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「夢で逢えたら…全207話完+α」
第四章 夢の続き②

夢で逢えたら158

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 うわあ、そろそろホワイトデーだ。
 記念日話どうしようかなあ。
 なんとなくですが、先日UPしたバレンタイン話についになる形でまた拍手小話をUPしたいなあ、とか思ってるんですけど、どうですかねぇ。
 司&つくしちゃん家族のショートはちょっともう、考えてたり。
 梓ちゃんカンバーック!と思う人は、今週もまたポチリポチリよろしくですね♪
 いえいえ、いつも十分に応援していただいてますが、やっぱり大量?UPには皆さんの熱いエールがぜひ欲しいこ茶こでした^^
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 ガタンッ!
 音を立て立ち上がりかけ、つくしは思い直して椅子に再び腰を下ろす。
 幸い、周囲は騒がし中でのこと。
 つくしの挙動不審に気が付くものはなかったが、彼女自身が自分でも自覚するほどに動揺していた。
 携帯電話の司からの着信履歴は午後13時頃が最後。
 日本では深夜1時~3時頃のことか。
 それから8時間程度の時間がたっている。
 いつもは煩いくらいに司からの着信履歴が残っていたが、今日に限ってそれ以来、一度も司からの連絡は入っていなかった。
 類は何も言っていなかった。
 司と同じ日本にいるんだ。
 大事に至っていたら類が何か言っていたはずだ。
 ああ、でも、事件が何時に起こったか聞いていなかった。
 車で移動中の類に、情報が行っていなくても仕方がないのかもしれない。
 千地に乱れる思考に、半ばパニックに陥りながら、深呼吸して普段の冷静な医師キャサリン・マーベルを思い起こす。
 少しでも動揺すれば患者の命がないハードな修羅場に、つくしは長年身を置いていたのだ。
 いまさら、知人の一人や二人の怪我の報道に何を動揺することがあるだろうか…確かなことは何一つわかっていないのに。
 つくしは、震える指先を堪えながら、ワンセグを起動させる。
 ちょうど、ニュースは終わったばかりのようで、テレビ局各社を回っても、欲しい情報は伝わってこない。
 …類!ダメだ、飛行機に乗るって言ってた。そうだ、西田さん!西田さんに電話すれば。
 思いついて、つくしは食べ終わってないピッツァの皿を残し、急いで会計を済ませて店を出る。
 あまりに焦っていたためか、前方から歩いてきた男性をよけきれず、思いっきり激突し、ヨロめいた。
 「大丈夫ですかっ!?」
 とっさに受け止めてくれた男性が、驚いたようにつくしに問い掛ける。
 「…あ、すいません。私、よそ見をしていて」
 中々ハンサムな白人の男性は、ヒスパニック系なのだろうかスペイン訛りの目立つ英語で、つくしの顔色を心配するような言葉をかけ、自覚しながらも冷静になりきれていなかったつくしの頭を少しだけヒートダウンさせた。
 しっかりしろ!キャサリン・マーベル。
 普段は客観的な判断を次々こなす医師も、自分のプライベートなことには制御しきれないという悪い事例だろう。
 いくら何度も自分を叱咤しても、司の状態がどんなものなのか、頭から離れてくれず、つくしは大きなため息を吐いた。
 礼を言って立ち去ろうとしたつくしに、男性がもう一度二の腕を掴んで白い紙を差し出す。
 「…何か、落とされましたよ?」
 「あ、すいません、ありがとうございます」
 受け取ったつくしに、白い歯を見せてニッコリ笑うと男性は夜の街へと消えていった。
 渡された紙を何気なく開き、つくしの顔が瞬時に青く強張る。
 サッと周囲を見回すと、すでに男性の姿は視線のどこにもいなかった。


