「愛してる、そばにいて」
第5章 罰①

愛してる、そばにいて0336

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 「お前な…ロクに前戯もしないでいきなり突っ込んでんじゃねぇの?ちゃんと俺らがアドバイスしてやったとおり、丁寧に指や口で愛撫してやってんのか?」 
 これだから女に慣れてないヤツはと呆れる総二郎に、司がムッと返す。
 「あんまりあれこれやんのイヤがるんだよ」
 「なんだよ、それ。不感症っつーこと?」
 「……たぶん、違ぇけど」
 曖昧に司が首を傾げる。
 「ま、つい最近まで処女なら、そうすぐにヨがり狂うってこともねぇだろうから、そんなもんか」
 「やっぱ、そういうもんなのか?」
 ホッとわずかに息を吐き、司は安堵を滲ませる。
 が―――、
 「たぶん?」
 「…あ?」
 「処女なんて七面倒臭ぇ女、俺、ロクに相手したことねぇもん」
 「………………」
 いかにも任せろ的に自信満々に嘯いて、あれこれ話させたあげくの総二郎の頼りないセリフに、司のこめかみに青筋が浮かぶ。 
 「役にたたねぇな!千人斬りだなんだっつーのは、口から出まかせかよっ」
 「それはホント。…てか、お前自身も牧野が初めてなわけだし?お互い童貞処女じゃ、そりゃあ、いろいろハードルが高ぇだろ。それを俺のせいにされちゃ迷惑だっつーの」
 「……あんな女のことじゃねぇって言っただろ!?」
 ムクれて、またも空っ惚けだす司の態度に総二郎が苦笑する。
 「だから、それこそ他に誰がいるんだよって話だつーの。今まで女なんて一切寄せ付けもしなかったお前が、あれだけ牧野を連れ回して置いて」 
 「…ふん」
 「しかもお前、牧野に自分の指輪もさせてるだろ?…ソレも、ペアだよな?」
 ソレ、で、グラスを持つ司の左指にハマった指輪に視線をあて、総二郎が顎をしゃくる。
 「他の奴らが牧野に近づかねぇようにマーキングして、バリバリ牽制しまくってるくせに、なに意地張ってんだよ」
 「……………」
 司にしても隠すつもりではなかった。
 それどころか総二郎の言うとおり、周囲につくしが自分のものであるとあからさまに周知してきたくらいだ。
 誰も彼女に近づかせないように、…盗られないように。
 だが…。
 複雑な思いに、司がわずかに顔を顰める。
 「これだけ‘俺のモノ’アピールしておいて、まさかお前、他にも女がいるとか言うんじゃねぇだろうな?」
 「…なわけねぇだろ」
 「だよな?」
 どう見ても司は一つ穴タイプだ。
 いや、そもそも総二郎からしてみれば、いまだに、司が女に入れ込んでいること自体信じられないくらいなのだ。
 たしかにつくしとはまだそれほど付き合いが深くない総二郎にしてみても、彼女はいままで彼らの周囲にいたことがないタイプの女で、司が新鮮に思って惹かれるのもわからないではない。
 しかし、司は望めばどんな女だとて手に入れることができる男なのだ。
 …それがどうして、牧野なんだ?
 言い方は悪いが、司ほどの男がのめり込むほどの女にはとても思えなかった。
 それにどのみち―――。
 「…お、こっちにいたのかよ」
 背後からかかった聞き慣れた声に振り返れば、意外さの欠片もなく遅れてきたあきらだった。
 「なんだよ、遅かったな」
 「…よく言うぜ、急に呼び出したくせによ。こっちもちょうど予定してたデートがドタキャンになったから良かったものの」
 「ならいいじゃん。一々文句言うなよ」
 いけしゃあしゃあと悪びれない総二郎のいつもながらの身勝手な言い草に、あきらが苦笑する。
 あきらにしても、幼馴染みの言動には慣れっこだ。
 ドサッと総二郎の横に腰を落とし、司が飲んでいる酒瓶の銘柄に顔を顰める。 
 「なんだよ、珍しく司がいると思ったら、今時分からもうそんな強ぇ酒飲んでんのかよ。ぐでんぐでんに潰れたお前を、屋敷まで担いで帰るなんて俺はごめんだぜ?」
 そうは言うが、結局そうした役割や後始末を押し付けられてしまうのはあきらと相場が決まっている。
 「…これくらいで潰れるか」
 「そう願うけどな。――で?最近じゃ、すっかりお見限りで、滅多にこういうとこに顔出さなくなったお前が出てきてるのって、やっぱ例の話が本決まりで最後のハメ外しってヤツ?」
 あきらの言葉に、総二郎が怪訝に視線を向ける。
 「例の話?なんだよ、それ?」
 「お、総二郎、お前知らねぇの?」
 「……………」
 当の本人であるはずの司の顔も不審そうなのを見て、あきらが首を傾げた。
 「ありゃ、もしかしてガセかよ?」
 「…だから、なんだ?」
 「ちょっと、待て」
 通りがかったウェイターの姿に、あきらが軽く手を挙げ、合図を送る。
 「はい」
 「俺はウィスキー…ハイランドパーク持ってきて。あと、今日発売されたT●M●ある?」
 「…少々お待ちください」
 T●M●と言えば、世界最大の週間ニュース雑誌で、政治や経済のみならず、環境、文化、エンターテイメント、最新医療事情等、様々な分野の情報を発信し続けている海外誌だ。
 当然、そんなものを普通のバーやクラブで置いてあるはずもないのだが、この店は最近の総二郎とあきらのお気に入りで、ちょうど連れていた類が暇潰しを所望して以来、このT●M●を含め数種類の雑誌が置かれるようになっていた。
 「なんだよ?ずいぶん勿体ぶるじゃねぇか?」
 「…いや、そういうわけでもねぇんだけど」
 自身も携帯電話を取り出し、あきらがネットで何事かを検索しだす。
 「で?お前ら、なに話してたんだよ」
 総二郎が司を見て、司がギロっと総二郎の顔を見返す。
 「性少年のお悩み相談?」
 「はあ?」
 「総二郎!」
 「ふぅん?…お、あったあった」
 しかし、あきらが何事かを見つけ出したちょうど同じタイミングで、注文された酒と雑誌を持ったウェイターが戻ってくる。
 「こちらをどうぞ」
 「サンクス。これだよ、これ」
 受け取った雑誌をパラパラっと捲り、覗き込んでいる総二郎と、あまり興味がなさそうな司へとあきらが見開いてみせる。
 そこには―――、
 「道明寺財閥子息と大河原財閥令嬢婚約…へえ?司、お前、婚約したんか?」




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