「だから今日も I'm so happy…百回分の花をあなたに」
司②

My Sweet Lover

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~だから今日も I'm so happy~


 たま~に、本当にたま~にだけど、凄く疲れたなぁ、って思う時がある。
 我ながら突っ走り続けて、気が付けば…ホント、いろいろなことがあったけど、いつでも『負けない!』その一念やってきた。
 でもね。
 なんていうか…毎日がジェットコースターみたいだった高校時代を通り過ぎて、がむしゃらに頑張った大学時代、遠恋時代も終えて、あたしが想像していたような平凡な未来とはちょっと違うかもしれないけど、まあまあ平和で穏やかな毎日がやってきたのに、やっぱり細々とした小さな悩みは尽きなくて…もちろん、そんなの当たり前なんだけど。
 ん~なんだかなぁ、昔のあたしより弱くなってしまった気がするんだよね。
 なんでだろう。
 人ってさ、たくさんのことを経験すると強くなるって言うじゃない?
 でも、全然そんなことないんだよね。 
 重い足を引きずって、セキュリティバリバリのマンションのドアを開け、間接照明だけが点った仄かに明るい玄関ドアを開けて右左。
 …やっぱりいないかぁ。
 そりゃそうだよね。
 ここのところ、道明寺はずっと忙しくて、会社から帰れても午前様近く。
 そのまま社泊してしまうことも珍しくない。
 もちろん、そういう時にはあらかじめ連絡してくれるから、特にメールも電話もないってことは帰ってはくるつもりだってことだけど、今、ここにあいつが帰ってきてくれていないということに、あたしは思わぬほど落胆してしまった。
 道明寺がいてくれたからって、素直に彼に甘えたり頼ったりできるあたしじゃないのにね。
 それでもあの大きな体に懐いて、抱きしめられたかった。
 なんだよ?って、甘く微笑んで、頭を撫でてくれるだけで復活できるのに、なんてさ。
 まあ、実際、いればいるで、ただそれだけってわけにはいかないものなんだけどね。
 それでも一人鬱々としているよりずっといいし、たぶん、あいつとあーだこーだとやりあってるうちに、こんなネガティブな気分も忘れてしまえる。
 「ただいまぁ」
 誰もいないとわかっていて、それでも習慣的に一声呟いて、部屋へと入る。
 あたしが今まで住んでいたアパートからすれば、夢みたいに綺麗で豪華でいつでも明るい部屋なのに、こういう気分の時にはかえってこの広さや明るさが落ち着かなくて…寂しい気がする。
 …今日、あいつ、帰ってくるのかなぁ。
 そんなことを思いながら、手近なところへと鞄を放り投げてソファに座り込む。
 本当はこういう気分の日はさっさとお風呂にでも入って、寝ちゃった方がいいんだよね。
 …道明寺、帰ってきてくれないかなぁ。
 両膝を抱え込んだまま、スーツのポケットからスマホを取り出して、メールや電話の有無をチェックする。
 やっぱ、連絡ないか。
 落胆―――。
 あたしから連絡しちゃう?
 ダメだなんて言われてないけど、それでもやっぱりあっちは仕事してるのに、って思うと躊躇してしまうし、あいつの立場や仕事のことを思うと敷居が高い。
 でも、今日、帰って来れるのかくらいは聞いても大丈夫だよね?
 電話じゃなくても、せめてメールとか…。
 えいや!で、道明寺のアドレスを呼び出そうとしたその瞬間、その当の道明寺からのメール受信音がピロロ~ン。
 「………ハァ」
 メッセージを一目確認して、ガックリ。
 携帯を握り締めた手の甲に顔を伏せて、大きく溜息。
 「凄いタイミング…」
 『今日は午前様になりそうだから、こっち泊まるわ。腹出して寝るなよ』
 撃沈。
 もう、このままここで寝ちゃおう。
 咎める人間も帰ってこないんだし、空調完備のこの部屋で、頑健なあたしが風邪引くってこともないでしょ。
 ズズズズズ…って背もたれをずり下がって、ソファに横倒しに横たわったまま、携帯電話をコーヒーテーブルの上にゴロンと転がす。
 …ま、一眠りすればこんな気分も忘れちゃってるかな。




