「だから今日も I'm so happy…百回分の花をあなたに」
司②

恋人たちの休息

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~だから今日も I'm so happy~


恋人たちの休息

 「ふわぁ、凄い青い海ぃ!」
 バルコニーから見渡す限り四方180度、見えるのは青い海と、その青い海よりはわずかに淡い色合いの青い空!
 「気に入った?」
 「うん!凄い素敵」
 道明寺に連れて来られた、新婚旅行のメッカで知られる南国リゾートの一つの島。
 旅行に行くって聞いた時には、てっきり道明寺家所有の島やリゾート施設に来るものだとばかり思ってたけど、ゲンが悪いとか言われて、メイプル系列ではあるけど広大なレジャー施設を併設しているホテルに宿泊することになった。。
 まあ、たしかに高校時代、道明寺と一緒に旅行に出かけると、必ずと言っていいほどトラブルに見舞われて、ロクなことがなかった気がする。
 まだ付き合っていない時に強引に連れて行かれた道明寺家所有の島では、類と…え~あ~いろいろあってこいつとは気まずくなっちゃったものだし、道明寺がNYに行く直前に過ごしたオープン前のリゾートでは、結局あたしが熱を出しちゃって…その後、遠恋を終えるまでプラトニックで交際を続けることになってしまった。
 あたしにしてみれば、それはそれで清く美しい青春の思い出?だし、無事に終わった今なら悪いことではなかったと思う。
 でも、道明寺としては、やっぱりそれなりに思うところがあったらしい。
 「まだ、この時間帯ならそんなに暑くもねぇけど、昼間になるとその格好じゃ、ちょっとキツイから着替えてくれば?」 
 「あ~、でもぉ」 
 「主寝室のクローゼットの方に、何着か着替え、用意させてあるから好きに選んでこいよ」
 「…ありがと」
 いつもながらのいたれりつくせり。
 当初、荷造りするつもりだったあたしだけど、週半ばでいきなり旅行を言い渡されて、そのせいで残業しまくるハメになってたから、とてもじゃないけど旅行グッズを用意する暇なんてなかった。
 そうでなくても、身一つあれば十分、用意なんかいらねぇって言われてたから、まあ予想はしていたけどさ。
 バルコニーから部屋に戻ると、着替えて来いと言った当の本人はまだ着替える気がないのか、カウチに寝そべってしまって動く気配がない。
 「あんたは着替えないの?」
 「俺はまだいい。どうせ女と違って、たいして準備とかねぇし…着替えたら買い物行くから、その準備もしておけよ」
 「うん、わかった」
 とはいえ、あたしも元々たいしてシャレっ気がある方じゃないから、それほど準備に時間がかかるわけじゃないんだけどね。
 でも、なんだか気だるそうな道明寺の様子を見ていると、本人の意気込みはともかくとして、少しは部屋でゆっくりしていた方がいいんじゃないかって気がする。
 たしかにあたしと違って予想外の旅行ってわけじゃなかったんだろうけど、ある程度は計画していたにしろ、道明寺にしてみたって何週間も前から準備していて黙っていたっていうより、たぶんスポット的にできた緩いスケジュールに無理やりオフを捩じ込んだってところなんだろうと思う。
 当然そのぶん、仕事のしわ寄せはあっただろうし、実際にここ数日会社に連泊していて、プライベートジェットの発着場で顔を合わせたのが3日ぶりのことだった。
 こいつの顔を見た瞬間、あまりのヤバい顔色に、何度旅行を思い留まらせようと思ったことか。
 でも、どのみち屋敷やマンションでオフをとっても、何事かあれば社に呼び出されてオフどころではなくなるんだし、それくらいなら会社に戻れない遠方地に出かけてしまった方がよほどイイというこいつの主張に負けてしまった。
 …いいのか、それで、って気持ちもなくはない。
 飛行機の中でも、なんだかんだとあたしにちょっかいをかけてきたり、意外に近場なのかたいして到着まで時間がかからなかったし、車でのホテルまでの移動中も、何度か会社から電話があったりして結局仮眠をとる時間もなかったんだよね。
 「あのさ、このあと誰かと約束あるの?それか、なんか予約してたりする?」
 「あ?いや、別に完全にノープラン」
 「じゃあ、あたし、ちょっとシャワー浴びてきていいかな?移動する間もちょっと蒸し暑かったから、少し汗ばんじゃってる気がするんだよね」
 「ん?いいけど。俺も一緒に入るか」
 「は?」
 いやいやいや、それは勘弁でしょ。
 お出かけどころか、せっかく南国リゾートに遊びに来て、一日中ホテルに缶詰になりかねない。
 「冗談だよ、お前が一緒に入りたいっつーなら、俺としてはやぶさかじゃねぇし、大歓迎なんだが」
 「…冗談でけっこうです」
 「ぷっ。ま、お前が心配してるとおり、それすると今日一日ホテルに引きこもって、お前をベッドに縛りつけることになっちまいそうだもんな」
 「…………」
 野獣男も自分のいつもの行動に対する自覚はあるらしい。
 「それは夜までのお楽しみにとっておいて、とりあえずはお前を楽しませるつもりだし?」
 「…ありがとうございます」
 深々頭を下げる。
 やや慇懃無礼だけど、まあ、そこのところは本心だもん。
 「お前がシャワーしてる間、俺は一休みしてるわ」
 「うん、それがいいよ」
 小さく笑って、手を伸ばしてくる男の傍らに歩み寄って、求められるままに頬へとキスを落とす。
 「…じゃ、支度してくるから」
 「おう」



