「だから今日も I'm so happy…百回分の花をあなたに」
司②

昨日の敵は今日の味方?

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~だから今日も I'm so happy~


 「お…」
 隣に立っていた道明寺の顔を顰めてスラックスのポケットを探る仕草に、仕事関係の電話が入ったことに気が付く。
 「西田さん?」
 「だな」
 「って、ちょっと!なに電源落とそうとかしてるのよっ!!」
 慌てて制止したけど、とりあげようとしたあたしの手を避けて、頭上高く手を挙げたまま電源ボタンを操作して本当に電源を落としてしまう。
 「もう!なにやってんのよ」
 ぴょんぴょんジャンプしてるあたしをニヤニヤ眺めて、ポンポンとかあたしの頭を叩いて子供扱いしてくるけど、大事な連絡だとわかっていてそんな行動しちゃっうあんたの方がよっぽどガキだから!
 「無理すんな、チビ」
 「あんたがデカすぎるだけでしょっ!?」
 渡された携帯の画面は当然のことながら既に真っ黒け。
 すぐに電源を入れたけど、珍しく再び鳴り出す様子がない。
 「ハァ、どうすんのよ」
 「あらかじめバカンス中は、メール以外連絡受け付けねぇって言ってあったし、諦めたんじゃねぇの?」
 「…諦めさせてどうすんのよ」
 西田さんだってそういう指示を受けて、こいつの性格を熟知してるんだから、ちょっとやそっとのことで連絡なんかしてくるはずがない。
 それなのに、あえて電話してくるってことは、よほどのことなんでしょ?
 「ねぇ、あんたからかけ直しなさいよ」
 「平気だって。うるさくかけて来ないってことは、なんとかするんだろ?」
 「いいから!」
 ブーブー言い訳こいて、電話をかけ直すことを回避しようとする男の背中を無理やり店から押し出して、電話をかけ直しに行かせる。
 「チッ、こんなことなら電話ごとホテルに置いてくるんだった」
 さかんにボヤいている男を無視して、さっきまで二人で覗いていたショーケースの前に戻り、目の前のアクセサリーに集中するフリ。
 「仕方ねぇから、電話して来るわ」
 「うん、そうして」
 「すぐ、戻ってくるから、キョトキョトしてどこにも行くなよ」
 「行かないわよ」
 って、いうか、こいつってあたしのことよほど子供みたいに思ってるか、信用してないんだな。
 二言目にはキョトキョトとか言って、ちょっと目を離すと迷子になったりどこかに行っちゃうみたいに思ってる?
 「…仕方ない、は、こっちの言いたいことだわよ」
 それでもこんな海外で本当に迷子にでもなって、迷惑かけるわけにはいかないから、それほど興味もないショーケースの中身を見て時間を潰すことにする。
 さっきまでは、道明寺相手にあれこれ勧めていた店員さんの売り込みを適当にあしらう。
 でも、やっぱりあたしも女の子なんだよね。
 見ていれば綺麗だと思うし、値段を見るとぐへってなるけど、やっぱり自分が身につけているところを想像したり、こういうのが好きとか好みじゃないとか、それなりに楽しめた。

昨日の敵は今日の味方?

