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愛妻生活…7話完

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 歴史と重厚さを感じさせる佇まいのハロッズ・デパート。
 イギリス最大の老舗高級百貨店の名に恥じない広大な売り場面積に所狭しと並べられた豊富な品揃え。
 宮殿みたいな建物を仰ぎ見て、ホウ~とため息。
 「なんだか凄いなぁ」
 「なにが?」
 あたしの肩を抱いて、面白そうにあたしを見ている美作さんはともかくとして、あたしの様子はいかにも何を見ても珍しがってるお上りさんそのものなんだろうなぁ。
 でも、あたしだけじゃなくって、そこかしこのいかにも観光客っていう感じの人たちも似たような感じだから、別にこれが普通の感覚よね?
 「いや、テレビとかで出てる有名な外国のデパートに来てるんだ、とか思ったら、なんか感動しちゃってね」 
 「ぷっ、つくしは何を見ても、感動するんだな」
 「そう?」
 「ああ。俺たちのアパートメントでもそうだったろ?」
 「…まあ、それはねぇ」
 一般庶民とは異なる価値観を持つこの人にあれこれ説明してもわからないだろうけど、たぶん普通の人は、あのどこの高級ホテルのスウィートルームなんだよっ、て感じの部屋を見たら引いてしまって驚くと思う。
 人間、高望みするにしてもねぇ。
 分不相応もそこまで言っちゃうと、ひたすら萎縮しちゃうだけなんだよね。
 ハァ~。
 それでも、過去に滋さん所有の億ションに住んだ経験もあるから、まだ免疫があるのかも?
 「とりあえず、外見だけでなく中も見てみよう?」
 「あ、うん」
 促されて、中へと足を進めて、そこでまた口をポカンと開けて周囲を見回しては、同じような感慨を抱く。
 そして、一際異彩を放ってるエスカレーターに目が点。
 なに、あれ?
 ここってイギリスよね?
 なぜかエジプト風のエスカレーターを眺めて、目をパチクリさせてしまった。
 ま、まあ、これも一つの思い出として、置いておいて…。
 「そういえばね」
 「うん?」
 「なんとな~くなんだけど、ハロッズの建物って銀座の三越と印象が似てない?あ、外観ね?」
 別に懐かしいというほど、三越デパートだってロクに利用したことなんてないけど、あたしだって、何度か友達と見て回ったことくらいある。
 「ああ、冴えてるよ」
 「え?」
 ポンポンって小さく頭を叩かれて、エスカレーターではなくエレベーターへと導かれる。
 「トイレは大丈夫か?」なんて聞かれながら、日本とは違う階数表示を物珍しく眺めた。
 そういえば、こっちって、一階は一階じゃないんだよね。
 あ~なんかややこしい言い方だけど、日本みたいに地上にある階が一階なんじゃなくって、地上階→1階って、日本では2階にあたるところが1階だから、ちょっとややこしい。
 一応は日本を発つ前に、あれこれ仕入れてきた知識を思い浮かべる。
 「もともと三越デパートは、ハロッズをモデルにしてるんだよ」
 「え~そうなんだ?」
 あれこれと雑談しているうちに3Fのフロアへ。
 あきらが買い物をするって言ってたから、てっきり高級ブランドショップのフロアを目指してるんだとばかり思ってたけど。
 「ソファとか大型の家具類は、すでにインテリアデザイナーを入れちゃってるからさ」
 「うん?」
 「せめて、キッチン用品とか、細々した小物なんかをお前に選んで貰えたらなって思ったんだ」
 はにかむようにして微笑む王子様のキラースマイルが目に眩しい。
 い、いったい、これ以上、あたしをどうするつもりなのよっ。
 なんとかそんな、絶叫したい誘惑を振り払う。
 「雑貨ってでも、必要なものは一通り揃ってるんでしょ?」
 そもそもだからこそ、裸一貫手ぶらでイギリスにおいでって言われて、まさにそのまんま、ほとんどのものを東京で処分して来ちゃったわけだし。
 「まあね。でも、これからは俺だけの城じゃなく、お前の城にもなるわけだから、二人のカラーを少しづつ合わせて行きたいんだ」
 「…あきら」
 「それに、昔からカカア天下の方が上手くいくって言うだろ?」
 「………」
 微っ妙~。
 つい黙り込んでしまう。
 そんなあたしを見て、何を誤解したのか、
 「もちろん家具や電化製品とかも、好きなようにお前のセンスで変えてもらって構わないけど?」
 「いや!今のままで十分だよ。凄い素敵だしっ」
 あんな凄いところの家具を選ぶとか、あたしにはとてもできない。
 それ以前に、好きなように変えるって、すでにあるあの手に触れるのも怖いような超高級家具の数々はいったいどうするつもりなのよ?
 ま、まさか、捨てちゃうとか?
 …ありえそうだ。ひ~。
 「東京の屋敷だと、お袋のセンスが牛耳ってるからな」
 「…ぷっ」
 フリフリレースとバラのお花の世界が、思い浮かんでつい吹き出してしまった。
 苦虫を潰したような顔のあきらも同じことが思い浮かんだんだよね、きっと。
 「ほら、これなんてどう?」
 あきらが手にとったのは、どこかの三ツ星レストランの料理かなんかが乗っていそうな、超高そうな高級洋食器。
 …いったい、あんた、どんな料理をあたしに期待してるわけ?



