「中・短編^」
愛妻生活…7話完

愛妻生活3

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 「ハァ、ハァ、ハァ、ハァ、ハァ」
 息の荒いあたしの横に寝そべって、あきらがあたしの汗に濡れた髪を梳いたり、裸の背中を撫でて労わってくれる。
 「つくし、大丈夫か?」
 「……………」
 し、信じられない。
 「……つくし?」
 あたしがあきらに背中を向けたまま、そっぽを向いてると覆いかぶさるようにして顔を覗き込んでくる。
 その視線を避けて、あたしはなおいっそう枕に顔を埋めた。
 「どうしたの?イヤだった?」
 「…………」
 「つくし?」
 心配そうな声音に、さすがにいつまでも黙っていられずに、なんとか蚊が泣くような声を絞り出した。
 「あたし、…は、恥ずかしい」
 …あたしだけ、あんなに感じちゃって。
 しかも、最中は夢中で気がつかなかったけど、あたしったら実家を出る前にシャワーを浴びたっきりで、それからもう十何時間も経っているんだよ?
 いくらまだ肌寒い時期で、それほど汗をかいてはいなかったとは言え、そんな状態で舐められたりとか、もう恥ずかしすぎて死ねそうだ。
 しかも、あたしだけ脱がされて、あきらなんてスラックスどころかシャツも着たままで、ほとんど衣類も乱してない。
 それなのにあたしだけ追い上げられて、感じてしまって…イ、イっちゃったなんて、もう。
 「はぁ~」
 あきらのため息が聞こえた。
 あきらにも呆れられちゃったのかな。
 もしかして、凄い淫乱だとか思われちゃった?
 こんなことで…って自分でも思うけど、なんだか妊娠がわかってから情緒不安定なのか、些細なことで涙ぐんでしまいそうになる。
 でも――、
 「…ごめん」
 あきらの謝る言葉に驚いて、ハッと振り返る。
 「やっとこっち向いてくれた」
 その言葉に慌ててまた顔を伏せようとしたけど、大きな手を頬にあてられ固定されてしまって、あきらから視線を反らせなくなってしまった。
 ベッドに下ろされた時みたいに、コツンって額に額を合わせて目を覗き込まれてしまう。
 「目を反らさないで」
 「…だって」
 「つくしを傷つけるつもりじゃなかったんだ」
 その言葉に、あたしは内心首を傾げた。
 「…傷ついたわけじゃないんだけど」
 それは本当。
 あきらがすることで、あたしが傷つけられたことはこれまでなかった。
 今も、これまでも。
 ただ恥ずかしくて、ただ居た堪れないだけ。
 「恥ずかしかった?」
 「………うん」
 「ごめんね、つくしが人一倍恥ずかしがり屋だってこと失念してたよ」
 そんなことを言われてしまうと、あたしも困ってしまう。
 あたしだってもう20代も半ばを過ぎて、恋人と…今は旦那さんだけど、あきらとあれこれイロイロなことをしてきて、妊娠までしちゃってるんだもん。
 いまさらカマトトぶって、ウブを気取るつもりはなかった。
 「ただ、つくしを感じたかったんだ」
 「……でも」
 それならなんで…。
 そこから先を口にするのは、あたしには難しくて口ごもってしまう。
 それでも、あきらは察してくれたらしいけど、それならどうしてそんなに困ったみたいな複雑な顔をするの?
 「さんざんがっついててなんだけどさ。…ほら、いまここに」
 ここに…であたしのお腹に手を回して。
 「赤ちゃんがいるじゃない?」
 「あ、…うん」
 でも、今は安定期に入ってるから、無理をしない程度なら、え~その夜の生活を再開させても大丈夫だって、お医者さまには伺っていたし、そのことはあきらも承知していたはずだのに。
 そもそも、慎重なあきらがそうと知らずに、…っていうのはありえない。
 気遣いの人なんだもん。
 それに始める前にだって、ちゃんと何度も、大丈夫かって聞いてくれたじゃない?
 いつも以上にソフトなタッチに焦らされたり、意地悪されてるのかと思ってしまったくらいに。
 その時にも、慎重になっちゃうって言ってくれてたけど…。
 「シャワー浴びて、ちゃんとお互い綺麗にして…とか、そういう余裕がなかったからさ」
 「…あ」
 あたしったら、汚いままであきらに愛されたのが恥ずかしいとか、もっとそれ以上に重要なことがあったのに。
 こんなことを失念するなんて、と自己嫌悪に陥った。
 「こら、ここはつくしが落ち込むところじゃないだろ?」
 「……だって」
 「とにかく、……俺もお前の中に入りたいし、もっと、ちゃんと味わいたいんだよ?すっごくね」
 ストレートな言葉にさっきとは違う恥ずかしさで、視線が彷徨ってしまう。
 「でも、さすがに真昼間からそこまで準備万端で頑張っちゃうと、どう考えても、このあと外出なんて無理だろ?それならよしておけば良かったんだけど、どうしても我慢できなかったからさ。…ごめんな」
 …も、もうあたしは何もそれ以上言い募れなかった。
 だって、猛烈に恥ずかしいのよっ!