*****



 サラサラサラ。
 シャワーを浴びて寝室に戻ると、開け放たれた窓のカーテンの隙間から気持ちのいい海風が吹き抜けて、湯の温もりに火照った体をちょうど良く冷やしてくれる。
 …もうちょっとすると今度は急激に温度が上がって暑くなるから、窓を閉めて冷房を入れないといられないらしんだけどね。
 緯度が違うだけで、ほとんど経度的には同じ地域。
 時差もほとんどないから時差ボケはないんだけど、かなり早朝に出発したせいでさっきまで少し眠かったのが、シャワーを浴びて頭もシャッキリとした気がする。
 そうなると、道明寺の仕事や急に連れて来られた旅行で迷惑をかけた自分の仕事のこととか、あれこれ思い悩んでいたことも脳裏の端に追いやられて、窓から見える異国の景色にワクワクと気分が高揚し出した。
 …そうだよ、もう来ちゃったんだもん。あれこれ思い悩んでたって仕方がない!
 楽しまなきゃ、損だよね。
 なんて我ながら現金だけど、楽しみになってくる。
 ノープランとか言ってたけど、ホテルから出かけるつもりらしいし、あいつ今日一日どうやって過ごすつもりなんだろう。
 飛行機の中では、旅行の間中、あたしは『奴隷』とかなんとか空恐ろしいこと言ってたから、てっきり別荘かどこかに引きこもってのんびりするつもりだとばかり思ってた。
 …いまさら、あいつが観光とかするわけないよねぇ。
 「ま、いいっか」
 どうせこうと思ったら、人の言うことなんて聞かない男なんだし、任せておけばいい。
 どう過ごすにしろ、優柔不断で無意味に過ごすなんてことはないだろう。
 「うわぁ~、相変わらず…限度知らないんだから」
 クローゼットを開けて、苦笑してしまう。
 たしかに世田谷のお屋敷やあいつがキープしている六本木メープルのスウィートルームのクローゼットほどじゃないけど、いったい何泊するつもりなんだっていうほどのあたしの服が収納されている。
 「あ、このワンピース可愛い」 
 まさか道明寺自ら選んだってわけじゃないとは思う。
 でも、いつもながらあいつの好みそうなセンスのいい可愛い服ばかりで、お店なんか行かなくっても、自前でファッションショーが十分楽しめてしまう。
 …しかも、これがけっこうあたしに似合っちゃうんだよね。
 たぶんあたしが自分で選んだらこういう服は選ばないだろうとは思うけど、よほどあたしのことを熟知されているらしく、いざ着てみると自分が選んだ服より、ぴったりと似合ってしまうから毎度のことながら驚き。
 「どっちにしよ」
 Vネックのボヘミアン・エスニック調ワンピースと、膝下が透かしになっている大花柄のミモレ丈オーガンジーワンピースとで迷って、どうやら街中に出るつもりらしいし、たまにはデートらしい可愛い服にしようって、花柄のワンピを着ることにした。
 …どちらかといえば、ラフなエスニックワンピの方が好みなんだけどね。
 こっちだと、けっこうマンションでも着てる服に似ていたりするし、ここはあくまでもリゾート!
 いつもよりは少し厚めにファンデーションを塗って、濃い目のメイクで整えて、大人っぽいシニョンに髪をまとめて後れ毛を散らす。
 「…うん、いいかも」
