「だから今日も I'm so happy…百回分の花をあなたに」
あきら

君の声を聞かせて?

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~だから今日も I'm so happy~


 「へぇ、彼氏?」
 同じ部署の同僚、美和の携帯に群がって、みんなで覗き込んで燥ぐ。
 携帯の画像は当の美和と、その美和を抱きしめて楽しそうに笑う男性の写真。
 「海外事業部の江崎さんだよね?」
 「そう」
 「じゃあ、遠距離なんだ。何年?」
 「3年かなぁ」
 「ええ~凄ぉ~い」
 思わず感心して、あたしも皆と一緒に歓声を上げてしまった。
 …そっか、遠距離でもちゃんと別れたりしないで頑張れるんだな。
 思うともなく、そんなことを思う。
 「えっちゃんも社外に彼氏いるよね?」
 「うん、合コンで知り合った人。付き合ってまだ半年だけどね」
 「「「へぇ~」」」
 「牧野は?」
 …うは。
 逃げるタイミングを逃して、お鉢が回ってきてしまった。
 普通だったら別に隠すことじゃないんだろうけど…付き合ってる相手が相手だからな。
 「え~」
 「いるよね?」
 「……まあ」
 そのとおりだけど、確信を持って言われる理由が思い当たらない。
 「え?牧野っているの?」
 それでもどうやらいないと思ってた子と二分しているらしい。
 「この子はいるって」
 「え~、あたしもてっきりいないと思ってた」
 そんな意外な顔をされるのもある意味心外だけど、まあ、道明寺と付き合ってた頃も、彼氏持ちだとめったに気がつかれなかったから、むしろズバリ言い当てられたことの方が意外だ。
 「だって、この子の時計見てみなよ」
 …あ~。
 その一言で、なんだかわかった気がする。
 さすがに目敏いっていうか、鋭いな。
 「一見シャレっ気なさそうな子なのに、時計とかバッグとか、なにげにセンスのいいブランド品持ってたりするじゃん、この子」
 「そういえば!」
 「たまに社外で会ったりしても、どう見ても男からのプレゼントだろうなっていう高級ブランドの限定品持ってたりするし、これが元々、完全武装したブランドマニアな女ならわかるけどね。そうかと思うと平気で100均で買ったようなノンブランドのハンカチや筆袋使ってたり、チグハグなのよ。牧野ってさ、ケチじゃないけど、けっこうお財布の紐硬いよね?」
 「ははは…」
 それは確かだ。
 必要なものにはお金も使うけど、これも貧乏時代の習い症か、いまだに無駄なことにお金は使いたくない。
 「絶対、これはお金持ってる男がついてて、かなり貢がれてるな、って思ってたもん。どう?」
 「…うーん」
 貢がれてる…そう言われても仕方がないところではある。
 なんていうか、美作さんって上手いんだよね。
 さすがは不倫で鳴らした百戦錬磨の人だから?
 昔、道明寺と付き合ってた頃、あれやこれやと高価なものを当然のように雨霰と贈られたりもした。
 あの頃は、ほとんど受け取ることがなかったあたしだけど、美作さんからのプレゼントは上手く断ることができずに、結局甘えてしまうことが多い。 
 この時計も本当だったら、あたしみたいな一介のOLが身につけていられるようなものじゃない。 
 派手さがないから、チラッと見ただけじゃわからないと思うけど、知る人ぞ知る、セレブ御用達の限定モデルの時計だとかで、もしかしたら車の一台も買えるかもしれないという恐ろしい代物。
 そんな物をあたしが身につけていられるのは、そのわりにはまあ、おとなしめのデザインだということもあったし、むしろ逆にあたしみたいなOLがそんな高価な時計を身につけているなんて誰も思わないだろうって、説得されちゃったわけなんだよね。
 これって元々は美作さんのお父さんが結婚記念日のプレゼントにって、お母さんとペアで注文した時計だったとか。
 でも、そのお祝いに、美作さんのおばあさま…お父さんのお母さんから、別の時計を贈られてしまった為にダブってしまい、せっかくだからと、お母さんがあたしたちに下さったんだよね。
 もちろん最初は遠慮したけど、美作さんにならともかく、美作さんのお父さんやお母さんからの好意を断ることなんて、あたしにはとてもできない。
 本当によくしてくださるんだよ。
 あたしみたいな庶民を…って、お二人や絵夢ちゃん芽夢ちゃん、美作さんのご家族には感謝しかないよ。
 …ハァ~。 
 これって贅沢な悩みなんだろうね、きっと。
 彼氏のご家族が良くしてくれすぎて、申し訳ないとかさ。
 「ね、牧野も写真ないの?」 
 「へ?」
 「写真だよ、写真。彼氏の写真」
 「あ!あたしも見たい」 
 「あたしも、あたしもっ!」
 な、なんだか、美和の彼氏の話から、いつの間にかあたしの彼氏の話題へと完全に移ってしまっている?
 「え~、それが…そのぉ」
 「なによ?ないの?」 
 「…ない、かな」
 「嘘こけ」
 「嘘だね」
 「嘘だ」
 「…うう」
 全員に見破られてしまった。
 こんな時、嘘が下手な自分が呪わしい。
 どうやってこの窮地を逃れようか…。
 とはいえ、それほどたくさん持ってるわけじゃないから、あながち嘘とも言えないんだけどね。
 「お~い、そろそろ昼休み終わりだろ?誰か、これ、庶務の佐原さんのところに持って行ってくれないか?」
 天の助けっ!?
 課長の依頼に、ぴょこんと席を立って飛びついた。
 「はい!あたしが行ってきます!」



