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愛人~2016年夏

Fake Out~真情~ 【総二郎×つくし】

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※写真:by ulyankina
愛人

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 R18です。
 パスなし、隠しなしですので、18歳未満の方、苦手な方ご注意をm_ _m
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 「好きだ、愛してる」
 何度も何度も囁かれる愛の言葉に涙が溢れる。
 たとえ、その言葉が、一時の錯覚。
 まるで獣のオスがテリトリーを犯されたことで、あらためて支配権を主張するようなものであったとしても…。
 …待ってた。
 総二郎の関心が再び彼女に戻ってくるのを、ずっと待っていたのだ。
 伸ばした指先が、総二郎の熱い口腔内に含まれ、ねっとりと舐め上げられる。
 「あぁっ…ん、ハッ」
 胎内に埋め込まれた楔を知らぬ間に締め上げて、ゆるゆると揺すぶられる度に、背筋を凄まじい快感が走り抜け、頭の中に白い火花を散らす。
 まるで観察するかのように、そんな彼女の痴態を、淫蕩な目で視姦する彼の視線だけで全身が痺れて欲情が止まらなかった。
 ゆったりと突き上げながら、総二郎の指先が互いに繋がったところをやわやわと揉み込んでは、悪戯に彼女の快楽の花芽を擦り上げ身悶えさせる。
 「あっ………ぁあ…」
 細く長く悦楽の声を上げて、つくしは啼き咽ぶ。
 「…あんなヤツにお前を奪われるくらいなら、絶対に離さない」
 「あ……ぁ…そ、総」
 溢れる涙を総二郎が、吸い取って舐めてくれる。
 しがみついた指の爪先が、悦楽の深さに総二郎の素肌を切り裂き、赤い血を飛沫かせた。
 「…離さないで」
 「つくし」
 「お願い。もう、あたしを一人にしないで…。他の女を見ないで」
 ずっと言えなかった言葉が、口をついて止まらない。
 …あんたの愛が見なくて、寂しくて、苦しかった。
 それでもこの場所を誰にも明け渡したくなかった。
 だから未練だとわかっていても、この場所に縋り付いたのだ。
 たとえ愛は総二郎の心から消え失せていたとしても、彼が『妻』の元を去ることはないだろうから。
 もう愛されていないのなら、自ら潔く去るべきだとわかっていたのに。
 両腕を伸ばして、総二郎の頭をかき抱き、何度も懇願する。
 「もうどこにも行かないで…お願いだから」
 それを叶えることができないのというのならば、いっそ。
 「つくし…、つくし、つくしっ」
 「ああ、ああぁっ」
 お前など二度とと見たくはないと、完全に捨て去って欲しい。
 …あたしにもう、叶わぬ夢を見させないで。



*****



 しっとりと汗ばんだ体を抱きしめ合いながら、温もりを分け合い寄り添う。
 久しぶりに満たされた時間。
 どんなに辛いことがあっても、苦しくても、この温もりがあれば耐えられた。
 一人ではないと慰められた日々。
 それなのに、そんな彼女を総二郎が裏切って、俺が埋めてやると言った穴を更に広げ、一人置き捨てた。
 「……ひどい男」
 叫びすぎて掠れた声音には、あきらかな女の甘えが滲んでいた。
 ゆるゆると汗ばんだ彼女の腰のあたりを撫でていた総二郎の腕が、ギュッとつくしの華奢な体を抱き込んで、これまでの自分の不義理を謝るかのように優しく包み込む。
 いつもは意地を張ってしまうつくしも、総二郎の胸に素直に頬を寄せて、彼に愛された喜びにトロンとした目を潤ませ、ほんのりと微笑む。
 たまらない愛しさに突き動かされ、彼女を抱く総二郎の腕に一層の力が篭った。
 しかし、ゆっくりとその腕を離して体を起こし、掛布代わりにかけていた自分とつくしの羽織や長着を、彼女にかけ直して座り込む。
 「…ねえ、寒くないの?」
 「お前と激しい運動したからな」
 「もうっ!」
 真面目に心配したのに、ニヤリと笑ってからかうようなセリフを言う総二郎の裸の背中をピシャリと叩く。
 「痛てぇな」という顔は子供みたいで、そんな彼の顔を久しぶりに見たつくしの目尻に再び涙が滲む。
 …あたしったらヤダ。
 「…つくし」
 「やぁね、年取るとあっちこちいろいろ緩くなっちゃうのよ」
 「どういう言い訳だよ。お前はバアさんか」
 苦笑する総二郎がそれでもつくしの気持ちを察して、彼女の言い訳をサラリと流し、長着から出てしまっている肩や手を労わるように撫でてくれる。
 「なあ、つくし」
 「…なぁに?」
 総二郎の手の温もりが気持ちいいと、うっとりと目を瞑って、まるで子守唄のように彼の優しい声音に耳を傾ける。
 だから…その言葉が、彼の口から飛び出したことが信じられない。
 「俺と、別れるか?」
 「っ!?」
 