*****



 ひとしきりあれこれと見回って、結局あたしが選んだのは、何組かの普段使いのお皿とマグカップだけ。
 それだって、あたしが普段使うようなものとは雲泥の価格帯。
 …これ、割っちゃったりしたら凄い泣けるだろうな。
 なんて。
 「これだけでよかったのか?」
 「うん、だって、ある程度の食器はもう揃ってるし、この先もお客さんが来たりとかって特にないよね?」
 「まぁ、そう…かな」
 首を傾げて、ちょっと言葉に迷った風のあきらに、ハッと気がついた。
 「えっと、もしかして、仕事関係の人を招いてホームパーティとかある?」
 「いや、一般社員とは違って、何かしら催すことがあっても、滅多に自宅でやることはないから大丈夫。今のところ、まだそこまで内輪の付き合いをするような相手はこっちじゃいないしな」
 「そうなの?気を使ってるなら…」
 あきらの力になれるような実家の力もなく、専業主婦であきらにまるっと養われることになるんだから、せめてあたしなりに協力できることがあれば頑張りたいと意気込んでしまう。
 握っていた手に、チュッとキスを落とされて、つい周囲を見回してしまった。
 「…ちょっと、あきら」
 「これくらい平気だよ。第一誰も見てないし?」
 「もうっ」
 日本に比べれば海外の方がオープンだとは言われてるけど、それでも大勢の人の前でのキスやイチャつきはイギリスでは敬遠されると聞く。
 そうでなくても、あきらは普通の人じゃないんだもの。
 どこで彼の素性を知っている人がいるとも限らない。
 「日本人に比べればパーティ好きなお国柄だけあって、派手にやるのも好まれるから、やる時は高級ホテルの広間とかを借りきってのアフタヌーンティパーティとかそっちの方が多いよ」
 「そうなんだ」
 「それより、あいつらがそのうち押しかけてくるかな、って思ったからさ」
 「あいつら?…あいつらって」
 誰?と聞きかけて、鈍いあたしもすぐに気がついた。
 道明寺はNYだし、類はたしか今ロシアだっけ?西門さんと桜子は日本だし、滋さんは中東と日本を行き来してる。
 いや、まあね、そりゃあないとは言わないけど、そんなご近所じゃないんだから、おいそれとは来れないでしょ?
 それどころか、普通の人より断然多忙な人たちだ。
 来ないよね?
 …来るかも、うーん。
 「アフタヌーンといえば、そろそろいい時間だな。外におススメのカフェがあるんだ。ケーキでも食べる?」
 あきらのお誘いに、すぐにあたしの頭も切り替わって、速攻飛びつく。
 「うん!食べる食べるっ!」
 世界各地にいる友人たちのことは、すでに脳裏から消え去っていた。
 え?薄情?
 うーん、そうかなぁ。



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俺が一番って思っているらしい

「あきらのヤツ、『あいつらが来るから』ってイヤそうに言ってるぜ」
「お望み通り、行ってやってもかまわねえぞ。あきらのいねえ時にな」
「俺が一番近い。スグ行ける」
「お前、ロシアっつっても、日本寄りのシベリアだろう。大西洋こそあっけど、NYの俺のが近けえよ」
「けど、司は、仕事でがんじがらめじゃん。フットワークじゃ俺のが上だから」
「ふふん、二人とも、自由人の俺の事忘れてねえ?もうすぐ、ティーオブワールドっつー国際的な催事がロンドンであんだよ」
「総二郎、得意そうでムカつく」
「おうおう、俺様を差し置いて、ロンドンに行くんじゃねーぞ」
「痛ってー、司、何すんだよ」
「足りない・・・」
「あ、こら、類ッ!てめえも、何すんだよ」
「痛いな総二郎!そんなに強くたたいてないのに、倍返しやめてよ」
「痛ってえええ、お前こそ、さらに倍返しすんな、あ、こら司、蹴とばすんじゃねええええ」
「痛てッ!何、キックすんだよ」
「お前が最初に手え出したんだろう」
「憎たらしいこと言うから悪いんデショ。」
「あたッ!やめろおおお」
「うっせー」
「痛ッ!司、俺まで殴ることないじゃん」
「ぐえッ!類、卑怯だぞ。」
「何言ってんの、お前らサイテー」
「お前だって、ずるいことしてんじゃねえか」
「やめろって」
「痛いって」
「うおおおおおふざけんなああああ」

なんか内輪もめしてます・・・

いやぁ、コメントが面白くて…
おっ、三人やっぱり出てくる?笑
絶対ひがんでますよ~?
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