*****



 久しぶりに逢う美作さん。
 あたしの狭いアパートじゃあ、毎度のことながら違和感バリバリだけど、美作さん自体は気にしていないみたいで普通に寛いでくれている。
 …そういうのって嬉しいよね。
 渡されたスーツの上着を受け取ってハンガーにかける。
 グッとネクタイと首の間に指を入れて首元をくつろげる仕草が、なにげにセクシーだな、なんてつい見惚れてしまう。
 …いやいやいや。も、もしかしてあたしって欲求不満?え?
 ブンブンと首を振る。
 「なに?」
 「えっ!?」 
 「いや、挙動不審だから」
 「な、なんでもないっ」
 咄嗟に誤魔化したけど、小さく笑った顔が面白そうで、見透かされてしまっているのは明らか。
 気遣いの人だけあって、カンもいいからなぁ。
 「それより今回、海外出張のわりに駆け足だったんだね?」
 つい先日、イギリスに行ってくるよ、と言って、まさか3日もしないうちに、お土産持って帰ってくるなんてね。
 もしかして、ほとんど日帰りに近いんじゃないだろうか?
 「ん~、実はとんぼ返りで明後日からまた戻る」
 「え~」
 それを聞いただけでガックリ。
 どちらにしても多忙な人だから、日本にいたからっていつでも会えるわけじゃないけど、会おうと思えば会えるところにいるのと、逢いたいと思っても会えないのでは気分的にだいぶ違う。
 「寂しい?」
 「えっ!」
 「寂しくない?」
 図星を言い当たられて驚いただけなのに、切なそうに聞かれると弱いんだよね。
 たぶん、寂しいんだろ、って俺様よろしく言われてしまったら反発してしまうのに、そうやって一歩引いてしまわれると意地を張れずに本音を話してしまう。
 どうしてなのかな。
 正直に寂しいって言っても、美作さんにだってどうにもできないで困らせてしまうだけだってわかってるのに、どうにもできなくっても受け止めてくれるってなぜか信じられるからなのかもしれない。
 「…すごく寂しい」
 「俺もだよ」
 ちゃぶ台の前に腰を下ろした美作さんが、おいでおいで、っ横を叩いて誘ってくれる。
 「あ…お茶入れるから」
 「いいよ、お茶ならあとで俺が入れてあげるから、俺の隣に座ってよ」 
 なおも言われてしまうと、逆らう理由も見つけられずに、美作さんの横にあたしも腰を下ろした。 
 …なんだかドキドキする。
 ずっと学生の頃から友達で、この人のことをお兄さんみたいに思っていた時もある。
 友達だった時にはそんな風に感じたことはなかったのに、時々、ふわりと香る美作さんのフレグランスの匂いとか、シャツ腰の体温がひどく落ち着かなくって、わぁっとか、ひえっとか、自分でもよくわからない情動の高まりに緊張したり興奮してしまう。
 嫌なわけじゃないのに、もうそれだけで一杯一杯。
 とてもじゃないけど…キスしたりとかそれ以上のこととかになると、テンパってしまって凄い挙動不審になっちゃったり。 
 ずっと大人の女性とばかり付き合ってきたこの人が、こんなあたしで大丈夫なのかと、時々不安になってしまう時もある。 
 …こんなあたしでいいの?
 …付き合ってはみたけど、やっぱりあたしじゃ物足りないんじゃないの?とか。
 「何考えてる?」
 「え?」
 「…眉間に皺」
 チョンと突っつかれて赤面してしまった。
 照れ隠しに突っつかれた眉間に触れてみると、本当に我ながら凄い皺になってて驚く。
 「本当だ」
 「あのな」
 「ん?」 
 肩を抱いてくれる力強い腕に身を任せて、頭を美作さんの肩に凭れる。 
 それでも、こんなことまではあたしにもできるようになった。 
 素直に甘えること、温もりを受け入れること―――意地を張るばかりだったあたしにそれを教えてくれた人。
