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「愛してる、そばにいて」
第5章 罰①

愛してる、そばにいて0340

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 「…お前には関係ねぇよ」
 ムッ不貞腐れて顔を背ける司の横顔に視線をあて、類が首を傾げる。
 「そ?なんか、俺の名前が出てたみたいだけど?」
 そのまま視線を流して、あきらへと目で問いかければ、あきらと顔を見合わせた総二郎が助け舟を出す。
 「…いや、ここんとこ引きこもってロクに顔見せなかったからよ、お前いいかげんどうするつもりだって、話してたところってだけ」
 「ふぅん?そのわりには剣呑な雰囲気だったんじゃない?」
 「そ、そういえば!この間といい今日といい、てっきり断られると思ってたのに、いやにあっさりお前、こっちに出てきたよな?」
 慌ててあきらも総二郎に加勢して、一時期の緊迫感を復活させまいと話題を反らす。
 司にしてみても、さきほど見せた誹謗を直接に類にぶつけるつもりはないのか、口を噤んで再び酒を煽り出した。
 …嵐の前の静けさってやつじゃなきゃ、いいけど。
 内心で荒れ始めた場の雰囲気に困惑しつつも、いつもと同様総二郎と共にあきらも何食わなさを装う。
 もっとも司の方はともかくとして、類の方はそんな彼らの内心などとっくに察しているのだろうが、彼もまた素知らぬ顔でマイペースを貫く。
 「…まあ、いいかげん屋敷に篭ってるのも飽きたし」
 「そ、そりゃそうだよな」
 「ああ。いくらでも気晴らしあんのに、寝るのとテレビ見るのだけで一日過ごしてるとか、どんだけもったいねぇ時間の使い方してんだよ」
 うんざり顔で、総二郎が指摘する。
 「それはそれで俺にとっては十分有意義だし、ずっとそれでも苦は感じないけどね。…それこそ、忠犬ハチ公ヨロシク静を待ってると思われても、バカみたいな話でしょ?」
 「……………」
 「……………」
 「……………」
 類の言葉に、一同沈黙する。
 そのままズバリではないが、まさに似たような話をさっきまでしていたのだからバツが悪い。
 もっとも、そう思ったのは総二郎とあきらだけのことだったようで、
 「…ふっ、お前の場合、マンマだろうよ」
 「「司っ!!」」
 毒を含んだ司の物言いに、当の類よりも他の二人の方がギョッとハモった。
 「……………」
 「それともなにか?今度こそ、スッパリ思い切ったとでも?」
 ギラギラと敵意のこもる司の眼差しを受ける類の方は、逆に静かに凪いで、そんな司を不思議そうに見て目を瞬かせる。 
 「なに?なんかお前、妙じゃない?ずいぶん、俺に敵意があるみたいだけど、どういうこと?」
 「…別に。ただガキの頃から、静、静。いつまでもウジウジと思い続けて、いいかげん見苦しいってんだよ!」
 「それこそお前にそんなこと言われる筋合いはないじゃん…ほっとけよ」
 傷もあらわに引き歪んだ複雑な顔をみせる親友の顔に、沸騰していた司の頭もわずかに冷えて、バツの悪さに顔を顰めてそっぽを向く。
 「いいかげんにしよけよ、司」
 「……………」
 たしなめる総二郎の言葉を無視してウンでもスンでもなく、喧嘩を売った司の方が完全にムクれてしまっている。
 「ハァ…マジで空気悪くなっちまったな。仕切り直しで、やっぱ店変えてどっかで女でもナンパしようぜ」
 あえて軽く言い放った総二郎を、司が睨みつける。
 「睨むな、司。総二郎の言う通り、そうしようぜ?男4人で雁首突き合わせて酒なんかかっくらってるから、殺伐とすんだよ。少し雰囲気変えた方がいい」
 「ナンパなんかしやがったらぶっ飛ばすぞ、お前ら」
 「いいじゃん、司……俺も総二郎たちに付き合うよ」
 「………っ」
 「類」 
 「類」
 いつもは司に並んで忌避する類までもが同意したことに、三人とも目を見張り、総二郎がぴゅう~ッと口笛を吹いた。
 「へぇ、類が同意するなんて、珍しいけどいい兆候じゃん?類でさえこう言ってんだ…司もたまには付き合えよ」
 「くだらねぇ、俺はごめんだ。…お前らがそのつもりなら、俺は帰る」
 手に持っていたグラスを叩きつけるようにしてテーブルに置いて、司がソファから立ち上がる。
 「待てよ、司。まんざらおフザケで言ってるわけでもねぇよ、俺らは。…お前、牧野にのめり込みすぎてんだよ。お前にとっていろいろ初めてづくしのことだ。気持ちもわからないじゃねぇが、思いつめるから極端に走る。少しはガス抜きしろ。女は牧野だけじゃない。あそこにも…」
 吹き抜けになっていて階下が見下ろせるホール側を総二郎が見下ろして、顎をしゃくる。
 「ほれ、そっちにも…お前がその気にさえなれば、いくらでもイイ女がお前に群がって気晴らしさせてくれるぜ?」
 「…ハッ、バッカじゃねぇの?俺はお前らじゃねぇんだ。誰がそんな薄汚ねぇメス豚どもなんかに群がられたいかよ、暇潰しにもなんねぇ」
 背を向けて出口へ向かう司の取り付く島もない態度に、総二郎とあきらが小さく息をつき諦める。
 どちらにせよ、親友とはいえ、これまで誰かに何かを言われたくらいで、司は自分の意志を曲げるようなことはなかったし、逆に反発して真逆をいく方が普通だった。
 元々忠告を受け入れるような男ではない。
 むしろそうした性質を幼馴染みの彼らはなおのこと熟知していたから、何を言っても無駄だとあえて目を瞑って見過ごすことがほとんどだったくらいで、こうして意見することの方が稀だったのだ。
 「ああ…そうだ。待ちなよ、司」
 「…………」
 呼び止める類の言葉に、司がわずかに振り向いて立ち止まる。
 「お前、…まだ牧野にちょっかいかけてるわけ?」
 「類っ」
 「…おい、類ぃ」
 ギョッと小さな声で総二郎とあきらが制止しかけるが、飛び出した名前に司が瞬時に反応した。
 「だったら、なんだっつーんだよ?」
 「それこそいいかげんにしとけよ。お前、女相手に、いつまで幼稚なイジメやってんだよ?」




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