*****



 「ふわぁ、なんていうか、ロンドンって意外に緑が多いんだね?」
 美作さん…じゃなかった、あきらの運転する車の助手席に乗って、クロムウェル・ロードを走る。
 あきらの運転は、普段の彼の性格どおりにとても慎重で丁寧で、まったくハラハラさせられたり心配するようなことがなかった。
 普段、運転手さんつきの車に乗っていて、ほとんど自分で運転するようなことってないんだろうになぁ。
 車窓から見るロンドンの街は、日本とはまるで違う外国なんだってことはわかってるけど、東京都とは百八十度違う景観に車の窓から興味深くキョロキョロと周囲を見回した。
 緑もそうだけど…、なんていうか、意外に高層ビルが少ないんだよね。
 あたしの大都市のイメージはやっぱり新宿とか銀座、六本木あたりかな。
 美作さんのペントハウスでさえ、ここらではかなり高層な部類に入る感じだ。
 「ロンドンには一般公開されてる8つの王立公園だけじゃなく、たくさんの公園が点在してるんだ」
 少し車で走っただけでも、もういくつも小さな公園に出くわした。
 「ロンドンの人たちは、ランチ休憩や散歩、息抜きにとよく公園を利用してるよ」
 「へぇ」
 ついつい少し先に見える緑の深い大公園を物干しげに見てしまう。
 観光で短期間滞在するわけじゃないんだから、いつでも行く機会はあるのにね。
 クスリと笑う声に横を振り向けば、チラッと流し見られてあきらに笑われていた。
 「…なに?また子供みたいにあれこれしたがって、とか思ってる?」
 「いや、お姫様はハイドパークがいたく気になる様子だなって思っただけ」
 「だって…」
 やっぱりロンドンといえば、ハイドパークや大英博物館でしょう。
 バッキンガム宮殿だって見てみたいし、もちろんこれから行く予定のハロッズデパートにだって行ってみたかった。
 ただし、ハロッズではあくまでも見学…買い物目的じゃないところがなんとも。
 観光じゃなくったって、そこはね、やっぱり押さえたいじゃない?
 「もし明日朝早く起きれるようなら、朝食の前に一緒に少し散歩しようか?」
 「え?いいの?」
 あきらは明日、普通に出勤のはずだ。
 「もちろん。ロンドン支社までは歩いてでも行ける距離だしね。明日は特に早朝会議は入ってないから、気にしてくれなくて大丈夫」
 「え?歩いて?」
 明日あきらと一緒に散歩できる嬉しさに歓声を上げかけて、意外なセリフに驚いた。
 「そ、こっちじゃけっこう俺もチューブ(※地下鉄)を利用してるし、あまり車に乗らないかな。街中を縦横無断に路線が走ってるから、そっちの方が便利なんだよ」
 「そうなんだぁ」
 ほほ~。 
 変われば変わるものだと感心してしまって、ついジロジロと横顔を眺めていたら、なんだか頬をほんのりと赤く染めて、あたしの顔へと手を伸ばして強引に顔を背けさせられてしまった。
 ありゃ、珍しい。
 もしかして、照れてる?
 「そんなことでマジマジ見るなよ。お前今、モロ子供の成長を見守る近所のオバサン的眼差しだぞ」
 「………」



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~ Comment ~

ひぃぃぃっ!
私も恥ずかしくて死ねる。。。
なんだろう、美作氏からこういう言葉をストレートに言われるのが、一番照れる気がする。。。

なんか普通に出産の時にもお股の方に立ちそうで心配、、、笑
で、つくしに怒られる、と。
つくし以上に張り切って、でも途中で苦しくなって退場した後、生まれる間際にまた復活してそう…
そんなイメージです笑

まだのぞき見してる3人

「あきら、さかってんじゃねーよ」
「こいつ、類以上に策士だな」
「一緒にしないでよ。俺、ここまで悪辣じゃないし」
「悪拉致?そうだな、あきらのヤツ、牧野を拉致しやがって」
「司、悪辣だ。それとお前、鼻血の跡、なんとかしてこいよ」
「気にしねえよ。そんなことの始末しているウチに、あきらのヤローが、またなんか牧野に悪さすっかもしれねえだろう?」
「いや、俺が気になるんだよ。何気にホラーっててよ」
「ホラ?俺が嘘つきまくるってか?総二郎、こんな危機に嘘つきまくってどうすんだ?」
「お前なああ・・・はあ・・・」
「ウルサイよ二人とも。またあきらがなんか企んでる。しっかり見張らないと」
「「だったな」」

このコメント続く・・・らしい・・・

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