*****



 ユラユラ。
 なんだか揺り椅子にでも揺すられているようないい気持ち。
 ぼんやりした意識が浮上して、ふわっと香った馴染んだ甘い香りに目を薄らと開く。
 …あや?
 すっと伸びた長い首の男らしい喉仏。
 なんとな~く手を伸ばして、スルリと撫でたのは無意識で、寝ぼけた頭のよくわからない行動。
 「うわっ」 
 さすがにいきなり喉元を撫でられて驚いたらしい。
 あたしを抱えてた道明寺が仰け反って、驚いた拍子に腕の力が緩んだ。
 「うぎゃっ!!」
 危うく放り投げられそうになってしまって、慌てて逞しい首に両腕を回して必死でしがみつく。
 道明寺もとっさに抱え直してくれたから、なんとか落とされずにすんで、ホッ。
 「…お前なぁ」
 「いっひ~、こ、怖かったぁ。もうっ、落とさないでよっ」
 「お前のせいだろ…まったく」
 ブツブツ言いつつも、いつの間にかたどり着いた寝室のベッドへと優しく下ろされた。
 「今の一瞬で、絶対10年はあたしの寿命縮んだ」
 上目遣いで恨み言を言うと、しょうがなさそうに溜息をついて苦笑して、くしゃりと髪を撫でられる。
 「この俺がいくら驚いたからって、お前を落としたりするわけねぇだろ」
 「…まあ」
 いつの間に帰ってきたんだか。
 上着は脱いでるけど、まだワイシャツ姿の美男が、ボウッと座り込んでるあたしの横にドサッと腰を下ろし、肩を抱き寄せて軽いキスを頬にくれる。
 チュッ。
 コツン。
 頭をもたらせた逞しい肩の感触が、心強い。
 シャツ越しにじんわり染みる温もりに慰められる。
 「ソファでなんか寝てるなよ。疲れてんなら、さっさとベッドで寝ろ」
 「…うん」
 襟元を寛げてネクタイを緩める仕草が無駄にセクシーだ。