 
*****



 「はぁ~、よく晴れたなぁ」
 すっかり葉桜に変わった桜の木を眺めて嘆息する。
 もう二日、いや、一日早くここへと来れたら、満開の桜が見れただろうに。
 「お母さんっ!」
 彼女の娘にしては幼い女の子が、つくしの手を取り、こっちこっち、と引っ張った。
 「こら、そんな風にお母さんの手を引っ張ったらダメだろ」
 娘のすぐ後からついてきた初老の美男の姿に、つくしが柔らかく微笑む。
 「…総」
 あれから15年、総二郎とつくしの間にもさまざまな出来事があり、行き過ぎ、困難を乗り超えた。



*****




 「造精機能障害」
 「造精機能障害?」
 聞きなれない単語に、最初、つくしは総二郎が何を言い出したのかわからなかった。
 それは、男性不妊の病名の単語だと気がついたのは、総二郎がその詳しい状態を説明し始めてからだ。
 「別名というか、俺の場合はその中でも特に重い無精子症ってやつだな」
 「む…せいし…症」
 総二郎とつくしの夫婦が結婚して3年目のこと。
 何の問題ない夫婦であれば、そろそろ子供をと、世間が言い出す頃合だ。
 実際、つくしたち夫婦の場合もそうだった。
 理解ある姑も、心密かに二人の間に孫が誕生するのを心待ちにしていたことを知っている。
 「お前、あの頃、周囲の期待がけっこうなプレッシャーだっただろ?」
 普通の家でさえよく聞く話で、一般庶民の出でありながら、世間でも名高い名家に嫁いだつくしであればなおさらのことだ。
 「最初は軽い気持ちだったんだけどな」
 総二郎は語る。
 情報の行き渡った今の世の中、不妊の原因が女性側だけにあるわけではないことは衆人の知るところであり、また女性に比べてそれらを調べる検査は、心理的抵抗を除けば男性の方が遥かに楽なのだ。
 自分に問題がなかったら二人で不妊外来なり、折を見てつくしと話し合って行こうと思っていたらしい。
 「…俺はこんな身の上の男だからな」
 すべてはそこに起因していた。
 しかも…。
 「ガキができないならできないで、いっそまったく可能性がないっていう方が話は簡単だったんだが…」
 総二郎の場合はそうではなかった。
 極めて確率は低くなるし、自然妊娠はありえない。
 しかし、彼の場合、精液中には精子は存在しなかったけれど、精巣内にはわずかといえ精子が存在したのだ。
 「自然妊娠はありえないし、顕微授精とか高度な治療が必要になってくる」
 当然そうした治療は女性側に多大な負担を強いるし、努力したとしても、必ずしも子供ができるとは限らないのが、不妊治療の現実だった。
 しかし―――、
 「それがなんで、あんたが愛人作って浮気したり、あたしを無視したりとかそういう話になってくるのよ…」 
 納得できない。
 ブルブルと拳を震わせ、総二郎の背中を平手打ちする。
 ピシャリッ。
 かなり痛そうな音を立てたが、今度は総二郎も文句を言わすにあえて、その痛みを受け入れた。
 「……離婚してやろうと思ったんだよ」
 「離婚?」
 「ただでさえ庶民の出のお前をとやかく言う輩は後を絶たない。それなのに、俺らの間に子供ができないとなったら、絶対にお前の責任にされる」
 「………」
 「家のことはいざとなれば養子をとるなり、家督を涼に継がせるなりすれば済むことだが…」
 「そんなのダメよっ!」
