「愛してる、そばにいて」
第7章 光と影③

愛してる、そばにいて546

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 ふわりと抱きしめられた感触に顔をあげれば、優紀が彼女の頭を抱きしめていた。
 「…ごめんね、つくし」
 「優紀?」
 「わかってあげられなくて、ごめん」
 優しい温もりと慈しみ。
 優紀と再会して、司との経緯を告白した時にもたしかそんな風に言ってくれた。
 優紀の胸に抱かれ、腕に寄りかかって目を閉じる。
 ひとしきりその温もりに癒され、つくしは、そっと片手でその身体を押しやる。
 「ありがと、もう、大丈夫だから」
 「……うん」
 滲んでしまった目元を拭いながら、照れ隠しにあえてサバサバしている風を装う。
 「あ~やだやだ、年取ると涙脆くなって」
 チーンとティッシュで鼻を噛むつくしの色気のない行動に、優紀が苦笑した。
 「…年取るとって、ババくさいよ、つくし」
 「ええ~だってさぁ」
 「同い年なんだから、あんたにそんなこと言われちゃったら、あたしまでオバさんになったみたいに感じちゃうでしょ」
 軽く睨めつけられ、…だが互いに顔を見合わせ、ぷっと噴き出して笑いあった。
 「それなのに花沢さんとは寝られるんだ?」
 「…うん、不思議なことにね」
 もしかしたら、男臭くない類の風貌によるところかもしれない、そんなことを思って優紀にも同意を求めた。
 「あの外見のせいかもね」
 「違うでしょ」
 「え~」
 しかし、優紀には違う見解があるようで、同意してもらえない。
 「…まあ、単に私にそういう性的魅力を感じないだけかもしれないけどね」
 つくしの言葉に、優紀がマジマジと彼女を見返してくる。
 「つくし、それって」
 「まあ、それもしょうがないかなぁ、とは思ってるんだけどね。あっちはああいう超絶美形で、年を追うごとにってやつだけど、私は特になんの取り柄もない30女だしねぇ。若い子ならまあ、まだそこらへんのギャップ感じないでいられるんだろうけど」
 卑屈になるつもりはないが、そういう対象に見られなくても、ある意味仕方がないということも認められた。
 「それ本気で言ってる?」 
 ため息をつくつくしへと、優紀が問いかけてくる。
 「まあ」
 今さっき、優紀に同い年なんだからオバさん臭い発言は寄せと言われたのを思い出して、つくしは慌ててフォローし出す。
 「あ、優紀は今でもお洒落で可愛い…っていうか、ますます綺麗になってるから」
 「いいって、フォローは。そうじゃなくってさ。じゃあ、もし、花沢さんに求められたらどうするの?」
 「え?」
 「…いまの発言を聞いてると、それはそれで構わないって言うよりも、実はつくしも、花沢さんにそういうふうに求められないことに、ちょっと悩んでたりするんじゃない?」
 言い当てられたことの意外さに、ポカンと口を開けたまままつくしは絶句した。
 …私が類にそういう対象に見られたいって?
 「ま、まさか」
 「違うの?」
 慌てて両手を振って、シドロモドロに否定する。
 「違うわよ。だって、ほ、ほら、さっき、言ったところじゃない。私は男の人が怖い…セ、セックスすることに、抵抗があるんだって」
 「…そうだけど」
 それで実際、隼斗とダメになっているのだ。
 同じ轍を踏みたいわけがなかった。
 「もしかしてさ」
 「う、うん?」
 「……もしかして、花沢さん、あんたのそういう心の傷を慮って、そうした部分を見せないでくれてるんじゃないの?」
 「そうした部分?」 
 「男の人の部分」
 「――っ!」
 それは欲望とも言い換えられるだろうか。
 「そんなまさか」
 「だって、健康な男の人なんでしょ?」
 「……………」
 違うとも言えず、かといってそこで同意するのも躊躇われて、言葉に詰まってしまう。
 「たとえ、好きな女が相手じゃなくったって、普通の男は欲望を感じるものだろうし、そうできる環境にいて、手を出さずにいられるなんてそうそうないことだと思う」
 つくしにしても、性根はともかくとしてそこら辺の機微は、大人の常識として今や理解していた。
 だからこそ、密かに類が自分に対して抱いている気持ちに疑問を抱いていたのだ。
 彼が自分に寄せてくれる気持ちは、男女の恋愛とは違うものなのではないかと。
 …それが不満ってわけじゃないけど。
 「でも、あんたの気持ちも進化してるんだね」
 「え?」
 「一年前…あんたが花沢さんと同居を決めた頃には、まったくありえないって感じで、ケンモホロロだったけどさ。いまは違うよね?花沢さんの気持ちを探って、自分のことをどう思ってるのか、ちゃんと気にしてるじゃない?」
 「…そりゃあ、プロポーズもされちゃったし」
 「そうだね」
 その真意に大いに悩むところではあったが、いやでも意識せざるえない。
 だが、もし本当に類との結婚を真剣に考えるのなら、セックスの問題をクリアせずして、話を進めることなどできはしないのだ。
 …あの人は、花沢物産の後継者なんだもの。ううん、それ以前に―――。
 つくしが周囲に認められるはずがない。
 結局は堂々巡りだ。
 「あ、…もう、こんな時間かぁ」
 「え?」
 優紀の言葉に、キャビネットの上の置時計を見上げれば、もう23時を回ってしまっている。
 かれこれ4時間近くも話し込んでいたらしい。
 「わ、もうこんな時間」
 「泊まって行きなよ」 
 「え~」
 かなり頭がぼんやりしてしまっているだけに、優紀の申し出にはかなりグラグラと揺れてしまう。
 …もう、類に雇われてるわけじゃないし。
 「連絡入れたら?」
 「…うん」
 それでも外泊するなら、同居人には連絡が必要だろう。
 ♪゜・*:.。. .。.:*・♪。
 「あれ?つくしの携帯じゃない?」
 「え?あ…本当だ」
 慌ててハンドバックを探って、携帯電話を取り出して画面を覗き込む。
 「あ………」



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