「だから今日も I'm so happy…百回分の花をあなたに」

愛情+???

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~だから今日も I'm so happy~


 カチャカチャカチャ。
 お茶碗が立てる音にぼんやりと目を開ける。
 お昼ご飯を頂いて、少し眠って…けど、夜になってまたさらに熱が上がったから夕食はスキップした。
 一時期は40℃近くにも熱が上がったから、看病についてくれていたメイドさんも驚いて、病院に入院するのしないのと、ちょっとした騒ぎになってしまった。
 けれど、昼間看てもらったお医者さんにもらった解熱剤が効いて、ある程度熱も下がり、若くて体力もあるからととりあえずは入院は保留に。
 …ハァ。
 やっぱり疲れが溜まってたのかな。
 自覚がないでもない。
 ここのところ、バカみたいに残業を入れたりしてたもんなぁ。
 元々、仕事をすることは好きだし、今ちょうど職場的にも忙しい時期ではある。
 だけど…本当のところは類不足。
 恋愛体質じゃないと思ってたけど、出張前にも朝も夜もなくで忙しい類と顔を合わせることができないことが堪えていた。
 誰もいないマンションに帰るくらいなら…と、つい頑張りすぎてしまっていたのかもしれない。
 それでもだいぶ気分がいいから、体的には改善してるのかも。
 「ん?もしかして、目が覚めた?」
 柔らかい男の声音に、ガバッと体を起こした。
 「喉渇いてるでしょ?」
 「え?」
 …嘘。
 ほのかな間接照明に照らされてそこにいたのは、今まだイタリアにいるはずの類。
 …まさか、あたしったら、類逢いたさに幻覚を見ちゃってるとか?
 驚いているあたしをよそに歩み寄ってきた類が、片手に持っていたトレイをサイドテーブルの上に置き、ベッドの上に腰を下ろしてあたしを覗き込んでくる。
 「良かった。少し顔色も良くなってるね。熱も…うん、下がってる」
 あたしの額に片手を置いて、にっこり優しい笑顔。
 …類だぁ。
 どうしてとか、なんでとか。
 そんな疑問よりも、今ここに彼がいてくれることが嬉しい。
 「…どうしたの?どこか苦しいの?」
 心配そうな顔で、あたしの体を抱き寄せて、優しく背中や髪を撫でてくれる。
 ハッ。
 「る、類」
 「ん?」
 「は、離して」
 慌てて類の広い胸に手を突っぱねて、体を反らすあたしに類の顔が怪訝そうになった。
 「…あ、あたし凄い汗かいちゃってるから」
 たしか昨晩寝る時にはもう怠くて、シャワーも浴びずに寝てしまっていた。
 次の日に浴びればいいかとか思ってたけど…。
 「体拭いてあげようか?」
 「い~!?」
 じょ、冗談?
 「…本気だけど?」
 口に出していないのに返事が返ってくるのはいつものことだけど、その大真面目な顔での申し出がとんでもない。
 ブンブン頭を振って、断固、拒否をする。
 「やなの?」
 やなの、っていやに決まってんでしょっ!
 何を言い出すのよ、この天然王子様はっ!?
 「い、いい、いい」
 「遠慮しなくてもいいよ?」
 「……遠慮じゃないわよ!そんなんしてもらうわけないでしょ!?」
 なぜ、そんな不思議そうな顔すんのよ。
 普通ありえないわよ!
 「う~ん、まあ、どうしても嫌だと言うなら無理強いするつもりはないけど、変な牧野」
 いまさらなのにねぇ、とか、平然と言われて赤面する。
 そ、そりゃあさ、今更かもしれないけど、この人にそんなことをしてもらうほどあたしの根性はまだ座っていない。
 …いや、この場合は根性っていうより、乙女心?
 「ま、いっか。後で俺がお風呂にいれてあげるから、それでいいよね」
 「…は?」
 「それより、凄い汗かいちゃったなら、なおさら水分取ったほうがいいよ」
 「あ、うん」
 サラッと流され、聞き返す前もなく、類からスポーツ飲料のようなペットボトルを手渡されてタイミングを外してしまう。

愛情+???

