ウーゴの方が目を反らし、チッと舌打ちを立てる。
 『会ってねぇよ。道明寺?あんたの男がつけた連中の目が光ってちゃあ、そうそう近づけやしねぇ。大したものだよな、あんた。大人しそうな顔して、ちゃっかりデカイバックもった男を捕まえてるんだからよ』
 『道明寺さんは関係ありません!』
 『まあ、それはおいておいて、レン…あのガキ、何度か繋ぎをとろうとしたんだけどよ。いつもケンモホロロで、さんざん無視したかと思えば、あんたを預かってると懇切丁寧に連絡してやったら…なんて言ったと思う?』
 『……』
 黙って睨み返すつくしの虚勢を嘲笑って、
 『あんたを傷つけたら、俺を破滅させるだとよ』
 つくしは、思わず息を呑んだ。
 『あのガキは、俺らが自分に何を望んでいるか賢しげに読んできやがって、逆に脅してきた。大した食わせ物だな』
 『貴方たちは何を、レンに…』
 『なあ、あんた。あんたは自分の息子がアヤラの巨大組織の唯一の後継者として立つ可能性があると理解してるか?
そして、あんた達に用意された選択の余地が、生か死か、その二つしかないことを?俺たちはあんたたちを助けに来たんだよ。俺たちが…俺の親父のパブロ・カルドゥーサが、あんたの息子をアヤラの次のボスに据えてやる。だが、あんたたちが俺たちの手をとらなければ…』
 つくしはゴクリと唾を飲みこんだ。
 『お前たちに残されるのは、死…あるのみだ』
 ウーゴの凄みのある笑みが、この男の住む世界の深遠を悟らせて、つくしは再び小さな震えが沸き起こるのを抑えられなかった。


 冴子は自宅マンションのエントランスをくぐり、エレベーターに入り込むと、住まいの5Fのボタンを押し、閉まりかけた扉を再び開けて外へと飛び出る。
 エントランスのドアに視線を向けながら、何食わぬ顔で裏口から急ぎ足でマンションを出た。
 そのまま壁際に身を隠して中の様子を伺っていると、こんな真夜中にスーツ姿の男が一人エントランスから帰宅してきた。
 つい1ヵ月ほど前にななめ隣に引っ越してきた白人男性。
 その詳しいプロフィールは完全に把握している。
 …西田のつけた冴子の監視役。
 自室の周辺で待ち伏せする人間は配置されていないのは、借り受けたウーゴの手の者の報告によってわかっていた。
 西田や司の目は完全に山之内に向かっていて、自分には司の元愛人という立場以上の疑いの目は向けられていない。
 山之内にしても、決定的な尻尾を掴ませるようなマネはさせていないつもりだが、カルドゥーサの手の者との接触には使ってしまった。
 裏社会の人間たち。
 冴子や山之内のような理論的な思考で物を考える者たちとは異なり、どんなことをしでかさないとも限らない。
 そして、そんなアウトサイダー的な行動力を見こし、彼らとの接触をもった冴子だったが、それが彼女にとって吉とでるか凶と出るか。
 司が睥睨するはずのこの世界。
 だが、その栄華の傍には自分がいなくてはならない。
 最低限の保険は用意しておかなければ。
 冴子が一歩、外へと踏み出すのと同時に、黒いBMWがその眼前に横付けにされた。

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