 我ながら、可愛い?
 姿見で最終チェック。
 ふふふふ。
 一緒に暮らしていて今さらって感じもあるけど、でもやっぱり普段のシチュエーションとは違う場所では、おしゃれしていつもより可愛い自分を彼氏に見てもらいたいってあるよね。
 …なんだかんだで、けっこう時間かかっちゃったな。
 もしかして、あいつのことだから、一休みするとか言っても、持ち込んでいるノートパソコンやタブレットでも引き出して仕事をしているかもしれない。
 寝室を出て、あいつが待っている居間へと戻る。
 「……あ」
 …寝ちゃってる。
 静かだと思ったら、どうやらあたしがシャワーを浴びに部屋を出て、座っていたカウチでそのまま寝てしまったようで、道明寺はさっきの姿勢のまま両手を組んで安らかな寝顔を晒していた。
 …そりゃあ、そうだよね。
 そっと物音を立てないように寝室に戻って、ベッドの上のタオルケットを手に取り、眠っている道明寺の傍ら肘掛へと腰を下ろす。
 と、ニョキって手が伸びてきて、タオルケットをかけて引こうとした手首を掴まれて、そのまま引き寄せられてしまった。
 「うわっ」
 モロに眠っている男の上に落下しないように、道明寺の脇に掴まれていない腕を突っぱねて、なんとか伸し掛ることは避けられた。
 「ん……」 
 起きちゃったのかな、って思ったけど、どうやら寝惚けていただけみたい。
 眠りは深く身動ぎ一つして、またスヤスヤと安らかな寝息を立てて眠りの世界へ。
 「…って、手を掴んだままなわけ?」
 引き剥がそうとするけど、今度は腰までガッチリと腕に巻き付かれしまった。
 仕方なく諦めて、空いているスペースへと体を割り入れて添い寝する。
 幸いスペース的にはそれほど窮屈じゃないけど…。
 …はぁ~、ワンピース、皺にならないかな。せっかくオシャレしたのにぃ。
 そんなことも思いつつ、無邪気な寝顔に苦笑して溜息。
 …天使の寝顔だぁ。
 いつも寝顔だけは可愛いこいつだけど、こうやってレースのカーテンに囲まれた明るい部屋で、そよ風に吹かれて眠っている姿は、とても普段の俺様男の面影もない。
 観念して掴まれたままの手首をそのままに、手を広い胸に乗せて目を瞑る。
 「しょうがないから、ちょっとだけだよ」 
 ちょっとだけお昼寝?に付き合ったら、この居心地のいい温かな場所から抜け出そう。 
 …ていうか、もうちょっとしたら暑すぎて、とても寝てられないかもしれないけどね。



~FIN~



スズラン:再び幸せが訪れる
スズラン

【終わったものはくよくよ考えても仕方ないから。】
~羽生善治(日本の将棋棋士、十九世名人 / 1970~) 参照 名言+Quotes

熊本(大分・宮崎)支援情報まとめ→http://www.aratana.jp/pray_for_kumamoto/




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良いですねー!
南国に至れり尽くせりの贅沢三昧に隣には極上の男!
最高です♪
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