 養子のことはともかくとして、茶の世界に生まれて、本来は長男ではないにも関わらず、家を出た兄に変わってその責務を一心に背負って努力してきた総二郎の苦労を、つくしが知らないわけがなかった。
 「…そう言うと思ったんだよな」
 そして、おそらく事情を正直に話しても、つくしは黙って苦渋を耐え、彼を支えてどこまでもついてきたことだろう。
 「俺が浮気三昧、お前に冷たいとなったら、周囲の連中だって誰もお前を悪くいうやつなんていないだろ?」
 離婚に際しても、つくしに有利になることは目に見えて明らかだ。
 そして、実際に今現在も、彼女が望んだのなら、離婚は容易だっただろう。
 しかし、総二郎の障害を公表した上での離婚となれば、西門家のメンツだけでなく、夫を見捨てたとつくしも責められたに違いない。
 すべては彼女が他人に責められることなく、新しい人生を歩んで、幸福な家庭を手に入れられるように。
 愛する女には、たくさんの家族に囲まれて幸せになって欲しい、それが総二郎のせめてもの願いだったから。
 つくしの目から滂沱の涙が溢れた。
 愛されていた。
 大切にされていた。
 けれど、このバカな男はその気遣いを間違った方向へと使っていたのだ。
 「…ごめん、泣くなよ。つくし」
 泣き咽ぶつくしの体を総二郎は引き上げ、腕の中に囲い込んで、お前が愛しいとその背を撫で慰める。
 「バカ」
 「ああ」
 「バカ、アホ、あんぽんたん!」
 「……そうだな」
 つくしの悪態を、総二郎は黙って受け入れた。
 それだけの苦悩を与えてきたのだし、一緒に幸せになろうと言った彼女との約束を違えて、裏切り続けてきたのだから。
 そして、さらには救いがたいことに、それだけ彼女を不幸へと落とし込んでおきながら、結局はエゴゆえに自分の心を見せずにはいられなかった。
 いまさらだ。
 本当にいまさらだ。
 たとえ、彼女がもう総二郎に愛想をつかせたとしても…。
 …仕方ねぇよ。
 本当にそう思う。
 「あんたなんて、あんたみたいな男なんて…っ」
 「…………」
 「絶対、離婚してあげないんだから!」
 「………」
 「石に齧り付いたって、あんたに付きまとってやる!」
 「…つくし」
 「今度あたしを裏切って、他の女に走ったりしたら、もう二度と女を抱けない体にしてやるんだからね!」
 「……ぷっ、はは…ははは」
 笑う総二郎をつくしが睨めつける。
 「本気よ」
 「ああ、わかってる。わかってるよ」
 わずかに震える総二郎の声は、湿っていただろうか。
 つくしがそんな言葉で彼を赦してくれたことがわかったから。
 彼女はそんな女だった。
 彼女は雑草。
 踏まれても、虐げられても、真っ直ぐで強くてしなやかで…。
 「もう二度とお前を裏切ったりしない。今度こそ、永遠に一緒にいよう。お前だけだ…愛してる、つくし」



*****



 「あれ?そういえば、優はどうしたの?」
 愛する夫と娘の後ろに息子の姿を探すつくしの視線の先、総二郎の父と母の手に手を繋がれて笑う子供の姿に、微笑むつくしの顔は、…それはそれは幸せそうに輝いていた。



~FIN~
 



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総ちゃんのバカ、アホ、あんぽんたん!!!
この不器用一直線!!!
私でも激怒してますね笑
間男がろくでもないやつで助かりましたね。

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