 すでにキャップも緩めてあって、至れりつくせり。
 「一応、お粥も温めて持ってきたけど、食べるの無理そうだったら無理しなくていいよ」
 「…うん、ありがと」
 トレイには他に一人分の土鍋とお茶碗、それにまたも桃缶が乗っている。
 意外に気がきくっていうか、こういうところを見ると類って、普段なにもしないのもできないんじゃなくって、あえてしないだけなんだよね、きっと。
 それよりも…、
 「なんで、ここにいるの?」
 「ん?」
 「…いつの間に帰ってきたの?」
 まさか、あたしが眠ってる間に、数時間どころか何日も経ってたってことはないよね。
 そんな馬鹿なことを思って、苦笑されてしまう。
 「そんなわけないでしょ。牧野の体調不良を聞いて、すぐに飛行機に飛び乗ったんだよ」
 「え?」
 時差ボケで眠いとか言いながら、それでも何でもないように言ってくれる。
 「仕事は終わったし、余裕もあったんだから、そんな困ったような顔しないの」
 「…類」
 涙ぐんでしまいそうになったところを、軽く肩を揺すぶられて気にするなと窘められる。
 「申し訳ないと思うなら、一日でも早く元気になって、今度は疲れてる俺を牧野が癒してよ?」
 「…ぷ、なによそれ」
 病人に言うセリフじゃないでしょ。
 でも、その目を見れば、そんなことが本音なんじゃなくって、気にしいのあたしを気遣ってくれてるのだと容易にわかる。
 「ほら、水分」
 「ん」
 促されてペットボトルを一口口に含む。
 「うげ、なにこれ」
 …凄いマズイ。
 スポーツ飲料だと思ったのは間違いで、なんだか甘塩っぱくて、かろうじて冷たいからなんとか飲める感じの薄い塩水?
 「ん?経口補水液ってやつだね。スポーツ飲料だと糖分ありすぎるからさ」
 簡単にいうと、体液に近く塩分などの電解質や糖をバランスよく配合して、失った体液を補うためものらしい。
 「うちでも作れるんだけどね」
 「え?そうなんだ」 
 「でも、とりあえずはドラッグストアに行けば簡単に買えるものだから、買ってきちゃった」
 「…うん」
 正直、まったく飲みたいようなものじゃないけど、かといって子供みたいに好き嫌いするわけにもいかない。
 なぜなら、それはあたしが普段、類に口が酸っぱくなるほど言ってることだから。
 ハァ。
 …まずぅ。
 「ぷっ、俺はそんなに嫌いじゃないけど、…そんなにイヤなんだ?」
 「いや、たぶん飲みなれてないだけだと思うから…」
 大丈夫、といいかけて、ぐいっと首の後ろに手をあてらてて、さらに引き寄せられ顔をあげさせられてしまった。
 そして、あたしが手に持っていたペットボトルを取り上げ、類が自分の口に含んで――、柔らかな唇がポカリとアホみたいに開いていたあたしの唇へと降ってくる。
 え?
 う?
 へえぇぇ?!
 驚きのあまり目を見開いたまま…脳停止。
 喉を滑り落ちてくる水分をゴクリゴクリと飲み干して、超至近距離で視界一杯に広がっている類のビー玉みたいに綺麗な目から視線を外せない。
 「ん…コクン」
 飲み干した甘露は、自分で飲むよりマイルドな味わいになっている気がした。
 …って、それって、その…類の……が、混じってるからとか、どっへぇぇっ!
 思わず呆然とされるがままに二口目まで飲まされて、やっと我に返った。
 「ちょ、ちょっとぉ!」
 「少しは飲みやすくなった?」
 …え~。
 正直、飲みやすいもなにも、味なんか感じる余裕はなかった。
 あたりまえだけど。
 「もうちょっと、飲む?」
 「…いや、いやいや、そ、そうじゃなくって…いや、そうじゃないでしょ!」
 自分でも何を言いたいのかわけがわからない。
 うっかりしてると、またもペットボトルの水を口に含んで、あたしに口移ししてきそうな類を押しとどめてペットボトルを取り上げる。
 「か、か、風邪、風邪が移ったらどうすんのよ!」



*****



 結局、結論から言って、類はあたしの風邪は移らなかった。
 類曰く――、
 「俺って、けっこう丈夫だもん」
 そういえば、この人って真冬の非常階段でうたた寝してても、くしゃみ一つしたことなかったな。



~FIN~



レンゲソウ:あなたと一緒なら苦痛がやわらぐ、心がやわらぐ
レンゲソウ

【何より大事なのは、人生を楽しむこと。幸せを感じること、それだけです。】
~オードリー・ヘップバーン(英国の女優 / 1929~1993) 参照 名言+Quotes

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いやぁ、出来る男類君!
ものぐさな類君より、気を配れて動ける類君が結婚相手には良いけど、つくしちゃん限定なんだろうな笑
そろにしても、口移しだと飲みやすく?!なるんですね♪笑

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