 「…まったく、心配かけやがって」
 あきらの呆れたような顔にも、司はどこ吹く風だ。
 むしろ、横に控える優紀の方が申し訳なさそうに見える。
 「俺のせいじゃねぇよ。総二郎は?」
 「あいつは茶会。俺もトンボ帰りでこの後、九州だよ」
 「あたしは司についてNYに行こうかなあ~」
 一人抜け駆けしようとする滋を睨み、桜子が制止する。
 「道明寺さん、本当に予定を繰り上げられてNYに帰られるんですか?」
 「…類のヤロウ、抜け駆けしやがって。ダチが怪我して病院行ってたっていうのに、自分はさっさとNYに発ったてのはどういうこった」
 青筋たてて憤慨する司を、一同、ヤレヤレと首を振る。
 確かに、友情より自分の都合を優先する類もなんだが、あの男は昔からそういう男で、妙に体育会系な司とて自分の都合によって、その類の上を行く。
 いつもそれに振り回されるのは周りの人間で、特に暇でもないのに結局見送りに来てやってるあきらが一番被害を蒙っていた。
 「で?手の方はどうなんだ?」
 「優紀さん、現場で道明寺さんの傍にいらしたんですよね?大丈夫だったんですか?」
 心配するあきらの言葉に、桜子と滋が思いついて優紀を取り囲む。
 「ええ、道明寺さんがとっさに庇ってくださいましたから。副社長の方は、おかげで怪我をされることになってしまって…」
 申し訳なさそうな優紀に、司がふんぞり返り、あきらが気にするなと手を振る。
 「元々、司のせいなんだから気にすることないよ。巻き添え食わなくってせめてもだ。…まあ、司が人を庇うなんて青天の霹靂で、逆にお兄さんは感慨深いんだけどね」
 「…また、それかよ。お前も変わり映えしねぇな。俺の方が誕生日、早えぇだろ?」
 「そういう問題じゃねぇから」
 司の手に巻かれた包帯は確かに痛々しかったが、大したことがなかったのはせめてもの救いだ。
 それでもベロリと皮が向けて、本人の苦痛はかなりある。
 何食わぬ顔をしているが、事件直後、数時間前に鎮痛剤を飲むまで司の額に脂汗が浮かんでいたのは傍にいた優紀が一番知っていた。
 こういった傷は馴染みがないだけによけいに辛い。
 司にしてみれば、殴る蹴るされた方がまだマシだったはずだ。
 桜子や滋などからすれば、かけられた硫酸が顔ではなくて手を焼いたのはせめてもの僥倖だったと、かなり真面目に安堵した。
 司の美貌はもはや、全人類の女性たちの財産、世界遺産なのだ。
 その世界遺産並みの美貌を危うく台無しにされそうになったのだから、女性陣の憤慨は大きい。
 妙なテンションの憤慨に、哀れな男性陣はなんのことだか理解できず、…こいつらだからな、の一言で、異様な雰囲気から若干身を引いていた。
 「でも、どうすんだよ。本当はこの後も日本でのスケジュールがあったんだろ?麻紀乃との一連の騒動についても、釈明会見開くって言ってたじゃねぇか」
 「まあな、あんなもん、ほっておけばそのうち沈静化するかとも思ってたが、こうなると放置してても百害あって一利なしだ。ちゃちゃっと、しゃべりてぇこと喋って、もそっとマスコミへの圧力強めてやっかと思ってたけど、まあ、どうせ、アメリカ帰ればまた似たような状態に逆戻りすっかもしんねぇからな。一々、あっちこちで顔だしてられるかよ、かったりぃ」
 数時間前に暴漢に襲われたというのに、司の緊張感ない態度に一同も、苦笑するしかない。
 おおらかというか、大人物というか、司に仕える道明寺ホールディングスの社員たちは、その豪放磊落な姿に、真のカリスマ性とやらを見出して、心酔しているらしいが、長年の友人たちからすれば、気紛れで自分勝手なために、周囲も自分の思い通りに動くと思っている傲慢さだと思うだけだ。
 だが、不思議にそんな司の思惑通りに動くことも珍しくなかったし、大人になった司は傲慢さだけではないリーダーシップも兼ね備えているように思う。
 本当に能天気に考えている時はほとんどなく、たいがいにおいて、綿密に計算していることがこの男を海千山千の経済界において、大きな存在とならしめていることを友人たちも理解していた。
