「愛してる、そばにいて」
第7章 光と影①

愛してる、そばにいて492

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 いつかのようなシチュエーション。
 通りの向こうから現れた少年たちの方へと顔を向け、ジュリオが顔を顰め呟く。
 「……チェンバー」
 それは以前、ジーナに声をかけてきて、麻薬の売人の手下をしているような連中だから関わるなと言っていた、彼女の古馴染みの少年たちだった。
 チェンバーと言われた少年だけでなく、他の二人もワラワラとすぐそばまで歩み寄って来て、ジロジロと物珍しそうに戒とジュリオを眺め回しだす。
 「あれ?この間、ジーナが連れていたヤツじゃん?こいつってジーナのペット?」
 無遠慮な視線で、戒の上から下まで観察していた少年が口笛を吹く。
 「ひゅう~。へぇっ!すっげぇ美形。どいつもこいつも東洋人なんて、二本足で歩く猿みたいにブッ細工な奴らだと思ってたけど、こういうの初めて見たぜ?それも、いかにも金持ってそうな服装しやがって、いったいどこのお坊ちゃんだよ?」
 「行こうぜ、戒」
 無視して行こうとしたジュリオの前を、ニヤニヤと別の少年が立ち塞がって行く手の邪魔をする。
 「はっ、スポーツ入学だかなんだか知らねぇけど、貧乏人には不似合いにすげぇ上等なガッコに入ったんだって?…だからかよ!?ずいぶんお高く止まりやがって、久しぶりに顔を合わせた幼馴染みに対してずいぶん冷てぇんじゃねぇの?」
 「……………幼馴染みだってなんだって、お前に俺は用なんかねぇよ」
 「お上品な坊ちゃんたちに囲まれて、自分まで上等になったと勘違いしてんのかよ?ジュリオ。バカにしてんじゃねぇぞ!」
 威嚇してくる少年から戒を庇うように仁王立ちにジュリオが相対する。
 「どけよ、チェンバー。お前らなんかに関わってたまるかっ」

 そのケンモホロロな拒絶に、一瞬チェンバーと呼ばれた少年の顔が憎々しげに歪みかける。
 しかし、それでもジュリオの大人に近い体格と戒への興味が優っているのか、剥がれかけた見せかけだけの愛想の仮面を被り直続けた少年が、なおもひび割れた猫撫で声で阿ってくる。。
 「昔はダチだったじゃねぇかよ、ジュリオ…なあ、こんな毛色の違うヤツ、どこから連れ込んだよ?いいウチの御曹司か何かなんだろ?」
 戒へと今にも手を伸ばしてこようとする少年の手を、ジュリオが邪険に叩き落とす。
 「こいつに触わんじゃねぇっ」
 戒とジュリオを取り囲んでいた少年たちのうちの一人が、チェンバーと対峙しているジュリオの隙をつき、戒の背後へと回り込んで、羽交い締めにしようと腕を伸ばす。
 途端、 
 「おらあっ!……」
 ガンッ!
 「うがぁっ!」
 「戒ッ!?」
 上がった悲鳴に慌ててジュリオが振り返れば、顔を抑えて地面に蹲って呻いていたのは、戒を羽交い締めようとしてた少年の方だった。
 蹲っている少年の手の指の間から、ポタポタと鼻血が洩れ落ちて、地面に赤い水溜まりを作っている。
 「…チッ、汚ねぇな」
 頭突きを食らわせ、乱れた髪を手櫛で梳いていた戒が、手についてしまった鼻血に顔を顰める。
 その平然とした態度と物言いに、呆気に取られていた少年たちが、一斉に殺気立つ。
 「てめぇっ!!」
 「ガッテムッ」
 しかし、襲いかかって来ようとしていた少年たちの背後、大柄な男たちが、少年たちが戒にしようとしていたように背後へと回り込み、その体を拘束してしまう。
 「わっ!な、なんだよっ」
 「離せよっ!!」
 「わあああああ」
 パニックってる少年たちをよそに、すでに戒の関心は少年たちからも、彼らを取り押さえた男たち―――SPたちからも反れてしまっていた。
 「家に帰るのか?」
 「…え?」
 ポカンと口を開けてそんな彼らの一部始終を見ていたジュリオは、なんのことかわからなかったのだろう。
 ジュリオの反応の鈍さに戒が舌打ちをして、もう一度同じ質問を繰り返す。
 「お前がジーナんちにいたのは、俺に彼女の不在を言う為だろ?違うのか?」
 「あ、ああ…そ、そうだけど」
 「なら、もう終わったんだ。家に帰るんじゃないのか?それとも学校に行くつもりなのか?よければ行き先までウチの車で送ってやるよ」
 さすがに噛み砕いて提案され、茫然としていたジュリオも我を取り戻したらしい。
 只者ならぬ男達に取り押さえられ、今度は恐怖にか、彼らの様子を戦々恐々と伺って顔色を青ざめさせているかつての仲間たちから、ジュリオも視線を引き剥がした。
 「じ、じゃあ、家に。っていうか、今日、土曜日だ。学校、休みだぜ?」
 「ああ、そうか。忘れてた」
 どちらにせよ、土日祝日関係なく、ロクに通学していない戒にとっては関係のない話だった。




*****




 「…1月31日付けをもって、取締役副社長が引退・退陣の意を表明しております」
 「ふぅん?よりにもよって、そんなキリのわりぃ日付とか、まさかとは思うが、俺への誕生プレゼントだとか、今更言うつもりじゃねぇだろな」
 ジョークというには、あまりに司の顔は無表情のままだ。
 そして、それに受け答える西田にしても、ほとんど表情筋などないかのような鉄面皮のまま。
 ギィ~と音を立て、重厚な執務椅子の背もたれを軋ませ、司が大柄な体を伸ばす。
 「ま、さすがにヤツらも、ガチでウン十年越しの不正だの癒着だのを暴かれて、懲戒免職された挙句に捕まって懲役刑くらうよりは…っつー了見なんだろうがな」



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