 「…俺はお前の意地っ張りなところや、自立心旺盛なところも好きだよ」
 「なに?急に?」
 思わず寄りかかっていた体を起こして、目をパチクリ美作さんの顔を見返した。
 「でも、寂しさや逢いたい気持ち、不安はもっと口にしていいんだ」
 「………」
 「人は言葉にしなければ、分かり合うことなんてできない。好きになれば好きになるほど不安だったり寂しかったり…逢いたさが募ったり。でも、それを互いに言わなくてもわかってくれと言うことは、ワガママなことだと思うよ?」
 ワガママ―――。
 もっと頼れと言われることはあっても、それをワガママと言われたことはなかった。
 でも考えてみれば我慢してもそれはけっして納得じゃなく、いつもどこかで我慢している自分を不満に思って、そんな気持ちを自然にわかって欲しいと思っていた気がする。
 美作さんの言うとおり、人は自分の気持ちを口にしなければ、本当の意味で分かり合えるはずがないってことなんて、とっくにわかっていてもいいはずなのに。
 いつまでも子供で、バカなあたしは、いつも迷って…自分だけでなく大好きな人までも傷つけているばかりだ。
 「牧野が望んでくれたからって、お前の望みを俺は叶えてやれないかもしれない。でも少なくても、伝えてくれることで、俺は牧野の気持ちを知ることができる。それにたとえお前が素直な気持ちを俺に言ったからって、俺もできないことはできないって言うんだから、遠慮なんかしなくていいんだ」
 「美作さん」
 「俺は無茶なことはしない男だよ?」
 そうだよね。
 あたしを愛してくれることとは別に、この人は自分のやるべきことをちゃんとやれる人なんだから。
 「俺に望んでることある?」
 自分の心に聞いてみる。
 「もっと、たくさん逢いたい」
 「それから?」
 「出張に行っちゃった時や、忙しい時にはせめて電話やメールが欲しい」
 「うん、了解」
 それでも美作さんなりに精一杯に努力してくれてることは知ってる。
 だから、これまでも不満に思ってはいなかったけど、でも寂しい気持ちはどうしてもあるから。
 「他には?」
 「二人の写真がもっともっと欲しい」
 「写真?」
 「うん」
 これまで…美作さんと付き合いだしてからのあたしは、特に、そういう普通の恋人同士がしていることにこだわったことがなかった。
 以前、少女の頃のあたしは、それでも普通の付き合い、普通のデート、そうしたものに憧れたこともあったけど。
 ないものねだりはしても仕方ないって。
 高価な贈り物を厭ったり、身の丈に合わない待遇を忌避することとは裏腹に、そんな諦観があった。
 でも…。
 「美作さんがいない時には、二人で撮った写真を見たり、美作さんとお揃いのこの時計を見たりして、もっと美作さんのことを感じたいの」

あなたの声を聞かせて?



~FIN~



アヤメ:よい便り、メッセージ、希望
アヤメ

【自分の人生には、自分で責任を持つべきだから、ただ自分を幸せにしてくれる白馬にまたがった王子様を待っているなんてダメ。自分の将来は、自分で切り開いていかなきゃね。】
~キャメロン・ディアス(米国の女優 / 1972~) 参照 名言+Quotes

熊本(大分・宮崎)支援情報まとめ→http://www.aratana.jp/pray_for_kumamoto/




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こういう優しい時間も良いですね♪
最近あきら君にはまりつつあります…
でもやっぱりつくしの部屋が一番似合わない気がします笑
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