 …野獣も揉まれて、獅子の本性で制圧するか。
 司の帰国の準備に追われて、傍を離れていた冴子がジェットの準備ができたことを伝えに戻ってきた。
 「本当に、お戻りになるのですか?」
 「おう、特に問題ないだろ?遠藤のジジイも俺様の寛大さと器のデカさに感じ入って、無事契約更新に承諾したし、渡日した当初の目的はすでに達成している。よけいな視察までやってやったんだから、誰も文句ねぇだろうよ」
 「しかし、滞在延長になった時点で、こちらで山積みになっていた案件についても査察なさると」
 「あー、やめやめ。そんな七面倒くせぇこと、誰がやるかよ。そのためにの社内改革だろ?この間、変革してやった組織で、十分対応できるはずなんだから、よけいな仕事まで俺にフルな。そもそも、俺がこっちに足止めになっている間に、NYでは俺がやるはずだった仕事が山積してるんだ。今頃、西田が手ぐすね引いて待ってんだろ?喜ばれこそすれ、恨まれる筋合いはねぇよ」
 確かに一端ではそうだったが、急な予定変更は各所に影響が出るのは必須だった。
 ましてや…。
 「機内でテレビカメラを用いての記者会見とは…」
 「別に問題ないだろ?俺様の美貌を今更、直接拝むんじゃねぇと我慢ならねぇつー、マスコミの奴らもいねえだろ。ようは、三文芝居の真実だか、俺様の反論とやらを聞きたいだけなんだから、音声だけでもいいようなもんを、顔出してやるっていうんだから文句言うな。選りすぐった何人かは、うちのジェットに乗せてやるんだし、それでいいだろ。その会見の映像をアメリカでも流してやれば一気に片付いて、問題解決だな」
 ケンモホロロな司の回答に、冴子が口を噤む。
 「…おいおい、記者たちの都合ってものもあるだろうに。アメリカまで連れて行って、トンボ帰りさせんのか?」
 「それくらい安いもんだろ?俺の取材がガッツリできるんだから。ただでさえ忙しいのに、チンタラやってられっか。どうせ、動けないんだから時間は有意義に使わねぇとな。帰りはまた送ってやるさ」
 忙しいくせに、NYへの帰国を速めた理由は女なのかよ、とあきらなどは内心で思いつつ、
 「だよね~。あっちも商売かもしれないけど、こっちだって商売なんだから。タイム イズ マネーだよね!」
 滋の的を外した相打ちにガックリと首が垂れた。
 「…なんか、違う気が」
 常識人のあきらを気の毒そうに見やりながらも、桜子が司に向き合う。
 「道明寺さん、おそらくF3の皆さんからもう聞いた言葉だとは思いますが」
 「…」
 無言で促す司に勇気を与えられ、
 「何があっても私たちは道明寺さんの…先輩の味方です。それだけは忘れないでください」
 「…伝えとく」
 柔らかく微笑む桜子の顔は本当に綺麗だった。
 美貌だと誰が言おうとつくし意外にまったく興味のない司だったが、そのつくしを想って微笑む桜子の顔は本当に美しいと司でも思った。
 …つくし関連だから、感慨があっただけかもしれないが。
 「じゃあ、司、優紀ちゃん」
 一同に見送られ、冴子と優紀を従えた司の姿が、道明寺家の自家用ジェットの機内へと消える。
 「…結局、総二郎のヤツ、見送り来なかったな」
 「そうだね、総君もイロイロあるし」
 「優紀さんはとっくに吹っ切ってるみたいですけどね。素敵な旦那さんらしいですよ」
 「女は逞しいからな」
 そのしみじみとした物言いに、一瞬鋭い視線を投げかけた滋と桜子だったが、あきらの苦労人じみた表情に顔を見合わせ、苦笑を交し合った。

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すごく面白いです!

初めまして♪先週こちらのブログを読んでたからすっかりファンになり、毎日ワクワクしながら拝読しています!今日ついにすべての作品を読み終わりました(*^^*)どの作品も大好きで、続きがすごーく気になります!!
これからも更新楽しみに待ってます♪応援してます!!
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