「愛してる、そばにいて」
第7章 光と影③

愛してる、そばにいて543

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 撃沈。
 「……………」
 「……………」
 「……なによ、その反応?」
 すっかり顔をうつ伏せ、テーブルに懐いてしまっているつくしのつむじを眺めて、優紀が胡乱げに声をかけてくる。
 「え?ちょっと…まさか、まさかよね?!」
 …まさかってなによ。
 声を大にして言いたい。
 「まさか、…シてない、の?」
 「……………」
 「同棲して1年でしょ?嘘よね?」
 「だから……同棲じゃないってば」
 やはり大いなる誤解があるらしいと、恨めしげに優紀を見上げるが、本気で信じられないと驚愕している顔に出会って再び撃沈させられる。
 「そりゃあさ、住み込みのメイドさんが、皆が皆雇い主とそんな関係になるとは思ってないけど、あんたたちの場合は事情が違うじゃない?」
 ―――事情が違う。
 そう言われてしまうと、どう返答していいのか困るところではある。
 「え?ちょっと…待ってよ。そう言えば、あたし、あんたから花沢さんと付き合ってるって話、聞いてないわよね?」
 「…………」
 聞いてないも何も…。
 「ちょっとぉ!寝てる場合じゃないわよ、つくしったら!!ほら、起きて、起きてっ!」
 「寝てないよ…じゃなくって、そもそも前提が間違ってるのっ。類と付き合ったことなんてないのよ、私」
 「はあ?」
 優紀の呆れる気持ちもわからないではない。
 言ってる自分も何を言わんや、という感じなのだ。
 「…まさか、遊ばれてるんじゃないでしょうね?」
 突拍子のない方向への優紀の発想の飛躍に、つくしも慌ててそれを否定する。
 「いや、それはないと思う」
 「何言ってるんだか。はぁ~、ちょっと待って、整理するわよ、いい?」
 「…はあ」
 畳み掛けるように言われ、仕方なく姿勢を正してて頷く。
 「好きって言われたの?」
 「う~ん」
 …言われたっけ?
 「言われてないの?」
 「まあ」
 一緒にいると孤独を感じないとは言われたか。
 あたたた、と頭を抱えた優紀だったが、
 「でも、まあ、プロポーズされたくらいだし…されたのよね!?」
 不安になったらしく、再度、念を押されてしまう。
 「いや、それはさっき言ったじゃない?」
 「そうよね」
 うんうん、そうだった、そうだったと頷かれる。
 …けっこう、優紀も酔ってるな。
 つくしよりは強いが、優紀もそれほど酒に強い方ではない。
 「もしかして花沢さんって、カトリックとかムスリムとか、そういうことに厳しい宗教的縛りがある人だとか言う?」 
 カトリックはともかく、ムスリムはないだろうと思いつつ、
 「うーん、どうだろ」
 以前にキリスト教徒だから、神社に初詣には行かない的なことを言われたことがあるが、本人も冗談だと言っていたし、どう見てもそれらしい習慣がないことは、一年も同居していればわかる。
 「たぶん、無信教?」
 それどころか信心なんて欠片ともなさそうだ。
 「じゃ、貞操観念の強い人?」 
 「……ないかな」
 そんな男が、行きずりの女と関係を持ったりはしないだろう。
 それどころか、何年も不倫をしていた過去もある。
 「ま、まさか!ゲ…イとか?」 
 「ぶっ!」
 とんでもない優紀の疑惑に、つくしは口に含んだサワーを噴き出しかけた。
 「ED?!」
 「ち、違うわよ!」
 もはや絶叫だ。
 「でも、一年も同居してる女によ?それも同年代の…はともかくとして、プロポーズするくらいに好意を抱いてる女と、一緒に暮らしていて何もないとかありえないでしょ?」
 「…キスくらいはあるわよ」
 「え?そうなの?」
 …頬っぺたとか額とか、頭だけだけど。
 そう言えば類は高校時代、公衆の面前で静とマウスtoマウスでキスをしていたな、などと、よけいなことを思い出した。
 その時は静が、司や総二郎、あきらともキスをしていたから、おそらくそれは愛情表現というより、親愛表現…挨拶にすぎなかったのだろうけれど。
 「でも、キスって言ったって、中学生じゃないんだから」
 「……その、やっぱりそういうものだよね?」 
 「は?」 
 まるで珍獣を見るような目で優紀に見られ、さすがに気恥ずかしい。
 「いや…」 
 「まあね。なんというか、二度も結婚したあんただけど、ある意味特殊な結婚だったし、学生時代はホント、つくしって純情一直線だったものね」
 おそらく隼斗との結婚生活は、そう特異なものではなかったはずだが、司との結婚生活も、本人の個性の強さとは裏腹に、それほど妙なものではなかったはずだ。
 …まあ、たぶん司の場合、相当性欲強い方だったんじゃないかとは思うけど。
 なんせ、足腰が立たないほど、抱き潰されることも頻繁で、それで何度も喧嘩になったことがあるくらいなのだ。
 その度に一応は、司も反省してはいたようだったが。
 しかし、今思えば、そうした過度の荒淫も、彼の不安と不信からくるものだったのかもしれないと思い当たる。
 それはともかくとして、男性一般の性欲云々だけに特化すると、比較する対象が司と隼斗、類の3人だけなので、誰が一般的なのかつくしには判断つき難かったが、それでもおそらくは本人の個性と同様に、隼斗を基準にするのが妥当そうではあった。
 …ていうか、もしかして、単に私に性的魅力を感じていないだけだったりして。
 時々というか、かなり頻繁に、類は自分を異性として魅力感じているのではなく、ペットや…そこまで言わなくても、肉親のような親愛の情を感じているだけなのではないかと思わされる時がある。
 あるいは…、
 …同病相憐れむ?
 「一緒に添い寝してても、そういう雰囲気になったこととかまったくないものね」
 「えっ!?添い寝っ!?」
 口に出したつもりはなかったのだが、素っ頓狂な優紀の叫びに、つくしは「あ」と口元を押さえた。
 が、すでに時遅し。
 「え?え?ちょっと、あんたまさか、花沢さんと添い寝してるわけ?」
 …うげ。
 やはり、バッチリと聞かれてしまったようだ。



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