My Sweet Lover

 こいつをこうやってしみじみ眺めることなんて滅多にないあたしだけど、やっぱ、こいつってカッコイイ男だよねぇ。
 そんなことをぼんやり考えながら、見るともなく道明寺を眺めていたら、ん?ってあたしの視線に気がついて、怪訝そうに首を傾げてくる。
 「なんだよ?寝ぼけてんのか?」
 「…ん~、そかも」
 苦笑されてしまった。
 「帰って来たんだ?」
 …社泊するってメールしてきたのに。
 言わなくても、あたしの思ったことが伝わったらしい。
 道明寺が肩を竦めて、あたしを振り返ったまま、ベッドから立ち上がった。 
 「泊まっちまおうと思ったんだけどな。どうせ終わんねぇなら明日も忙しいし、せめてお前の顔くらい見てぇって思ってな。その代わり、明日は早めに家を出る」 
 「そうなんだ。あんたも大変だね」
 多分、寝ぼけてたんだと思う。 
 あたしを見返す道明寺も不審げだった。
 いや、そうだよ、そうでもなければ、そんな行動をとるなんて絶対あたしのキャラじゃない。 
 だけど…。
 「とりあえずシャワー浴びてくるわ。お前は…っ!うお?」
 シャツを脱ぎ捨てながら、寝室を出ていこうとする道明寺の腰に両腕を回して抱きつく。
 抱きつくっていうより、しがみつく?
 ガッチリした感触が温かくて、ふんわり香る道明寺のいい匂いが凄く気持ちを和ませてくれて、ああ…道明寺だぁ、なんて当たり前のことを思う。
 「……なんだよ?やっぱなんかあったのか?」
 さすがに怪訝に思ったらしい道明寺が、腰をひねるようにしてあたしの顔を覗き込んでくる。
 「ん~、そういうわけじゃないんだけどね」
 「…ふん?」
 でも、あたしも聞かれたからって素直に悩み事とか愚痴とか言えるタチじゃないのはこいつだって、長年の付き合いだからわかっている。
 だからだよね。
 シャワー室に行くのはやめて、再びベッドの上に腰を下ろしたと思ったら、腰に懐いたままのあたしの腕を外して、今度は道明寺の方があたしを抱き込んで、そのままあたしごとベッドへと倒れ込む。
 額と額を合わせて、目を覗き込んでくる。
 …どうした?
 って、尋ねかけてくれる優しい眼差しに、なんだかわけもなく泣きたくなってしまって、ギュッと目を瞑る。
 大したことじゃないんだよ、たぶん、きっとね。
 でもさ、雑草みたいに図太いあたしでも、こんな風に日常の些細なことで、凄く落ち込んじゃうことがあるんだ。
 ただそれだけ。
 唇にチュッって、吸い付いてやったら目を丸くして、真剣に驚いているその顔が、なんだか可笑しい。
 …ふふふふ。
 「おい」
 「なによ?」
 「誘ってんのかよ」
 ん~、そういうわけじゃないけど。
 でも、ただ離れないで欲しい、抱きしめていて欲しいとか、あたしのキャラじゃないし、こいつからしたら拷問だよね?
 もうウブな付き合いなんかじゃないし、さすがのあたしも男の機微?ってヤツも多少はわかるようになっているからさ。
 「嫌なの?」
 「いや…んなわけねぇけど、激レア」
 顔なんて赤らめちゃって、変なところでこいつってウブいっていうか、いまだに照れるんだよね。
 こういうところ可愛いって思うし、凄い好き。
 ゴソゴソとブラウスをスカートから引き出して、裾から入ってくる大きな手を許容する。
 今は一人にされたくなかった。
 そんなにすごいショックなことがあったとか、そういうわけじゃない。
 でも、こんな落ち込んだ気分の時には、こいつの温もりに包まれていたい。
 道明寺の優しい愛情に慰められて、眠れればきっと明日には、いつも元気なあたしになれるから。
 素肌に触れてくる熱い手のひらの感触を感じながら、あたしも腕を目の前の男の腰に回して、足を絡めてギュッてする。
 「はぁ~」
 「………」
 「…しょうがねぇな」
 何を思ったのか、ボヤいた道明寺がもぞもぞって態勢を変え、あたしを抱き込むように抱え直した。
 「道明寺?」
 「…お前、そのまんまの格好でいいのかよ」
 「…?」
 「そのまんまで、寝るのかっつーの」
 …そのまんま、って、このまんまだよね?
 「いい」
 「まったく…疲れて帰ってきた俺に、今度は我慢大会強いるのかよ?ただでさえ、毎日ひーこら馬車馬みたいにこき使われてるつーのに、蛇の生殺しとか、お前どんだけSなんだ」
 「なによ、Sって」
 …失礼な。
 「別にしたいなら、すればいいじゃない?」
 そこのところは許容してるんだからと、投げやりに言ってやる。 
 「はぁ~、いいよ。寝ようぜ」
 「…なんで」
 「なんだよ、したいならすればって。俺はお前のカラダだけが目当てのケダモノかよ?」
 ん?って、聞かれてブンブンって首を横に振る。
 そんなことは思ったことはないよ。
 あんたがあたしを愛して、大事にしてくれてるのは鈍いあたしだって、十分に知ってるし、あんたはいつもちゃんと伝えてくれてる。
 「本当はお前、別にしたい、って気分なわけじゃないんだろ?」
 「…………」
 「わかるよ。俺だって、お前がその気でもねぇのに、無理にしたいってわけでもねぇし」
 「え~、そう?」
 大抵、『あたしがそんな気がない時にでも平気で襲ってくるでしょ、あんた』と、胡乱な目で見てやる。
 「そうなんだよ。なんだかんだ、グタグタ言ってても、お前だってイヤじゃないだろ?いつもはさ」
 …まあ、そうかも。
 「その代わり、明日、浮上したら覚えとけよ、お前」
 「え~」
 それはそれで、怖いけど。
 「ほれ、寝るぞ」
 言葉のとおり目を瞑る道明寺の顔を下から見上げながら、気が付いたら、クスって笑ってしまっていた。
 お腹のところに触れる硬い感触が、道明寺が口で言うほど『いい』ってわけじゃないのを気づかせてくれたから。
 でも今は、そのあんたのやせ我慢に甘えさせて?
 あんたのその優しさに、愛情に、溺れてただ癒されたい。
 「うん…おやすみ、道明寺」
 「ああ、おやすみ」
 そっと目を閉じて、温かな素肌に寄り添って目を瞑る。
 あんたがいてくれれば、それだけであたしは毎日元気でいられる。
 昔は一人で立っていられた雑草で、今はもしかしたらあの時よりもずっと弱い女になってしまったのかもしれないけれど…それでも、あんたのおかげでどんなことでも頑張れる、乗り越えられる。
 あんたさえいてくれれば毎日がハッピーで。
 …大好きだよ。
 やがて、スースーって寝息が道明寺から聞こえてきて、あたしもトクントクっていう彼の心臓の音を聞きながら、ゆっくりと眠りの世界へと誘われていた。



~FIN~



チューリップ(ピンク):誠実な愛
ピンクのチューリップ

【人生とは自分を見つけることではない。人生とは自分を創ることである】
~バーナード・ショー(アイルランドの劇作家、ノーベル文学賞受賞 / 1856~1950) 参照 名言+Quotes

熊本(大分・宮崎)支援情報まとめ→http://www.aratana.jp/pray_for_kumamoto/




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司もつくしの機微には敏感で、ホント高性能センサーが働いてますよね!
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