 …いつもみたいに値段を想像するのもおっそろしいオーダーメイド品とは違って、ここら辺のだったら買ってもらっちゃてもいいかなぁ。
 というか、たぶんそんなあたしの心情を汲んで、いつもだったら奥の接待室で接客させる道明寺が、こうして一般フロアにあたしを連れてきたんだと思う。
 まあ、このバカンス中のあたしはあいつの奴隷?らしいし、『ここら辺のアクセサリー』って言ったって、一介のOLが普段使いで身につけるには0が一つ多いけど。
 「あら?もしかして、そこにいらっしゃるのは、牧野さんじゃありません?」
 妙に甲高くて甘ったるい声音に名前を呼ばれて振り向けば―――ゲッ、浅井。
 まさかこんなところで…日本を遠く離れて、海外の南の島で出くわすとは思わなかった、懐かしい顔。
 え~、偶然とはいえ凄くない?
 大学を卒業して以来だから、2年ぶりくらいなんじゃないの?
 相変わらず黙っていれば、それなりにお金持ちのお嬢様らしい煌びやかで華やかな美人風。
 …コテコテだけどね。
 つい黙ってジロジロ見てしまっていたら、あたしが自分を憶えていないと思ったらしく、ムッと顔を引き攣らせて睨まれてしまった。
 「あらやだ。まさか栄養が頭に回らなくて、記憶力まで低下されましたの?美貌やステータスは枯渇されていても、それなりに頭はよろしかった気がしたんですけど?」
 「…憶えてるわよ、浅井さんでしょ?」
 忘れたくっても忘れられないわよ、普通。
 かなり悪質な嫌がらせに始まって、あんたたちには殺されかけたこともあるんだから。
 「あら、良かった」
 良かった…とかなんとか言って、悪意たっぷり美人台無しの意地悪そうな顔をして笑う女の顔に、やっぱり忘れたフリした方が良かったかもと、出口へと視線を走らせる。
 …まだ、道明寺、戻ってこないな。
 携帯持ってるし、外で待ってようか。
 「えっと、あたし連れがいるんで…」
 また、とは言わない。
 おざなりに頭を下げて、横をすり抜けようとした進行方向に立ち塞がられる。
 …おいおい。
 マジですか。
 学生時代ならともかく、お互い学校も卒業していい大人になったんでしょ?
 「まさか、ド貧乏…いえ失礼、慎ましやかな生活を営んでいらっしゃるあなたと、こんなところでお会いするとは思いませんでしたわ」
 「…そうだね、あたしも思わなかったわ」
 「ここへはどなたといらっしゃったの?まさかお一人ってこともないんでしょ?」
 「あんたに関係ないと思うけど?」 
 いやぁな雰囲気に、大人の対応も忘れてぞんざいに返事を返す。
 そういえば在学中、何度か道明寺が大学に迎えに来たりして噂になったりもしたけど、基本箝口令を引いてもらってたから、こいつはあたしが道明寺と続いてるって知らなかったのかも。
 大学を卒業した後も、すぐに婚約だ、結婚だ、発表だと煩い男の口を塞いで、同棲することと引き換えに黙らせた経緯もある。
 「どいてくれる?」
 「やっぱり庶民は庶民同士、あなたの身の丈にあった方を見つけられたのかしら?それともまさか道明寺さんにフラれて、まだ諦め悪く花沢さんの周囲をウロついてらっしゃるとか?」
 …なんなんだ、こいつは。あたしが身の丈にあった男を見つけようと、道明寺にフラれようと関係ないでしょうに。
 いや、そもそもフラれていないし。
 大きくため息。
 「はぁ~」
 「なんなの?その態度?せっかく高校時代のクラスメートだと思って、わざわざ声をかけてさしあげたというのに」
 「…いや、全然ありがたくないから」
 無視してくれてかまいません。
 それよりも、聞き捨てならないのは、
 「類の周囲をウロついてるって、いったい何を諦めてないっていうわけ?あんたはいったい何が言いたいのよ?」
 「あなた、この間の●×興産創業70周年パーティで、花沢さんと一緒にいらしたでしょ?!」
 「…あ~」
 そういえば、あったあった。
 とは言っても、もちろん類のパートナーだったとかじゃなくって、道明寺に無理やり連れ出されたパーティで、あの時は一時帰国していた類にたまたま出くわしたんだっけ。
 で、道明寺が席を外している間、ちょっと二人で立ち話してたのを目撃されたと…。 
 そのわりには、その時には声をかけられなかったわよね。
 「…その時に声かけてこなかったくせに、なんでいまさら?」
 あたし的には思ったことをそのまんま口に出しただけのつもりだったんだけど。
 何かが逆鱗に触れてしまったらしく、浅井の小奇麗な顔がカッと紅潮して、元々の狐目がさらにつり上がった。
 「あなた生意気なのよっ」
 「…………」 
 「学生時代のご縁をいまだに利用して、何様のつもりっ!?あなたなんてねっ」
 「……なにやってんだ?知り合いか?」
 ついエキサイトしてしまって(主に浅井がだけど)、ツレの存在をすっかり失念してしまっていた。
 「……あ」
 「え?」
 いつの間に戻ってきたのか、すぐそばに歩み寄ってきた道明寺が怪訝に浅井をいちべつして、あたしの腰を抱く。
 いつものあたしだったら、即座に振り払っちゃうところなんだけど…。
 「牧野?」
 「…あ、うん、えっとぉ」
 一応は知り合いかと聞いたくせに、浅井をいちべつした後はまったく興味なさそうな道明寺にどう言ったものか迷う。
 っていうかさ、あんた、こいつのことまったく憶えていないわけ?
 そりゃ、あくまでもあたしのクラスメートであって、直接道明寺とは関わる機会は少なかったかもしれないけど、カナダの道明寺の別荘では一緒に泊まったこともあるし、あたしを追いかけて?熱海にクルーザーで現れた時にも彼女、あんたの船に同船してたよね?(うっはぁ、古い話)
 それに、たしか元々浅井って道明寺のファンで、何かと纏わり?ついていたはずだ。
 まあ、潔癖な男だから、こいつに限らず、そうそう女の子を傍に寄せ付けたりはしてなかったけどさ。
 「ここのは、あんま気に入ったのないみたいだから、あっちの店行くか。俺はブルガリばっかだけど、最近はハリーウィンストンとか、ヴァンクリーフ&アーペルの方が女には人気があるらしいし、どうせだからお前がちょっとでも気に入ったやつは、好きなだけ買ってやる。普段使いのだったら、いくつ持っててもいいだろ?いろいろ見てこようぜ」
 「…いや、そんなにいらないって」
 というか、いったいそんなにたくさんアクセサリー買ってもらって、あたしにどうしろって言うのよ。
 あんたの言う普段使いは、全然普段使いじゃないから。 
 「言ったろ?俺がお前に貢ぎたいの。お前は黙って買わせてろ」
 …ここに来てからの決まり文句の、『お前、俺の奴隷』はともかくとして。
 甘く艶めいた眼差しであたしの目を見つめる道明寺に、手を掲げ持たれて、さっき他の宝石店で買ってもらったばかりの指輪のハマった薬指にチュッてキスを落とされた。
 うっはぁ。
 もう…なんていうか、とてもじゃないけど、この砂吐きそうなラブい雰囲気に抗う気力が起きない。
 そのまま腰を抱かれて、店の出入り口へとエスコートされる。
 「ど、道明寺さまっ!」
 裏返った声の呼びかけで、そういえばすっかり浅井の存在を忘れていたと振り返った。
 「…………」 
 「………?」
 「わ、私!牧野さんの高校時代の親友の浅井百合子ですっ!!」



~FIN~



フリージア(紫):憧れ
紫のフリージア

【希望のために扉はいつも開けておきましょう。】
~エリザベス・キューブラー・ロス(スイスの女性精神科医、作家 / 1926~2004) 参照 名言+Quotes

熊本(大分・宮崎)支援情報まとめ→http://www.aratana.jp/pray_for_kumamoto/




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こんな夜中に吹いちゃいました!!笑
出た浅井っ!!
ホント彼女が現れるとコントちっくになりません?
あー、久々に出演いただけると笑顔になれます笑

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